僕だけが知っている、君の1



「お待たせしました。」

そう言って入って来た服の色にはた、と。止まる。おやまだ着替えていらしてなかったのですか。なんて灰色のくすんだ衣服に固まった。彼が来たということは、そう言うことだ。

「此方はお預かり致しますね。貴方も同じ態勢で疲れているでしょう?」
「い、え…、ありがとうございます。」

いえいえ。

コルンが捌けるとリキールもまたお辞儀をして扉をしめてやろうと思って少し考え、小さく戸を開けて出て行った。ソレを見て、くすりと笑った後律儀ですねぇ?と大神官は言った。

「貴方が教えてやったのですか?」

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暫く会話を楽しんだ。そう言えば貴方が作ってくれたのはシチューと呼ばれる料理だった。貴方が居た部屋にあった本をみたのだ。図書にも足を運んだ。貴方の記した本を、言語魚が出してくれたのだ。凄く残念そうにして。

「勝手ながらお読みしました。私も貴方とおんなじ気持ちですよ。」

ふわりと風が入ってくる。こうして穏やかな時間を過ごせるとは、思いもよらなかった。青い栞は何処にもない。あの日綺麗に消え去ってしまったのだ。彼女の目が閉じられた後、暫くしてから。それから色々思い出した。まるで守ってくれていたみたいだった。貴方の瞳を忘れそうで堪らない。怖いなんて、この私が思う日が来るとは思わなかった。

土に埋葬するなり火に燃やして火葬なんてするつもりなどさらさらない。誰がそんなものにいれさせようか。そのままがいいという全王様のお言葉により、貴方の保管は少々特殊となります。心臓の臓器やら何やらが腐敗しないよう、少々身体を特殊な液体に浸し切ります。勿論、その首元は一度取り外してやりましょう。大分使い込んでひび割れているのをそのままだったとは。余程気に入ってくれていたのですね。

新しいのを用意します。嫌というならば、今すぐ起きて否定してください。

「私も貴方の料理が好きだったので、また作って頂きたいのです。」

この期に及んで何をお前は言ってんだ。なんて言い出しそうで、笑ってしまえば、起きてくれるだろうか?


「暖かい季節になりますよ。」

貴方は冷たいままですね。なんていえば、いえばそういえば





「あ?蘇生?」
「ええ」
「…お前この期に及んで葬式でソレを言うか。等々気でも狂ったか」
「貴方が狂わせたのでは?」

それで、可能ですか?
…出来なくはない

「ほんとか?!?!?!?!」
「だがお前ら分かっているだろうが、蘇生は天使と同等の力を持っているも同然。」
「まあそうでなければ殺すなんて出来ませんしね」
「故に対価が必要になる。ゲームと同じである程度の強度が出たらそれ相応のデメリットも発生する。」

似たようなものだ。故に、

「[[rb:都結 > そいつ]]自身の精神が保つかどうかだ。」

そいつが死んだ後、生き返ったことに耐えられるか。耐えさせるじゃあ話にならない。

「我々らが使える蘇生はあくまでも大前提として死んだ当人が強い意志を持たねば意味がない。そもそもの生命は生きる命の力が溢れている。それを一度切った以上、もう一度、としてはいそうですかで同じ様に続けれたら今頃偉いことになっているからな。」
「まぁそれはそうですね。人類がもう少し良いように成長もしていそうですし。」
「俺らですら蘇生を極端に嫌うのは、単に相手が命を切らしても良いと思う奴らが多いという母数もあるし、如何せん蘇生をする側の消費も洒落にならない。こっちが引っ張られておじゃん、なんて報告はウン万件にも上がっているくらいだ。」

口を酸っぱく言われたもんだ。蘇生をするなら自分を活かせ、とね。下手に手を出して自分が死んだら元も子もないってことだ。

「理論上は可能ではあるし、それに死んでから早々時間が経っていない以上、今以外蘇生の機会はない。一度死んだ処から放しているからな。」
「出来るんですね?」
「理論上は、と言った。幾らお前達が望んでもそいつの性格を知っているのは俺ではなくお前達の筈だ。」

まぁ大体検討はつく。

「大方お前が生きて居ないと錯覚して死にたがっていたんだろうよ。魂の浮上が見受けられないということは満足をしている証拠だ。下手にこれ浮上させて生き返らせたら、人形みたいなものが寝転がるだけになるぞ?蘇生は一度のみというか一度蘇生した者が次は出来ないものになる。」

したら大抵消滅するからな。まぁ人口が溢れて居たらそれも出来なくはなかったが。勧めはしたくないな。

「如何せん蘇生する当人の記憶がダイレクトに入ってくる。範囲は広範囲だ。基本的に死んだ者を中心としてその惑星に居る者全員に通達する感じになる。それに生きていた奴等は何処に行った。確認が出来ないということはこの中に居る可能性が非常に高い。」

蘇生をするのに人が足りないとどうなると思う?

「見境なく同じ魂と同等になるまで魂を喰らいつくす魔物が出来る。時間経過で、だ。大体三分間だ。それ以降は完璧な化け物が出来上がるわけだ。三分でラーメンが出来るみたいにな。」
「だからしないと」
「そうはいっていない。こういうものは言っておかないと後が嫌だからな。」
「我々の魂らを集めても?」
「神々だろうが数で合せる。全員の数聞いたことあるか?」
「いやそれは…」

ならやめろ。恐らくドラゴンボールで蘇生もしない方が良い。

「人数が分からない以上、下手にすればどれでも化け物になれる。」
「だから死にたがっても確実に死のうとはしなかったのですか」
「それに奴らも殺そうとしなかったというか、恐らく止めた筈だぞ?それこそ死に物狂いで。」
「…思い当たる節しかない。」

頭が痛そうにする天使らに、まぁやれんことはないがと悪態を付く。

「ん〜、封印石を進めた奴だから、頭が非常にキレる筈…何故か分からん。」
「何がですか、アゲートさん。」

いや、覚醒石と封印石の関係性を理解していない状態で進めたということは、大体の法則は掴めていた。

「なら覚醒させその中に眠っていただろう力を使ってでもすれば、俺達なんぞ蹴散らせることは可能だった筈だ。あれ程の人間をそれもこんな短期間で使いこなせた以上、もっと高みは望めた筈。」
「人間で在りたかったからそら無理だ。」

そう否定したのはビルスだ。

「そいつは僕達が嫌というほど戦い方を身に付けさせても笑って気を抜いてたからねぇ。」
「感覚でやらせたら良い線は言っていたが、だとしても頭打ちになって痛い目を見て泣いてたからな。」
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜直感型の、しかもあぁ……核、」

お前らも大変だったんだなあ
お前もな

「にしてもどうして彼女を殺すつもりで?」
「正確には殺すのは怪物の方だった。こっちは見えるんだよ」
「なにが」
「地面に着地した子の下に居る化け物だ。」

水平線で下が鏡のように見える世界を作れるらしく、その水面に映し出されたものが中に住まう化け物の姿らしいのだが、都結の姿は何処にも見えなかったそうだ。それは都結が作っていないのではない。都結の持つ者が余りにも強大過ぎて、彼の視界に入らなかったということだ。

それがどれ程恐ろしいことか。

「アレが落ちてみろ…間違いなくこの宇宙は消し飛んでたぞ。」
「だから殺したと」
「一度死ねば蘇生後は其処迄脅威じゃなくなる筈だからな。」
「はず、て。」
「俺だって経験がないんだ。他の奴らが生きて居たら言うことをと思ったが」

彼等は反応を示すどころか、綺麗に消え去っている。そう言った子達は幾ら蘇生をしても反応すら出ないそうだ。無理矢理出来なくはないが、そうしたら化け物が出来るので、意味がないらしい。あくまでも意味があるのは人間体で、尚且つ精神がある状態なのだそう。そうでないと基本的にこっちのデメリットが大きくて終いが付かなくなるらしい。

「それに何処かしらの欠如は出る。それが肉体由来ならまだいいが精神だと先に化け物に食われている可能性がある。それが出たらもうすぐにでも消滅させた方が良い。」
「何故ですか」
「居座っている証拠だ。死んでも尚住み着くんだよあいつらは」
「何故その化け物を殺せないのですか。」
「しても…湧いてくるんだよ。誰がつけた呪いかわからしねぇ」
「…三回忌」

あ?
以前言っていたことがあります。

「確か誰かが、三回忌だと」
「…お前誰からいや、それはいいか。」

…本当に先代の時間がいたんだな。お前、マジでうん良いよ。
はい?

「三回忌を知っている人間は俺達生き残りでも俺以外知らないくらいだ。親から記憶を魂を伝って教えて貰えている俺の血族でしかないからな。」
「貴方も王族で」
「一応な。大分端っこではあるし、まぁこんなことになって無ければ今頃そいつの護衛でもしてたんだろうよ。そんぐらいの位置だ。」
「それ、結構な位置では」
「それで?」
「三回忌を知っているのは大体…そうだな………」


「…104億年くらいまえだな」
「ひゃ!??!!?」
「確か俺達の血族自体は1004億年くらい前だから、まぁ大分まえだが」
「大分じゃ済まされない時間聞いたが…」
「如何せん一人大体14、5億年は長生きするからな。とは言っても全く何もなくて健康体で在ればの話だがな。」

基本的に力に目覚めたらその分の体力を持っていかれる。100年生きればいい方だと思った方が良い程にな。
そんな縮まるのか。

「それ程俺達の力は膨大で、それ程肉体に負担がかかり過ぎていた、ってことだ。話を戻すが、その三回忌がもし本当ならば、そいつ多分神の呪いか目に付けられてるな。」
「神の呪い?」
「大昔それこそ1004億年前にでも生きていた神々だ。かなり厄介な上に利口で、面白い者ならばどんな手を使っても保存すると言っていたが」

それだと説明がつかない
何故?

「もしもあの神々がこいつを気に入っていたら死んだ直後に迎えが来ている筈なんだ。そして肉体は無い筈。」
「…それ、もしかして死んだと判定されたものは魂が消える寸前という処ですか?」
「いやまあそ」
「……お父様」
「ええ。蘇生は可能そうですね。」

此方で出来なくもないでしょうが、貴方の力を使った方が良いでしょう。

「外よりも身内に近い方が蘇生率も高いでしょうし。」
「俺が殺すとも限らないだろう?」
「首輪のソレが反応しますし、それに大体の要領は分かりましたからね。」
「封印石は現存をコピーなんて出来ないぞ?」
「その子が起きたら作らせればいい。」
「殺す気か」
「いえいえ生かす気ですよ」

とんでもない話を聞いた気がするが、この子、狸寝入りしていないだろうか。していた方がまだ可愛いかもしれない。お姉さんお姉さん、貴方の愛して止まない天使様は馬車馬の如く貴方を使いまわす予定が決定しているんですが、寝ている暇じゃないかもしれませんよ。

まぁ次殺すなんてことはしない。蘇生する身となれば猶のことだ。

「出会う場所が違ったら、兄と間違えて引っ付いて来てそうだなぁ」
「…!」

にぃにぃ!そう言って足取りもおぼつかないまま走っていくのが、想像出来る。きっと良い騎士になったことだろう。戦って分かっているが、このアゲート。結構な力の使い手だった。正直破壊神に抜擢しても充分活躍できる程とも言って良い。だが本人自体腹心はまだしも破壊神は御免だというのだ。

「俺が出来るのは宝石やらの研磨だ。それ以上はしない。まぁ出来なくもないのは創造くらいか。こいつが破壊神ならまだわかるが」
「逆じゃないのですか」
「逆な訳あるか。こんな大雑把な奴が界王神みたいな創造をしてみろ。一瞬でぱあだぞ」
「ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

想像に容易いから困る。何名かの天使が頭を抱えるなりそっぽを向くなり明後日の方向を向いて嘆く。腹心といっても扱いはその王によって様々であるし、その腹心自体の素質によってもまばらなのだそう。

ただ、

「そいつだと結構面白いことはできそうだろうな。」
「たとえば」
「まぁ絵本の中に入るのは得意そうだな…ただ」
「ただ?」
「時間忘れて出てこないとか」
「だあああああ!!!!」

駄目だろそれは!!!
いややれる範囲が多すぎるからな。

「攻撃や防御そして回復だけでなく他にも二つあった、ということは下手したら新しい機転の子かもしれん。」
「そう言えば以前その類は話していましたね。確か”過渡期”だとか。」
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜おわった」

蘇生するっきゃねぇ〜じゃんそれぇ〜〜〜〜〜〜〜〜

「過渡期がどうして蘇生確定になるのですか?」
「ん〜〜〜〜?じゃあお前は何か?これ蘇生しないとラスボスで死ぬって奴を蘇生しないで犬死するつもりか?」
「いっ」
「それと同じなんだよこいつ…しかも中にどれだけ人間が居るか分からないミラクルボックスときたもんだ。」

それに

「(異常な程に大神官はまだしも全王への忠誠心が高過ぎる。桁の数字が忠誠心だけ高すぎてみ、えねぇなこれ……)」

マジでバケモンだな。これ下手したら天使の誰か傷付いたら地獄の果てまで呪い殺しかねない悪魔蘇生しかねていないか?えっまって加担とか嫌だが。でも拒否権ないのがまたつらい。

「(防御指数が高いが、攻撃がうっっっ)うっわあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

もうmmである。

これ、攻撃で来てたのか?

「……こいつを育てた奴はだれだ」
「い、一応私がメインで育てましたが」
「…偉いよお前は本当に。」
「何がですか!!!!!」
「もうやりたいこと全部やってこい。」
「何を見たんですか何を!!!!!!!」

そう片手でポンと肩に手を置いていたが余りにも可哀想だったので両手で慈悲を与えるしかなかった。恥ずかしいのかどけといわんばかりに払い落とされたが、まぁそれはいいだろう。本当に可哀想なので言うのもアレだが

「だってこれ身に付かないタイプだろ。感覚でやれば出来るが頭打ちが早い、加えて記憶に叩きこもうとすると、そもそも防御やら感情面にガン振りしたこのゲージを見て見ろよ。」

彼らに見ていたものを表示して説明してやる。これもこっち側の得意分野である。死亡した者のみ見せれるゲージでもある。特に部外者に至っては、である。

「肉体的な面でのゲージと精神的な面でのゲージで全部合わせて10あるんだが、これが大体この枠に入っていればいい。」
「入っていなさそうな程に何処までも伸びたコレは」
「さっき言っていた忠誠心だ。高いとまぁ裏切ることはまずない。」
「恐ろしく先が見えないのですが」
「対してこっちは?」
「それが攻撃力」
「…お兄様、頑張った方ですよこれは。」

下手したら子犬どころか、其処ら辺のナメクジですら太刀打ちできるかどうか程の低さに、もう顔を手で覆い隠すしかなかった。これで瞬間火力だけで天使を少しでも凌駕していたというのが、ルトラールらのみで補っていたことが分かる。ゲージをルトラールら達で細かく分析できるようになってきたらしいので見せて貰ったが。

「…エフェメラル様との相性が異常に高いですね。」
「そうだな。こうしてみ、ると…嗚呼出た出た。これがエヴァネセントと都結の意識が一致した時の値。こっちがエフェメラルと交代。それでこれが三人状態。」

そうすれば、綺麗に五角形がぴたりと範囲に入るではないか。

「何も分からない。此処まで来たら普通の人間そのものになる。恐らく彼女等を上手く使って誤魔化し続けていただろうな。あれ程元の核が、こんな…上下が激し過ぎたらそら生きれないわ。」

肉体では「攻撃力」「防御力」「回復力」「瞬発力」「耐久力」の5つ。対して精神では「忠誠心」「創造力」「判断力」「共感力」「維持力」の5つで計10。

「エフェメラルは攻撃や後は創造力が意外とかけているし、っと〜」
「…なんですかねそれ」
「維持力とあと判断力ですね〜あと共感。馬鹿低いです。」
「当人もアレなら泣きますよ。」

いつかは終わっているから良いだろうが、これ、進行形だったら泣いてたな。

「対して、エヴァネセントは〜っと」
「…またえげつないですね。」
「今度は攻撃力とこ、れは回復だな。後は判断と共感、創造が高い。大体エフェメラルを補う形になってくるな。」
「で」

今回と。

「…どうです?」
「誰を褒めたら良いですか?これは諦めずに最後まで見ようとしていたコルンさんです?それとも距離をちゃんと保っていた大神官様?それとも誰です?」
「まぁご本人でいんじゃないですかね?」

攻撃力、判断力が異常に低すぎる。もう何ならマイナスをいってるのでは、と言っても良いレベルだ。対して回復力、瞬発力、耐久力、判断力、維持力はまぁいい。まぁ…維持力と回復力が馬鹿みたいに高いが…忠誠心程ではない。まだ見えるから。うん、まだ、うんまだね。

忠誠心、帰って来い。

「…多分だが、これ……補わせたな。」
「そう言えば以前彼女言っていましたね。ありとあらゆることをしていた、と。」
「嗚呼その代償だなぁ〜〜〜〜……ちょっとさかのぼっだあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

もっと酷いのが出て来た。全体的にもう数値が無い。

「こ、んな子がいるのか……いや、初めてだな。此処までは。」
「これは?」
「平民でもないレベルだな。何かしらは出るが。」
「何もないですね、これ時期は?」
「大体年齢でいけば8くらいだな。」

あのときか、そうぼそりと言ったサワアの言葉に、ちらりとウイスが眼を向けた。

「あ〜これが原因だな…もっと遡れば」
「綺麗ですね」
「そうだな。これが本来の位置だな。少々判断力が欠けているが、自信を付けさせたら伸びる。攻撃力も高いし、何より一番良いのが維持の高さだ。忠誠心がかなり低いが、寧ろこれ程のバランスだったらこれを維持していけばかなり良い子になったな。」

何がどうしてそうなったかはしらないが…

「まぁこんなもんだ。恐らくこの感じだと、誰かに叩かれたな。それも精神的攻撃。俺達種族は同類でなければ精神攻撃が通用しない筈なんだが…」
「それは」
「まぁ親か何かにやられたんだろう。それか内側からの自傷か。それでもこんな形から此処まで落ちるなんて余程だがなぁ……ま、いい。」

それでも忠誠心は非常に高い。何処から高くなったか調べられるかと言われて少々待ってと言って調べたら一応すぐに値が出た。

「24だな。正確には20からだが、何か知ってるやつはいるか?」
「ドラゴンボール」
「ん?」
「確か我々のことを知った日がその年齢辺りだった筈です。」
「…嗚呼、決めたんだなそれだったら。」

決めた?何をですか。

「忠誠心は誰かを信じ貫くことだけじゃない。意志を確固たるものにし、維持させる為の力でもある。」

心の拠り所と言ったところだ。跳ね上がった処で見たところが基本的に核にやりやすい。

「成程、色々事情があって、この世界にならば心を預けても良いと判断したのか。そらあれ程の成長は頷ける。」

何にも無い知識で一年少々で此処まで伸ばした。しかもこれ程の欠けた状態で、だ。それもエフェメラルらを知らせず補わせた状態で、綺麗に包み隠して維持なんて通常は出来る訳がない。何かしらの意思があり、その拠り所を続けていたというもの。母親と言って居たりしたら、其処なのだろう。

恐らくその母親から剥がれる時が、24辺りだったのだろう。人間の年齢的にも考えられる年齢だ。

「色々調整した努力が見えるな。その分攻撃力を消し去ったのか。まぁ戦闘しない環境では要らないからな。その分創造力が高い。精神的な訓練は積み、下手したら忠誠心を代償にして何かしらの習得は企んでいた可能性自体あるな。例えば願い事への対価、とかな。」
「…対価」

以前言っていたことがある。等価交換だとでも言っていたことかは忘れてしまったが。神様に魅入られ、願いを捧げた子の話だ。もしも彼女がその子の願いを知っていて、そして代償が必要になって困るとすればそれは



「私が死ぬとでも思ったんですかねぇ」



大神官が眼の前で死ぬことだけだった。

思いついたのはそれだけだ。恐らく、都結自体が先に殺されていなければ。もしも大神官がいや、考えるのは良そう。恐らくその化け物が姿を現しただけに過ぎないし、その化け物を落ち着かせる為に忠誠心を綺麗に消し去った処でどうなる。他のゲージも殆ど使い物にならない。後はもう、もっと酷い状態で眠り続けるのがおちだろう。







泡沫の白昼夢


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