夜間飛行のカーテンコールを5
それから、風呂から出た二人はアゲートが居るであろう部屋の元に歩く。部屋の外にはウイスらが合流していたのと、
『あ!アナト様だ!』
「おや、都結さんそれに第八の。」
「お久しぶりです、第一の界王神よ。アワモさんは?」
「奴ならさっき11の奴等と回ってるよ。」
僕の界王神と一緒にね。そう言ったのはビルスだ。お久しぶりです。とペコリお辞儀をして、都結が身体を起こそうとしたが、ふらついたので、腕を掴みコルンが引き留めた。
「だ、大丈夫ですか!?」
「やはり疲れが急激に来ましたか。」
「何かあったの?」
「風呂の水質が彼女の身体に良過ぎたのでしょう。軽く上せてますね。」
ほら、ベットに行ってください。いやなら無理やりにでも
嗚呼いきます、いきますから。
『ちょっとふらついただけじゃないで、ふあ…はわ』
「ほら、欠伸も出てるじゃないですか。」
『眠くないこれは集中した後だから』
「はいはい」
『はいは一回』
「なら貴方もしてくれますよね?」
おい此処で夫婦漫才しないでくれると言ったビルス。もう呆れて肩を降ろし、壁に背中を付けて話している。ビルス様寝ないですか?と問えば生憎と答えてくれた。
「僕は昼寝した後だからね。全く眠くなんてないよ。僕らのこと考える暇あったら、とっととそこのベットに寝ておきな。こっちはこっちで見てやるから。」
「頼みますよ第七。」
「言われなくともやってやるよ。」
何だかんだ言って忙しいと言わないところ、彼も彼女の性格が分かって来て居るようだ。最初は結構ピリピリして怖かったらしいが、元々都結自体、怖がるのが自分がへまをしないかどうかの立ち位置での話。仲良く従ってるのは分かっていたので、気配を落ち着かせれば、直ぐに仲良くなった。
それに最近では都結の相手をビルス自ら見てやることもあるそうだ。まぁ気分が乗ったらというか、感覚的には子犬の面倒をちょっとみてやる程度だろう。ぶるぶると頭を左右に振っているのを見ては笑っている。ずっこけてふえ、と泣きそうな顔をしても、だ。頭をガシガシと撫でてやったりもするし、それに対して都結は反論も其処迄しない。そうされて嬉しいまであるのだそう。
まぁ二人の関係性は言うならば「近所の少し面倒見のいい兄妹」と言った処だろう。面倒見が其処迄良くはないビルスが、都結を見てやるのは本当にウイスからしたら驚きの日々だったそう。ウイス自らがそう言うのだからそうなのだろう。帰って来た。
「おお、帰って来たか。」
「ただいまもどり…おや、お兄様。此方に居られたのですか。」
「ごきげんよう。ええ、少々気になりましてね。貴方が来るまでと面倒を見てやっていました。」
それに、もう大丈夫そうですから、私はこれで。
そう言って彼もすっと部屋から出て行く。ベットには都結が疲れて寝入っている姿が見えた。成程、彼女が意識を飛ばすその瞬間まで見てやっていたらしい。んんと甘えた声が響く。
こう、
「っくくくくく」
「…はぁ、後は頼みましたよ、ほんと。」
「ええ、お疲れ様でした。」
コルンを呼んだのだ。それも、聞いたことのない程の甘えた声で、である。流石のビルスも耳をピンと上げたし、リキールも同じ様に上げて尻尾も反応したまである。ウイスらも、一応聞こえていたので目を丸くして固まっていた。が、クツクツと笑いだしてから皆して堪えていた。
あれ程怖がっていたのに、ああなるまで懐かれるとは。本当に見てやらなくていいのかとからかってしまえる程度である。勿論ベルモットがからかってしまえば、無視して第八は纏めて綺麗に消え去った。連れない奴だなと舌打ちをし、腕を組んで悪態を付けば、マルカリータがおや、案外そうでもないですますわよと答えた。
「お兄様、とってもご機嫌が良さそうですますので」
「あ?あれでか?」
「ええ。」
「彼女が仰ることは間違いないですよ、第11宇宙の破壊神。」
そう言ったのはウイスだ。
「コルンお兄様があれ程気を穏やかにさせるなんて、私も手で数える程度でしかお目見えしていませんので。」
「顔はそう見えなかったが?」
「ならそういうことで、ですね。」
にこりとマルカリータと二人で微笑み合う二人に、ベルモットは首を横に傾けた。
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それから、全く何も敵もうんともいわずに、夜が明けた。時間を計っていれば、大体夜の時間は10時間程度だという。都結の睡眠時間も、通常よりはるかに長かった。何時もならば大体6時間程度で嫌でも目覚めるし、長くても8時間に行くか行かないか程度。
だが、普通に10時間近く寝ているし、何だったらぱっと覚めた後の顔色も非常に良かった。だとしても疲れが取れきっていない可能性だってある。朝食を取ってから、内部の状態を確認しに行くとした都結。通常の部屋は、王宮の内部それも上層にある東側の一室だった。
結構な広さがある。通常は此処を使うと言い切った。
「あっちは使わねぇのか?」
「あっち?」
『うん。嗚呼古びたもう今すぐにでも解体した方が早いだろって処がありまして。』
行かない方がいいですよ。上になるんですけどね。
へー
『こんなに広いんですから、ある程度の場所は決めて使ってやらないと。』
ゴージャスな一室。下の絨毯やらも質が良い。掃除機で綺麗に埃を取り除きだしたら日が暮れそうである。今度ブルマにというか、今言うか。物は試し、だ。
『ねぇウイスさん』
「なんでしょう」
『ブルマさんに連絡出来たりします?』
「今ですか?少々お待ちを。」
今だとと言うか、此処からだと地球では何時間の差があるだろうか?まぁ移動しているからというのもあるが、時差を計る処で済まされない程の距離はある。繋がった処で声がでた。
ーはいはーいどうしたのウイスさん。またビルス様のご飯?
「僕の料理を作って貰って悪かったね」
ーうわっ!
そう驚いた声にぶはっと笑い出す都結。すいませんと高い声が出たのに、おやと周りも驚き固まる。
『私が連絡して下さいとお声をかけたんですよ。』
ーあら〜!その声っていうか都結ちゃんじゃないの!元気!?
『元気元気、めちゃ元気ですよ〜!ブルマさんはお元気ですか?お元気そうですね?』
お元気そうで何よりです!
あはは、ほんとよ〜!元気過ぎてなんでも出来ちゃうな〜んてね!
「そんなことよりどうしたの?貴方からだなんて意外だわ。何か欲しいものが出来たとか?」
ー欲しい、と言いますか、少々気になったので。ちょっとしたご相談を。
「何々言って言って!」
そう食いついて来たブルマに都結はいやですねーと腕を組んで首を傾げて話す。
『それが私この度ちょっと掃除マジで本格的にして、ちょっとした部屋の内装を改装したいところ出来ちゃいまして。』
ーあら良いじゃない!
『其処で、私地球に降り立った時色々見て非常に興味出ましてですね。こう、掃除道具でいいのないですかね?例えばこう埃を一掃するとか。』
ー嗚呼掃除機のことかしら。一応あるわよ。そっちに電気は?
『なーいですね。一応引き出すことは可能かとも思いますが、無い前提が好ましいです。ですがですね〜』
ーん?
『私電気系統の掃除機は知ってるんですが、如何せんあれ、充電タイプじゃないですか。』
要は、こう言いたいのだ。「通常の掃除機ではなく、充電の必要性がない、掃除機はないのか、と。」それに対して、嗚呼なくもないけど、という声が出た。試作品で、それも販売が未定。丁度試作品を試して欲しい人材が欲しかったのだそう。新しい商品に手を付けている事だろうCC会社だ。
その惑星一をも誇る程に、企業は発展していた。その分のつぎ込む費用だって、馬鹿にならないだろう。せっかくならばどうでしょうと都結が提案した。
『ちょっと片っ端から試作品で試したいものを数台お借り出来ませんかね。その分の使い方は勿論ですが、デザインから何から何まで今度其方に持ってお話したいと思うんです。可能でしょうか?』
ーえ〜!出来るなら本当に助かる!!!いいの!?
『構いませんよ。此方は掃除やらなにやらが、人の手一つでやらねばならないことが、人力数倍になるとも言える可能性が出るのです。対して貴方は他の者達に支払う対価等の仲介料手数料諸々込みが一気に吹き飛び、尚且つ場所もまた違う視点での効率化を踏まえた情報が貰える。』
互いにウィンウィン。いいでしょう?そう言った都結に決まりよと言うブルマ。ウイスに声をかけたら、分かりましたと言って取り急ぎ取りに行ってくれることが決定した。一度界王神と共に地球へ飛び、またこっちに戻って来てくれることらしい。その間にコルンの元に一度飛ぶことになり兼ねないが、其処も連絡したら許可もすぐに下りることだろう。
「それにしても考えたな。まさか文明の利器を使うとは。」
『物は考えよう、ですからね。嗚呼いう手の人間らは金額もそれなりに考慮し、発明します。しかし使う対象者の状態をみるには、内部の人間だと限られる。』
「だから汚れたものも綺麗にとれた、ということを見せれば彼等の報酬も上がる、と。」
『それだけじゃない。こっちは信頼を得られるんでね。良い様に見せて、その周辺も取り上げる。』
「聞くだけ聞いたらあくどい詐欺師だな。」
まぁ間違っちゃいないものでもある。現に結構な面倒を押し付けたのだ。でも、確かに一理あると思わないだろうか?コンセントに繋げて充電しながら掃除をするものから、今は充電なんてしながらではなく、バッテリー式に移行している。限りはあるが、電池式のものだって中にはある。だが吸引力は流石にバッテリー等から比べたら遥かに劣る。
では、そもそも電気ではない動力で、それも低コストに使えたらどれ程いいだろう?
世界を対象としてではなく、他の惑星をも視野に入れたってそろそろいい動きはあるだろう。あんな都市なのだ、其処ら辺も手を付けて良い筈。現に地球上に電気が通っていない処で使えたら便利だと思ったのは、今ではない前の世界でそう思ったことがあったのを思い出しただけのことである。
ここら辺は元製造業が物を言ったまでだ。確かにそれだと中身もコストもかかるが、ある程度工場側で処理をしたら儲けも多少出るだろう…とは言っても製造の首を絞めることにはなるだろうが。だって充電出来るからこそ、仕事も減ったのに、充電を別の物でというのだ。そりゃあその物自体を渡さないと話にならない。
故に加工やらなにやらの作業は増える事だろう。勿論輸入とか諸々の諸費用は、である。何処まで彼女が手を出せるかにもよるが、まぁ此処は高みの見物で良いだろう。こっちはあくまでも商品を使った感想を的確に言えばいいだけだ。
『これでもっと、一応製造居たんでね。』
「そう言えばモノづくりが得意だったんですよね。」
『正確には組み立てるのと解体ですがね〜そう考えたら覚醒石と封印石も似たようなものだよね。』
「ん?嗚呼、まぁ確かに言われてみたらそうだな。アレも一応元があって、其処に組み込むように覚醒石が反応している。」
封印石はその繋がりを外す役割だ。
『加工場とかも諸々見て情報も仕入れたいけど…』
「其処ら辺は何処まで貴方が此処で暮らすか、によりますね。」
それこそ、種族を復活なさる、とあれば話は別問題でしょうからね。
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そうして数時間後、昼食が終わったかな、くらいにやって来た。一応道具一式は貰って、使い心地はメモを仕切った辺りだ。帰りますよと声が掛かる。もうそんな時間かと思えば時刻はまだ午後の二時半である。まだ入れるよーと言えば駄目ですとコルンが答える。
「貴方のその状態、明らか興奮状態と変わらないですからね。意識を切り取って思考を変えて騙そうとしても私の目は騙せませんよ?」
『…ちぇ』
流石に其処迄言われたら掃除を止めるしかない。埃も綺麗に捨てれる処に捨てる。簡易ではあるが、一部分は暮らせるようにした。都結が居るとこの惑星も何故か自由に出入りが出来るらしい。何かしらしたのかと聞いても何もないというので、恐らく血族が関係しているのではと言った。
「血族が?」
「嗚呼、一説によるが、代々血族がその惑星を統治していたらしい。その者の想いや感情一つでその惑星自体の質も変わったとされているくらいだ。」
『そーんな夢物語みたいなことがあってたまるか。』
「事実俺の生きていた時代はそうだったからな。結構緑豊かだったんだが、人が変われば割と暑苦しい砂地が多くなったりもした。」
強ち間違っていないと思う。現に都結が降り立ってからというものの、何処か埃もつれはあったとしても、その場の空気が心なしか嬉しそうに感じ取れてはいるのだ。ウイスらではなく、ビルスら破壊神らが、である。本能故のものだろうか。
「水だって自ら陸地に上がったりしてたんだぞ。」
「いやいや、そんな意識があるみた」
『あ、こんにちはお水さん!』
元気?わ〜かわいい!あめーばみたい!知ってる?
おいおいおいおいおいおいお
「いおい!!お前、何時から!!!」
『え?昨日の湯船ちゃんから。今日から君の名前はゆーちゃんね!?』
「変な処から変な奴を持ってきて変な名前をつけるんじゃない!!捨ててこい!!!!」
そう言えばがーんと二人してしょげる者だから、後ろからあらあらーとウイスやマルカリータが都結の盾に、となる。可哀想にーと棒読みで言っているのが最早わざとらしさ上等である。言って来たビルスも、いたたまれなくなる。勝手にしろとしか言いようがない。というか、だ。
「お前生命体じゃないだろ…何処でどうなってそうなってる」
そう、なんとこのあめーばみたいなもの、実は核もなにもないのだ。ましてや魂の一欠けらすらない処か、気も感じ取れない始末である。何かしたかと言えば、んーと都結が言って閃いたようにあっという。
『昨日お水さんとかも遊んだりこっちに来てくれて手伝ってくれたらお仕事捗るのになって!』
「「「それだよそれ!!!!!」」」
ビルスだけでなく、聞いていたベルモットやアゲートも口をそろえて突っ込んだ。もう突っ込まずにはいられない話を持ってくる彼女が悪いとさえ思えてくる。呆れてため息を吐いてしまう始末だ。
「いや、だとしても此処まで影響下が…本来居た位置故か」
「ん?どういうことだ。それ、まるでお前達が此処の城に元々住み着いていたみたいに言うじゃないか。」
「恐らくその感覚は正しいと思いますよ。」
「なんでだウイス」
「おや、お気づきになられないのですか?此処の惑星は成長し続けています。」
成長はする。でも、今迄雲隠れしていた、惑星が、と言えば話が変わってくる。そう、動き出したのだ。今迄そんな惑星があっただろうか?
「…まさか、主が帰って来たから、動き出した。とか言うんじゃ」
「そうでないと説明が出来かねますね。」
幾ら太陽が近いと言えども、もう少し乱雑になっているだろうし、ましてや首都だろう土地の綺麗さも説明がつかない。気も気配も一つもない世界で、だ。動物も過ごしていたとしても、その生息地が非常に細かく分かれている。昨日来ていた時は音もしなかったというのに、鳥の音やらなにやらが出てきている。
まるで冬眠から目覚めたかのように、である。
そう、この惑星ごとが、
『…御迎え、してくれるの?』
「都結、だがそれはこの惑星の王となるということだぞ。それがどういう状況になるか、お前分かっているのか。」
「アゲートさん、落ち着いて。」
「王都は、王になるものは…」
『知ってる。神様の処に行くんでしょう?』
ならぴったりじゃない?
『私が生きたいところとまったく、同じ。』
「(違う、全く違う、其処は、お前の知ってる処じゃない)」
お前が逃げて来たあの世界なんだよ。
都結、お前は、あの世界に、生きていたのは、お前の祖先が王であったからなんだよ。