夜間飛行のカーテンコールを6



一応事情は説明した。が、彼女の決意は決まっていた。いずれにせよ、その世界に戻りかねないのは確かだし、何よりこの惑星でないと息がしにくいということは、恐らく生存の確立も此処に居ないと上がらない。ならばここに居座るほかはないということだ。

『大丈夫一度外には出るし、それにうちらは絶滅しているんでしょう?』
「そらそうだが…だとしても敵は居る。それが身内だとしたらどうする。」
『ぼこす』
「あ〜〜〜〜もう、そう、行き当たりばったりだから困るんだよ!!!」

俺がいったときもどうせ死にに来ただけだろ。

「ですが彼の言っていることは正しいですよ?都結さん。貴方の現状は変わらず危機に陥る状態です。現在言うなれば、不安定な足場の上に補助もなく橋を渡ろうとしているのと変わりません。」

風がない日に渡ることや、補助を、ということも。場合によっては渡らず下から歩いて地道にというもの手ではある。だが、それをガン無視して、一気に渡ろうとしているのが都結の作戦だ。もう作戦ですらないかもしれないというか、作戦ですらないんだが。まぁそこは別にどうだっていい。

「もしも王になり、受け入れたとして。貴方がもう一度此方側に来られる保証なんて何処にも無い。」
『かと言って、この者を落ち着かせる人らは何処にも居ない。でしょう?』
「それはそうですが…」
『一つの候補だよ?何を皆そんなして必死になるの?そうならないかもしれないのに。』
「その選択肢一つで、切り替わったとしたら?」

そうしたらお前は何て言う。

「それでもお前はそれでよかった、と安堵出来るならば、別にどうでもいいだろう。」
「ちょっ、ベルモット様!」
「だが」

もしも、もしもお前がそうでなければ。

「もしもお前が一欠けらでもこの世界の人間と今がもう少し長く続ければいいと思うならば、止めた方が良いと俺は思う。」

こればかりはお前らの問題だからな。それ以上首を突っ込む者でもないだろう。

「で、どうする。」
『とりあえず、全部やる。』
「あのー、話、聞いていました????」
「駄目だコイツ、二択選ばせたら三択目作って実行するタイプだ。それも事後報告で終わらせるタイプ。」
「尚たちが悪いじゃねぇか。」

相談どころか、気付かせさせやしない。もう終わりだろ。そう思っている周りに、ふと気づいたウイスがいえと止まった。

「案外ありかもしれませんね」
「は?」
「そもそも何故大神官様が都結さんの居られた世界に飛ばされたんでしょう?」
「そりゃあそういう惹かれ合う何かがあったんじゃないのか?」
「ビルス様…」
「彼女は気を発していませんでしたし、当時彼女の状態は其処ら辺の人間と全く同じと言っても過言ではなかった。」

そして、彼女の前ではなく、アパートの真下、である。しかも大神官が移動してから、立て続けに、交代交代で、というところだ。消えてはすぐに次の人がくる。それは繋がっている様に。何か気付くことがと言うとふと星座と声が出た。

「え?」
『確かうちの暮らしていた処では占いで十二星座だったんですが、』
「あああの当たるようで当たらない紛い物ですますよね。」
「うわ、お前…それいうか。」
「?」
『そのクソ紛い物の十二星座って本来は違ったって話知ってます?』

チョット考えてはいたのだ。幾ら何でも周期があるにしては、疎らだった。その為占いを見ていた大神官様との話も、すっかり忘れていた。朝の番組を見るなんて仕事じゃない限りはしなかったから。すっかり頭の中から抜け落ちていた。

『私の種族というか家系はそもそも8を周期に何かしら影響が出ます。』

もしそれが、24の周期だったとしたら?ちょっと考えたのだ。24を半分にすると12だ。だがそれなら彼らが十二星座の順番で巡ってくるのは勿論のこと、そもそも大神官様が最初に来た時間とかを考えるに、ちょっとズレるのだ。確かみずがめ座は1月20日〜2月18日の期間だった筈だ。何故知ってるかって?単なる元カレの情報だよ。

その期間、確かにいたが、だがそれだと大神官が早くに帰りすぎている。それにその後の時系列もおかしい。次は19日からだし、足しか其処迄長い時間いなかった筈。だとしても、ちょっとズレる不定期、にしては説明がつかない。

だって

『私天使達が居ない六日間を生きてたんだよ?』


は?

「え、いやでもさっき」
『流石に時期かと思ったし、そりゃ待っても、って思った。でも六日いや7日後には必ず天使が戻って来た。』

ふと思ったのだ。全員の天使が入る数の星座が無かっただろうか、と。其処で思い出したのが「十三星座」というものだ。大分記憶が薄れているので憶測になって申し訳ないが、確か短い期間の星座があった筈だ。ふたご座の時にウイスとヴァドスが来ていたら、話の辻褄も合う。その時間に天使が来なかった、というものだ。

確か十二星座は元があった筈。規則正しい状態だったからどこかの角度で位置を付けてたあ〜なんて言うかは忘れてしまったが、すぺぺぽざうるす法則とかそんな適当な名前で良いかこの際。えっだめ?いやいやそんな〜またまたごむたいなー。

「それで?」
『嗚呼ソレでですね、8の周期と此間言ってたハレー彗星あれ周期あるんですよね。』
「…まさかハレー彗星とやらが其方に移動した時に発生した磁気だけで空間が?」
「だとしたらあり得ない。そんな柔な状態で、崩壊するならばもっと早くほうかいす」
「それが”種族の願い”だったら、ということか。」

恐らく、昔の人はこう考えた筈だ。

流石に逃げると言っても、何も策がない訳にも行かない。かと言って、確実に逃げても、民を放置なんて気が引ける。一度でもいいから誰かと交流を出来る期間が欲しい。それは相手をこっちに呼び寄せ、それはまるで「神隠し」に陥ったようにさせる行為だ。だが、何かしらのきっかけが欲しかった。数十年単位で、それも世界全体に影響が出そうなもの、という処で彗星の話が出たのだろう。もしくは流れたか。

そこで気付いた。彗星の特定で、尚且つ一定の磁気を固定し、その時期を利用して、13の人間を異世界に引き寄せる。そして入れ替え、不定期に数字も変えてしまえば、ちょっとした神隠しの出来上がりだ。此処で同じような星座を作っていたら、説明も付く。此処の惑星自体が十三星座として活動していたら猶のことだ。

だがそれはそれ。こっちに戻ってくるという話ではない。が、

「それを利用するというのですよ。」
「まさか向こうから態々神隠しを?」
「その周期を書き換えるそう、上書きしてしまうんです。恐らく血族が濃ければ濃い程、その確率は跳ね上がる筈。」
『…でも、それ』

大丈夫。変な因果を作った過去の者達からのプレゼントですよ。

「華を、携え生きた方は何て言っていたか、覚えていますか?」
『…ううん』
「彼女らは決まってこう仰られていました。」



【”いつか終わるその日まで貴方と共に春を過ごす”】



「その為ならばどんな境遇でも厭わない。意志の強さに反応し、貴方も先を見据えた筈。嗚呼この子ならば、大丈夫なのだと。」
『でもそれは』
「この国で生きていた者の魂が、そうだとしても、その力を願いを貴方は受け取った事実に代わりはない。」

確かに普通ではないですし、貴方の望む普通なんて遥か遠くかけ離れた処に位置しているでしょうが、ですがこうとも言い換えられます。

「”何時だって春に戻れられる”」
『っ、だとしても、それは、あの子だけであって…』
「ですがあの方も仰っておられたではないですか。」


君が見つけてくれた
君が愛してくれた
君が僕を生かせてくれたから

君が紡いでくれたんだ。

僕の欠片を。命を。この世界そのものを。

それならば、お礼をしてやるのが、礼儀というものだろう?


「…と、言っておられた。」

同じことです。貴方だって、彼を見つけて下さった。そしてこの土地も、彼も。貴方が出会いそして貴方はそれに対して、何一つ悪態なんてついていやしない。彼女もまた、貴方の魂故に、その形を貴方が導いてやった。…例え悲惨な結末を彼女に与えようとしても、それでも貴方の愛は、決して、誰もが否定するものではない。これからも。

「それに、貴方が望まずとも、何度だって巡り廻って春は来ちゃいますから。それはまるで、彗星の様に、なんてね?」
『…っ、』
「大変お心苦しい処ではあるでしょう。ですが、貴方は特別でもありますが、普通にだってなれちゃいます。」

貴方の言う普通とやらは、皆がやっていたら、その通りなのでしょう?ならばそのようにすればいい。そうして普通の中に落ちて、溺れて何もかも分からなくなってしまって。絶えず笑ってしまえられればいいのだ。

『…じゃあ、また』
「ん?」
『”春に?”』
「!…ええ、また。”また春に”」

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少し泣いていたのが落ち着いてから話を戻す。これからの大事な話だ。向こうの人間らも変わっている可能性だってあるし、今回で敵が向こうの世界で発生しかねない状態でもあった。それに、都結の状態は向こう側自体体調は勿論だが精神もすぐれない状態であるのは間違いなかった。

その為出来る限り此方に残してやりたいが、それでもこの惑星の中でしか生きれない。それに、その王という位置づけもまだ不透明な現状、余りにもやけになり過ぎだと思う手段ではあった。今すぐこの土地から離れ、彼女を楽に…と、ふと思った。そう言えば、彼女自体此処から浮遊したことがあっただろうか?

「…あの、都結さん一つお願いが。」
『なんですかウイスさん』
「飛んで頂けますか?出来れば我々が見えない程迄遠くに。」

別にいいけど、と言って気を念じるが、だ。

『あれ?』
「ふむ…やはり。では界王神様」
「なんでしょう?」
「ビルス様と共に此処から出来るだけ離れて下さい。合図も何も出しません。とにかく瞬間移動で彼女を掴み、ビルス様の元に戻ってみてください。」

余り考えたくはないが、ウイスの嫌な予感は的中する。


「…駄目ですね。飛ばしても飛距離が半分程度で止まって置いてっちゃいます。」
「やはりそうですか…では都結さん。出来るだけ遠く、兎に角ビルス様でもなんでも構いませんので特定の生物を想像なさりながら飛ばされてみてください。」
『あい』

そう言われ、ひとまずビルス様を念じるが、少し距離を変えて想像する。その直後だった。界王神が飛んだ後、手から離れた位置に飛んでいた。のを、ウイスに伝えたら間違いないですねと言う。

「この惑星自体が貴方を引き剥がしたくなさそうに思います。」
「ど、どういうことですか?」
「界王神様は都結さん自身を連れ移動しています。これは貴方自身が彼女のことも念頭に置いた上で、瞬間的に移動している。」

まぁそれもそのはず。そうでなければ身体は移動出来ない。自分だけということになる。記憶にきちんと彼女等の気を身体を想像し、特定の場所に移動するものだ。

「ですが都結さんが全く考えなかった時は半分しか移動出来なかった。それどころか、彼女が想像したらそれでも彼女の想像通りの所であれば移動した。」
「つまりこの惑星自体がそいつを引き剥がすことのない状態なら幾らでも願いを叶えてやれる状態だと?」
「恐らくは。大分粗いので、もう少し検証が必要ですがね。」

空自体飛べない、そんなわけがない筈だ。だって此処に来る時は浮遊していたのだし、力も使えていた。強いて違うとしたら湯船に浸かった。或いはこの惑星自体の粒子を吸い込み過ぎたことが原因か。アゲートも同じ様に動くが、駄目だと悪態を付いた。

「こっちも身体の動きは機敏になったが、だとしても空中浮遊は一切出来ない。」
「決まりだな」
「ええ…少々厄介ですね。」

これの何が厄介か、というと逃げる算段が確定しないということだ。現に都結は敵に狙われている状態でもある。それ故彼女を逃がし、ある程度自衛出来ればいいということで、今は組手の訓練などを執り行っている最中。しかしここに居れば、ほぼ人間と同等…いや彼女の気持ち自体がそうさせているのだろう。普通になりたいと強く願ったことで、彼女の気が分散し、化け物すらも今ではぴくりともしない程、静まっているのだから。

ということは、想像以上に彼女の感覚が大事になってくる。パニックになったとしても、ある程度の逃げを身体に叩き込まねば、即死も免れない。洒落にならない話になって来たのだ。マルカリータが気になって都結を抱き上げ空へと飛びあがったが、だ。

「っあ!」
『〜〜?!?!?』
「…ぶないな、大丈夫か。」
『びくとおい』

ビクトリーと言ったんだろうが、焦ってもう何が何だか言えていない。それにこの場合そんな言葉は必要ない話であって、だ。確かにこれはまずい。非常にまずい話になった。ある意味都結の意識で全てが変わるということだ。

「一応試しに、だが…お前例えば外に出たいとか言ったら通用するのか?」
「誰に対してですか」
「この惑星自体に、だよ。水が出来たなら、と思ってな。」
『…惑星さんの名前なんだったっけ』
「確か惑星ディール・コップキーノと」
『じゃあディールさんだ。ねぇねぇ、ディールさん。』

ごめんね?ちょっとお話聞いて?そう言ってしゃがんで地面に空に向かって話をする都結。膝を抱えたり前後左右に揺れて話をするのは宛ら三歳児程度の子供みたいだった。

『私コルン様とお約束しちゃったの。体調の不調もどうなるか分からないから、一度外に出たいって。君ももしかしてピクルスみたいに寂しかったんじゃないのかな。違ってたらごめんね?』

お空に飛んだら、帰ってくるかわからなくて怖くてさせたくなかったんだよね。王様になったらまた独りぼっちになって、寂しくなるんだよね。だから、極力君の方も力を出さずに抑えてる。獣たちはこんなに緑豊かなのに、いないなんてありえない。君がそう動かせられる違わないよね?

じゃあ聞いて欲しいの。

『私戻ってくる。丁度いい気に入るお部屋が見つかった。其処に暫く住みたいなって思ったの。でも他の部屋とか惑星とか今移動していて、其処にお荷物沢山あるから。だから持ってくるためにも、一度帰らないと厳しいの。』

体調も出来る限り万全にして来たいし、その時は沢山遊びたいけど、まずはこのお城から何から何まで修復はしたいよ。君がもし生きて居るならば。もしこの土地が町が崩壊していて、其処が痛むというならば。


『私が治してあげる。そして、綺麗にしたその日には、どうか君の姿を僕に見せておくれよ。』


その為の準備期間、とあれば、どうかな?お空は出来るだけ飛んでみたいの。それに、皆に迷惑を掛けたくない。

『此処の人達は今の所良い人達ばかりだよ。君が好きかどうかは別問題だけれども…でも、これだけははっきり言える。』


貴方を破壊するようなお人は何処にも居ないよ。たとえそれが、破壊を司る神々の者達だとしても、だ。


『だから安心して、外に連れ出してよ。儚い時間を停止させてまで、息を止めて生きてた惑星のも』

のよおおおおおおおおおおあs;dlkふぁ;sldkふぁ;sldkふぁ;dkf!_!!_!_!_!_!_!

そう言って綺麗に空高く吹き飛んで行った都結。回収しに、マルカリータがすーっと昇っていくのが見えた。あららーと言って上を見上げる者達も居るが、ため息を吐いて居たら綺麗にアゲートも巻き添えを喰らって消えたので、そっちはウイスが回収しに行く。勿論ビルスがウイスと呼んだからである。はいはいと言って、二人が帰って来た頃合いだった。

コルンらが到着し、その日の午後全員惑星から撤退することになった。

遠くに離れるにつれ、綺麗に霞んで消えて見えなくなった。その日コルンらが住む破壊神惑星で寝る前に聞いた話だ。



『え?なんて』
「ですから、惑星自体は霞んでまた入れないようになっているそうです。やはり貴方とアゲートさんが起因のご様子とみました。」

一応貴方自体が我々の弁明をはかって下さったのは有難いですが、それでも我々天使や破壊神のみでは到達できないことも確認済みです。界王神は何故か移動出来る子が限られていますが。

『それって誰です?』
「確か、第5と第7それとイル様もですね。後は第10と第12の界王神は確認済みだそうです。」

ということは、大体精神的にも恐らく見た目的にも…

『害がない、と判断したと…いやマジで失礼過ぎてすいません。』
「い、いえいえ…彼らも全員納得なされていましたから。」

惑星自体が力を、となれば確かに頷けることだ。それぞれが蜃気楼等の目くらましをして、今迄破壊の難を逃れられていたのも、自ら停止させ、気配を押し殺してさえいれば逃れられていたのだろう。まぁ現に見れてなかったこっちの落ち度だし、これから破壊なんてするわけもない。なんなら保護しろと言われかねない貴重な惑星の一つでもあった。

まぁ言うことを聞いてくれたはいい、が、だ。そういや時間の話をすっかり忘れていた。こりゃすぐに帰らねば怒られる…んだがな。

『かえりたい』
「いけません」
『か〜えりた〜い』
「だめです」

コルンさんからお預かりした身。私が許可出すと本気でお思いですか?

『うん』
「…とりあえず鼻水はテッシュで拭いなさい。これ食べようと口を開けない。貴方まさか私の前だけでしてません?」
『えへった』

流石に軽く叩くのは許して欲しい。舐め腐り切っていられたら、喝だって入れたくなるものだ。サワアはため息を吐きながらいいですか?と言って腰に手を当て、指を立て説明をする。

「貴方の体温は39.8度前後です。気も碌に出せていないですし、思考の纏まりも私が発言するこの程度の話でさえ、碌に聞いていやしないではないですか。」

脳内を見たらすぐにわかる。あれから二日でダウンした。もう朝起きてこないのに来たか、とため息を吐いて見に行ったら、である。ただ次の日から予定が入っていたので、急遽連絡し、流石にということで大神官がサワアに声をかけ、界王神を使って都結の面倒を引き取った

のが三十分前である。既に帰ろうとしているのを、いけませんといって軽くでもあるが肩を掴み引き留める。しかもそっちへ真っすぐにあるいたら自分の体に突撃するのを彼女は理解出来ていない。もう寝かしつけたいのだが、寝かしつけたのが五分前なのだ。見に行ったら居なくて本当に焦った。

幸いなことに距離は移動していなかったが、どうやら身体が動いてしまうのだそう。そして、サワアの背中の方向は…

「(惑星が引き寄せている、とでも言うんですかね)」

そう、先日都結が居たその惑星である。サワアやヘレスはまだ行っていないが、映像を見る限り、非常に良い惑星であるのは確かだった。その周辺の銀河も、比較的良い状態だったし、恐らく長く住まわせて特段問題はなさそうだった。ただ、主が居ない状態だと仮停止になる惑星なんて聞いたことも見たこともない。

天使らは勿論、神々も気になっていた。他の惑星もある、とあれば、である。一応アゲートがそれぞれの天使らと交流し、幾つかの惑星は見つけて来たらしい報告も上がっている。都結の分を含めれば全部で4つは見つけている。全て間に位置していたから、割と狭い範囲で見れているからだそう。

未だアゲートも傍に居ないし、面倒を見ていたコルンら第八も多忙を極めてきている。落ち着いて来たとは言えど、第二だってまだ仕事はあったので、ちょっと目は放しがちにもなる。かと言って下の人間らに相手をさせるつもり等サラサラない。

「どうじゃ様子はって…」
「はぁ…この有様ですよ。ヘレス様、如何致しましょう?」
「ふむ……気絶とかは?」
「したところで、でしょうね。恐らく睡眠もこの状態で無理に切るのは避けた方がいいでしょうから、寝かしつけて来たんですが。」

薬の作用とそう変わらないような位置にもなる首輪は、出来るだけ外している。都結が拉致られた時以降、既に改良されたものを付けさせていたが、それでも勝手に敵から意識を奪わされるとはちょっと話が違ってくる。ひし形のオレンジ色にも光るチョーカーに変え、現在は朝なので橙色を光らせているが、夜になると青く光り出す仕様だ。因みに寝ていると緑色に光るぞ。

「帰らせてやりたいが、今は安静にしておれ。」
『でも』
「…はぁ。我々だって帰してやりたいですよ?」

そう言ってサワアはしゃがみ都結の視線に合わせてやる。

「ですがその状態で惑星に帰って御覧なさい。彼は一体どう思われるんでしょう?我々が傷付けた、とでも勘違いなさって困るのは貴方でしょう?」
『んん』
「確かに惑星に戻ったら体調も良好になるでしょうが、その起因が何処に位置しているのか不明確。」

もしも都結の気を、というなら話が大問題に発展する。ただでさえ体調が悪いのだ。気候も急変したら外に出すという手も恐らく惑星自体が拒みかねない。だから第二なのだろう。一番遠い場所でもあるから、だ。幸いなことに、各惑星自体は自我が同じ、という訳ではなさそうだった。とは言っても入った処は大体似たようなところだったらしい。

引き寄せられたとしても、回復出来た所で、である。荷物もまだ碌に纏め切れていない以上、今は安静にし、体調が回復次第、身支度を整えさせ、移動した方が賢明だと判断したのだ。それは大神官にも了承済みの件でもある。全王自体は都結が生き残れるならば別に何をしても構わないといい切っているまで来た。

それ程、都結は大事な存在の枠組みに入り切っているのだ。

勿論彼女も分かり切っていることだろうが、だから猶のこと、自分達を心配かけまいと、迷惑にならないように、と必死になる。いや本当に爪の垢を煎じて飲ませたい奴もいるくらいには良い子なのだが、それが仇となる状態が、現在の状態でもある。

「今は安静になさってください。何でしたらヘレス様もお貸し致しますので。」
「おい、わらわは人形じゃないのじゃぞ。」
「この際寝かしつけたらどうでもいいですよ。」

じゃあと言っていると、ぴたりと音がした。ん?ぴたり?

『えへへ、きもち、い…』
「っわ、ちょ、ちょっと!!」

サワアやヘレスの手を取り、本当は仲良くしてと言いたかったのだろうが、熱でその冷たい手を頬に当てるだけで満足したのだろう。そのまま当てた後、意識を失った。思わずのことに二人して少々慌てふためいてしまった。その後、きちんとサワアが元の場所に戻し、ヘレスと交代で面倒をみてやった。














「大丈夫、直ぐ良くなりますよ。だからご心配なさらないで。」











そうして駆け回りましょう?その春の最中で、貴方と共に























































泡沫の白昼夢


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