残響響く、それは夢幻のように2



まぁそんな騒がしいこともつかの間。それ以降は怖くて一日面倒を見てやりたいと言っていたが、流石に帰れと都結が背中を押す。まぁ勿論微動だにしないんですけれどもね!二人同時じゃなくて一人で、ですから。因みにアゲートさんは手伝い放棄されました。泣いた。

「はいはい、良いから寝なさい。もう秒で風呂に行って帰って来てるんですよ。明日はきちんと風呂に入りなさい。いいですね?」
『ふぁい』
「全く、私は貴方の母君ではないんですからね?」

なんだったら私がお母さんだよね〜と笑えば、あれ、と声がでる。おや、とモヒイトが声を出した。

「言質取りましたからね。」
『ん?…あ!!!や、』
「はいはい、拒否権ないですよーーー」

待って待ってと言っても口を軽く塞いでくる。んんんんと言っても無駄である。手は届かないので、腕を叩いて反論してやるしか出来ない。大神官と添い遂げる意味合いでとられても仕方がないことを言ったのだ。無理もない。とは言ってもこれで出て行くとかほざいたらただじゃ置かないものでもあるのだが。

「全くもう早く契り等交わせばいいものを。そうすれば此方も全力で守りに徹するというのに。」
『だ、だって…だもの。』
「え?何ておっしゃいました?」


『だって、今迄の時間が戻って来たみたいで頭いっぱいになっちゃってたんだもの。』


もう少しこのままが良いなって思って、だめ?

『ってあれ、モヒイトさん?』
「…すいません。ちょっとこっち向かないで頂いても構いませんかね。」
『あっ照れてる〜?ははーひょっとして照れてるなー?あっはんんぐっ』

母だけに、とは言わせてくれなかった現実。酷い話である。これ以上感情を掻きむしられてたまったもんじゃないのだろう。モヒイトは深いため息を吐いた。口の中にオレンジ色の飴をぶち込んだので、暫くは黙ってくれることだろう…先程からガジガジと不穏な音は気にしないことにした。

そもそも飴を与えるつもりはなかったのだがな。歯も磨いた後のことだ。これがコルンに知られたら大目玉を喰らうことになるだろうが、それには都結が似たようなことを昔もしたのだというのだ。

『大神官様と一緒に居る時にしたんだ。』
「お父様と?」

そう。コルンが聞けば絶対「なにしてるんですか!」なんて言い出すに違いない話だ。したら吹き出すように笑いだし、確かに言えてますね、なんて肩を震わせ話をする。確かに都結には飴を与えてやっていたのだが、どうやら一つでは事足りないらしい。今度から三つくらい入れてやろうと、良からぬ判断をしているモヒイトの考えはつゆ知らず、都結は続いて話をする。

『だから昔に戻って来たみたいだなーって。』
「昔じゃないと駄目ですか?」
『え?』
「今を生きる、とはいけませんか?」

それは貴方の生きがいを殺しかねない言葉でもあったが、此方としてはそんな気持ちなんて知らないもので。自分達からしたら、とっととくっついて早く甘えたい、と言う気持ちを持っていなくもなかった。まぁある意味ではコルンやモヒイトはその類である。本人処か、兄弟には絶対に言えない話ではあるが。

「この今この時間だけを、生きてくれる、なんて」
『無理だよ』
「…」
『それは、難しい。』

全否定してからの、否定。本当はしてやりたいが、それでも強く否定していないと、きっとやんわり期待させた方が怖いと思った彼女なりの優しさだったのだろう。それがまた、息を忘れてしまうほどに辛くなることを、彼女は知っていて、やっている。狡いお人だ。そうして突き放して、最後は一人で目を閉じるだけに留まるつもりか。どれ程の人を救ったと思っているのだろうか。


どれ程の幸福をその身から手放したと思っているのだろうか。


「ならば」
『?』
「ならば繰り返してしまえばいい。」

貴方が描いたあの春のように。周り廻って、春が来るように。


「”貴方が春を信じ続けるようにこの時間だって永遠とも言える程に維持されることでしょう”」

ほんとなんてない。事実その通りなのだ。彼があれ程人間に、それも一人に執着なんてしたためしがない。というか、あったら周知されているし、今頃正妻として扱われていることだろう。それ程の人なのだ。この子は。でも、きっと、今言ったら拒絶する。まだ完成されていないから。そうして完成された時、貴方はイエスと言える姿であれるのだろうか?


シュピルトのように、彼女もまた、何かの「欠片」になっているのでは?


なんて、考えてはいけない末恐ろしい感覚を思いついてしまったモヒイトは脳内で首を横に振った。その間都結はこくりと頷いた。信じていいのかな、なんて言って、涙がぼろりと零れ落ちる。小さくなる身体は、あの頃と何一つかわりゃしない。ええ勿論ですともと答え、モヒイトは都結の涙をそっと手で拭ってしまう。


「あのお人が貴方を捨てるなんてあり得ません。貴方は彼に選ばれておられるのですよ。」


ほんと?なんて疑心暗鬼の目をする。目が濁っている。気持ちは分からなくはないが、それでも一度くらいは信じて任せてやって欲しいものだ。沢山傷付いて、沢山努力して、それでも駄目なんて世界に居させてやる程、此方は冷淡な気持ちは既に持ち合わせていないのだから。

勿論と言ったら、トンと音がした。抱き着いて来たのだ。今だけ、と言った声が籠る。嗚呼と息を吐き、上がっていた肩も降りる。背中を優しく撫でてやった。あの日貴方がして欲しかったことを、今なら出来るのだ。あの日ならば出来ないことを、今ならば、出来てしまうのだから。だから私は今が良いというのに。


貴方はそれでもあの陽だまりに恋をしている。


もう一度、願わくば、永遠に。


「(それでも貴方方は此処からスタートを切るんでしょうね)」


その背中に背負うものすら抱き上げて。ほんと、付き合ってくれ出したら話が別なのだが。そう思っていると嗚呼でもと都結がとんでもないことを言いだした。




『そういや夜の間だけお付き合いするって話はしてたよ?』










「お父様ちょっとご相談が!!!!!!!」
「ドタバタと忙しないですね。」

何用です?
何用もなにも、

「〜〜〜!嗚呼、もう!私が言いたいこと分かるでしょう!?」
「いーや?分かりかねますねぇ〜?」

何の件でしょう?惑星の話ですかね、嗚呼それとも先日の破壊の件ですかね。
どれもこれも違いますよ…!

「彼女の話です、都結さんの。お父様何時からお付き合いを許可されていたんですか。」
「おやもうバレちゃいましたか。流石に誘導尋問は向いてませんでしたねー。」
「人の話を聞いて下さいお父様!!!!」

これが知られたら全天使が都結の元と大神官の元に押し寄せることだろう。まだコルンが知っていないというのも末恐ろしい話である。用事があるので失礼と言って急ぎ帰って来たのだ。恐らくバレていないだろうが、少々一抹の不安は拭えない。ひやり冷や汗を垂れ流してため息を吐いた。

「ご交際とあれば我々も尽力出来ます。何故そう隠されるのですか?彼女の中の者達が関係に?」
「…ま、そんなところですね。彼女に聞いても構いませんが、どうなるか、分かりますね?」
「ぐっ…分かりました。」

要はこっちが下手に聞き出したら、彼女自体に何かが起きる、ということだ。彼女の涙は出来るだけ見たくない。悲しそうにそっと泣き続けていたことが印象に残っている、というのもあるが、それ以上に嬉しそうにあんな、あんな嬉しそうに…

「泣いてたんですよ」

ずっと、来る日も来る日も。一時間も一分も、一瞬でも。彼女の気は変わらなかった。浅葱色と赤いマグカップ。偶に手をかけようとしては、そっと止め降ろすのは胸が痛かった。また来ますなんて言って気を紛らわしてやれたらどれ程良かっただろうか。ウイス達がその役割を担ってくれたことだろう。だが、その時になったら、きっとこんな痛みじゃない。比にならない程に、辛くなる。

あの日、何処かで寝ていたのは何となく分かった。だから追いかけることもしなければ、出来るだけ誰かが様子を見に行こうとしたら止める気持ちで見張っていた。次の日あった時は二人して何事もなさそうに笑うが、それは確かに、都結が望んだあの日の続きがあったかのようだった。

晴れやかだった。もう何一つ不安なんてない。雲一つない空のような晴天だった。だから綺麗に見えた。その零した涙が、目の色が。何もかもが、キラキラと輝いていた。此処から落ちる姿なんて、誰がさせるものか。あれ程沢山泣いているのだ。これで捨てるとか言い出したら本当にこっちが引き取る想いだった。

でも、きっと彼女はそれでも笑わないだろう。この人の前でなければ、この人と少しでも長い時間を共に過ごしていなければ。きっと、そう、きっと。

「…また近いうちに遊びに行ってあげてください。きっと泣いてしまいます。」
「言われなくともいきますよ。此方も全王様からお小言を頂いちゃっていますから。」
「全王様から?」
「ええ”泣かす様だったら怒る”なんてね。」
「…猶のこと行ってあげてくださいよ。」

もう何処の宇宙が犠牲になるかわかりゃしない。まぁ最近の涙はうれし涙ばかりだから良いとして、これが悲しいことになったら色んな方面から殺意を抱かせることになることだろう。あれ程努力してきているのだ。それなりの報いはあって当然なのに、彼女は受け取ることすらしない。受取ったら無くなった後が何よりも苦しくなるから、と言って。

未来の自分を守り抜くために?そうして残された自分がどれ程苦しいことか、己が一番よく理解出来ることだろうに?

なんて言っても、きっと彼女は分かった上で実行していることだろう。暖簾に腕押し、何を言っても理解などされないのである。

「ふふ、善処します。それだけですか?」
「ええそうですよ。本当に驚いたんですからね?」

何はともあれめでたい話だ。あとこれが最初に、というのは絶対に忘れた方がいい。天使らの反感を買う訳には行かないのである。まぁ一番懸念しているのは都結がボロを出さないかどうか、なのだが…あの感じ、嫌な予感がする。まぁそうなったらそうなった、ってことにする。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それからモヒイトが大神官と話をして以降、コルンも暫くして帰宅し、本当にアゲートと二人きりになった。暫くは上で過ごそうと言えば賛成された。どうやらあの古びた部屋が彼も気に入ってくれたらしい。板も綺麗に張り替え直し、今日から本格的にアゲートも部屋を持てたことに気分が良いらしい。

食事も場所はこの塔で終えれたりする。実は部屋はそれだけではなく、小さなキッチンや食事スペースがあったのだ。水の移動をし、綺麗にしていれば気付いたら外の空は深い黒色で塗りたくられていた。今晩は月が無い日らしい。雲がないのかあるのかすら区別が付かない。灯りを灯したアゲートが声をかけて来てくれた。

「どうせならこの塔と向かいの塔二つで暮らすか?」
『え?』
「向こうなら風呂場もある。書庫もかなり規模は狭いが、明日以降掃除続きで苦しい作業になり兼ねないが。」
『やる!!!』

えっ入ったの?
嗚呼
どんな感じだった?

「どんな、って言われてもな〜下の風呂場よりも民間人っぽい印象くらいか?ただ簡易の少々広い桶のようにも見えたが。」
『ああバスタブかな。』
「ば…?んまぁ、そうなんじゃないか?」

明日頑張らないとそう言う彼女にそうだなと言って頭を撫でてやる。そうすればんなああああとネコみたいな声が出て笑いが出てしまう。嗚呼本当に気が抜ける。確かに大神官が大事にするわけだ。まあとられと…と???

「と?????」
『ん?どうかした?』
「いやなんでもない。」

お休みと言って部屋にすぐ戻った。いやいやいやいやいやいや!!!

「…おいおい、嘘だろあのショタ親父」

まさか今どき首元にキスマークを付ける初心な男女が居てたまるか。それも結構際どい所だぞ。都結の髪の毛が今日一日結わえていなかったからまだいいが、これ、普通に結わえ、尚且つ首も隠さない服だったら余裕で見える位置であるのだが。あいつ、狙ってやったのか?????一応手出すつもりは更々ないのだが。

彼が居ないのに両手を上げる。降参のポーズをして、嗚呼もうやめだやめだと思考を放棄することにした。あの短い時間に何さかってんだか。いやこれ以上考えるのは良そう。流石に命は惜しいものだ。下手したら今世で済まない話になってくる。本当にこれ以上は面倒見切れない。というか、以前も見ているのだから、今回で切ってもらわねば困る。

「…さて、どうでるか、か。」

大神官が手を出した。それ即ち、喧嘩を売った、に等しいことになるだろう。都結の体内には以前神々が住み続いているのは明白。今は眠っているが、時期に目を醒ますし、その時の都結の感情を知り、何をしでかすか分からない。出来る事ならば四六時中面倒を見てやりたいが、彼女自体人がいると息もしにくいだろう、と思い外れている。

精神的な異常もコレと言って見つかっていない。まぁ大神官との心が通ってその異常もかなり少なくなることだろう。最高潮に満たされた時、彼女がどう出るか、見物でもあると言いたいところだが、こっちは生憎守る側。絵本か何かの物語であれば話がべ…ん?絵本?

「(そうか、場合によっては絵本の中に神々を閉じ込め…いや、それをしていたとしたら?)」

だとしたらその類の書物がこの惑星いや、この小数で区切られた惑星の何処かに保管されている事だろう。何一つとて管理されない、なんて訳もない。ひとまずはこの惑星を完成したのち、他の宇宙にも旅立つことになるだろう。彼女の組手も、時期が来たら再開してやらねばならない。本の中に入るやり方も、その逆も、である。栞として管轄していたのであれば、きっと出来ることだろう。

いやにしても、

「ほんと、頼むから巻き込まんでくれよな……」

がっくりと肩を落とす以外他は無かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなこんなありまして、次の日。朝食を食べ終えた二人は隣の塔にやって来ていた。古びた扉を先にアゲートが開けてからの移動だ。二人して今日はメイドのような恰好である。因みにエプロン自体はアゲートが嫌がったが、どうせ今だったら天使らもいないから、と言って試しに着たが、案外に着心地は良かった。まぁだとしても白いエプロンは外させて貰い、他のやり方を考えさせて貰うことにしよう。下手したら衣装からして第二の大神官とか洒落にならない話だからな。

古びた所は向こうよりも、と言った処か。風呂場だったのもあり、かなり崩れやすい状態になっている。また怪我をさせないためにも手はしっかり掴んだまま離さないで居たら声を掛けられていたことに気付いた。

「嗚呼なんだ」
『ご、めんあの手』

お手手、痛い。
嗚呼、すまん…気付かなかった。

悪いと謝ればいいよと笑い応える。だがそこそこに赤くなっていた。大分長い時間強く握りしめていたらしい。考え事していたんでしょう?と言ったら大丈夫なのだと答える都結には脱帽した。もうそれ以上優しくならんでくれと思うくらいだ。こいつの優しさはある意味凶器ではないのかとさえ思える。得意武器優しさ?なにそれ笑えん。

打ってもいない首後ろに手をかけ困っていると、あそこと都結が声をかけた。それに気付きん?と声を上げた。

『ほら本屋さん。』
「ちょっと本屋さんではないがな???」

だとしても、確かに本屋程の広さはある。精々古本屋程度か。六畳一間あれば良い処くらいの広さだった。狭い空間は縦長に続いており、どうやらこの塔の縦部分一式が本らしい。中央が階段になっており、それぞれ四方に移動出来る空間くらいはあった。広さは階段とか諸々込みすれば恐らく18畳前後だろう。だとしても狭かった。

かなり古い本もあり、埃もつれで正直マスクが無いと話にならないレベルだった。後で掃除するとして、次は風呂場だ。反対側にあり、丁度中庭から右側の通路を上がってぐるり一周しかけた所に位置する。中庭が一望できるどころか、頑張らなくとも広範囲の広さは見える。此処から風呂に入ったら気持ちが良いだろう。

バスタブだと言っていた都結に記憶を新しく覚えておく。白かったのか、元の色が分からない程に黄ばんでいる浴槽と、かなりボロボロになっているタイル。これは総入れ替えが必須だと見た。タイルも磨いたら元通りになりそうだという都結。入り口はシンプルかつ綺麗だった。

全体的に長方形。手前横一直線の脱衣所に、扉を開けたら風呂場だった。因みに脱衣所がやけに長く広いな、と思ったが、普通に荷物置き場が消えているだけだろう。痕が残っていたのを確認した。下手したら此処自体切り取られていたのかもしれない。風呂場から移動し、サウナがあったーとか、ね。ありえなくもない話だ。

「本当に此処は良いな。」
『ほんまそれ。いや、上行こうよ。』
「嗚呼」

調子に乗らせても悪い。決まってぐっと力を入れ彼女を後ろに持って行こうとするが無理にでも前に出て来るので身体でこっちへ来ないようにする。そうしたら抜け出て来た。あっちょと言っている間に止まる。歩きだしたら同じ様に動き出すので、一度殴っておくことにした。だってこれ、明らか喧嘩売ってるだろ。

いたいーと半泣きの都結には煩いと言ってやるしかなかった。そうして昇って来たらば、だ。向こうにはなかった小部屋が二つ、後は屋上だ。此処は同じ仕様だったし、中央の休憩エリアも同じ様な形ではあった。

嗚呼因みに何故破壊神らが此処の二棟を掃除していないかと言うと、勿論都結がしなくて良いと言ったのもあるし、その腐敗というのもあり、立ち入り禁止を言い渡していたのもあるが、それ以上に地下通路の隠し部屋があることに気付いた。流石にこれ以上は崩れると困る。此処の惑星では水回りも自分達で動いてくれる。とあれば、だ。

「お前土とかお願いしてどかしてくれたり、何なり出来ねぇのか?」
『むぅ。物じゃないんだから。そんなこと言わないでよ。』
「いやどう考えても物だろこいつら。」

そう言ったら何故か殺気を感知した。いやいやいや、もうほんと勘弁してくれよ。こっちが気が狂ってる様に感じるだろうが。どう考えてもこっちが正常でお前達が異常者である。だってそもそも水は自ら動き水路を移動する訳がない。自分達が道を確保し、水を移動させているだけで。じゃなきゃこんな塔の端に水路なんて作っても無意味な話なのだ。というかその水路自体に何がいた何が。

『でも流石に土さん移動させたら皆ビビるよねーーーー!』
「ほんとお前誰に言ってるんだ。」
『とりあえず其処ら辺』
「反応した奴が泣くぞんなことし続けたら。」

適当に言っていたらしい。何故か水が反応した。いやほら、落ち込んでる。少なくともスライムが水みたいに溶けてしまったではないか。しかも何処か行きやがった何処行ったよ。新手のゴキブリか何かか????

『水はつか…仲良くなったから』
「おい今使うって言ったか。人を使うみたいに使うって言おうとしたよな????」
『っふっふっふっふっふ、いや、流石に石だしなー無理だろ。』
「話を聞いてんなら答えろよ笑ってるなら」

というか普通に石なら移動出来るぞ。
えまじ?

「マジと言うか、俺を何だと思ってる。」
『近所の兄ちゃん』
「そら先日のサイヤ人らに対してのデマだろ。まぁ別にいいけどよ(ある意味間違ってはいねぇし)」

アゲートの管轄は宝石の加工だ。未だ都結は人間で言う処の人工呼吸器が手放せない状態。この惑星に居るので此処までピンピンしているだろうが、外に出たら恐らく体調は悪化することだろう。下手したらこの惑星自体から離れられない可能性だって拭えない。まあ大神官がこっちに来るというならば話は別だから良いが、きっとこの子は大神官の居る方に寄っていきたがるだろう。

とは言っても魂と肉体の相性的に、流石に別の肉体へ移動は避けた方がいい。その肉体が耐え切れない可能性でしかないのだ。この体調の悪さは魂由来からだろう、という見解がまさかの界王神から聞いた話だ。因みにゴワス様です。

下手に動かせば中の悪さをしている者も出現しやすくなる。もっと言えば出て来ては騒動を巻き起こしかねないとあれば、まぁ一択だ。普通にこの子の身体をこの惑星から基本出さない、が原則になる。まぁ致し方ない話だ。何せこの宝石もこの惑星でしか採取出来ないのだから。

だからと言って、何もしない訳でもない。この床は全部此方でとれた宝石、とあれば、だ。手に力を籠め、少々手荒に地面へ手を叩きつけてしまえば、だ。

『うわあああ!!』
「…ま、こんなものか。」

ものの数分足らずで風呂場の改装工事も整った。バスタブとかは流石に物が違うので管轄外なのだそう。何とか綺麗に出来ないかな。研磨とか、そう言った都結になぁと閃いたことを言った。


「ちょっといいか?」
『???』









泡沫の白昼夢


/utakata3/novel/80/?index=1