俺の話をよく聞け、目覚めはもうすぐだと1


「分かりました。その手で参りましょうか。よろしいですね?」

都結さん
うい

「ほんとに分かってます?ほら、言えますか?」
『あば』

それから、少々時間が経った。大体1時間程度だろうか?コルンらが戻って来て簡潔に話をしてくれた。此処から恐らくだが、直ぐに襲撃を喰らう可能性がある。のを、逆手に取り、こっちから仕掛ける様に仕向ける手段だ。都結の身体は予想以上にダメージが少なかった。

そう、痛みに強い訳ではない都結が生き延びて来れたのも、全て「演技」が上手かっただけなのだ。そう、今回実は都結が無意識的にその「オートモード」にスイッチが入っていただけであって、見ていた敵もきっと騙されていることだろう。手当をしたウイスが直で言ったのだ。

ー確実に彼女の体力は周囲を完全に騙し切れているでしょう

と、事実都結の体力はぱっと見てはダメージが深そうに見えるも、その中は然程大事になる程ではない。確かに治りかけていた処が剥がれてしまったのはデカいが、それでも2度目。だとしても2度目、である。回復していない訳ではなかった為、最初に痛めた頃よりかは遥かにマシだし、というかマティーヌが見つけた個所の方を問い詰めたいくらいだった。

まぁどうせ大方、都結が無意識に動いた時に当てた傷だろうと推察するが、勿論それは的中する。都結の記憶を遡れば一発で判明することなのだ。事実だったのでそれ以上の責めることなんて話はしない。

そもそも何故破壊神らは勿論天使らを巻き込めているのか?それはもう都結が大神官の正妻に、という意味はあるが、それだけではない。全王様の直属になりうる腹心に相応しい力を備えているというのもある。まぁその力がなくたって、彼女の性格に天使らだけでなく、破壊神らも少々楽になっている処はあるのだ。

ただ、それはあくまでも「おまけ」である。


「(今回の件ではっきりしましたからねぇ)」


彼女等の血筋で、この宇宙全体の危機が訪れかねないのだ、と。

三回忌で約束が果たされてしまえば最期、都結の存在事綺麗さっぱり分からなくなってしまう。というのを避けたいというのはあった。が、それだけではない、宇宙隅々に点在している「見えるようで見えなかった惑星」たちが「本格的に消滅してしまう」可能性が出て来たのだ。これがどれだけの損害になるか計り知れない。

というのも、だ。引力ありきの宇宙。引き寄せ数が纏まっていれば銀河となる。その銀河事消えたらどうなる?間の引力が消えれば、その「消えた引力を補う為に」惑星の移動が変わっていくというものだ。それが人間同士の、それも一つくらいだったらまだ話は分かるのだが、今回の件は全くそんな小さな範囲に留まるわけがなかった。

そう全宇宙間に挟まれた地点が一気に消えるというものだ。しかも相手は天使らを殺し停止出来る位置に居るものと来た。流石にそれは話が違う。ましてやその中心核となる者が大神官の正妻になれるものであり、尚且つ全王様の腹心になれる存在と来たら大きく事が動くことになろうもの。

まぁ本人は遠くから眺めて居られたらそれだけで良いとかほざいているが、こっちが許さないのでその願いはこっちから願い捨て去って貰えると助かる。というか捨てて寧ろ引き込んでしまっている様に見えるのは、全員思っていても口に出さないことである。暗黙の了解ってルール、ご存知ですよね?つまりはそう言うことだ。

「(ですが厄介ですねぇ…相手は目視出来るようになったとは言え、単体の火力は精々破壊神を数名合わせ勝てるかどうか、ですか。)」

仮に天使らが戦ったとしても、本気では戦えないし、基本的にもし戦うとしても都結を守る為だけに動くことになるだろう。その時間が長引けば彼女の精神が持たない。揺らぐ其処を突いてくるのだろうし、彼女も此方側も分かっているからこそ、そういう場面は極力避ける方向で動きたい。が、如何せん勝てる算段が彼女を含めた攻撃手段なのだ。

約束は確実に果たされる。というならば、その約束を思い出し、それと同等の価値に移動させればいいのでは?というアナトの意見には皆一致したし、そもそも都結自体そのつもりでことを運んでいたらしい。いやはや、本当に食えない人だ。まさか最初からそう思っていたとはと思ったが、どうやらそれは違う様で。

ー単純に意識の誤認は上手く使えるからね。
ー誤認が、ですか?デメリットしかなさそうに思えますが。
ー人を欺くならば己から、ってね。

いざということがあった時の為に、誤認し、価値をずらして別に移動するように動いて居れば、助からないことが助かるかも?と本能的に動き調整して生きていたらしい。いや本当に普通だったら必要ないことをよくもまぁ軽々しく言って培って来ているものだ。まるでこれが起こると確信していたかのように振る舞うが、きっと本能的には気付いていたことだろう。本人は否定したが。

きっとうまくいく。到着地点は全く違う処に、という彼女の言葉をひとまずは信じることにしよう。意外にもこういう状況下なのにも関わらず、二人の絆は徐々に育まれていることだし。まぁ近い将来本当に正妻に、と発表があるだろう。今は状況的に伏せているし、何だったら気付いている者は限られた者だったりする。

相応しくないと思う輩も出てくるかもしれないが、それは都結のことを知ってから言って欲しいものだと思う。彼女は充分過ぎる程、可愛らしく、そしていい子なのだから。まぁとは言え礼儀作法やらその他諸々は絶望的だが…そこは自分達が対応してやれば良い話であって。

「(襲撃が到来次第、各々は休息を)」

きっと外に出たらすぐに来るだろうと判断はしている。その為数日は此処に居り、と思っていると声が掛かる。界王らからなんてかなり稀だ。応答に返事をして、直ぐに他の者達に声をかけた。自分達の宇宙らで異常が発生しているのだと。すぐに帰って対応しなければならない。幾ら何でもこのタイミングで?罠か、だとしても帰らないと話にならなさそうなのは明確であって。

「ちっ」
「仕方がありませんよこればかりは此方の管轄です。」
「分かっている!!」

苛立つのも無理はない。気付いた天使らが大神官にテレパシーで報告をし、了承を得て帰還し、仕事に取り掛かることに話が進んだ。これが罠であれば、まんまと引っ掛かってしまえばいいのだと。以前都結がした様なことを、こっちがするまでのこと。ニヤリと笑たカンパーリに、何がおかしいとモスコが聞けばいえいえと答える。

「なにも、おかしいことなどありませんよ?」

嬉しそうに騙されたな!なんて指を指して笑いおどける都結を思い出したのだ。敢えて仕組んだことに、まんまと嵌まってしまったことがあった。それも、本当に綺麗さっぱり分からなくて、だ。彼女自体騙せると思っていなかったらしいが、やれば成せる何事も。という気持ちで成し遂げた。話を聞けば、自分の自我を別に移動させてしまえば良いというのだ。

ー自我を?どういうことですか。
ーほら私って馬鹿丸出しでしょ?
ーいやあのそれはまぁ…
ーソレをいつも通りに仕組んでしまえば?

そう、都結は自分の性格を大いに利用し、そしてその間に彼らが動く間合いを覚え先手を打って来た、というものだ。単純にこの作戦は自分を知っている者でないと通用しないし、ましてやそれは信頼関係を崩壊させる手段なので極力使わない方がいいというか、そもそも使わない一択だった。

が、今回で使えるというのが不幸中の幸い、か。まぁ手を打てるなら打ってもらいたい。出来るだけ蘇生はしたくないというか、恐らく此方側の回復が期待できないということは、蘇生はしない方がいい筈だ。下手したら何かしらの代償で目を醒ましそれこそ

「(いや考えない方がいいでしょうね)」

記憶の無い彼女なんて、もう御免被りたいものだ。あの深い闇夜しか見ていない顔なんて似合わないし、そんな顔をさせたくなんてないのだ。笑って陽だまりの近くだけでもいいから、遊んでいて欲しい。願わくばずっとそのまま。その隣に自身が尊敬するお人がいるだけで、そうそれだけでいいのだ。

蹲っている世界は溶けて消えて無くなってしまえば良いとさえ思うが、きっと彼女はそれも嫌だというだろう。それも含めて自分であったのだ、と。随分と強欲な人間と捕まえて来た者だ。ある意味プライドが高い似た者同士と言えば似た者同士なのだろう。それは自分にも言えることなので、鼻で笑うしかなかった。

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嵐の前の静けさとはよく言ったもので、遠い場所から飛んで行った破壊神らに、ソワソワはするが、何故か落ち着いている処不思議なものだ。半分しか揃っていない上に、こっちの力は精々本気を出して計算したら三分の一程度しか出ていないとみている。それ程自分を買ってどうなると思うが、覚醒石と封印石、そしてこの転生していく時間を計算したら見積もりは決して買い過ぎているとは言えない。そう思っている。

立ち上がった都結に、まだと肩を掴まれる。こっちが動かねばどうというのだろうか?

『私は西側に行く』
「なりません。」

そう強く言うのはクスだ。大神官は全王様に声を掛け動きにいっている。指示を仰ぐつもりだろう。その間に何が起こるかどうかなんてわかり切っていた。だからクスが強めに言って止めるのと、まだ動いていない第8と第9も都結の居る部屋から出すつもり等一切なかった。

分かっていますよね?そう言った低い声に振り返る。扉前で背中にピッタリ壁へ付け、此方を見下ろしてくるその眼は、本気だった。

「そのご決断が、一体どういった形になり得るかを。貴方様であられるならば、お判りになることかと。」
「どうか先を急がないで下さい。今迄とは話が違うのです。」

感情で精神で動いたらば、別の場所に移動出来る。これはある意味好機でもあった。変な話追手を巻いて戻って来れるという者だ。まぁ時間稼ぎにしかならない上に、一体何時帰ってくるか分からないと考えたらば、何方かと言えばこの場合こっちの好機ではなく向こうの好機でしかないのだが。

『だとしても、今外に出ないとこの城に閉じ込められるのは分かっている。』

流石にこの城を綺麗にした状態で戦いたくはない。どっちかって言うと西に行き、分断を、と言っているとそうですねぇと声が入る。



「出来るだけ我々も分断した方が好都合ですので」



振り上げた杖の先には彼が居る。宙に浮き、背中合わせに出現した彼に飛び掛かる二人と、クスは都結の腕を勢いよく引っ張り外に連れ出そうと動いた。ゆっくりと動くその眼に、はた、と違和感を感じ取った。

『(寂しそう…?)』

まるでこれがお別れか、のように感じる。何処か嫌だ、と思えてしまうのは一体何故だろうか?動かない都結の身体を、すまんぞと声が落ちて来たことで分かった。ラムーシが身体を掴み動いてくれているのだ。部屋がどんどんと遠くなる。身体が流れるように手も伸びる。まるで手を自ら伸ばしているかのように。でもそんなことも無くなる。身体が止まったから。震える身体に、動く。

振り返った。

「…だ、こ、れは」

其処には、おびただしい程の獣が周りを囲み、その中心には

『ローズ』

彼が居た。髪の長い、一つも纏めない彼が、だ。振り返った目は、数日前に相対した頃と全く同じで、いやそれどころか

「…どうやら完全に堕ちた様ですね。気配が先日と段違いかと。」
「お姉様、出来るだけ彼女を遠くに。」
「ラムーシお前傷付けたらただじゃ置かねぇからな!」
「んなことわしが分かっておるわい!!行くぞクス!!!」
「ええ!皆さんどうかお気を付けを!!」

トンと身体が浮く。待ってと声を上げ下を見下ろせば、ふっと笑って手を振ってくれた第7が見えた。嗚呼ほんと、もう。

『馬鹿』

任せてやるしか術がないじゃないか。笑った後、空を向いて声を上げる。勿論心の中で、だ。

『(ディール・コップキーノ聞こえる?沢山頑張って沢山傷付いてそれでも終わらない苦しみは分かる)』

これ以上無理なのだと悲鳴を上げたいのも分かる。私だってそうやって生きて来たから。貴方と同じような苦しみではないものの、それでも痛みだけは分かる。何度も何度も傷付いてそれでもまだやらねばならないのかと、それでも生きねばならないのかと。朽ち果てたいのに、果てる先など見せてやくれもしない。

それでも、生き延びねばならないのだ。いつか終わるその日までに。

『(此処をゼロとしよう。私の向こう側で教えて貰った知恵だよ。)』


一度どうしようもなくて死にかけたことがある。今思えばこの力の制御が出来ず、精神的に参ってしまったことが原因だったのだろうと言えるが、当時はそんなこと分からない。時間が止まったも同然だった力の方向性を、維持すらも分からなかった。維持の仕方すら知れなかった、もがき苦しみ、足掻いた時間の話だ。

その当時は身体の関係上、どうしても薬を投与せざるを得ない時だった。それ故、大量の薬を処方されていたが故に、[[rb:OD > オーバードーズ]]をはかったことがある。致死量の薬を飲んで死に絶える一種の自殺行為だ。どうしようもなかった。力の行方も分からず、何処に行っていいか分からなかった。これだけあれば楽になれると思った。でも実際は違っていて、辛く苦しい時間ばかりが待ち受けていた。

その時に教えてくれたのだ。「此処からスタートしてしまえばいいんだよ」と。だからと言ってODを促すことになるのでは、と聞いたらその人は応えてくれたのだ。

ー別にその手段があればそれでいい。だって選ぶことは間違っていない。貴方がその状況下でその選択肢をしたということは、貴方の気持ちがというよりも周りのことを考えた上の決断であるのは間違いないの。

それに、そんな人に「死なないでくれ」だの「考えて欲しい」だの通用しないし、寧ろそう言った言葉は逆効果になる。ならばどうするか。どうしようもないのだからそれでいいと言ってしまえばいいのだと。そしてその困惑した感情に少しでも時間を時を止めてしまえばいい。其処で気付くか気付かないか。動くか動かないかの選択は己でさせなければならないのだ、と。彼女は言ってくれた。

ーだからね、気付いて知るというのは決して間違いじゃないし、それに伴った行動は間違っていやしないんだよ。間違っていたと知る時は何時だって未来に位置しているのだから。


『(何度だって繰り返そう何度だって間違えようその最中に、たった一筋の道を作り続け藻掻くこの時間こそが)』


私達が生き続けて来た証になる。


ー褒められたものじゃないし、出来るだけして欲しくはないんだけれどもね。それでも、貴方が決断したことを否定するのは貴方自らでないことを望むよ。少なくとも私はそう思うな。

『(だから戦って私と共に”共に維持を共有”する為だけに)』

巻き上がる風に、応答するかのように姿を現す。ふわりと身体が浮かび上がり、いいの?と声が聞こえて来る。戻ってこれなくなると言われてはっと笑ってしまったではないか。

「もう戻れなくなるのに」
『最初から戻れる算段なんぞ、考えていやしないよ。』

だって時間は巻き戻るなんて出来やしないだろう?

そう笑った都結に嗚呼そうだねと笑って返した。手を伸ばす。伸ばした手が、一つずつ折られてまるで組み合わさる様に、繋がっていく。させるかと声を荒げローズが攻撃を入れようとするが、綺麗に受け止め交わし落とす。誰も邪魔などさせやしない。そう言ってちゃきりと音を立て、剣を構えたのはアゲートだった。

組み合わさった後、ふわりと身体が浮かび上がる。まるで夢みたいだと思っていたら夢で良いと声が聞こえた。下から見下ろしている此方からは、顔なんて見えやしないが、何処かとても、苦しそうに聞こえた。

「いっそのこと悪夢だったらどれ程良かろうか」

そしたら目覚めた時、安堵出来るというのに。そう言った彼に、それでもいいと都結は応えた。

『悪夢ごと夢も現も、食べてしまおう。』

手に力が入る。もう片方の手も繋いだ後、額を互いに合わせ共鳴を促す。地響きが鳴り仕切る中、大丈夫と都結は彼に応えた。

『私が全てひっくるめてしまうからね。』

此処は物語であり、現実の中。ならば、頭の狂った判断なんて、正解であるのは至って当然、そうだろう?そう思ったらば、待ってましたと言わんばかりに水が空を舞い始めたではないか。敵を掴もうとしているのか、邪魔だと宙を浮かび、避ける奴も至って冷静に見える、が。

水を幾ら切っても切っても、また戻ってくる。しつこいぞという苛立ちに、何処か様子がおかしいと思った天使らがふと都結の目をみた。嗚呼、何も様子などおかしくない。手を合わせ、見下ろしている彼女の目は、ギラギラと光り輝いていた。笑っていたのだ。どうか、足掻き藻掻き苦しみ続けてしまえ、と。そう思っているように見えた。

宙を舞い、切り刻んで詰めてくるローズの動きはまさに風を切る様だった。舞い散る中、チリっと髪の毛が燃える。炎が風で見えないだけで、熱を帯びているのだろう。もやっと世界がぼやける。蜃気楼の要領か?なんて思っていたら距離の詰め方が尋常じゃない程に早かった。

ばっと勢いで手を離し、距離を取ろうと上に飛ばされる。相手のペースに呑まれやすいのは分かっているだからこそ、笑ってそれだけか?と煽ってやる。冷静を保とうとする自衛の一部だ。

『この程度で私をどうする?何をしてもお前らの好きになんて成りはしないというのに!』
「それはどうかな?」
『何?』
「冷静さを保とうと維持したって、ソレは応えてくれやしないよ。」

キンと耳が劈く。何が起きた。身体の身動きが取れない。嗚呼地面にたたきつけられたんだ。影が落ちる。痛みなんて忘れ去って、途切れていく思考回路を何とか繋いでいこうとするも飽和するのは、私がそうしたいからで。

「っ都結さん!しっかり!!しっかりしてください!!!」
「クス!」
「駄目です!全く起きない…!!」

じわりと身体から血液が流れ落ちていく。回復を最大限に使っても、この速度ではもう…床を見て落ち込むクスに、しっかりしろと声が降りた。あんたがそうやらないと誰がやるんだ、と。赤髪の女性が、ぎっと睨んで言うのだ。

「”あんたが最初に見つけてやったろ?”」
「…てぃ」



「……そうですね、ええ、そうですよ。」

私が見つけてやったのです。あの日に一瞬見つけた光を。穏やかな陽だまりに見つけた白いシーツにくるまったこの子の知ってる青い髪のお子を。手を握った感覚は、想像に容易かった。まるでその現実があったかのように、なんて…おかしなことを言う者だ。


だって「在った」ものなのだから。


「(もしも彼女等が物語の中と現実を区別する為無意識化で切り取ることで自在に移動出来るというならば…!)」

こっちだって似たようなことが出来る筈だ。例え中立から外れることになったとしても。物語の中だと切り離して言うのは、強ち中立から外れ、消滅するのを防ぐ一種の自衛と変わらなかった。以前やっていたやらかしを思い出したクスは鼻で息を深く吸い込み吐き切って杖を持つ手に力を入れた。

「私は”お姉ちゃん”なのですからね。」




杖を振り上げ、勢いよく振り落とした。杖の先は何処のページを開いているか分からない本の空白だった。





寝ても寝ても寝足りない。
貴方に会える時間が短い。

さぁ物語の中へ、継承継承







泡沫の白昼夢


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