もしもし、神様?いるんでしょう?7




「神々の言語は、真逆に、?」
「事実だ。だが書き方は流石に知らない。良くそいつの推しは聞いていたから、調べたことがあるんだが…そうか、言っていなかったのか。とあればローマ字もか。」
「嗚呼彼女は私にまだ早いからと言っていましたが。」
「な訳、パソコンを扱うならローマ字入力は間違いなく必須項目だ。させないということは、恐らく嗚呼…そういうことか。めんどくせぇな。ソレ。」

恐らく大神官に伝わらないように伏せていたのだろう。だとしたら本当に騙された。言われるまで気付かなかったのだ。この私としたことが。そう思って笑ってしまうのを堪える。嗚呼おかしい、やはり貴方は、私が見込んだ子その者でしたよ。こんな旅路なんて、要らない程に。

「そう言えば一つお尋ねしても?」
「なんだ?」
「赤子は良く言い間違えると言いますが」
「…嗚呼、子供の面倒は見ていたから分かるが。」
「大体五歳嗚呼いや、…一歳後半から二歳で、それも成長が遅い子でしたら。」
「言葉は。」
「”あーああいてぃ”」

動き出した車のスピードが上がったのか、身体が後ろに動く。暫くして、多分だが、という。

「今から行くのはドイツで、その子の祖母は古い国の子だそうだ。俺もちょっと齧ったことがあって、ある程度の言葉は知っているが…いや、そんな、だとしたら。」
「何かご存知なのですか!?」
「言うはいいが、此処で誓ってくれ。その子の母親に対して、傷つけることがないことを。お前だけでなく、全神々が。」

お前を知る神々が、だ。

「…誓いましょう、そしてもしもそのようなことがあれば、厳しく罰して差し上げましょう。」
「…とある場所ではアイティという言葉がある。意味は【母】」

だが、その子があくまでもその国の言葉で言ったんだろうな。


「【お母さん】って言ったとしても、もしもの可能性がある。」
「ちなみに、この地域ではアイティとはどういった意味ですか?」
「そもそもその発音はしない、が。」
「が?」
「…赤子が傍に居て、母親だけが消えたとあれば、一つの言葉が浮かぶ。」


雨音が強く音を立て、口を開いた言葉に、眼を開いた。



「…酷い子ですね、もしもそれが本当ならば。」
「……お前まさかそいつが」
「だとしたらどうします?この怒りを一体何処にぶつければ宜しいのですかね?」
「泣くぞそいつが。」
「でしょうね。」
「(ほらみろ、怒っただろうが)」



”ままにあいたい”



きっと彼女はそう言ったはずだ。聞いて腑に落ちた。リキールが聞き返していたのは「会いたい?」と聞いて来たからだろう。自分達の言葉が真逆に聞こえていたらそりゃあ分かる訳もないし、確かに彼女の言葉は非常に不思議だった。聞けるようで聞けない。成程、逆にしてしまうのは、きっと頭でそう考える癖が出来たからだろう。

左の包丁で切った傷も、右手に走る六芒星の様な茶色い星の印も、全部、聞いていたものばかりだ。

ということは先程言っていたのは…そういうことを言う子は、一人しかいない。

「これは合わせたくないですねぇ」
「何の話だ?」
「なんでも」

コルンが言ったんだろう。おまじないを、意味はこうだ


この世の夢よ、君とあらば。

この儚い世の中が例え夢であったとしても、それでも私は貴方が居ればそれだけでいいのだと。何と狡い言葉を送っているのだろうか。これは妬けてしまうのも、無理はない。だが、恐らく天使は全員そう思っていることだろう。例え自分達が居た時間が夢だったとしても、貴方だけが生きて居たら、貴方が居れたらそれだけでいい。だから、遠くから見守らせて下さいと、そう言う意味を込めたのだろう。

これで確信した。この子だ。


「みつけた」


そう言って頬に手を触れてしまえば、嬉しそうに頬を摺り寄せてくる。嗚呼、そういう可愛げも残っているのですね。それ程傷付いていても。尚、貴方はありのままを保管したのですか。我々の約束を守る為に?引き剥がしたくなかっただろう、己を?その額縁の中に閉じ込めて、いつか我々と出会う時に、分かってくれるように。

そして分からなかった時、何時でも破って捨てられるように。

…確か8歳頃、かしらないが、酷くやつれた子なら迷い込んだ話は聞いたことがある。もう何を言っても何も顔を変えないまるで人形だった。その時は白ではなく黒髪で、眼も暗いように見えた。水を毛嫌いし、女性の姿であるヴァドスさん達から特に距離を置いていた。それもあって、見つけた第2では特に苦労した。ヘレスを酷く嫌っていたのだ。だが、事情をしればすぐに納得がいく。

ヘレスの様な人が母親だったのだろう。

そしたらすぐわかる。母親に似た人が近くにいる。それは恐怖だろう。丁度精神的暴力を受けている頃合いだろうし、黄色が好きだと言っていたが、ひょっとしたらサワアさんが何かをしていたのかもしれない。酷くやつれ、もう何もなかった。まっくらな子だった。だが、ある時間だけは嬉しそうに笑う。

午後二時になれば、笑って、深夜の二時には泣いていることがあったそうだ。

一応事情は聞いていたし、その子が結局出て言ったのはたったの三年程度だった。最後までヘレスに懐かなかったが、手紙を見て泣いていたのは見ていた。お礼の言葉を書いていたのだろう。どれ程の痛みを知っても、ヘレスに罪はないし、その母親にも罪は無いと思っているだろう。

嗚呼、納得がいく。恐らくコルンさんの服の色は髪の毛の色だったのだろう。そしてマルカリータさんが抱き着いて、ウイスさんは見ただけで、なんてもう分かる。全て、母親の特徴ばかりだったのだろう。クスに関しては三つ編みを見たらぼろな気をしていたらしい話を聞いたことがあるくらいだ。流石にそれだけで三つ編みを解くのは可哀想だからと、子供達が全力で姉であろうクスを励ましていたが。

だが、もしもあの子がこの子ならば、一体どれ程の痛みを知ったのだろうか。どおりであの綺麗な光が見えない訳だ。無くしているのだ。これは大事になった。


「(間違いなくコルンさんが怒りますね)」


そう、問題が出た。コルンだけではない、直ぐに行動しそうで怖いのがコルンであって、他の子も怖い子ではある。自分だって知った瞬間怒りに満ち溢れたものだ。気が其処迄出ない処で良かった。殺気で殺しかねなかったから。コルンは非常に彼女を大事にしていたし、そういうおまじないをしていたということは、それなりの愛情は在った筈。もう分かったらすぐに出て一発殴らないと気が済まなそうである。したらただじゃおかないが。それも込みだな。

とんでもないことが旅行当日に発覚とは如何なものか。知っていたことが全て嵌まって驚いているのはこっちである。これは猶のことこの子に知られてはいけない話になって来たが、此処で一つ疑問だ。

「この世界で神々の言語は周知されているんですか?」
「それがないんだよ。」
「(とあればローマ字の表記を少々変えた方が良いでしょうねその旨の言語を作った方が早いか)」

黒い書物にはルールを書き止めようと保管していたが、此処から活躍することだろう。向こうに行ったら沢山新しい情報も入るだろう。向こうで考え、帰るまでにとどめた方が良い。帰りの飛行機では最悪書ける感覚を養うために、行きの飛行機で慣らすべきだ。

「あれひょっとして俺やらかした?」
「いえいえ」

寧ろ感謝しなければならない。貴方は私のいや、我々天使らが優しく育てていた子を、大事にしてくれたのだ。それ相応の褒美が入ってもおかしくない。此処までしてくれるのだ、徳も非常に高いことだろうし、其処迄気にしなくてもいいだろうが。

「もしも」
「え?」
「もしも連れて帰るなら、一言言ってくれよ。伝えたいことがあるんだ。」
「…分かりました。善処しましょう。」

それは一体何方の意味かは、分からないが。未だに醒めない子が心配になってしまう。

「その子は身体も弱い」
「存じ上げています。いつもはしゃぎ過ぎては風邪をこじらせ、ベットの中でろくにおらず騒がせてばかりでしたから。」
「…お前本当に」
「前前」
「おっと」

優しい子でした。

「花を愛で、人の痛みに敏感で、戦いの中ですら我が身を捨て動く子。あの子とはまた違う意味で、いや似た者同士でしょうね。」
「…」
「綺麗な気を持っていました。正直言って、あれ程の質は見て来た中でダントツです。超えることはなかった。」
「それはそれは、いい子だったんだな。その子は。」
「えぇ、頬に触れ、人の笑みを引き出しては笑う子でした。怖がらせる子の前に行っては抱き着いてばかりして、私だけでなく子供達も癒されていました。まるでそう、天使みたいな子。でした。」

そんな子が、一度迷い込んでいた。見違える姿で。気付かなかった。気付けなかった、悔しいと思う。救ってやれたらどれ程良かったか。だがそうしなくてよかった。だから維持されている。この子は、無くしているだけだ。また迷子にさせているだけなのだ。あの気は、たしかに、此処にある。隠しているだけだ。あるのだ。存在している。息をしているだけでも、救いなのだ。

「ま、中立に準じるとはいっても全王様のご対応にお任せする、というのはご了承下さい。」
「へぇへぇ(おおこわ神様こ〜〜〜わ)」

要は大神官らが愛でていた子が今寝ている都結その者だったと判明したのだ。それも、二度も神隠しにあっていた。それも、素直で一番良い時期と、一番傷付いて悪い時期両方を知っているのだ。同一人物と知れたら、天使の怒りどころか神々の怒りを買うことになる。まさに触らぬ神に祟りなしである。もう触ってしまったので手遅れかもしれないが。どうぞ許して欲しいものだ。

「だがそうだとしたら不思議だよな、本は一体何の為だ?似たような子だったんだろ?そいつは生粋の日本人だし、確か海外の子じゃ無かったハズだ。」
「それも含めてお尋ねしに行きたいと思います。この本は気を練っている。此方側に通じる子の可能性が非常に高いのでね。」
「殺さないよな?消滅させないよな?」
「しませんし、まぁ私が帰る道が出来るというものでしょう。」
「帰ってこなかったら恨むからな。」
「ふふふ、どうぞご自由に。貴方くらいでしょうよ、この私を恨み、私が許す人間なんぞはね。」

おお怖い。本当に怖い。

「にしても大神官様がこんな庶民に紛れて生きて居るとは驚きだよ。」
「なんという嘘を仰る。最初の方から気付いていた癖して。」
「カマかけただけだよ。ま、でも安心した。」
「え?」
「貴方ならば、その子を守ってくれる。その子の誕生日知ってるか?」

10月04日なんだけどよ、日本では○○の日って決めていることが多くて、多くは語呂合わせで決まるんだがな。

「その日はこういう」



”天使の日”



「不思議だよな、天使の子に愛でられていた子が、天使の日に産まれていたんだよ。確か午後になる直前とか言ってたし、その類の数字は好きだったな。だから8とか好きだったのか?まぁいいか。」
「よくありませんよ。」
「おおおお、分かったら食いつきがいいなぁ。」
「当たり前でしょう、此方からしたら3億年も昔の話が出て来たんですからね。」
「三億!??!!?」

っと危ないですね
すまんすまん

「そんな月日経っているのかよ…嗚呼そりゃあ怒るぞ〜〜〜〜????誰が持ってたんだ。」
「コルンさんですねご存知ですか?」
「一応全天使は把握済み。破壊神もだが。嗚呼狐好きなのは其処からか。納得。」
「そうなのですか。」
「嗚呼、猫は余り好まないが、犬や狐みたいな耳の尖がった子が好きだったそうだぞ。」
「嗚呼ビルスは良く泣いている様に見え、闘っている最中だろうがハンカチ片手に突っ込んで来られて驚いてましたからね。向こうも怖かったでしょうし。」
「あんだって?????」

とんでもないことを聞いた気がする。

「動物好きなのは破壊神がその類の神々だったからでしょうかね?まぁリキールが聞いたら大層喜ぶでしょうねぇ。」
「リキール、様?の所に世話に?」
「敬称は省いて構いませんよ。貴方程の功績はそんなもので罰するなんて恐れ多いですし、抜きだけなんて容易いですからね。」
「そんないいことしてねぇ。」
「ま、第8の中と、後は第2に迷い込んで来ましたからね。両方共彼女を面倒見て下さっていますし…嗚呼この場合怖いのはコルンさんよりサワアさんですね。気付いて居そうなの彼くらいでしょう。後でソレとなりに尋ねますが。」
「怖いこと言わないで。」

そう悲鳴が聞こえて笑いが出てしまう。

「ですがまぁ可愛らしかったですよ?それにしてもこの子がですか…いやはや大きくなって。恋人はいたのですか?」
「一応元カレが居たそうだが、どうなったかはしらん。」
「それはざんねん。お相手に相応しいお方か私がお相手したかったのですが。」
「元カレ。元カレ逃げて大正解だよ。元カレ。」

全くである。この子の旦那どころか好意を何て知った日にはえらいことになる。まぁ別にいい。今は居ない。

「とりあえずパーキングについたらたたき起こしてくれ。」
「わかりましたいつも通りに起こして差し上げましょう。」
「…あの一応言っておくけど、此処まだ日本だからな????」

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…い

ううん、なにまだねる。

そう唸っていると、起きてと声が掛かる。あいてぃという可愛らしい声だ。嗚呼好きな音だ。その音は昔から聞いていて、あれでもなんでだったかな。

「おや、目覚めちゃいましたか、残念。」





「何してんだ」
「いつもの挨拶を少々」
『先生されたことありません。』

マジで目覚めた。誰が目じりとか頬にキスして起こせと。眠り姫でも口にするぞ。いやして欲しいんじゃあない。したら全天使に殺されかねない。

「別に殺されないですよ。半殺しに返してやるだけですし。」

とんでもない発言が聞こえて気がする。マジでコイツ脳内見えてねぇんだろうな?!?!?!?

此処はパーキングエリア。トイレ休憩も兼ねて、色々ぶっ飛ばして現在東京まであと三時間程度で着くところだ。ギリギリって所か。一応予定では一時間をと思っていたらしいが、雨と雪で少々よろしくないらしい。

「何にしますか?」
「俺みそラーメン」
『えぇ白鳥さん医者から許可下りたんです?貴方前コレステロール値で切られてませんでした?』
「ぶぶー今は解禁です〜」
『うっそだぁ、あの悪魔みたいな濃い者好きな白鳥さんがあっさり食べてたんですか。』
「やるときはやる子なの〜。」

そう言いつつ三人で食事をとっていると、テレビが放送を始める。うりゃりゃりゃという声に、既視感を感じてふとみた。

「うわ、映画化か〜いいな〜」
「なぁ」
「其方のラーメンを頂いても?」
「嗚呼…(おい、お前あれは良いのか)」

都結はトイレに行っており、今はいない。救いかもしれなかった。あの場所に描かれている子は、先程聞いた話そっくりそのままだった。別世界で助けてくれたぁ!?なんて声が聞こえる。二度にわたり迷子になっていた人間の子は、特殊な能力を持っている者に使われ、危機に。悟空達主人公が取り戻しに行く話なのだそう。

白髪と黒髪の子が混ざった様な女性が出て来て、一つの髪色の姿になる。真っ白な髪色に、赤い瞳を灯していて。


ー青色が欲しかった。そしたら貴方の色になれたのに。


そう言って天使らと闘う姿も見えた。止めろという悲鳴。天使の様な輪っかを付けて、女性が胸を貫かれて言うのだ。


ーあえたよ


なんて、コルンの前で言って、倒れる姿を。見て見たいが、上映はどうやら来年の秋ごろを予定しているらしい。まさかの天使の日になぞらえて10月04日なのだそう。警戒して置いて損はないが、もしも、という処だろう。ちょっとした予告で、登場者が話をしている。本を扱う者なのだそうで、今回のテーマは美術館の様な展示場所らしい。

本も絵も全て切り取ってしまう存在。彼女はそんな存在で在って欲しいのだとか。

確かに時が止まったかのように感じたが、ひょっとしたら、向こうで化けるかもしれない。化けた後が怖い。狙われる危険が出てくるからだ。あの子は血を知らない。知っているだろうが、それは現実にはない物だ。フィクションの中でしか知らない。否定が付いた時、あの子は動ける子ではないだろうし、あれ程の澄んだ気を持つ者だ。間違いなく、戦わせてはいけない。

あの澄んだ世界は二度と巡り合えることは無くなってしまう。

キャラクターがこれと言って出される。どうも投稿した数万の中から選ばれた者だ。青い髪色で三つ編みをした子が選ばれている。名前は儚いという意味合いが気になって採用されたのだそう。サワアさんと幼馴染で、今回の主人公である彼女の守護神としてずっと傍に居たのだそう。前は見えていなかったが、向こうでは見えるようになるのだとか。これは面白い話を聞いたものだ。

主人公はやはり悟空らの形に近い色合いをということで、ちょっと洋風な服で合えて優劣を付けた子を採用されていた。嗚呼、コレを見たら発狂して倒れますね。間違いなく。お待たせーと言って来た子に、お帰りなさいという。注文していた醬油ラーメンは冷めそうにない。

『律人さんそれおいしいです?』
「ええ、食べます?」
『滅茶苦茶美味い』
「馬鹿言えまだ食ってすらいないだろうが」
『なんでわかる』
「みたらわかる」
『万年ちゅうぶらりんりん人間が』
「待って何て???????」

とんでもない発言が聞こえた気がする。そんな話で彼女が気付かない間そっと、大神官は話を聞いていた。


ー人間では在りたいんですよね、でも天使に触れて、人間を知る天使と、天使を知る人間の関わり合いが面白そうだなって。戦いが禁止されているのは宇宙を変えるからであって、代わりに戦おうとする天使の様な人間を、天使達が止め走るのも、上映で見て欲しい。

「(危険視はしといて損はないですかね)」

こっちの時間と向こうの時間が違う。恐らくだが、向こうに来たらほぼ時間が止まったも同然だろうが…二度あることは三度ある。彼女は確実に此方側へ落ちてくる。が、それが最後になる可能性が高い。

覚醒する迄の期間というものだ。最初は幸福次は不幸最後は中立に間に居るというのも我々管轄の中に入っている感じが否めないが、一番危険視しているのは、自分が此処にいるということだ。恐らくだが、此処をA、大神官が居た処をBの世界だと仮定しよう。Aの世界よりもBの世界の方が時間の進みが早い可能性が高い。

と、言うのもだ。都結が居なくなった時は自分が見た中で約三億年も昔の話だ。彼女が2歳の頃に一度迷い込んできたのを計算しても、どう考えたってこっちの時間と向こうの時間がズレすぎている。自分がこの数日居る間も、数万年移動していると考えれば、少々焦る気持ちもでる、が。今回で帰る可能性だって否めない。

恐らくだが、自分はルールを書いてしまえば消えて居なくなるのではと思っている。未だに想像ついていないが、向こうに行って何となく分かることだろう。だが、問題はこの子を置いた後だ。天使らを連れて出すなんて無理だし、というかそもそもこれは規約違反だ。この子に関して自分達が触れてはいけないルールを、盛大に冒してはいる。

「(せめて此方側の神々に連絡が出来れば話が早いのですが)」

あの神々が一体何処にいるのかもわからないし、自分達と同じような行動を取っていたら猶のこと諦めた方が良い。間違いなくそんな日を待っている間に自分が帰るものだろうし、まぁ帰らなくても向こうの子達が何とかやってくれることだと信じたいものだ。そうであってほしい。


『へードラゴンボールまたやるのか映画化』
「情報はっや」
『ねぇ天使沼の人増えるの草なんだけどさこれ』
「都結さん」
『ねぇなんしただ』
「私が此処にいるのに、液晶ばかり見ちゃうんですか?なんだか妬けちゃいますね。」
『ヒュッ』


そう言ったら秒でスマホを消して全力で首を横に振っている子には笑ってしまう。ラーメンはもうお腹一杯腹に入れている。彼女には来年まで敢えて模索せず楽しみにすればと言えば喜んでと言ってくれたので、多分大丈夫だろうと信じたい。下手に情報を入れて、自分だと思い込ませたくないのだ。ま、それがこの世界の筋書き通りと言えば、困ることではないのだが…なんだか嫌で、もやもやしたのは間違っていない事実である。

ご一行は車に乗り込み、走る。目的地は東京の空港だ。液晶には二人の絵。好きですよねぇと言った大神官がぼやく。

「何が好きなんですか?そのお二人の。」
『…優しいなぁって思うんです。』
「またどうして。」
『厳しいと思うんですよね、二人共。特に仕事だったら猶のこと。多分サワアさんとコルン様って似通ってる感じするんですよ。まぁ天使兄弟ですし。』
「逆に誰が優しいと思う。」
『断然マティーヌさんですね。アレは多分ぬるいか、偶々破壊神が良かっただけでしょう。ソレを言ったら恐らくクスちゃんも絶対ぬるい方かな。でもまだしっかりしないとな〜って感じは持ってる。』
「(言われてますよ〜お二方)」

なんて言葉は届かない。だが彼女が言っていることは事実である。あの二人は少々ぬるいことがある。正直破壊神に言い切られたら何とも言えなさそうで困った子達でもあるが、対処できない訳ではないし、あれでも曲りなりに天使。それ相応の対応はさせてきてはいる。その点心配ないので良いは良い。

『優しさの基準値が違うんですよ。サワアさんはきっと、見守ってくれる。コルンさんも。』
「介入しないだけで、放置しているとしても?」
『其処に居ると思うだけで人間は救われるんですよ。でも、二人共怖いだろうなぁ。』

まぁ個人的にはコニックさんやモヒイトさん辺りが怖いが…それは別としてウイスさんが怖い。恐ろしく怖い。多分あの手のタイプは一度キレると歯止めが効かないだろう。現に弟はやらかしているからな。まだちょっと踏みとどまれるのがモヒイトさんやコニックさん辺りか。そもそも怒りに持って行かないのがカンパーリさんとかあの手のタイプかなと思う。周りをかき混ぜて自分の処を安全圏にするタイプ。マジで嫌なので触りたくないものだ。まぁ逆に触って味方にするのが一番良いだろうがな。

『でもま、見れるなら見て見たいですね〜あの二人辺りがキレることするってなんだろう』
「「(貴方のことですよなんて口が裂けても言えないですからねぇ/なぁ)」」

流石に無理である。

だがまぁ、文章にしては少々それで思いついた。ドイツ語風にいっそのこと変えてしまうのはどうだろうか?一応英語を扱うに当たり、どうしてもローマ字自体は見ている。形を上下逆転にするだけなら、本を逆さまにするだけで良いし、文法もちょっと弄って放置したら絶対に読めないだろう。まぁ仮に読めた所で彼女の脳が受け付けてくれるかどうかだ。見た所、余り良いとは正直言って思えない。まぁ此方としては良いのだが。

そんなことを思っていたら、トンネルに入る。

大神官は次がどうなるか、楽しみに思えて来ていた。










泡沫の白昼夢


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