残り時間はたったの7秒2



奴の要求はこうだ。

目的地には必ず一人で行くこと。
サワア達らを外すこと。
時間は決まった日の時刻に来ること。

この条件だけだった。まぁ予定時刻より大幅に移動出来ている。何故か知らないが福島で電車が止まり、そのまま出てフォロワーさんにおねだりしたら秒で車の予約出来てしまい、マジで10分も経たずに8人乗りくらいのデカい車が到着してきた。とりあえず後ろに放送中とかゲーミング色でびっかびかに光って走ってくるのだけはやめてくれませんかね?ネタかこれ。私ネタの民なのか???

『すいません世話になります都結です。』
「いえいえ、放送見てます。何方行きます?」
『一旦仙台迄で其処からは全員解散で。』
「了解。」
『その間に枠とります〜放送これ無理でしょ。』
「え?いやげっマジだ。ごめん。」
『そんなこともあろうかと前に使ってたID使って開きました。』
「待って?」
『今スマホでの棒読みちゃんソフト入れてる。』
「待って???」
『今ダウンロード終わって登録完了してる。』
「ちょっと待って?????」

速過ぎて笑っているのも見えた。一応充電は満タンにしてくれている。恐らく自分達が居なくなる時間帯ギリギリまで使えることだろう。何時の間に100を満たしていたのか分からない。ギリギリで外すとして、今は放送の試しをしては消しを繰り返した。その間にウラルはよなんて言葉が出てくる。勿論そんなの見ずに「探せ全て其処に命が宿されている」なんて某海の覇者みたいな物語の冒頭みたいに言うもんだから、本当に特定されてしまったではないか。笑った。

『はい、一応これで放送のバトンタッチ出来るね。』
「いやマジで神枠なんだけど。」
『いや僕が好きなの天使なので。』
「知ってるんだけれどもね?いやそうなんだけどもね?」

なんて話をしている間にそっと触れてしまう。気になる?と言ったエフェメラルにうんと答えた。

『大丈夫だよサワア、ヘレス。きっと元の場所に戻っていつも通りの時間を過ごさせてあげるからね。』
「…ねぇ、一つ聞きたかったんだけどいい?」
『構いませんよ?』
「幾つか登場人物いるじゃない?貴方の作る子って。ほとんどの子がミの付く子ばっかの、ひょっとして意味あるのかな?って。」
「…そう言えば今回のは「み」が入るのにエフェメラルは「み」の字もないな。」
『ありますよ?』

「み」って幾つかの漢字があるではないですか。

『「未完成」という意味の未熟な「未」や「未尽みじん」という意味の徹底して終わっていない、完全でない意味。「未曾有みぞう」という意味のこれまでにない、他に例のない意味を指す言葉。どれもこれも共通しているのは【到達していない】という言葉ばかりのもの。』

それは人間の一番得られる真理だと思っているのだ。

『「み」を持つ者は必ず人間で在る者に強く触れています。では何故エフェメラルは「み」がないか。実はあるのですが、エフェメラルは逸脱の意味を強く持たせたかった。』
「逸脱?」
『あの子は何処までも広い世界を何処までも走って扉を自ら開けて、人間が一番悩み苦しみ藻掻く時間を知りながら歩き止まらない時間に付かせたかった。その全てを纏めて「儚い」という時間に位置させたかった。だからあの子は何時まで経っても”ヴァイス・ミア・エフェメラル”であるのですから。』
「そんな意味合ったのか…」
『そして「みろ」はギリシャ語で「林檎」を意味します。まぁ要は』


”私を見ろ。真実の林檎に熟れたこの赤い果実をその全てを知り得てしまえばいい”


『そんな意味合いを持てたらいいな、なんて思った時期も私にはありました。現場からは以上です。』
「そんな事件現場リポートしてる人みたいに言うんじゃないよ。」
「わかりました。ありがとうございます。以上みろさんからでした。」
「そしてその話にのるんじゃあないよ。」


コルン様が絶対言いそうなんて言う。他愛もない話が続いていく。日も綺麗に落ちて、都結の吐き気はとおの昔に落ち着いていた。



時刻は午後22時半を指していた。県境で止まる。ではと言う。

『皆さんありがとうございました。一度放送きりまーす。』

ではまた後で。なんて言ってお疲れ様ですと言う都結にマジで疲れたと周りがどっとする。

『いや〜流石に上手かったね。サワアそしてヘレスさま。』
「…ほんと寝ることに慣らしとけの意味が漸く分かって感謝しかないですよ。」
「わらわもほんとに一時はどうなることかとおもうたわ…」
「うわ!!!!!!」
「え、ガチ第二?」
「ま、其処ら辺は内緒ってことで。」
「え〜握手してもいいですか!」
「流石に駄目だろ。」
「まぁ多少なら」
「ええのか。」
『ぴぴぴぴー』
「あっ規制入った。」

笑い声をひとしきりして、ではとお辞儀をした。

『またねエフェメラル。死ぬなよ。』
「死なないよ大丈夫大丈夫。」
『はいだうと〜お前私の放送上手く104で切ったら死ぬつもりだっただろ。』
「え」
『放送のスクショした。残念103万だったね。』



未完成なまんまでいいんだよ。



『お前は天使にならなくていい。人間でありのままを生き続けれていればそれでいいんだから。』
「都結さん…」
『ふはっ、都結でいいよ!嫌ならミロでもいい。』
「…じゃあみろちゃんで、いいかな?」
『っ!…うん!!!』
「また」

そう言って抱きしめ合う。嗚呼この世界が急に恋しくなってきてしまったではないか。本当に困りものだ。私も皆も。そして


このお子さえも。


『うん、元気でね。』
「うん」
『じゃ世話になりました。』
「またお会いしましょう。”アニュラスさん、ルトラールさんに、ルメリアさん”」
「っ!」
「行くぞサワア!!」
「はいはい、幾ら空飛べるからって人の速度でお願いしますよ〜?皆さん合流してるそうですし。」
「分かっておる分かっておる!!!!」

なんて言って綺麗に消え去る。声だけが遠ざかるところ、本当にドラゴンボールの世界に居るみたいに聞こえて。伸びていたらじゃあねと声が聞こえた。振り返った時には黄色い栞だけが残されていた。


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『さ、てと。放送はじめっか。』

そう言って放送を立ち上げる。一応鍵垢配信だ。これで時間稼ぎできる。因みに問題が104あります。マジで怒られる。その間に都結は言えることを言う。

『さ、とりあえず声は此処からでも聞こえると分かってるから持つとして、だ。問題は此処からか。』

一応肩掛け鞄には食料やら飲み水、あとは懐中電灯の最新式を持たされた。いらねぇと言ったら私がいらねぇと突き返されてしまった。ちゃんとこっそり返していたのにいつの間にか入れられていたではないか。お前何時だよ。何時入れ返したよ何時。音すらしなかったし場所が私の背中っておま何処の忍だよ何処の。

『…帰りたいのかなぁ。』

弱気になっても仕方がない。一応自演でサワアにはモールス信号で場所の場所も通達している。実は一部の神様だけにはモールス信号を習得させていた。向こうでヘレスとリキールそして意外にもシドラというある意味変則な三名のみだ。ここら辺は残ると思っていたし、実際残ったのだ。他はほぼ全滅という話を聞いているが…?

速報で一部の天使らの行方が分からなくなっているらしい。それに鼻で笑った。

『動いたな。流石うちの子らだ。』

さて、私も動き出すか。徒歩で行けば約束の時間に間に合いそうだ。軽く小走りで、と思っていたが、歩きは余りよろしくないのを思い出した。ふと見つけた自転車に目が留まる。


『ま〜こ〜なるよなあああああああ!!!!!!!』


自転車での通話はご遠慮ください。という訳で、三十分程度は走行することにする。勿論音は拾ってやっているが、話をするなら止まるようにする。勿論目的地までほぼ自転車である。流石自転車最高が過ぎる。まぁ八割以上外の街灯ないんですけれどもね。だからふつうに携帯の光で恐怖を和らげよう作戦である。不安は増幅すると怖いからね。仕方がないね?

道なりに行けば棒読みちゃんが発動する。誰と言ったら数字で言って来たから流石に止まって内容をみた。数を数えたら8と9そして4の文字が計算で出て来たので恐らくその面子だろう。おつ〜と言って気軽に話をする。

『今目的地近い。赤い灯篭見える。』

それで声が出てくるだろう。自転車を軽快に飛ばしては軽くブレーキをかけて移動する。一応合流地点には、だ。


『おつかれ』
「”酒の中には?”」
『え』
「合言葉を」
『わあ〜こんな状態でかいな』
「一応あちら見て頂ければ。」
『…”酒の中には真実見える”』
「”楽しい人には草も花”」
『”いじけた人には花も草”』
「では”生きることは?”」
『”呼吸ではなく行動である”』
「…お待ちしておりました。よくぞご無事で。」

そう言って握手をした後抱きしめてくれたのはコニックさんだった。偽装組”θ”が居るということは既に他の神々は移動したか?と思っていたのだが、どうやら今世界に移動する法則をまだ閃いていないところで苦戦しているとのこと。ほぼ全員がいるらしい。山の中に入って行けば、首元に違和感を感じる。

『殺して良いよ?お前がそれを一番に望まないならば猶のこと。』
「…ご無礼をお許し下さい。」
『いえいえ。放送してたのもあってね。多分場所バレはえげつないと思う。皆携帯は?』
「道ブチに捨てました」
「ゴミ箱に捨てました」
「飲食店に置いて来ました」
「車の中に置いて来ました」
『わあすっご〜い』
「貴方が言ったんでしょうが貴方が。」
「それで?」

私はまだ放送してうと言えばずっこけられる。

「あなたねえ!!!!!」
『おほ〜〜!!!』
「ま、まぁいいでしょう。どうせ合言葉は移動した後でも大体の形は覚えれますし、他の合言葉もありますから。」
『忘れてるがな』
「ド阿呆」
「ですが貴方あの放送はなんですか。」
『え?行くよ?』
「行かせるとお思いで?」

そう言った彼に数秒考えた後堂々と左を歩こうとしたので待て待て待て待てと言われて止められる。えーんあれ待って。

『ん?』
「なんです?」
『あれお兄さん?』
「なんでしょう。」
『私苦しくないよ?』
「でしょうね今迄で一番血色がいいですし。それもそうでしょう。」
「あれ程叫んでいたら笑ってしまうくらいには元気なのわかりますからね。」
『何処から知れてた』
「大体3キロ以上手前でしょうかねぇ〜〜〜?」
『鬼かな』
「貴方の神経がですよ。貴方の。」

全く世話の焼けると言うコルンに、どんまいと言った都結。もうこれ以上言うことはないらしい。お父様と言った彼に、都結も顔を向ける。

「敵の名前が分かっているのですね?」
『うん。絶対行かないと難しそう。』
「そうですか…どうしても?」
『うん。行かせて。』
「………分かりました。」
「っ、お父様!!!!!!」

幾ら何でもというコルンにお兄様の仰る通りですと言ったのはウイスだった。

「お父様、幾ら何でも何も無しでとは少々相手を甘く見過ぎでは?死んでしまったら元も子もないのですよ?」
「大丈夫でしょう。それに、絶対に行かないとまた此方側に戻ろうとした時が恐ろしいでしょう?」
「っいやまあ、それはそうですが…」
「ただお約束して下さい。都結。」
『…なんでしょう?』
「帰りは必ず此方側、ですよ?」
『……御意に。』

軽くお辞儀をすれば、よろしいと言った顔色が雲から落ちて来た月明かりに照らされた。

「行って来なさい」
『』
「っあ、ちょっと!!!」
「あ〜あ、いっちゃいましたねぇ〜」
「いかれちゃいましたね。よろしいのですか?あの感じ下手したら帰ってこない確率の方が高そうでしたが。」
「構いませんよ。いざとなればドラゴンボールにでも頼んでみますし、それに。」
「それに?」
「私はコレがありますから」
「っ大神官様それh」


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さて、と。

山を反対側から降りて走っていく。携帯はカタンと音がした。落ちた反動で持ち手の黄色い部分が飛んで行ったではないか。ボロボロになった姿をみて、ごめんねとだけぼやいて走る。恐らく大神官らも次の場所へ移動していることだろう。流石に本気を出したら彼等が人間に見える速度で移動出来ないなんて冗談は程々にして欲しいものを言うものだ。あり得る訳がない。あの天使らなのだから。現役を舐めないで頂きたいものだ。

それは都結も然り、であって。


『いや〜まさか本当に綺麗な場所があるとは思わなかったですよ。そして貴方が”其方側の人間”だったのも。』

私は非常に残念で、残念なのです。

出来れば嘘で在って欲しかった。







ねえ








































































































『しらとりさ』







泡沫の白昼夢


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