派手派手な花柄
えー皆さま、前回のあらすじです。
メルが頑張り過ぎて自業自得で罰ゲームが開催しました。
現在眠り切って二日目。大分華も落ち着いてきたところ。
「さ、お風呂入りましょうか♡」
嫌だが?!?!!?!?
嫌だが?!?!?!?!?!?!?!
そうメルはそっと嬉しそうに笑うサワアに対して
メルは断固拒否していた。
ちなみに今日はマルカリータさんが来ています。
あれ、此間来てなかったっけ????
「貴方が倒れてから心配されていたので呼んだのですよ。
お風呂も入っておられるとお聞きしてましたので。
折角ですし、手伝ってもらおうかと。」
「私だけでも充分ですますのに…。」
「駄目ですよ?マルカリータさん。
エフェメラル様は現在熱が下がったとは言えど
華も咲かせ切っている状態で身体もろくに動かせないのです。
二人がかりでやらないでどうするというのです。」
『…あ、の、』
あ、声出る。やったぜ。案外声が出たことに喜びが出る。
『私昨日、とか、意識、無かった気が、するん、です、が……』
「嗚呼、コルンさんと一緒に入れていたので大丈夫ですよ。」
『(あっそうなんですね?!?!?!!?!)』
サラッとお師匠様にまたご迷惑かけてしまって困るんだが!!!
まぁ私が全面的に悪いんですがね?!?!?!
「それに私はルトラール様だけでなく大神官様からも
貴方のサポートを任されていますし、華樹神官になるのです。
こうやって付き添うのは当然のことでしょう?」
『そ、う、なの?』
「ええそうですよ〜」
「エフェメラル様駄目ですます。
お兄様は誘導しているだけですますのよ!」
「だとしてもいずれにせよ誰が入れるというのです?
女性陣を毎回来させるのはそれもそれ、でしょう?」
「う゛」
「だから早く風呂に入れて差し上げましょう。」
彼女のプライドの為にもそう言うサワアは
マルカリータに服を脱がさせる。
嗚呼、ごめんよお。
せめて自分で動けれたら良いのだが、
なんでか本当にこの身体ツタが生えまくっていてだな。
「うっ…とんでもないですますわね……???」
「昨日もですが流石に慎重に洗いましたからね。」
『一応言いますが、頭以外ほぼ動けませんので。』
「そりゃあ此処まで蔓延っていたら動けないですますわよ…」
蔦がもう動かすのを拒んでいるくらいだ。
自由加減はイマイチである。時々というかほぼ動く時は面倒なのだ。
「気持ちいいですます?」
『ぴゃわ〜〜〜〜〜』
「っふふ、気持ちよさそうで何よりですね。
マルカリータさん、すいませんが
頭の方からして頂いても構いませんか?」
「わかりましたですますわ!」
『ん!』
「っふふ可愛いですますわ〜
ずっと一緒だなんて狡いですますよ。」
「いいでしょう?上げませんよ?」
私は物じゃねぇっつってんだろ。
そう言うとそうですね〜と笑って返されるのだから困るんだわ。
メルは頭を洗うとなって目をぎゅっとしたところを
マルカリータに笑われてしまって半分恥ずかしくなっていた。
花が変わって行くのに驚くマルカリータ
それにはサワアが忠告、いや教えてやる。
「少々あの後お小言を頂きましてね?エフェメラル様は現在罰を受けている身なんですよ。」
「罰、ですますか?何もしていない様に見えていましたですますが…」
「力を狂わせ、己の立ち位置さえも狂わせ咲かせる様な事をされたので……ねぇ?」
『うう、反省してるからこうやって何も言ってないじゃんかぁ〜〜〜。』
「っくくく、分かっていますよ?だってこんなにも素直なのですから、ねぇ?」
そう言ってチュッとキスをするサワアにメルだけでなくマルカリータも驚いた。
「ちょ、お、お兄様!?!?」
「っくくくく、いや〜望まれたらしてあげるのが夫の務め、でしょう?」
『…まだ結婚式も告白もお付き合いからもしていない気がしなくも』
「おや?忘れたとは言わせたくないんですがねぇ〜〜?」
あの日のこと、もうお忘れに?
『あの日?あの、あ……あ゛゛゛゛!?!?!?!』
「っふふ、思い出していただけて何よりですよ?
それにしても本当に素直なんですねぇ〜?
ヤドリギにかすみ草、アガパンサスときてスイカズラですか。」
「なんていう意味を持つのですますか?」
「ヤドリギはキスをして下さい。」
「あら〜!可愛いですますわね?」
そう言ってマルカリータがチュッと頬にキスを落す。
そのことにメルは顔を真っ赤にしてサワアに軽く抱き着く。
ムッとしたサワアに、修行が足りないですますね?と煽ってくる。
「とられない様に捕まえておくますね?」
「貴方に取られる程放置しないので。」
「それはどうですますかね〜?」
『あのお兄さん?ちょっと彼女に花言葉を教えるのはちょっと流石に』
「おや、それとも自分の口で言いますか?私は別に構いませんが」
『もっと無理ですすいませんでした
続きをどうぞよろしくお願いいたたぎします!!!!』
「っふふ、だそうなのでお話しますね。」
メルはぎゅっとまた目を閉じる。身体はあたたかさを忘れていく。
シャワーを止めてマルカリータが髪の毛を洗い始めてくれたのだ。
それでもこの中は三人居れば温かくなるというもの。
いや寧ろ後で暑くなってドアを開けて貰うかもしれない。
というかするつもりである。
「かすみ草は一見ただの枝にもみえますが、
こうみえて小さな花を多く付けた花です。
幸福、親切、感謝、無邪気という言葉があります。
マルカリータさんにお手伝いしてもらって
申し訳ない気持ちを持ちつつも感謝を述べているのですよ。」
「ふふ、どういたしましてですますわ!」
「アガパンサスは誠実な愛、愛しい人、優しい人ですが…
そうですねぇ?…お風呂、一緒に入れて嬉しいのですかね?」
『もうお口止めようか!!!そうだね!?!?!?』
どうやら図星なのがどんどんバレるらしい。
うぐ、これ本当に恥ずかしいからやめて欲しい。
のぼせるわこんなの。
「スイカズラは愛の絆、献身的な愛、
友愛と言った言葉があります。
この場合ですと友愛の意味合いが強いでしょうね。
持つべき友、マルカリータさんをすっかり信頼し切っているようですよ?」
「嬉しいですますわ〜!メル様♡」
『あうう〜〜〜〜恥ずかしいから、その、こっち、みないで?』
「ふふ、そうしたらお風呂、入れれないでしょう?」
『ひあ!』
「…マルカリータさん?」
「失礼、でも触れて欲しそうにしていましたですますから。」
メルの身体は何処も隠していない全裸状態。
髪が鬱陶しいということでサワアは髪を一つに纏め、上に束ねているが
何時も着ている白い衣装とはまた違う、かなり薄めの生地を着飾っていた。
その為、肌の見える幅も格段に広がっており、だな。
もっとくっついていいですよと言ってくっつける彼に
メルはそうは言っても心臓がどきどきして止まらないのだ。
好きで好きで、仕方がないのがどうしても華でばれてしまう。
クツクツと笑って見てくる彼の目と合えば最後。
「っまた花が変わったですますね?!!?」
「ええ。…本当に、愛らしい方ですよ?貴方というお方は。」
『〜〜〜〜〜〜っ、』
夏の太陽のような明るいヒマワリは
「私はあなただけを見つめる」
「愛慕」「憧れ」「光輝」という意味がある。
何処までも、何よりも。大事にしているの。
嫉妬してもいいけれど、それでも私は貴方を、
貴方だけを見つめていることを、忘れないで欲しい。
心の中だけでなく、外でも愛情を受取っていはしたが…
まさか此処まで純粋に真っすぐ思われているとは…。
愛が原因で、国が滅びる程の威力を持つと聞いたことがある。
愛は溺れてしまえば終わりと聞くが、本当にそうなのだろう。
「さ、身体はささっとしますよ〜マルカリータさん??」
『ひう、あっ、やぁら、まる、かりぃたあ〜〜!』
「ふふふ、可愛らしくてついつい」
『ひぁん!!』
「意地悪したくなるですますのよ…。」
敏感な処ばかりを弄って来るので、ついつい声が漏れ出てしまう。
ぎゅっと目を閉じて、快楽を耐えるメルに、流石にサワアも止めを入れる。
「駄目ですよ?これは一応身体を綺麗にするために
貴方へ協力をお願いしただけのこと。
此処までするものではありませんから。」
「少しくらい駄目ですますの?」
「本当は見せるだけでも嫌なのですからね???」
「ケチですますわ!」
「ケチで結構ですよ。長年の願いが叶うんですから。」
「あれ?叶ってなかったですますの?」
「勿論。これしきで叶う訳がないではありませんか。」
どれ程待ち侘びたと思っているのだ。
こんな一瞬くらいで願いが完全にかなったとは言わせない。
もっともっと、も〜〜っと、貴方と一緒に居なければ。
それこそ、永遠の時間を共にするくらいには。
「末永く、一緒に居て貰わねば。僕の願いは到底叶えれませんのでね?」
『わぁ、貪欲過ぎる人間様になってしまわれて〜〜〜』
「っくくく、さぁ?一体誰のせいでしょうねぇ〜〜???」
『っへへ!私〜〜!』
「分かっておられたらそのままじっとしてらして下さい。
マルカリータさんが傷付いたら困るでしょう?」
「当たるくらいではどうってことないですますわよ?」
「そんなことを言って油断すると私みたいに華の餌食になりますよ?」
そう言ってサワアが後ろを振り返る。
未だに腰元には小さくも花が咲いているのだ。
メルを持って触れている時間が長くなればなるほどこうなるらしい。
「全部咲き誇るとどうなるですますの?」
「あくまでもエフェメラルが想った状態なので、
我々天使に元々種等入っていません。
入れられてもいませんし、
華神らに選ばれる等ということもないでしょう。」
「ならよかったですますわ。全員がなってしまえば
破壊神らが困ってしまいますですますし。」
「まぁそうなったらお父様も何かの策を講じることでしょうし。」
其処迄心配しなくていいでしょう。
そう言っているうちに早くも身体は綺麗になってしまった。
さてと、そう言ったサワアがメルを抱き直し、
そのままゆっくりとメルを風呂の中に入れる。
「湯加減はどうですか?」
『気持ちいいけど…もうギブかも。』
「おや、のぼせてしまいましたか。」
あんだけされたらそりゃ既にのぼせるわ。
くらくらするというメルに、サワアはすぐにメルを出してやる。
ぼたぼたと水が落ちるのをマルカリータが力を使って乾かし
なんなら先程着ていた服まで戻してくれたのだ。
いや助かる。
そのままお部屋に直行である。
うう、本当は何処かに行きたいくらいなんだが…
あれ、そう言えばなんでこんなに出たいんだ?
昔は家に引きこもることしか考えなかったのに、
まるで此処が家じゃないみたいに思ってる。
『(まぁ似たようなものか)』
長い時間を生きればおのずと此処が実家と思うだろう。
そうさせるためにも、彼等はこうして来てくれるのだ。
そうして、もしここが実家になったとしたら、
彼等は此処に来てくれるだろうか?
幻滅して、見向きもしなくなれば。
本当に私は鳥かごの中で息をし続けなければいけなくなる。
あの薄暗い場所と、同じような状況下に居た方が、
まだ、まだマシだったとでも言うのだろうか?
今は戻って来たから何とか精神的にも落ち着きやすいが、
あの時はまだ、別に帰る場所があると何処か確信してたから。
だからまだ救いはあったのに、此処はもう、無いのだ。
此処が最終地点だから。救いなんて、もう残っていないのだ。
だから、怖いのだろう。もしも、彼らに見捨てられたらと思うと。
今度こそ私はぶっ壊れて、二度と修復など不可能になってしまうだろうから。
光り輝くその感情すらも、触れる処か知ることすらも、大火傷を負って苦しみ続けるだろうから。
だからそうならない為にも、私は線引きをし続けなければならない。
どうしてわからない?分かろうとしていないから分からないのだ。
だって分かってしまえば、触れて堕ちてしまえば、最期だろう?
私は手渡したくないのだ。もう、この感情も、想いも、私自身さえも。
私が私で、居続けることこそが、此処に居られる状態だ。
現に彼らに絆され、手を触れた時から場所が狂っていくではないか。
サワアも然りだが、コルンが特に良い例だと思う。
触れてはいけない、余り近づいてはいけない。
これ以上、彼等の基盤を狂わせる華は、距離を詰めない様に場所を固定すべきだ。
だとしてもこの感情は本当に狡いというもので。
彼らを全く害のない者だと判定してまぁ入れてくる入れてくる。
殆どの人がこの中に入れれるだろうが、多分入れないと私が嫌なのだろう。
自分だけが阻害されている。その感情に酷く怯えている私だからこそだ。
全員に目を向けて、笑ってしまって。
その笑顔の裏に、怯えて震え、助けを求めている子供がいることを。
少なくともあの一番目で過ごした三人にはバレてしまっているのだから。
「では私はこれで」
「お疲れさまでした。」
彼女はもう帰るらしい。どうやら仕事も立て込みだしたようで。
サワアに仕事の話を余り降らないのは彼が嫌がった素振りをしているから。
私は気付いてるよ。目が泳ぐこと。気にしてるけど、心配だけど。
でもそれより貴方が居なくなることの方がもっと嫌だから。
だから此処に居る。なら、私が居なくならないように、彼に言い聞かせるべきなのだ。
大丈夫、いるよ。此処に居続けるよ。だから騙されていて欲しい。
そうして私は、また、彼の前から居なくなるつもりなのだろうか?
いや、そうなる未来を分かっているから…私は、線引きをし続けるのだろう。
貴方に会えた、そんな優しい夢物語。
それがこの物語の最終回に相応しい言葉であるのだから。
メルはそっと目を閉じた。
瞼の裏には優しい陽だまりの中で笑う
白と青色の花冠を飾った女性が両手を広げて言うのだ。
ーもうすぐよ、もうすぐ!貴方も一緒に狂っておいで?