逃した魚について考えるのが苦痛





「大変じゃ!!メルが、うちの天使が…!!」
「どうされたんですか…って、こ、これは」

ヘレスに呼ばれ、急いでやって来た天使らの目の前には


「…っ!!後ろに下がって!」
『うう、さ、さわあ……』
「……ヘレス様」
「知らん。わらわも先程ペルと一緒に来たところじゃ。
一体何時からこうなっておったのか全く点で理解出来ん。」

かなり小さくなった兄とその幼馴染である華樹神らのお子。
現在は二人とも新たな地位へと準備期間を要している間。

「記憶は?」
「無いから警戒されておるじゃろうて…」
「っこ、来ないで下さい!!」
「先程からずっとこれでじゃな。奥に入れと言っても
メルの方が嫌だと言ってその場で止まってるんじゃよ。」
「…成程。このことに大神官様は?」
「今ペルが伝えに行っておる。もうすぐすれば来るじゃろうて。」

そう周りが話をしている中、メルはというと。

『ね、ねぇ、さわ、きっと大丈夫、だよ?たぶん』
「っそんなことありません!とと様も仰っていました。
天使でもこんな方達はいませんし、何より気が底知れない…!」
『でも、とても優しそうな人たちだよ?とてもじゃないけど何かするなんてっわ!!!』
「っエフェメラル!!!」
「あらあら〜か〜〜わいらしくなってしまわれて〜〜!」
「っエフェメラルをはなっせ!!!」

ひょいっと持ち上げたメルをウイスがニコニコしてみる。
脇に手を入れた彼に、気付いたサワアが飛びかかるも
あっさり避けられるわ、軽く叩かれるで飛ぶのに
やり過ぎですと声を掛けるのはコルンだ。

「すいません、少々加減が効かなくて。」
『っさわ!っむ!さわ虐めないで!!いや!!』
「っと、暴れないで下さい。貴方此処から落ちたら怪我しますから。」

流石にウイスの身長からしたらメルの今はかなりの高さだろう。
片腕にすっぽりハマる程度の身長になっているメルが落ちれば
普通に捻挫処で済まない可能性もある。下手すれば骨もヒビ入る。

その高さに気付いてか、
ひっと顔を青ざめてウイスの服に縋り付いた。
その時だった。

『っ〜〜ふ、う』
「っえ?!あっ、ちょ、め、メルさん!?!?」

メルが急に涙を目に溜め始めたのだ。
それには抱き上げていたウイスだけでなくコルンも、
其処に居た者達全員が驚いた。

それもそのはず、メルはこういった所で
泣く子ではないと思っていたのだ。
優しいと言っていたので、安心して油断しているとでも。

「っはなして下さい!!!」
『さ、わあ〜〜〜っ、さああわああ!!!』
「あらあら〜〜〜可愛らしいですね〜〜〜!
サワアさんの事をそ〜〜んな想いやっておられたとは。」
「…ウイスさん?」

サワアは軽くコルンが肩を手で止めて抑え、
メルはメルでウイスの腕の中で泣き始めたのだ。
これからどうやって説明しようかと思っていたその時だった。

「おやおや、本当に小さくなられていますねえ?」
「っとと様?!?!」
「…ととさま?」
「サワアさん、すいませんこの方達は私のご友人でして。」
「そう、なんです、か?」

そうコルンの手を見た後、そっと上を向くサワアに、
う゛っと唸った後、そうですとコルンが苦し紛れに嘘を付いた。

「ですので、貴方はエフェメラルさんの所へ。」
「っ!エフェメラル!!!」
「…どうやら無事誤解が解けたようですね。」
「ええ。」

ウイスに降ろされる前に、サワアが空中にふわりと浮かぶ。
それに泣いていたメルがサワアの声でぴたりと止めた。

「エフェメラル、大丈夫?」
『ふっうう、う、さ、わあ?』
「うん。僕だよ、サワアだよ?御迎え来たから大丈夫。」
『ほんと?いたくない?』
「うん。大丈夫。ほら、手取れる?」

そう言って小さな手を出すサワアに、メルはそのまま手を伸ばす。
良い子と言ってゆっくりとメルはサワアに抱き着き、
そのまま下に彼女を下ろしてやったのだ。

グズるメルに、大丈夫大丈夫と言い聞かせてやっている。
その姿を見て、昔からああだったので?とコルンが大神官に聞く。

「ええ、メルさんはサワアさんや
周りの方が傷付くと泣いてしまわれていましてね。
擦り傷見せただけでもあんな感じに泣いてましたから。」
「それはそれは……」
「まぁサワアさんはその逆で何時も出来なければ泣いてまして。
何時もメルさんにあやしてもらっていたんですよ。」
「成程、互いに手を取っていたんですね。」
「可愛らしいでしょう?」
「…まぁ、そりゃあそうしますか。」

大神官が甘やかすのも無理はないだろう。
こんな天使みたいな天使らをみれば。

「それにしてもどうしてこうなって?」
「わかりません、見に行けばこうでしたので。」
「パピさんは?」
「家の中でお留守番していると言われまして。」
「…成程、でしたら。」

ちらりと振り返る大神官に、流石にとコルンが困る中、
意外にもひょっこり出てきたのは泣いていたメルだった。

「っメル!?駄目だよ、そんなむやみに近づいたら!」
『でも、なんか、不思議だなって。』
「え?」
『だってあの人、メルみたことあるもん。』
「っな!?!?」
「メルさん、それは何処で見られたのですか?」
『すぴ!えっとね?すぴのかかさまのお腹の中!!!』
「嗚呼そういう……」
「…大神官様ならともかく。お前達までその目で此方を見ないで下さい。」

ニコリと微笑ましく見る周りに、コルンはいたたまれず目を伏せる。

「お名前はお決めになられたので?」
『ううん。まだ悩んでて…何文字にしようかなって。』
「そうでしたか…」
「(成程、名を名乗るな、ということですか。)」

余り記憶を混濁させるのも悪いが、友人とあらば仕方がない。
名前は伏せて、話をしておけということだろう。

「エフェメラル様、すいません先程はうちの者が無礼をしてしまい。」
「っお兄様」
「これ」
「…すいません、少々驚かせてしましましたね。」
『あ、いや、その…メルも動かなかったから。ごめんなさい?』
「っふふ、ええ。そうですね?」

全く悪くないのに謝られてついついそう笑って答えてしまう。

『ねぇねぇ、すぴすぴすっぴ〜』
「すっ!?!?」
「はいはい、なんですか?」
『ととさまとかかさまは?』
「現在お仕事で出ていますよ。
その代わり今日は此方の方が
貴方の面倒を見てくれるそうなので。」
『あのひとたちは?』
「お仕事ですね〜。」

そっかぁとしょげるメルに、待っていれば来てくれるとサワアが言う。
それにメルは落ち込んでいた顔を上げ、目を輝かせてうんと答えた。

嗚呼、本当にそうやって生きていたのだろう。
二人はずっと、こうやって。

穏やかなこの、箱庭の中で。たった二人だけでも。
遊んで暮らして……そして、落とされたというのか。

「それでは私はこれで。」
「っ大神官様!」
「なんですか?サワアさん」
「あの、私はどうすれば」
「…本日はお休みです。
メルさんと一緒に休んでらして下さい。」
「っわかりました!」

自分が離れることを恐れて先に聞いたのだろう。
流石に今特訓した所で生まれるものは何もない。
記憶があればまだしも、こうなってしまっては、ねえ?




「と、いう訳で♪現在小さくなられたメルさんとサワアさんの
お守り役を務めさせて頂きますのは第7を始めとし、
第4、第8、第11の四人が付き添いま〜す。」
「何をなされて?」
「戻った時のお二人の反応を見る様にと、
後は可愛らしいので録画はしておいて当然でしょう?」
『…。』
「メル様?どうされましたですますの?」
『…お名前わからない。』
「そうですますね〜〜〜」
「では敢えて名前を付けて頂く、というのはどうでしょう?」
「名案ですますわ〜!!」
「ちょ、お前達!」

メル様になんというというコルンに
良いではないですかとウイスが答える。

「どんな名前を付けて差し上げるか、気になるでしょう?」
「うぐ、そ、それはそう、ですが…」
『じゃーあーねぇお名前ひとつおせーて?』
「どうしましょうね〜〜?」
『う〜〜〜〜う?』
「う?」
『ういちゃ』
「あら〜ウイ、ですか。それはそれは。」

良い名を。そう微笑むウイスに、メルは首を傾げる。
現在メルはウイスの膝に倒れ込むように抱き着いていた。
頭だけ上を向いている彼女に、ウイスは優しく頭を撫でてやる。

「ではあちらの天使はどのような名前を?」
「っお兄様…!」
『コル』
「っ!?!?!」
「メル様!?!?」
『名前の一部。コルコル。』
「…二度言わずとも。」

そう困るコルンに、メルはつぎはあと答える。

『コニくん。』
「…本当に言ってます?」
『マルちゃん。』
「あらあ」
『さっちゃん!!!』
「いや、僕は最初からそうでしょ?
というかさっき言えていたのに
どうしていつもは言ってくれないのです???」
「おや、そうなんですか?」
「どうしようもない時ばかり
僕の名前を呼んで、いつもは呼ばないんですよ。」

それはそれは困りましたねと笑うウイスに
本当に困り切っているのだろう。
とっても嫌そうな顔をして見つめるサワアに
だってとメルが答えるのだ。

『さっちゃん、もう会えないかと思ったから…』
「メル様……」
『メルのせいで、ぶられられて』
「…ソレを言うならぶたれられて、では?」
『ぶあえたーえ?』
「……何処で聞いたかは知りませんが、
そんな言葉覚えなくて良いですよ。」

きっと幼い彼女の教育は皆でしていたのだろう。
真似て覚えるのは仕方がないとしてだ。
いや誰が言っていたのだろうか…。

『そう?でもおねーちゃたちがいってたし。』
「おねーちゃ?」
「お師匠のことですかね、でも…」
「お師匠?サワアさんお師匠がいたのですか?」
「え?ええ、アンダルシア様って方が」
「「嗚呼」」

そうウイスとコルンが同時に言う事で
驚くサワアと首を傾げるメル。

彼女と話をしていてわかるが、確かに彼女の口は時々悪くなる。
他の者が一応止めてはいるが、其処からか〜〜と
ウイスとコルンは話をしたからこその元凶に頭を抱えた。

「流石にそれは…」
「そうですね、メル様、なるべく真似は
差し控えられては…嫌ですか。そうですか。」
『ねぇさっちゃん、どうする?』
「なにがです?」
『お花摘み……』
「…また今度二人でしましょう?」

でも、一昨日約束してて。
そう言う彼女に、ふとコルンが察する。
花冠の約束をして、その次の日に二人は消えているハズだが…

「メル様、何時も彼とは花遊びを?」
『え?うん。綺麗に編めなくて、ぐちゃぐちゃなんだけど。
こないだね、とーっても綺麗に出来たの!』

何処に行ったか忘れたんだけどね。

『青と白のお華の冠!!』
「っ!!!」
「どうしたんですか?」
「え、ああ、いや…なんでもありません。」

メルが力を使うのは白と黄色のハズ。
なのに、彼女は言い切ったのだ。
まだ、コルンらに伝えていないことを。

白と青、それは数日前に戦った時に出した花の色。
それと同じ形をした花冠をもしも、彼女が作っていたとしたら?

「狂い咲きは最初から、ということですか。」
『コルコル?どうしたの?』
「なんでもありません…というか、流石に一度でいいですよ?」
『や〜こーるこるこるこるこるこるこる!!!!』
「大神官様にも変な名前付けていましたよね?」
『え?スピスピスッピー?』
「それです。もう少しこう、礼儀というものをですね。」
「流石にそれは厳しいと思いますよ。」

そう答えたのはウイスだった。

「この年齢では我々天使の知能や知識の幅と比べては
いけないことを存じあげておられるでしょう?」
「……それもそうですね。
ですが、そのお口は少々よろしくありません。」
『はっ!!おくちちゃっく!!!』
「お口」
「マルカリータさん????」
「ふふ、失礼しましたですますわ。メル様〜!」
『ん?』

そう抱き着いていたウイスから起き上がったメルは
マルカリータの方を向く。おいでーと両手を広げていたので
たたたと走って彼女の胸元に抱き着いたのだ。

きゅーと喉を鳴らして甘えるメルに
可愛い〜とハグを堪能するマルカリータ。

こうやってみると本当に姉妹の様に感じる。
メルの衣服は現在マルカリータらと
似たような天使の姿をしているのだ。

可愛いと言ってくるくる回ってねえとメルが言う。

「ん?どうしましたですますの?」
『あのね、おねがいしてもいい?』
「なんでますます?星一つくらい
破壊してきても大丈夫ですますよ?」
「マルカリータさん????」
『は?』
「メル様の教育に悪いですから…。」

そう後ろからそっと耳を塞いであげるコニック。

「でも一体なんのお願いでしょうか?」
『えと、その…』
「…メル?」
『うう、でもいいでしょ!?だってこんなの今日くらいしか出来ないよ!』
「でも流石に失礼じゃ」
「大丈夫ですますわ、サワアさん。
メル様のお言葉ならなんでも言う事聞けるですますわ!」
『じゃ、じゃあ…あの。』




お、おねえちゃんって、よんでもいい?


そうもじもじして照れて下を向くメルに
ポカンとしていた者達にメルがきょろきょろして
ジワリと涙を溜めて駄目?と懇願する。

「きゃ〜〜〜〜〜!!!!」
『!??!?!!?!?』
「マルカリータさん。後で叱られても知りませんよ?」
「だってメル様からのお願いですますよ!?!?
それくらいお安い御用ですますわ!!」
『いい、の?』
「何でしたらお兄様方も許可してしまえばいいですますのに。」
「う゛いや、ですが……」
『……。』
「…別に構いませんが。」

そう言うとしょげていたメルの顔が晴れやかになる。
お兄ちゃんとお姉ちゃんと笑うメルに
せめてお姉様とお兄様と言わせるコルンに
まぁまぁとウイスとマルカリータがコンビを組んで宥める宥める。

「ほらほら、メル様〜」
「っちょ、マルカリータさん!そんなにメル様をう抱いては!!」
「言ってみましょうですますよ?」
『あ、え、えと……お、おにい、ちゃん?』
「」
「おや?」
「…あらあら〜〜〜」
「…なんです?何か悪いですか?」

顔を赤らめて、まんざらでもないらしい。
耳まで真っ赤になる彼に、いえいえとマルカリータは笑ってメルを渡すのだ。
急に渡されて驚く彼だが、ちゃんと持ってしまう。

『〜〜!!!』
「…はぁ、今日だけですからね?」
「ふふ。可愛いですますわ〜〜!」
『…ごめんなさい、コルコル、その。』
「…いえ、こちらこそうちの妹が粗相をしましてすいません。」
『そそそ?』
「……悪いことを、迷惑をかけたという意味ですよ。」

そんなことないとメルは首をぶんぶんと横に振る。

『メル今ね?夢を見てるみたいなの。』
「…っ」
『コルに会えて、メルね嬉しい!!』
「…そうですか。それはそれは、
嬉しいことを仰ってくれますね?
何か欲しいものでもあるのですか?」
『ううん。抱っこしてくれてたらいいの!』

そうやって、彼女はそのままで。
ずっとずっと、この場で生き続けてきたのだろう。
ずっと、ただ、その願いの為だけに。

「我儘を言ってもいいんですよ。」
『こる?どうしたの?』
「夢だと思うなら、思う存分に我儘を言ってしまえばいい。」

貴方はこれから多くの時間に呑まれ、絶望も希望も全てを知って生きる。
走り続けて、ただその場所に向かって、生き続けていかねばならない。
それの、希望に縋る一つになるならば。

この時間は、どうか夢幻と思ってくれていい。

何時か貴方が望んだ、そんな小さなお願いの続き。

此処は、そんな時間で終わって良いのだと。
コルンはふと、メルの生き方を思い出して呟いたのだ。

『いいよ言わない。』
「っ!!」
『夢もいつかさめちゃう。そしたらきっと寂しいから!』
「…だから伸ばさないのですか?望まないのですか。」
「お兄様……」
『ん。だって寂しいでしょ?』

夢だけで、目醒めて貴方を忘れてしまうだなんて。

『置いて行くみたいで、とっても寂しくなっちゃう。』
「…本当に、貴方はお優しいお方なのですね。
こっちまで絆されてしまいそうです。」
『へへ!!メルもメルがだ〜〜〜いすきなの!!!!』

嗚呼そうだろう。そうであってほしい。

『ね〜さわ、はやくおいでよ〜〜!!』
「えっで、ですが…メル怖くないのですか?」
『え?なんで?』
「え?だってメル、高い所怖いでしょう?彼が持っていた時それで泣いたのでは?」
「っそうなんですか???」

そう、メルは高い所が大の苦手。
メルはうんと答えるのに、この中で一番身長が高いコルンからよくそのままで居られるなとサワアが言うのだ。

「怖くないのですか?」
『だってコルはメルを落さないでしょう?』
「っ!!!」
『だからメルは大丈夫!ならさわもだいじょーぶい!!!』
「…すいません、」
「嗚呼いえ、別に。」
『さわもお兄ちゃんって呼べばいいのに〜。』
「っメル様?!!?」
「…ん〜〜〜どうしましょう。」

そう悩むサワアにウイスが何故と問う。

「いえ、なんかこう、弟、って
感じがしまして…なんででしょうね?」
「……さあ、それはどうでしょう?」
『でも絶対メルやさわよりこの人達上だよ?
はっひょっとしてスピよりも??』
「いやそれはないです。」
『はわ〜〜〜〜』
「サワアさん、無理せずとも構いません。
お気持ちだけ頂くと致します。」
「…!…分かりました。
ではコルさんとでも呼べばいいですか?」
「…そうですね、そうして頂けると。」

少しこそばゆいが、それで手を打つとしよう。
メルはパンパンとコルンの胸を叩いて指を指す。
仕方がないと言いたそうにサワアはため息を吐いて
失礼しますと腕にそっと身体を寄せる。

「…天使がいるですますわ。」
「両手に華、ですねぇ?」
「お前達…後で覚えておくことですねえ?」
『む!怒ったらメル、コルのこと嫌いになるもん。』
「っおやおや、それは困りましたねぇ〜?
貴方が私の事を嫌いになれるとでも?」
『ううううう。な、なる、もん…??』
「メル僕のことすら嫌いになれないのに無理でしょ。」
『あ〜〜そんなことないもん!さわの馬鹿!うるさいやい!!』
「なっ!馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ!?」

そうキャンキャンと言い出す二人に、コレとコルンが一つ叱る。
それにぴゃっと身体をはねた後、そっとごめんなさいをする二人。

全く、此処まで仲が良かったとは知らなかった。
本当に驚く位には仲良く手を繋いで遊んでいたのだろう。
そりゃあ元に戻ったら嗚呼いう距離感の詰め方をするものだ。

メルもそうだが、サワアの距離の詰め方も少々凄かった。
本当に夫婦か何かの距離感くらいには近かったのだ。
それは此処からだったということに、
コルンは今身をもって実感、いや体感していた。

「それで、いつもは何をして遊んでいるんですか?」
「そうですね、何時もは花遊びか、追いかけっことか
手遊びとかも良くしていますよ。」
「手遊びですますか?」
「ええ、メルが教えてくれることですけどね。」
『なんのこと?』
「ほら、お手手でこうやってやるものですよ。」
『ああ!あるぷすとか、むすんでとかのこと?』
「あるぷす?というのは?」

そう興味深い話に、えっとねとメルが答える。

『そうだ、ねぇお手本しよーよ!』
「ええ?流石にそれは…」
『ねぇ〜お願い〜〜!!しよーよ!!』

渋々了承をしたサワアに、コルンはそっと二人を下ろしてやる。