柊の葉に触れ、
前回のあらすじ
コルン様と契りを正式に交わして身体に魂に染み込ませている途中です。
皆さんお久しぶりです。エフェメラルことメルです。
現在コルン様にも自分の生きていた時間が知られてしまい、
絶望している処をまぁ驚くくらいには優しくしてもらってます。
いや、なんでこうなる。どうしてこうなった。
厳格なコルンさまイズザ何処。
「此処にいますよ。」
『違うそうじゃない。そーじゃなーーい。』
「っくくく、調子戻りましたねえ?」
『…戻って無いこと分かってる癖に。』
「ええ。ちょっとはっぱをかけただけではありませんか。」
だとしてもこの態勢はないでしょうよ。
おや、そうですか?
「貴方が望んだようにして差し上げているというのに。連れないお方ですねぇ?」
『もうリキール様が口開けて…っふふふふふ』
「…いや、言うてくれるな。」
もういいと頭を軽く手で押さえて前に止める様に指示を出すリキールに、
メルは腹を抱えてクツクツと喉を慣らして笑いを堪える。
泣いて泣いて、ひとしきりないて、本当に久しぶりにすっきりした顔を人に見せたと思う。
帰りが遅いからと言って気になって来てくれたらしい。ごめんね、君の付き人を取っちゃって。
「いや全く構わないが、構わん。構わん、のだが…これはどうした。一体何が起きている。」
「彼女と先程契りを交わしましてね。」
「ほお契り………ん?????」
『ほらコルン様からの破壊力えげつないって。破壊神様ですら唖然としてる。』
「おや、そうです?おかしいですねぇ、お兄様らを考えたらわかるでしょうに。」
「そう言う問題じゃないだろ絶対…!!!!」
少なくとも人前でメルのことを
膝に座らせて抱きしめている者が
コルンとは思えないと言うリキールに、
メルは酷く内心同意した。
サワアとか、まぁ此処で言う処ならば、
ウイス、マルカリータ辺りは分かる。
やりかねないというか絶対やりそうな感じだから。
だとしてもコルン様はどっちかっていうと
恥じらって照れ隠しにおやめくださいって引くくらいで、
なんなら人前ですらしないというのが
コルン様らしいというかなんというか。
「おや、それでしたら、貴方に狂わされた。
とでも仰ればわかりますかねえ?」
『本当に申し訳ございませんでしたぁ!!!!!!』
「いや、別にいいって…。それより契りって、
お前コルンの気しか感じ取れないくらいには染まってるな???」
『え゛』
「正確には第二の天使も混じってるが…
いや元がそっちで今包まれているのがこっちと言うべきか。」
『え゛』
「おや、気付かないのですか?まぁ無理もないですか。
貴方にまだ気を察知させる訓練などさせていませんし。」
「え゛」
「なんです?リキール様まで彼女の真似事など。」
いや、とんでもないこと言い出したのが悪いだろと言うリキールに
はてとコルンは首を傾げて答えるのに、
メルもまたリキールを見て首を傾げる。
いや可愛いかよ。いや違う。そうじゃない。
「先に気を察知させる訓練からじゃないのか。もうそれ悪質だぞ。」
『え?そ、そう、なの?』
「いいえ違いますよ、エフェメラル様。」
「気を察知させなければ自分の気がどれ程濃いかわかっぐ」
『あああああありきいいいいるうさまああああああ』
気にしないでと言うコルンだが、
絶対痛い。どうして杖で叩くの…!!!!
愛護団体に怒られても知らないよ僕…!!!
「まぁ気を扱う貴方の事を考えて思いましたが、
逆に教えない方が良いこともあるというものです。」
『え?そ、そう、なの?』
「現に気をある程度は使えていますし、
私の気を少しずつ貴方が使える気に変えて
溶け込ませていけているのが分かりますので。」
このまま出来ればいずれ気を察知することも出来るでしょうね。
やったあと子供の様に両手を上げて喜ぶメルに、
いやこれでいいのか?とリキールが起き上がって考える。
絶対に違う気がするが、気のせいではないとおもいたい。
こういう話でヘレスと話が盛り上がりそうというのが嫌な処ではある。
ため息を吐きながらゆっくりと身体を起こした。
「全く、お前もとんだ奴を手にしてしまったもんだな。」
『それはとっても思ってる。どうしようこれ。』
「長い付き合いの俺から言わせてもらうが、
こいつ予想以上に言う事聞かないからな?」
『あっそれは私も素でそうだから勝てると思う。』
「私に勝とうと思ってるんですか?」
『うん。トンビに勝ちうち!!!』
「…それを言うならトンビが鷹を生むというものです。
ごくありきたりの夫婦から、人並み優れた子供が生まれることですので
この場合だと青は藍より出でて藍より青しという意味が正しいですよ。」
ひえ・・!!!私の記憶から漁ったな…!?!?
そりゃあこれ程くっついている上に魂から繋がっていますからね。
「…ん?ってことは、もしこいつが死んだらお前も死ぬんじゃないのか?」
「そうでしょうね。一応言っておきますがサワアお兄様は元からそうですよ。」
『え!?!?そうなの!?!??!』
「ええ。まぁ何かしらのきっかけで切り離せなくはないでしょうが、
お兄様の気がしみ込んでいるので大体察しましたし。」
私達も中々近づかなかったのはそう言う危険も加味してです。
後は単純に彼の喧嘩を買いたくなかったのが主でもありますが。
嗚呼あの人怒ったらクソ面倒だからな。
それは同意したいところですねえ。
どうやらサワアの面倒臭さは昔かららしい。
全く、直らないのかあの面倒は。
『でももう戻すよ?流石にずっとなんて難しいでしょ。』
「いや、何処に居るかさえ分ければ別にこっちはいい。
こっちの業務を割くとかそういうことで文句を言ってるんじゃないし。」
いやどっちかっていうと…いや、言うべきか。
なんですはっきり仰ってください。
「この地帯一体がこいつの気が混じって何とも言えないんだよ。」
『……待って良い例えが出来て悪い気持ちなんだけど。
もしかしてエッチした後の匂いが充満してるみたいなアレ?』
「……深くは言わない。」
そうなんですね!??!?!?!?!
ばっと振り返るメルは、
そのまま身体を一度下ろして向きを逆にして乗りあがる。
『お師匠!?!?!?なんでそういうこと言わないの!??!!?』
「いえ、私はどちらかというとお兄様につられてですので。」
『あんのくそサワアこんにゃろうおおおおお!!!!』
「おやおや、誰がクソですって?」
「っ第2!!」
「メルの事が気になると思うて無理矢理言い聞かせて来てみれば
……まぁ、よおやりおったな。お前ら。」
とてもじゃないが、人を見る目ではない。
死んだように見てくるヘレスに、
メルはコルンの服を掴んだまま固まっている。
「このような女子を傷物にしおって。それも二人がかりで。」
『先生正確には四人ででした。
まぁ私が普通に暴れたからが原因ですが。』
「サワア??????」
「っと、暴れないで下さい。コルンさんの気と
彼女の気を無駄にするおつもりですか。」
「ならば表にでい!!!この「自主規制」が!!!」
『嗚呼!!ヘレス様言わないであげて!!!!』
余りにも酷くて自分処の規制音が鳴り響いたではないか。
それに驚いて固まるヘレス。何を言ったのかはこっちが分からないが、
ひょっとしてとヘレスがさらりと言う。
「「自主規制」して「自主規制」とか、嗚呼「自主規制」とかも駄目か。」
『お姉様?!?!?!?!?ちょっっっ止まってね!??!?!』
服を掴んでいたのを流石に止めて彼女に飛びかかる。
ねぇ何言ったの!?!?何言ったんです!??!?!
そう怒りながらも焦るメルに、何も言っておらんと
笑って居る彼女にメルは軽く発狂している。
「暴れ狂ってるな…」
『煩い!!誰のせいでこうなってると思ってんだ
馬鹿垂れ!!天使だよ!!もう悪魔かよ!!!』
「元悪魔ですしねぇ〜〜いやぁそれは仕方がないかと。」
『嗚呼本当にソレどうにかしてくんない!?!?』
「「無理ですね/じゃな」」
流石に身内と仕事仲間に否定されたら
ぐうしかいえない。ぐう!!!!!
感情表現が豊かではあったが、
此処までじゃとはと唸るヘレスに、メルは煩いと答える。
『うう、こういう話になる予定なかったのに…!!!
僕本当に何処で踏み間違えた…!!
どう考えても二つ目三つ目の策を根の様に蔓延らせていたというのに、
その隙間を掻い潜ってきやがったこいつらの方が駄目なのでは????』
「おーーい。声に出てる。声に出てるぞ。」
『煩いこの二人どうにかしろ。』
「だから無理だって言っただろ。」
「しかも12の中で一番面倒な二人を選びおったお主が戦犯じゃろうて。」
『え゛』
いや、そんなはずは。そう言うメルに、
そりゃあそうですねえとサワアが答える。
「片方は幼馴染ですし、片方は貴方が名付けていますし。」
「他の子達よりかは大人しそうに見えるかと思いますが、
中身は貴方が想っている以上に面倒だと思いますよ?」
流石にお兄様には負けますが。
ほぉ??いいますねぇ?喧嘩なら買いますが?
買ったら今すぐお前ら二人を殴り倒すぞごら。
そう間に入ってムッとするメルが二人の腕を掴んで引っ張る。
此処まで変わるとは正直思っていなかったというか…
「貴方…大人しいのか幼いのか本当に分からないんですが」
『どういう意味だ此畜生が。』
「普通に成長出来なかったが故でしょうね。
ちぐはぐになっていて本人すら困ってるんでしょう。」
次第に落ち着くと思いますよ。
そう冷静に分析して答えるサワアの背中を軽く叩く。
痛いですよと怒るサワアに煩いと
メルは腰に手を当てて息をフンと鼻で鳴らして答える。
『私のこと痛めつけた罰だと思えばいい。
なんなら私これで済ませるの超天使じゃない?』
「天使というか、潔過ぎてこっちが困るわ。」
そう言い返したヘレスにあれえ?とメルはすっとぼける。
いや、本当に、コレが素なのだろう。
ボロボロと泣いていた彼女は何処へだ。
まぁ…これくらい煩いくらいが丁度良いというもの。
夕暮れになるこの場所は、とてもおかしいところ。
一歩出ればこの時間を忘れたかのように
世界が無に戻るというもので。
物が溢れて要らない様にみえるこの場所は、
どれもこれも彼女にとって必要不可欠なものばかり。
ついでだし、家に帰るよりも此処で泊まる?
そう言ったメルに、良いのか?とヘレスが答える。
どうせこのまま帰った方がお前ら心配だろうし
と言うメルに、そりゃあそうですがとコルンが答える。
『まぁどうして私が此処まで素を隠し通していたのかを
精々思い知るがいいわ。はっはっは。お前ら困るぞ〜〜〜??』
「既に困惑しきってますよ。」
そう言いながらメルは玄関を開けて家に入る。
何だかんだ言ってスリッパを使っているのはメル以外だったりする。
メル自体は裸足だが、此処自体汚くなどないというもの。
まぁそれでも軽く足は拭いてから家の中に入るのは
褒めて良いと思う。これ程まで無邪気に走り回るとは。
「メル様!!少しは落ち着いたらどうですか!!!」
『やだむりしんどい。』
「普通逆でしょうが!!!」
「まぁまぁ」
「にしても、昔からソレか?」
ソファーにぐたりと背もたれに倒れ込むメルに、
流石にはしたないと怒るコルンをサワアがなだめる。
メルのその動きに、リキールがメルに向かって聞くと、
まぁそうだねと言い切った。
『サワアらの時よりかは悪化してるっちゅーか、
そもそも廻廊での耐えが効かなかったから
外れちゃったというか、狂っちゃった前というか。』
「どういうことだよ…」
『まぁ子供の時に落ち着くものが
変に取り残っちゃったっていうことだよ。
誰かが言ってた分析で間違いないです。
一応言っておくけど終始これだったのを
落ち着かせていた私も凄いと思わない?』
「今の今までとあれば、もう少々落ち着かせる
暇など何処かになかったのか問い詰めたいところですよ。」
どうせ貴方の事です。言われてもガン無視していたんでしょうが。
おおコルン様分かってる。
だからはしたない行動をなさらないで下さい!!!
そう言って怒るコルンに、メルはケラケラと笑ってやだあと悲鳴を上げる。
コルンが近づけばメルが逃げて距離を取るのだ。
『じっとして泣き続けるよりかはマシ、でしょ?』
「うっ…まあ、それは、そう、ですが……
待って下さいそれすらも貴方
作り変え続けていると言うのですか?」
『さあ?どうでしょうねえ?』
ニヤリと人差し指を立てて笑うメルに、
もう正解と言っているようなものを感じる。
『まぁ僕とてとち狂ったのは何となく実感してるんだよ。
口がいつもよりも早口で尚且つ言葉数が多いのは
精神的な不安定を告げてるものだし。
これくらいの波が激しい方が恐らく気の取り扱いも結構面白いことになるよ。』
多分こんな感じでしょと言う様に手に気をぽんと取り出したメルに、
いい!?!?とコルンやサワアが目を丸めて驚く。
それもそうだ、彼女に気を扱わせる話などしてすらいないのだから。
『多分こうやって、こうも出来る。おお〜〜〜〜』
「おおではないですよ!!なんでそんな球をぽんぽんと作って飛ばすのですか!!」
『でもコレ普通に力になるよ。ほらくらえこんちくしょう!!!!』
そう言ってメルが手に持ってコルンに叩きつけるその気に、コルンと流石にリキールも叫ぶ。
カバーをしていたコルンでも、それをすり抜けて胸に直接あたったのだ。
違和感を感じつつも、何もない?とリキールがぼやくも、いえと声を出す。
「…なん、ですか、これは……。」
「こ、こるん?ど、どうしたんだ」
「メル様、貴方どういう気の練り方を何処で知ったのです。」
『ん〜〜君らが知っていそうな情報と、
悟空ってやつらが言ってた知識を組み合わせたものかな。
正確にはウイスさんと多分記憶が正しければ界王様辺りの記憶だったはずか?』
界王拳の類だから、攻撃補助型、サポート特化の方だよ。
そう言うメルに、
いや貴方それを何処で試したのかを
聞いているんですとコルンが続けて怒りながら聞く。
それにはケラケラと笑って今初めてしたと笑って居るのだ。
「一体何が起きているんですか?」
「…肉体の強化といいますか、
正確には感情のコントロールを
半強制的に増幅させられている感じですね。
待って下さい、貴方常時この状態を維持して、
尚且つこれで気を扱って攻撃されていたんですか???」
『そうだね!!!!』
「そりゃあ私に勝てるわけがないでしょうが!!!!」
なんという威力だ。
こんなの、通常の天使ですら感情の上下が激しくて仕方がない。
黄金の草花の真逆の効果と言えばいいだろう。
あれは戦闘意欲が消え失せるが、こっちは常時昂ってしんどくてたまらない。
待て待て待て、これを貴方は押さえつけていた?
寧ろコレを切り札にして、我々に見せない様に?
自分に負荷をかけて、その状態で敵にも付与をして
絶望した敵を見ては更にこの上下が激しいまま気を増幅させてみろ。
自分の四肢が破裂する処で収まればいいが、
正直走る時限爆弾となんら変わりがないというものだ。
「これ一体どうやって解くんですか。」
『時間制限制にしてるよ。もうすぐで終わるはず。
まぁ私は常時なってるから無理矢理
首切って殺して意識吹っ飛ばせてたんだよ。』
「それが一番妥当な判断ですね。
こんなもの眠らせるよりかは
手っ取り早く殺してしまった方が賢明です。」
寧ろコレを今から飼いならそうとする貴方の気が分からない。
そう言い切るコルンにそれ程か?とリキールが告げる。
「ええ、少なくとも貴方方には少々難しいかと。」
「天使が言うんじゃから事実じゃろうな。」
『まぁあくまでも戦闘の補助だよ。』
「こういうのは補助ではなくてただのえげつないブーストっていうんですよ。
これ一歩間違えれば即死級の気を放つことだって造作もないでしょうに。」
「いい!?!?!」
『ふふふ〜〜〜やっぱり?』
「なんなら貴方はどちらかと言えば感覚で覚える方ですからね。
やり方さえ知ってその自己肯定感を維持したまま訓練したら
とんでもない化け物としてこの地に君臨することになりかねます。」
いや此処までとは思っていなかったが、
正直彼女のサポートを名乗り出たのは
彼女の気を抑える抑制力になれればと言うのもあった。
だが、これはちょっと、話が変わってくる。
「貴方達に気力を消させる首輪があるのも納得がいきますね。
こんなものそこら中に飛ばされてしまったら世界が破滅しますよ。」
「…そんなに?」
「どうせ調整だって出来る筈でしょう?
人の感情を逆なでしたりとか出来るように、
その身体をキャラとして作っている。違います?」
『正解。だって嫌でしょう?
こーーんな小さくて気も碌に扱えなさそうな見た目している奴がさ?
自分よりも厄介で時間掛かって、こんなはずじゃなかったって
イライラしているのをニヤニヤしながら見続けられるの。』
プライド高い奴らなら、それだけで逆なでされていると判定に入る。
嗚呼そうやって自分以上に怒っているのをみて、とっても面白いと思うのだから。
まぁ悪い子に育ったよねぇとメルはずっとコルンを見てニヤニヤニヤニヤしてみていた。
『ただコレは調整を間違えるとコルンが言う様に四肢が破裂しかねない。
だからこその、コレが必要になるというもの。』
「っそれは…?」
『架施を具現化した状態だぁね。数は数えられないが。』
そう言ってメルはパンパンと手を叩いて開く。
其処からメルを中心として色とりどりの光がゆっくりと回っている。
『感情プルチックの輪だよ。喜怒哀楽から更に派生して事細かく状態を維持している。
これを交互に移動させ、波を作って気を増幅させていくんだよ。』
メルは手に幾つか気を取ってくるくると輪を作り出す。
するとそこには草花が咲き誇る一つの冠が出来上がったではないか。
そのままくるりんぱと言って頭に乗せてふわりと地から離れるメル。
『こんなふうに、想像してしまえば誰でも作れるし、人も自在に操れる。』
「っそんなことまで!!」
『まぁコレはあくまでも出来るであろうという自分の想像した状態。
余り何度も使う予定はないし、するつもりもないがね。』
しかし話が少々変わって来た。
というと?
『輪にしてしまった以上、コレには終わりが見えない。
つまり落ち着くという処がみえなくなる。
華樹自体はちゃんと成長するだろうが、
落とし前というか落ち着く場所を
作り出さないといけないのが非常に面倒くさい。』
「別に時間が過ぎれば解決するもんじゃないのか?」
『のんのん、私は華樹神になる前提で作り込んだからね。
怒り哀しみ喜びらを含めて絶望に叩きつけ
その感情に愛を追い求めてやまないこの私が、
そんな簡単に時間だけで終わったら
既に華樹神にならずに飽和して消え去ってるわ。』
「そ、そうなのか。」
あのヘレス様がたじろいでる。
そう言うサワアに、それ程なのかとコルンらも引き気味に聞く。
『いやそれにしても参ったなぁ〜〜
本来だと千年の間に形成させて何とか落ち着かせる予定が
とんだ邪魔が入ったというものだなぁ。』
「おや、僕のせいだと言うのですか?」
『ほぼほぼな。まぁ私が放置し過ぎた戦犯っていうのもある。』
いやどうしようと浮遊しながらくるくると回るメルに
周りの球体もくるくると回っているのが不思議に見える。
本来メルは地面にひたすら足を付けていたが、
素は此処まで忙しない子なのか。
今まで彼女がどれ程押さえつけていたのか、
少し抑えていた子が恋しくなってしまいたくなる。
だからあれ程言っただろうにという声が聞こえなくもない。
『ああ〜〜〜〜殺すわけにもいかないから、
感情の波をとにかく魂ごと叩きつけ刷り込ませながら
形成の種類を全部作り出すしかねぇよなぁ。
流石に早いが仕方がない。』
「形成?何をするつもりだったのですか?」
『嗚呼?まぁ気の扱い方ってところかな。
基本的な強弱、形の変化は勿論のこと
攻撃パターン防御パターン、
増幅等のサポートパターンありとあらゆる状態を全て。
勿論自分に振り掛ける上限や、
相手に送りつける上限も加味したもの。』
「…貴方、それを全部ご自身でなさるつもりだったのですか????」
嗚呼勿論そう。
「何処まで自分で抱え込む予定だったんですか…。
それは通常自分で出来る範囲では到底ないというのに。」
『いやん無理無理〜〜!どっちにせよお前らに元々会えない状態だったんだし。
人は常に孤独である存在。身内だからと言って教えを乞うなんて愚かな者だよ。』
「そうですかねえ?そっちの方が愚かだと思いますが。」
『でも生きる為にはしなければならない。最悪は常に隣合わせ。
どうせ救うって手を伸ばしても自分が手を伸ばせなければ無意味同然。
なら自分の手でこの力を自由自在に扱えるようにすればいい。』
それが出来なければ自分で殺せばいい話だし。
そのために感情である痛みを真っ先に慣らしたというもの。
此処を切り抜ければ狂う感覚も麻痺するからね。
危険の信号で止まることはないというものだ。
『意外と面白いもんだよ?これ。自分の怒りに慣らせば大体の想像がつく。
何処で怒って何処で拒絶してどういう風に移動するかの筋道が分かる。
そうして相手に仕組んでやってその中に取り込まれる憐れな奴ら。』
悪い子に育ったねぇとメルは繰り返して言う。
そうやって自分を悪く言わせて、
背中にその痛みを続けて放つのだろう。
痛みを快楽と勘違いさせ、その輪を決して終わらせないように。
自殺行為もいいところというもの。
ソレを止めようとしても、彼女に別のものを与えないと難しい。
華樹神自体感情の起伏で力を発揮する。
抑えられたらその分威力も効果も半減し続けていくもの。
それも生死まで関わると言われたら、
普通に金の首輪をつけ続けさせるわけには
いかなくなってくる。
『まぁ感情のセーブはいつも以上にしてしまうしかないだろうな。こりゃ。
ストックが作れないおかげでこっちも対策がイマイチ難しいんだよ。
ほんとお前ら責任とってよね。』
「だから最初から仰っているでしょう?責任など取るのだと。」
『ん〜〜〜途中で投げ出したりしたら地獄の果てまで追いかけるぞ?』
「貴方それで終わるつもりないでしょうに。
来世も更にその向こうでも追いかけるつもりがあるというもの。」
『あ〜〜ばれてっらああ。』
「そんなことより夕食になさいましょう。此処で泊まるなら猶更です。」