春と呼んでほしかった
夢を見た。天使達が破壊神らと仲良く話をする夢。
綺麗なクレヨンで描かれた、夢を、そっと額縁に飾る。
痛いよ、痛い。こんなの、知らない。知らないよ。
嬉しそうに笑って話をする彼等の姿の中に、私はいない。
痛いよ、痛い。こんなの、知らない。知りたくないよ。
でも、知りたくて知りたくてたまらなくなってしまう。
ふと下を向けば、マルカリータが目を閉じてすやりと眠っていた。
腹に手を重ねて眠る姿に、妙な違和感を感じる。
近くにはコニックが、その近くにはヴァドスが。
点々と仰向けになって目を閉じる彼等に、胸がひやりとし始める。
立ち尽くす大神官の背中に、メルは声を掛けた。
「やはり貴方にはまだ早かった。」
『だい、しんかん、さま?』
「貴方がうんだことですよ、エフェメラル。」
違う、これは夢、えっ、ゆ、ゆめ、だよね?
天使が眠るということはない。
目覚めないということは、たった一つだけ。
「天使は常に中立であらねばなりません。
そうでなければ消滅します。」
『ね、てる、だけ。です、よね?流石に』
「ええ。寝ていますよ。安らかに。次が選ばれるまでは。」
『つ、ぎ……?』
つぎ、つぎって、なぁに?
分かってる。
確定の言葉が脳裏にずっと張り付いている。
言葉を続けて言うだけで終わるのに、
言いたくないとはこういうことなんだろうな。
背後の額縁が酷く鮮明に見えてくる。いやだ、止めて。
大神官がメルの隣を歩いて、その額縁の前に立って綺麗ですねと答える。
「こんな時間がずっとなんて続かないんですよ。」
『…す、っ、ぴ?』
「この子達があの子達がどうなろうと、私は此処で見届けねばなりません。」
『な、に、言って。』
「綺麗ですね。」
何が、なんて言えない。後ろ姿ばかりが妙に鮮明で。
その青いリングが、寂しそうに光り輝いている。
なんだ、今迄のが夢だったのか?
息をするのがきつい。心臓の音がドクドクと響いて煩くて仕方がない。
落ち着かせ方なんて幾らでも作って来たのに、どれも響かない。
恐怖で埋め尽くされていく白い空間が、黒く染まっていく。
額縁と、大神官と、私と、下で眠っている天使だけが光っていて。
泡の様に、花びらの様に、ガラスの破片の様に、溶けていく白。
怖い、怖い怖い怖い怖い怖い。
「貴方が選んだ結末です。覚悟をして下さい。」
『なんの、はなし?』
「私の業務を手伝うとは、そういうことです。」
後ろに下がって何かに当たった。
ちゃんと見てと言う彼の目をすぐに視線を逸らしてみれば
黄色と茶色の色が目の中に入ってくる。
昔、本当に昔。死に直面した時。冷たい身体に不思議だった。
おばあちゃんが頭を撫でてくれていた。
そんなおばあちゃんが、目を閉じて冷たくなって眠っていた。
皆が泣いていて、私は泣けなかった。実感出来なかったから。
また目を開けて笑ってくれると思っていたから。
天使は死なない。そう、天使は、死なないのだ。
では、一体誰が、死んだ?
『…あ、ああ、ああ』
身体を下す。目を閉じて微動だにしない彼等の頬にすら触れるのを恐れる。
余りにも綺麗で、人形の様にもみえる。昨日まで生きていた身体。
自分の名前を呼んでくれていた天使らが、この目の前で、目を閉じている。
呼んでも起きない。揺すっても起きない。
起きることはただ一つ。破壊神が選ばれた時のみ。
いやだ、天使は人形じゃないのだ。使い物ではないのだ。
ちゃんとした、人間と同じような感情を持った者だ。
「その子達に会いたいですか?」
『あいたい…話して、笑って…それ、から。』
「では、破壊神を選んで下さい。」
『………は??』
「おや、聞こえませんでしたか?」
いや、聞こえた。聞こえた、けど。
「いずれ破壊神とて元人間。寿命はきます。」
『でも、此処までねむる、って。』
「貴方の影響ですよ。エフェメラル、いえ華樹神よ。」
私?わ、わたし、が?なん、で?
「あの場所は生命を極限まで維持することが可能な場所。
逆に言えば、死期を忘れさせる場所でもあるというもの。」
『…そ、んな、いや、そんな』
「では何故あの場所で人の生命が終わらないと思います?」
確かに、老人を入れている訳ではないが、
生まれてくるものもいなければ死ぬものも居ない気がする。
私が生まれたのも、イレギュラーだと言うのだろうか。
「貴方は関わり過ぎたのです。彼等と居過ぎた。」
『そんな』
「さ、華樹神ならばその種を見つけて下さい。
彼等にとっても、破壊神にとっても、相応しい。」
種床を。
細まる目に、メルはそっとサワアの方を向いた。
ひたすらに目を閉じて目覚める気配はない。
ただこの場所は暗い。クスクスと笑う声が聞こえる。
ちょ、何をするんですか!!
いいではないか〜〜!!
全くよくありません!はしたないでしょうが!!
そう二人の叫び声と、他の子達の声が聞こえだす。
痛い、痛いよ。やめて、もう、やめて。
目を閉じて、耳を塞いで。首を横に振っても聞こえてくる。
架施はちゃんと発動している。
24の感情が光として周りを廻り、
ひたすらに強く光を示し続ける場所に、鼻で笑ってしまった。
『…わかりました。』
こうなる未来など、遠からずある行為。
殺すな、活かせ。その自責すらも、変換して回せばいい。
天使は常に中立。加護天使らも似たような者。
華樹神は、選ぶ側。何処に何を配置するかを、決める者。
ソレは即ち、始まりと終わりを、選び続ける者の総称。
不思議と涙が出ない。あんなにも泣いたのに。
安心して泣いていたのかと今更ながら思う。
目を閉じても、醒めない。
12の天使がこの地で眠り続けている。
同じ様な子達を選んで、同じ結末を歩ませればいい。
そうしたら、そうすれば、また、同じでしょう?
そして同じになったその瞬間、道を変えればいい。
大丈夫。私は、大丈夫。
距離を取るのだって得意だし、愛想笑いも上手にできる。
とってもいい子で天使に選ばれた子なのだから。
『プルチック感情、輪廻の輪を発動します。』
こんなの、ただの、悪夢だ。嗚呼、あの場所が、悪夢だったのか。
嬉しそうに笑って、私を愛してくれている彼女らの位置。
この時間に戻ってきて、その平穏が首を胸を締め付けて止めない。
こんなの知らなければ良かった。こんなの知ってしまったからいけない。
私が悪いのだ。全て、決めた。私が、足を進めた、私が悪い。
目を向けて、触れて、もう、もう大丈夫だと思った私自体が、悪い。
『自責よ、架施として責務を果たさん。』
青暗い色が大きな輪となり、頭から被さって首にぴたりと挟まる。
同じ様に青暗い色の光が胸元に入って青い花を咲かせ誇る。
腰元も熱い。もう華が咲き誇っているのだろう。
目が熱い。緑色なんて、もう、忘れてしまった。
目の中に入る髪色がほんのりと薄れていく。
黒い方に寄っていた紺色が、青緑色程ではないが、青さを増していく。
『華よ、我が身に降り注ぐ数多の情よ。』
貴方に会いたい。皆と笑って、ずっと、ずっと、ずっとずっと。
一緒に、隣で、なんてもう、要らない。もう、いいよ。いいんだよ。
貴方が笑って、過ごして居られたら。
もう、それだけで、充分だというのに。
『破壊を司る者を選びたまえ。この者達に、星に、宇宙に。』
世界に、相応しいと思う者を。
手のひらから12の光を作り出し、その光が浮遊する。
赤青黄色、色とりどりに光り続けるのを、
大神官が振り返ってみてくれている。
「…どうしました?散らせないのですか?」
『散ったら何処に行きますか?』
「破壊神を選びにいくのではないのですか?」
『この種はとてもいい子です。床は無いというのです。』
破壊を司れる者は、この世に誰一人としていないというのだ。
それは、一体どっちだ?
「どちら、とは?」
『破壊の者が一人もいないか…あるいは』
既に存在しているか。
この場所は一体何処だ。
そう睨むメルに、大神官の目が変わる。
『胡蝶の夢とはご存じではないか。』
「それは?」
『蝶の別称ですよ。この場所が夢のものなのか、
現実なのか、はっきりわからない。
その狭間に、落ちてもう戻れないこと
を指すともいわれる。』
そう言えば、貴方は満足か?
メルは大神官の顔にぐっと近づいてなぁ?と低い声で煽る。
『私を殺して、乗っ取る床を作ろうとして?』
「…っ!!!」
『先に忠告をしておこう。夢が醒めたら、お前はそのまま。』
「…は?」
『私の大事な大事な子達に手を出したこと…絶対に後悔させてやる。』
覚えておけ。
この夢は私のものだ。
現実も夢も幻も、全てお前ら
私以外が踏み入れて良い訳がない。
『人の世は常に儚い存在であらねばならない。
天使が中立であるように。人間もまた、常に儚い存在なの。』
「…それで、これは夢だと仰るので?」
『知ってる?華樹神に相応しい者ってさ、
純粋である清らかな気を持って、
尚且つ感情を持てばそれで終わりじゃないんだよ?』
「…一体次は何を言うのですか。そんなの当たり前でしょう?」
『ではなに?なにをもって、お前は神とする?人と定義する?』
人は儚い。神は永遠。それは終わらない時間ということ。
時計が歯車が壊れるその瞬間まで。ずっと永遠に溺れているだけ。
気が付いたら、永遠と思えるくらいの長い時を過ごしていただけ。
それだけで、一瞬一瞬は常に儚いというもの。
『儚い時間が続いて、永遠となる。
人が神に変わる。それが私の、神様の定義。』
「それが事実なら、我々すらも人間だったことになりますよ?」
『寧ろどうしてそれを理解しない?受容しない?
嗚呼そうか。私に足りないのは「受容」だったのか。』
誰かに言われたかのように、ぱっと言い聞かせるように言うメルに、
お待ちなさいと大神官が手を前に出す。
「何処に行こうというのです?貴方の帰る場所は此方ですよ?」
『この場所を司る子は私ではない。』
「…は?」
『そっか。…此処に、私は行きたいけど。
そんなこと私がしちゃったら壊れちゃうから。』
そうだよね。寂しいね。怖かったね。
こんな暗くて、責め続けられる時間なんて。
貴方でなくても、私だって辛くて怖い。
受け入れて。そして、愛してあげて。
その時間すらも、全て統べて、ひっくるめて。
私が見せてあげる。貴方が変えてくれるその日まで。
干渉?違う。ただ気付いてしまった。それだけだ。
ニヤリと笑って、メルは両手をぴたりと第一関節だけ合わせて振り返る。
眠り続けるこの場所が、私の願った場所であったと知れて。心地よくなる。
いこう。
その白い空間に。
メルは歩き出した。黒い場所しか見えない。後ろから声が聞こえる。
髪の毛を引っ張られる思いを、振り払って前を進み続ければ、
白い空間が徐々に見え始める。
嗚呼こっち、こっちなんだ。私が、私が生きる場所は。
キラキラと音を立てて、流れる水の音が心地良くて。
メルはそのまま歩みを止めずに光に呑まれた。
++++++++++
「…目覚めたか。」
『……こ、こは。』
「あれから数日の間眠られていましてね。」
『…す、っ、ぴ?』
「ええ。スピス、ですよ?エフェメラルさん。」
おはようございます。
お、はよ・・・?
「お目覚めの所悪いですが、
少々お耳に入れて貰いたい話が幾つかあります。」
『う…ん。いい、よ?…なぁに?』
「貴方が眠られた後から数時間後に貴方から膨大な気を察知しました。」
『……え?』
え?
「今まで感じた中でTOPクラスです。
全王様の方まで軽く届きまして、何事かと急いで来てみれば。
貴方が髪色を変えてスヤスヤと眠り続けているだけではないですか。」
夢を見たんですよね?
「一体どのような夢を見ていたのですか?
それは、私や、サワアさんですらいえないことですか?」
『……そ、れは。』
まだ、お願いをする前の話し。
此処で、あの時間が起こることを防ぐことだって可能だ。
でも一体どうやってそうなったのか分からない。
それなら、繰り返してしまえばいい。
どうせ後悔するなら、やって後悔してしまえ。
『…全破壊神が殺されて、全天使が自分の下で眠っている夢でした。』
「っなんと」
「そのような…」
周りがざわつくのに、スピスが手を上げて止める。
それで?と聞く彼に、それでとメルは答える。
『綺麗な額縁に飾られてたんです。
破壊神も天使も。皆が仲睦まじく騒いでる様子。』
そんなところ、今までみたことなんてない。
きっとこれから起きるかもしれない。
そんな時間を、何よりも大事にして、書き換えたから。
だからそんな時間になったというならば。
正夢になろうものならば。
私は、正々堂々と立ち向かえるように鍛えるしかない。
『次々と天使が眠っているのを見て、正気で居られませんでした。
怖くて、怖かった。ただただ、夢で在ればいいと思って。』
「そうでしたか…」
『でもその力ではないと思います。』
「と、いうと?」
『スピスさんに言われたんですよ。
「貴方がした結末です。覚悟を決めて下さい。」ってね。』
「私がですか。」
『そこで気付きました。』
嗚呼、お前という奴は一体どいつに手を出しているんだと。
よどんだ深い怒りが、ぱっと架施と同時に発動する。
24の光がぐるりと光り続けて、
そのまま赤い光が強く点滅を繰り返して
自分の周りをずっと浮遊して廻る廻る。
『絶対に私がお前を殺す。だから首を綺麗に洗って待っておけ。
そんな気持ちでスピスさんもどきの野郎に声を掛けましたので。
多分そっちの気じゃないかなぁ〜〜〜って!!!』
「や……っくくく、そうでしたか。それはそれは。」
『宣戦布告受けたんですよ?ねぇスピスさん、いえ大神官様。』
「なんです?」
『お願いがあるんです。』
「…お聞きしましょう。」
そう目色が変わる彼に、メルは身体を起こし、その場に立ち尽くす。
彼の後ろには、12の神々が此方を見ていた。
『私を貴方の補助としてお仕事させて下さい。』
お願いします。メルはそっと手を前に合わせてゆっくりと丁寧にお辞儀をする。
深々と頭を下げた彼女に、お上げなさいと声がかかる。
「貴方が見た夢になる可能性だってあるのですよ?」
『ええ。構いません。』
「それでもいいのですか?」
『ええ。宣戦布告掛けられたんです。
私今まで売られた喧嘩は買いませんでした。
だってそんなの無意味ではないですか。』
怒りでそのまま我を見失って、絶望するなんて憐れにもほどがある。
でも、それをしなければいいってことではないだろうか?
一体どれ程私を舐め腐ったらそれ程まで思うのだろうか。
流石に怒りというものを知ってから、
感情が込みあがって込みあがって
仕方がなくて笑いが止まらなくなるから
本当に困ってしまうものだ。
『でも今回初めて喧嘩買います。そりゃあもう、徹底的に。
絶対に後悔させて失望して後先見えなくなってしまっても
更に堕として墜として墜としまくるくらいには。』
「おやおや…それはそれは、
とんでもない覚悟を決められましたねぇ?所詮夢ですよ?」
『夢の中に入って来た野郎の方が悪いです。僕なんも悪くない。』
「っくくくく。そう来ましたか。
そうですねぇ、流石に物騒なことをさせる訳にはいきませんが、
その気合は受け取りましょうかね。」
いいでしょう。
そうスピスの声がその華樹の前で響く。
「正式に。貴方を私の補佐として任命します。」
『…ありがたき幸せ。』
そう言ってメルは膝をついて、深く頭を下げる。
こうやってするのは初めてであるもの。
何時もは自分に対して落ち着かせる為にしていた行為。
それを知っている大神官は、
覚悟を本当に決めていたことを改めて知る。
少し間を置いて、メルの肩を少し叩く。起きろという合図だ。
「では衣服などの身なりも整えましょうか。」
『わ!!!』
「流石に華があちらこちらから割かれると困りますので。
これくらいでは如何でしょうか?」
『わ!!わ!!!わーーーーー!!!!!!!!』
大神官が指を鳴らせば、メルの衣服ががらりと変わる。
胸元にあったエメラルドの宝石がついた白い衣服は
綺麗に消えて、大神官と同じ様な色合いに変わる。
浅黄色のオフショルダーを着飾る。
丈は胸下までで、肩側は手首まで袖が通り、
手首辺りは金色の腕輪で止められていた。
へそ当たりに同じ浅黄色の布でズボンの様なものを縛っているが、
外は白で内側は浅黄色の長いスカートを着ているように見えた。
『かわいいいいいいい!!!!!!!
えっめっっっちゃ可愛い!!なにこれなにこれ
なにこれなにこれなにこれえええええ!!!!!』
「ふふ、気に入って頂けて何よりです。」
『わ!首輪ある?首輪!?イヤリングも???』
「首輪は二つ重ねてついていますが、基本固定しています。」
ひとつは制御、一つは増幅の効果を施していますので。
緊急時に力を出す時に手で触れてくれれば。
そうぼそりと告げる大神官にメルはにやりと笑う。
「イヤリングはポタラに似せたものです。
能力を宿すことも今なら可能ですが、如何なさいます?」
『まぁ無難に行けばポタラは止めといたほうがいいでしょうね。』
「何故です?」
『ん?界王神の方だけでも危険だというのに、
此処まで入れる訳にはいかないのが大きな理由ですよ。』
それにしても今ですか。
ええ、今です。そっちの方がいいでしょう?
そう言う大神官にメルはううんと腕を組んで悩む。
右へ身体を曲げると右へ大神官が首を横に。
左へ身体を曲げると左へ大神官が首を横に曲げるので
ニコニコとぶんぶん振るメルに、メル様!!とコルンが声を上げる。
あはは〜〜〜!!怒られちゃった!!!!
『そうですね。流石に瞬間移動迄とはいきませんが
種を飛ばしたところに移動出来るようにはしたいです。』
それこそアストランティアとか。
それはいいですね。そのように設定しておきましょう。
嗚呼そうそう、とメルはこっそり大神官の耳に話を入れる。
出来ればそっちはカモフラージュの惑星を作るので
その時に設定してください。今はデモを。
…分かりました。
こういう大きい場では対策も念入りに、だ。
「ではその手筈で。お勉強はコルンさんから
ご指導を頂いていると耳に挟んでいますが。」
『ええ。まだまだ貴方のお手伝いになれるほどでは
決してけっっして。けっっっっして!!!!
断じて!!!!本当に!!!!
できないんですけどね?!?!?!?!』
「ふふ、そこまでいいます?」
いや言うよ。絶対日本語で言う処の
六法全書ガンガン駆使して言うんだろお前らどうせ!!
そうだろう!!絶対そうだって!!!もう絶対そう!!!!
それなら今出来る範囲とすれば
高校生未満かまぁ以上になるかくらいの範囲。
適当に話が出来て、それなりの言葉が分かるだけであって、
詳しくなんてとてもじゃないが出来ていない。
『あっでも私外に出れませんけど、いいんですか?』
「構いませんよ。本格的に動くのは千年後ですし。」
『えっでも外で歩けませんよね?』
「その件については彼女が答えてくれるそうですよ?」
『え?どの件について彼女が答えてくれるそうで???』
私ですよと声を掛けたのは、久しぶりにみたエーリンである。
きゃーーーえーーーーりいいいいんと言って、メルはスカートを掴んで
大股で走って彼女の元に飛び込んだ。
はしたないことをなさらないで下さいとコルンが言うのに、
元気ねぇとえーりんことヴァイスはケラケラと笑って背中を軽く叩いてやる。
「あらあら、本当に早く咲いちゃったわねぇ。」
『ん?』
「メル、貴方鏡で自分の顔みてる?」
『え?み、てる、と、おもう、けど???』
「ほら、よく見てみなさい。」
そう言われてメルはエーリンから手鏡を受取り自分の顔を見た。
『え?!?!?!?!?嘘!!!!!!!目の色変わってる!!!!!!』