澄んだ白





前回のあらすじ

メルが夢から目覚めて華樹神としても理としても、
片足を入れて身体の変化が起きてしまった。


以上。


それだけではない。髪色もほぼ変わっているのだ。
光りに照らされれば、紺色からコバルトブルー寄りの明るい青色に変化していた。
目の色は夏の青空が思い描かれる程に澄み渡った青空の色を灯している。

暗がりに居れば夜空の色を見せなくもない、深い青をがん見する。
いや、此処まで変化するものなのか。

「ん?どう?」
『…びびってる。えっ待ってこれ誰。』
「貴方よ?貴方。エフェメラルよ?」
『えっ僕違う人????成り代わった????』
「ふふふ、華樹神にすっかり染まっちゃって驚いたわ〜。」

それにしても此処まで完璧だとは…ふむふむ。

そう言ってエーリンがメルの周りをうろうろとする。
メルは胸元に手鏡を持って少し腰が引ける。

「ほ〜〜〜〜これまた逸材引いたな私。天才か???」
「何馬鹿なことを言ってるんですか貴方は。」
「いちゃいいちゃいいちゃちゃちゃyたあdsfかsdf」
「すいませんうちの者が勝手に入って。」
「ああ、い、いえいえ…。」

仕事途中だったのだろうか、エーリンの耳を引っ張って
怒るトーラスにコルンらが少しぺこりとお辞儀をして
手を前に出す。もう適当にしておいて欲しい。

「さっさと話して差し上げなさい。一応貴方の引継ぎ子でしょうが。」
「あ、ああそうだった。あのね?メル。
今貴方の状態はほぼ華樹神と理の狭間に位置しているのね?」
『え?あ、う、うん…???』
「本来華樹神は樹木から種を拾い、
それを下界の者に植え付けて神にしてこの世界を守るものなんだけど」

さらっとえげつないこといってる。
さらっと言ってる。

「そのシステムがもうこれ以上使えなくなってることに気づいちゃってね。
種を処理できないと気が停滞してひたすら膨大に膨らむだけになるから…。」
『…えっと、つ、つまり?私死ぬ????』
「それを防ぐためにも、お前達に相談というものをしに来た。」
「相談、ですか。」
「嗚呼。今はお前達の方に多くのシステムが移動している。」

星の管轄から何から何までは元々こっちの仕事だったからな。
ほぉ、そうなのですか。

「これを機に、華樹神の撤廃を決めようかと思ってな。」
「てっ!?!?てっぱい!?!?!」
「また大きく踏み込みましたね?何かあったのですか?」
「まぁね。色々調べた結果そっちの方が良いと言う話で
上も大体固まってるし…どうやら本人もそのつもりだったようだしな?」
「そのつもり??」

ちらりとトーラスがメルを見て笑うのに、大神官らも彼女の方を向く。
目をきょとんとして首を傾げているメルは手鏡をエーリンに手渡してから
自分の腰元に垂れていた浅黄色の布を掴んで遊んでいたのを止める。

「なぁ?エフェメラル。お前元々こいつらのことを回す予定だったろ。」
「っ!?!?そうなのですか!?!?」
『あ〜〜〜〜〜〜あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
「……そうなんですね?」

確定で言わずに明後日の方向を見る時は大体次の事を考える時。
つまり彼女で言う処の図星、というもので間違いないのであってだね。

「でも仕組みがイマイチやってないから理解出来ない。
かと言って言語も明らか日本語とは違うから止めてた。
いや正確には過干渉になる可能性が高くて避けていたが正しい。」
『…流石に上の人にはバレますねぇ〜〜。
そうですよ、トーラス様の仰る通りです。
此方が下手に天使らや神々に踏み込み過ぎると
干渉に入ってこっちが死にかねない為
避けていたのが事実です。』
「そんなこと考えていたんですか。」
『裏ではね。』

表になんてするつもりはなかったが。
まぁその必要性が出て来てしまったのだろう。

『それで?』
「それで、どうせなら次の世代交代には
華樹神の形はほぼ形上の引継ぎにしていくってのはっていう提案。」
『私はそのつもりだったのでそれで構いません。
皆さんが良ければそれに合わせます。』
「なら決まりだな。位置はどうする?」
『正直全王様と同じは色々怖いですが、形上で誓約抜きなら影響もないかと。』
「よし、じゃあ今までと同じ立ち位置で、種の威力や効果は一切無しとするか。」

わ〜〜忙しくなるぞおと笑うエーリンに
メルは手伝うとちょこちょこと彼女の元に寄って行く。
それにはいいとメルに対して両手を前に出して答えた。

「これは引継ぎの役目だからね。
お前もまたいつか、その役目を負うことになる。」
『じゃあ、その時まで、お預けってこと?』
「そうしてくれると助かる。」
『あっ待って待って待って待って待って』

服を掴んで移動しないようにと止めるメルに、
わかった分かったと服を抑えてトーラスが下に降りてくる。

「なんだよ。まだ何か?」
『華樹神って下界に降りれないんですよね?アレなんとかなりません?』
「ん?嗚呼無理かな。根を張ることになるのを防ぐ為なのが主だし。」
『でも華樹作らなくていいんですよね??』
「…だとしても形上は保ってる。其処は譲れないなぁ。」

そっかぁとしょげるメルに、ふぅと息を吐いてその代わりと提案を入れる。

「全王宮の方面でも一区画であれば移動出来るようにする。
ただし、地面に触れない様に移動すること。」
『…あっ待って。今思いついた。』
「何を。」
『ねぇトーラス様、華樹神って地面に付いちゃダメなんですよね?』
「ま、まぁ、そうだが。」
『空も飛べませんよね?』
「ま、まぁ…おいマテ。何をするつもりだ。」

そう止めるトーラスに、メルはにやりと笑って見せる。

『つまり、こうやったらいけるんじゃ、ないですか、ねっ!!!』
「っば!!!!」
「は、し、って、ます…よね?」
「嗚呼、はし、ってる、な???」
「空を?」

後ろを振り返って勢いよく走り出したメルの足が宙に押しあがる。
宙には白い花弁がふわりと作られてその足を更に空へと駆け上がらせる。
メルが足を付けた瞬間に花が足場として作られ、
まるで其処に階段が在る様に徐々に空へと上がっていくのだ。

『わあああああきちゃあああああ
できちゃあああああいいいいいやっふうううう!!!!』
「…驚いた。そう、きたか。流石にソレは管轄外だな。」

目を丸めて口元を手で覆い、呆れてものが言えないトーラスに
凄いでしょうとエーリンが自慢げに彼の方を向いて答える。

「私の引継ぎは。」
「…全く本当に凄い子をタイミング良く捕まえたよ。でかした。」
「ふふ!お褒めの言葉有難くお受けします〜〜!!」
「おい。」
『ねぇこれって使える?外でも使える?』
「その感じなら構わん。」
『きゃーーーーやったあああああああ!!!!』

私ずっとずっと考えてたんだよねぇ
と、メルは降りて来ても宙で軽く周りをくるくると走り回る。
足元は白い花が咲いては消えて咲いては消えるので、
まるで大きな花冠にも見えなくもない。

『お空飛ぶのも翼生やして飛ぶのもいいけど、
空って走れたらすっっごく気持ちいいだろうなあって!!!
ねぇねぇこれ夢じゃないよね?!現実だよね!!!』
「ええ、そうですよ。」
『わああああ!!!私宙に浮いてる!!
凄い!!凄い凄い!!!ねぇ!!凄いよ〜〜!!!!』
「そうですね、凄いですよ。ほんと。」
「…こっちも呆れてものが言えなくなるわ。」
「流石に走るなんて考えもつきませんからねえ。」

あれなら気を最小限にコントロールするだけでいいというもの。
自分の身体に気を纏って空を自在に浮遊するのも良いが、
足場を自分の気で固めて消してを続けていれば
面積的には小コストで収まるというもの。

「一体どこでそういう知識を得たんですか。」
『ん?あ〜〜ゲームかな?
多分一番目でのゲームが似たようなことしてたから。』
「とんでもない応用をしてくるんですね…。」
『そうかなあ。』
「少なくとも全員が呆れてものが言えないです。」

そんなに!?そうメルが驚いて周りをみると、
殆どの界王神や天使らが首を縦に振った。

「普通に気を纏って空を飛ぶか
身体を移動させる方がスムーズですからね。」
「初歩というか、その発想は正直思いつかなかった。」
『わあ!!ねぇ褒められちゃった!!!ねぇねぇ!!!』
「はいはい、良かったですね。」

腰元まで伸びている髪の毛を後ろで三つ編み一つで束ねたメルが
サワアの元でぴょんぴょんと飛んで髪を右へ左へと揺らす。
それを見て、分かりましたから落ち着いてと
言わんばかりにサワアが淡々と答えた。

「それで?他にも要件があるんでしょう?」
「え?あ、嗚呼。そうそう、すっかり忘れる処だった。
エフェメラル、貴方架施を変えたって聞いたけど本当?」
『え?うん。本当。ほらこの通り。』
「…うっっっっわ。お前、マジか。」
『え?え?何。待って何。』
「…はい。ええ、来てください。今物凄く面白い者見れますよ。」

待って誰に通信かけてる。そう言っていると、
何々と神々が徐々に集まりだしたではないか。
流石に界王神らも驚いて下がるが、
頭を下げることも腰を下ろすことも出来ないことに違和感を持った。

「あれ?何故…」
「この地はメルさんが統括しているものです。
我々はあの方達と同じ様に、位置して欲しいと
彼女が願っているんですよ。」
「ですが流石に立っていることなど…」
「それを破ればあの子の願いを聞かない。
即ち華樹神の名に背く行為になりますが、それでも?」
「っめ、滅相も!!!!!」
「ならそのままいる事ですね。」

ほんと、恐ろしいことをぽんぽんとやってのける。
そうウイスはシンらに告げて、彼女の方を見てやった。

「ほーーー架施を?変えた?
一度付けるのもえげつないのを?二度も???」
『え?え?え?え?そんなに???』
「架施は繋ぎを施す意味の鎖を意味するもの。
上限を制限を決めて自分の意志を相手に触れない様にするやり方もある。」
「そんなことも出来たのですか。」
「能力が余りにもチート過ぎたからな。
なんせ昔は誰彼構わず願い事を叶えられる存在だったんだ。」
「ほぉ、それ程までですか。」

おかげさまで酷い目にあったからな。
そこでこの架施を作ったというもの。

「通常、架施は華樹神、特に理として選ばれた者が他者に渡すもの。
それをお前は知らずして自分に制限するためだけにかけてただけでなく
一度までして二度もやったとは……。」

そりゃあこういう結果にも向くか。

「解くことは出来ないのですか?」
「此処まで完成されていると、寧ろ解いた方が面倒でしょうね。
一人でやってのける精神は本当に素晴らしいと思いますよ。」
『っしゃ!!!!』
「ですがもう少し周りの人に声を掛けるべきでしょうね。
このままだと貴方一人で理ごと本当にくるっと変えられそうですし。」
『う゛!!!!!』
「感情の上下が激しいですね……」
「ふふ、元気ということでいいではないですか。」

此処まで素を上手く使えるなんて早々いない人材というもの。
本来華樹神は感情を上手くコントロールして気を華に変え
その周囲を取り込んで攻撃する形をとっているという。

「本来は下界に干渉しないが、こっち側に影響があれば手を打つというもの。」
「その為に攻撃の仕方は絶えず変えていたと。」
「嗚呼。いやにしても…此処まで悲惨になるなら撤廃普通にありだからな。」
「そうね、これ以上しても人間の限界が来てるとしか言いようがない。」
『…なんの話してるの???』
「華樹神の試験の話しよ。メルは一度廻廊に行ったことあるでしょう?」
『うん。』
「その廻廊自体を撤廃してもいいんじゃないかって話。」

何方にせよ華樹神の位置は未確定になってきている以上
これからの事を進めるには少々理だけで話が終わらないことになってしまった。
大神官を含めて、メルらと共に理達で会合を開くのも打った方がいいと言うのに
時間を改めて決めましょうかと話をし続ける。

『(あ、れ?)』
「っと、メル?どう、し」

急にふらついたメルに、とんとサワアが背中を持つ。
身体の力が抜けてきて、そのまま倒れるメルに、声を掛けてすぐに察した。

「あらあら、急に限界来ちゃったのねえ。」
「…はーーー、焦りました。また何か起きたのかと。」
「ふふ。架施を変えてる以上暫くは大丈夫よ。」
「寝かせてきます。」
「嗚呼それならあの場所に置いて来てもらえる?」
「あの場所?あの場所、とは……」

そうエーリンが指を指した場所は、綺麗に育った青々とした華樹の樹。
何時の間に育っていたのかと思っていると、
その下には大きな花冠の輪を作った中に白いシーツが作られていて。

そっとメルを下ろせば花が咲き誇り、
そのまま空に続けて薄い膜でメルの事を守る様に包み込んでくれた。

「これは…」
「清き者しか触れられない様にする簡易ベットよ。
本来はこういうところで寝るはずなんだけどね。」
「華樹がある程度育っていないと出ない上に維持も出来てなかったからな。
まぁお前達が手を出してくれて漸くなんとか軌道に戻ったというもんだ。」
「手を…なんかすいません。」

嗚呼いや、寧ろ非常に助かってる。

「色々迷惑をかけるが、どうかこの子をよろしく頼む。」
「…はい。喜んで。」

トーラスに言われて、サワアはニコリと微笑み答える。
言われずとも守り通すというもので。
スヤスヤと丸まって眠るメルに、おやすみなさいと告げて席を外した。


++++++++++


…ですよ。

ええ〜〜其処を何とか!!

そんな声が聞こえて、ううんと声が出る。
甘えた声に、一体何処から出せるのか私が問いたい。

貴方の声は何処から?私は此処から。

どうも、メルです。

ふぁああと大きなあくびを出していると起きたと声が上がる。

『…っ、ん』
「すいません、起こしてしまいましたね。」
『…っい、いいよ?』
「〜〜〜、すいません。今お兄様達をお呼びしますね。」

うにゅうと声が出てメルはぱたりとベットに寝転がる。
クルクルと喉を鳴らして息を大きく吸って目を少し擦った。
一体あれからどれ程寝ていたんだろうか。

「サワアお兄様、コルンお兄様。メルさんが起きましたので、
出来れば急ぎの件でなければ此方に来ていただけると助かります。
ええ、ええお待ちしておりますでは。」
「ウイスさん!!メルおきたんか!?!?」
『うみゅ…!!』
「……悟空さん???」
「ひっ」

ぎゅっと目を閉じて丸まったメルに、
ぎろりとウイスが悟空に対して睨みを効かせた。
流石に無礼にもほどがあるというもの。

幾らメルが悟空らのことが好きだからと言っても
礼儀はきちんとしておいて損はないというもの。
全王様らも何時怒るか分からないと言うのに。

「全く、起きて間もない子に
大声を出してはいけないとあれ程申したでしょう?!」
「だって…ウイスさんもおおき」
「お黙りなさい!!…全くもう。」

流石にメルから離れた処で悟空を叱る。
しょげる彼にはこれくらいが丁度良いだろう。
メルとはもう彼等も会う機会がかなり制限される。

会っても目を覚まさないことが多々出てきているのだ。

「一体何時から寝てるんだ?」
「一度目を覚ましてからもう二週間程経過していますよ。」
「っあんたたちは!…だれだ?」
「だああっ!!!」
「…ウイスさん。」
「お兄様方、お待ちしておりました。」

界王神が第2と第8の天使様ですと説明するのに
嗚呼そうだったとけろっと笑う悟空にため息が入る。

コクコク、いやうつらうつら、というべきか。
メルが身体を起こしては頭を上下に振ってはぱたりと寝転がり
また起こしては倒れてを繰り返している中、
コルンらはウイスの声に従いその中央に育った華樹の元に歩いた。

「メルさぁーん?起きてらっしゃいます?ウイスですよ〜〜。」
『……ふみゅ』
「先程からこういった感じでして。ちょっと声が出ていたんですがねぇ。」
「…ふむ。メル?サワアですよ?メル〜〜?」
『…さああ?』
「……ええ、サワアですよ?」

そう優しく言えば、薄いベールが徐々に消えて無くなっていく。
どうやらこのベールはメルが寝ている時に起動するらしい。
溶けていくということは、そういうことだ。

『ふみゅ…あえ?ここ、どこお?』
「あれから二週間程寝られておられましたので。
流石に衣服は返させて頂いてます。」

白い肩出しのワンピース姿のメルに
サワアがあの後の説明をしている間に悟空が帰って来た。

「…っ」
『あれ?ごくう?ゆめかな。まぼろしみえちゃってう』
「幻でも夢でもありませんよ。第7の人間です。」
『んん!!!ごくう』
「…孫悟空です。」

流石にコレ以上譲歩は出来ません。
そう言うコルンにメルはぶうと声を上げた。

地面から離れたそのベットの端にある花冠の一部に腰を掛ける。
足はぶらぶらと浮遊しているのが面白くて、揺らしていれば声がかかる。

「メル様、起き上がって早々お話をさせて頂いても?」
「…構いませんか?」
『んむ、いい、けど…難しいこと、今、むりかも……』
「だそうです。それで?何故この人間が此処に?」
「全王様と遊んでらっしゃいまして、
その帰りに会いたいと申されて
全王様から許可が出ちゃいましてね。」
「嗚呼それでですか。つまり、寝ていたのを起こしたのですね?」
「すみません。」

いいよおとへにゃりと笑うメルに、
少しいたたまれない気持ちを抱えるシン。

それもそのはず。今のメルは寝起きと変わらない。
聞いたこともない甘えた声で答えられるので、
一度目醒めてから声を掛けるべきだと思っていたのだが。

悟空が言う事を聞く人間でないことは周知の事実。
あの妻であるチチですら手を焼いているのだ。

「にしても…メル、おめえいつの間にか気がまた変わってるな?」
「悟空さん?」
「っです、ね?」
『ん゛〜〜〜〜ウイスさぁん!!!』
「幾らメルさんだと言えども、流石に無礼です。」

良いっつってんじゃん。
そう怒るメルが頭をぼりぼりと掻きだしてから髪留めを外す。
手に金色の髪紐を括りつけて、それでなんの用が?
と声が徐々に戻ってくるのに悟空が気を許す。

「メルってもうすぐでオラたちと会える時間が
少なくなるって聞いたんだけどよ、それって本当か?」
「ウイスさん?」
「私ではなく、大神官様からですよ。
全王様に聞いてから声を掛けられましてね。」
「嗚呼…それはそれは。」

ある意味困ったものだ。

「はぁ…その件につきましては
此方から申し上げますが、事実ですよ。」
「やっぱり…そっか。ごめんな?
眠い処起こしちゃったろ?」
『いいよ。もうすぐで沢山寝ることになるし…。
ってかもう既になってるし。』

一日が二日、二日が三日、三日が一週間。
今回で一週間から二週間へとランクアップしました。
お知らせなんて要りません。出ていけ此畜生。

このままだと一か月単位で目覚める処か
百年単位で目覚めそうで怖いんだよこっちは。

メルの左右にはコルンとサワアが
メルの様子を見つつも悟空に説明をする。

目の前には悟空とウイスとシンが此方に来ていた。
ビルスはどうやらベジータと組手で
集中的に面倒を見ているらしい。

この調子だと次の候補はベジータの予感が否めないな。

「して、それで?」
「んで、メルが良ければもう一度地球に来てくんねぇかなって。」
「ウイスさん彼に例の件は?」
「していませんよ。するべきではないと思って居ましてね。」
「まぁ妥当ですね。」
『ごめんね、悟空。もう地球に遊びに行くことは出来なくなっちゃったの。』
「…え?」

そう驚く悟空に、メルは続けて答える。
コルンが口を挟もうとしてたのをメルが手を出して止めたのだ。

『目の色も髪色も、悟空が私を見てくれた気も。
全部変わってるの、分かるでしょう?』
「あ、ああ…けんど、それがどうしてこれねぇんだ?」
『気持ちは嬉しいけど、とっても眠たいから迷惑かけちゃう。』
「なら寝ながらでも出来る様にしたらいいじゃねぇか。」
「これ……」
「すみません。」

失礼極まりないですが。そう言うウイスに、コルンが
貴方も苦労してるんですねと嘆きの言葉をかけてやるしかなかった。

『ううん、私が嫌だから、嫌、かなぁ。』
「…そっか。じゃあこっちで遊びに来るのは駄目なんか?」
『……うん。駄目。駄目、かな。』

もしも、もしも万が一が起きれば私は貴方達の責任を取れない。
だから嫌だ、駄目だと否定する。これは嫌いだからとか面倒だからではない。
ソレを分かっている悟空は、分かったと答える。

「なら、どうして駄目なんか、理由教えてくれねぇか?」
「悟空さん」
「なぁ頼む!!パンが凄い寂しがっててよ〜〜またきてぇって。」
『……ねぇ、パンちゃんって幾つ?』
「ん?えっと〜ひい、ふう、みい」
「大よそ人間の年齢でいうと5歳前後でしょうか。」

そう答えたウイスに、そうと悟空が答える。
ふむと言ってメルはベットに少し深く座り、そのまま足を組んで悩む。
これはしたないことをしないとコルンに言われつつも無視をして考えるのに
何を考えて?とシンが声を掛けた。

『……いや。悟空、幾つか聞きたいことがある。いい?』
「え?あ、ああ別にいいけんど。なんだ?」
『君気を扱うことに寄って何か変な感覚持ったこと無い?
私と特に此間遊びに来たりとか、白い空間に飛ばされた後あたりから。』
「いや…そんなこと、あっ!!ある!!!」
「っあるんですか!?!?」

まだ誰にも言ってなかったけんどと答える悟空に
やっぱりかとメルが低い声で答える。

『ウイスさん』
「一応弁明しますが、貴方に言われた通り
例の飴は全員口に入れる処をこの目で確認しております。」

捨てた等という形跡もないとは言い切れませんが。
そう言うウイスに、ならとメルが続ける。

『悟空。それって気を使って攻撃する時じゃない?』
「え?」
『しかも浮遊してから下に落ちてパターンを変えようと繰り出す瞬間。』
「へ?え?」
『何なら花を一度誰かに見せて貰ったか見たか思い出したかの三択。
加えて相手はウイスさんで在るほうが好ましいというか、ケースが多々。』
「…見てたんか???」

そう唖然とする悟空にやっぱりそうかとメルがうなる。

『ん゛〜〜〜〜。ひょっとしてさ、
肉とか最近食べる量若干減ってない?野菜気質になってない?』
「…そう言われてみれば。そうかもしんねぇ。」
『はい待って。二人。ゴー。』
「失礼しますね〜〜」
「へ?あっちょ、ちょっと!!!」

腕を掴んでメルの元に固定するコルンとサワアに悟空が軽く暴れるが
暴れないで下さいとコルンが告げる。

『ん゛〜〜〜〜〜〜〜………え〜〜〜〜〜りいいいいいいいいん!!!!』

助けて!!!!!

そう叫んだメルに、よんだあと声と共にメルの背後からびゅんと音を立てて現れる。
それには、うわっと悟空が声を上げるも、あのねぇとメルが声を上げる。

『これさぁ〜〜〜まずくない?』
「ええ?どれ?これ?この人間?」
『そう。よくみて。本当に良く見て。
マジで良く見て。がん見して。食べちゃ駄目だよ?』
「誰がするか!!!ええ〜〜〜????」
『マジで私幾つか質問して気づいたのクソ偉いと思う。』
「一体何の話ですか。」
『こらこらこらこら。固定してる。』

だそうです。そう言ったサワアに悟空が腕を引っ張っていたのを止めた。

「ん〜〜〜〜〜????見た処普通に見えるけど。」
『天使と戦ってる最中に花を見ていた状態で落ちてる時に変な違和感あったとしても?』
「…は?」
『しかも肉から野菜とかの方に偏ってるとかいったら?』
「えっ待って、ちょっっと待って。えっ待って?…待って?」
「落ち着いて下さい。先程から待ってしか言っていませんよ。」

いやこれ問題。大問題。そう青ざめるエーリンに、は?とコルンが告げる。

「どうしよ。華樹が選んだの?」
「……は????」
『単刀直入に言う。悟空。君、華樹の実をどっかで食ってる。
んでもって種がその魂にくっついちゃってる。』
「「「「はあああああああああああああああああああああ?!?!?!?!」」」」