やさしい妄想の餌食になあれ




前回のあらすじ

白い部屋から戻ってきて肉体を持って色々お土産貰えました。

以上。

それからというものあわただしい時間を過ごした。
ティーナ達が此方の世界である第12宇宙に存在する
最古の惑星ハイマットにある華樹に繋がった場所。

華神達の辿り着くべき最果ての惑星アストランティアに住むことが決定し、
その移動と彼女らの衣食住を決定させるために現地へと移動。

勿論メルは空に華を咲かせてその上に座って各場所での指示役になっていた。
華樹神としても彼女達の上司に位置する為、
メルは記憶にある限りの仕事をしていた時間を使って指示をしまくっていた頃。

ふと仕事なんてしていないのに、
どうして仕事をしていたことがあるのかと考えたが、
普通に11番目の仕事での話だろうと思い込んでいたが…

そう言えば理世代をコロコロと転生していたことを想い出して
其処から培ったんだろうなと一人納得していた休憩時間。

サワア達はティーナらがいると言うのもあって
一つの宇宙のみがメルの元に付いていてくれた。
因みにこの規定はまさかの全王様からのご命令で、
大神官が付き添えない場合は基本的に各破壊神及び天使が
メルの事を見てくれる、まぁ付き人の役割を担ってくれると言うことが決定しました。

付き人にも位置する愛犬パピ君は気の容量的にも愛犬位置が離れないというのと
どうやら生まれ変わる場所が決定しちゃったということでお別れしました。
うえぇん。泣いた。普通にギャン泣きして泣いた。その話はまた今度だ。

華樹神官の位置にあるエーリンことエリンことヴァイス様は
あくまでも第四世代になる私への引継ぎであるものなので、
基本的には付き人でも華樹神官の役割にも入っていない。

まぁ所謂引継ぎして次の世代が上手くいきそうになったら
お役御免であの中央にある巨大華樹の内部で仕事をし続けるようだ。
私もその範囲に入るんだろうなぁ…

おおっと話がそれる処だった。
話を戻しまして、破壊神と天使が此方側で面倒を見てくれる間
その間の宇宙はお休みしていて構わない上に
帰ってからもすぐに仕事に取り掛からなくても構わないという手厚い対応。

まぁどうせ私が危険に陥った時に
すぐ動けるようにっていう空白の時間なんだろうが。
宇宙を放置していいのか。神様が。いいのかそれは。
そんなあっさり許しちゃっていいんだろうか。神様が。

「別にいいんじゃねぇの?
そもそも何もしないというのが
本来神がする行いでもあるくらいだからな。」
『そうはいいますけどねぇ、キテラ様ぁ〜〜〜。』
「いい加減様はやめろって大神官様も言ってただろ……」

そう半泣きで振り返るメルに、
困惑しながら項垂れるネズミ姿の破壊神キテラが答えた。
振り返りながら肩を落として言う彼女に強くなんて言えなくて。
ビルスらよりも幾分か優しい対応な処を天使であり
彼の付き人であるコニックはにこやかにその姿を見守っていた。

「そもそもお前が望んだんだろ?俺達と対等である状態が良いって。」
『うう、そう、そうだけどぉ〜〜〜。
つい反射神経が様付けを肯定的にするんだって〜〜。』
「っくくく、キテラ様。それくらいにしてやってもらえませんか?」
「ああ?なんでだよ。」
「エフェメラル様は慣れれば様等敬称は愚か
態度までゴロッと一遍しますからね。」
『コニックさん?!?!?!?』

ほら、この通り。
嗚呼成程?

ちょっとなんて言う事を言うんですか!
そう言ってメルがぐぐっと近づいて言い訳を続けて言うのに
何となく距離感というか、彼女の感覚を掴んだ。

これでも無駄に長生きはしていないのだ。

「にしても物好きだよな。」
『え?何がです???』
「全王様と同じ位置なら俺達を跪かせて指示してしまえばいいのに。」
『…そんなの、嫌だよ。』
「エフェメラル様」
『私は隣で。皆と一緒に見てみたいの。』

このとてつもなく広い宇宙を。皆と一緒の足元から。
届かない様で届くその時間を。皆と一緒に生きて。

儚い時間が永遠に変わるその時間からずっとずっと。
変わらないままで生きれるというこの奇跡を噛み締めていたいのだ。

トベラたちも言っていた。

一見メルの状態は悪い様に見えるが、これこそが永遠に近しい状態だと。
もうエフェメラルという儚い時間は幕を閉じ、永遠の時間に入ってきたのだと。

その証拠がこの目と髪色。そして杖を持った状態であることだと言うのだ。

「それが華樹神の杖ですか?」
『…うん。使い方は天使さん達の杖と殆ど同じだってトベラ様が仰ってたので。
サワアやコルン達から今度使い方教わろうと思ってて。
とにかく杖を持って身体に慣らしたくて持ってるんです。』
「ソレは良い心がけですね。きっとお兄様達も喜んで教えて差し上げる事でしょう。」
『えへへ!ありがとうございます!!がんばろ〜〜〜!!』
「お前は教えないのか。」
「おや、してもよろしいので?」
『うぐ……て、照れちゃうので…出来れば、
その〜…えっと…やめて、欲しい、かも…です。』
「…………どうしましょう?」
『コニックさん!??!?!?!?』

一瞬どころか普通に悩んでしまったコニックにメルが慌てて否定する。
それに声を出して笑いつつも冗談ですよとコニックは答えた。

「いや、それをしてしまえばお兄様達に
なんて言えばいいかわかりませんので。」
「単純に喧嘩買いたくないだけいっだ!!」
「全く、すみませんうちの破壊神が粗相を。」
『嗚呼いやそれどっちかっていうと私ではなく貴方に対しての粗相では。』
「っくくく、言いますねぇ?」

クツクツと喉を鳴らして笑う彼に、メルはへへへと笑みを零す様に笑った。
休憩時間とは言えど、メルは常時その華に乗って彼等と話をしている。
それに疲れないのか?とキテラが聞くと、大丈夫とメルは答えた。

『この場所なんかとっても気分が良いし、それにポタラもあるので!』
「ポタラ?なんかあるのか?」
『これ付けてると状態異常から何から何まで付与されてるんだって!!』
「貴方の状態はそのポタラを外せばほぼほぼ植物状態だとお聞きしておりますからね。」
「そうなのか!?!?!?」
「ええ。寧ろ付けていてその状態ですので、それが無いと色々と困りますよ。」
『なので寝る時くらいしか外せないのがきついんですよ。』

何時もはイヤリングもピアスも何も使わなかったので。
その分耳の違和感が拭えなくてですね…。
ふふ、何時か慣れますよ。

「そんなことよりも本当に休憩なさらなくて良いのですか?」
『え?でもここだとこうやって維持する以外他ないような。』
「あるだろ。」
『え?どこ????』
「ほらここ。」

そう指を指すキテラに、コニックが杖を異空間に飛ばして手を前に出すのに
メルがボっと顔を赤らめることに二人共おおと声が上がる。

『〜〜〜〜〜!?!??!!?』
「コニック。いけ。」
「はぁ…仕方がありませんねぇ。」

破壊神のお言葉とあらば。そう言って
メルの前に行ってその身体をそっと抱き上げてしまう。
そうすれば下に咲いていた花は綺麗に泡となって散って消え、
その分力がぐんと身体に降りかかって来た。

『…あれ?』
「やっぱり半強制的に眠くなるんだな。」
「気付いてらっしゃったんですね、キテラ様。」
「嗚呼。気を生成しにくいとなれば消費にしか偏らない。
それを回復するには睡眠が必要になってくるだろうからな。」
「人間の身体でなら栄養を取る等他の手段よりも
一番手っ取り早い回復方法ですからね。エフェメラル様。
お気になさらずそのまま身を委ね、
あわよくば寝ていても構いませんよ?」
『う、うう、で、でも…』

そううつらうつらと頭をかくんと落としては
頭を上げる彼女に身体を少し抱きかかえ直す。
するとその頭が胸元に当たり、
そのまま目をゆっくりと閉じていくのを
キテラは見ながら答える。

「寒いならタオルケットでも包まれていたらいい。」
「おや、珍しい。紳士ですねぇ?メル様に惚れました?」
「ほっ、ばっ、ちょ!!!!おま!!!
変なことを言うんじゃない!!!!」

俺はまだ死にたくないんだというキテラを半分無視して
コニックが杖を取り出しそのままメルを綺麗に包んでやる。
おやすみなさい、と甘えた声を出して言う彼女に、
キテラと目を合わせぱちくりとさせた後
クスクスと笑って、おやすみなさいとコニックは答えてやった。

だがもう既に彼女は夢の中に入り込んでいたらしい。
スヤスヤと目を閉じて眠っているのを確認して、
コニックはよいしょと言ってメルの身体を
自分の方にぐっと寄らせて浮遊し、少し態勢を傾けてやる。

すると胸元にぐったりと寄せて寝ているのが見えて、
クスリとまた笑いが込み上げてきてしまった。

きっとサワアやコルン…いや、大神官にもこんな顔をして寝ていたと思えば
彼らが本当に羨ましく思えてしまうというのがおかしくて仕方がないのだ。

全く、惚れたのは一体何方だと言うのだろうか。


「ほんと。…やるせないですねぇ〜。」
「何がだ?」
「しーーー」
「ううむ…ええい!俺はあっち行ってくるからな!!」

お前はお守りでもしてろ!そう言ってキテラが
その場の空気にいたたまれなくなったのか逃げる様に
ティーナらの元に飛んで行ったのだ。

メルは?という声に寝てしまったと指示を仰ぐ者達に今日はお開きだと告げる。
ええと言う声と寝床がまだ作れていないという者達を見かねてコニックは動こうとしたが
それには手を前に出して止める者に意外だなと目を見開いて驚き固まる。

「(…っと、此処で居ろと)」

どうやら彼女らも自分らで動けるというのでそのまま放置することにする。
余りにもメルが嬉しそうに眠っているのだ。
杖を使って椅子を作り、ゆりかごの様に背もたれに
もたれ掛かってしまえば身体の体重がそのまま胸に押し付けてくる。

んんん。と甘えたような声が聞こえつつも、寝息が聞こえる。
ちゅんちゅんと言った鳥の鳴き声や、少し涼しいそよ風に揺られて。
この大きな華樹の樹の下で。ゆったりと過ごしている。

食べ物を吐き出さない様に飲み込んで我慢していた子はいない。
寂しくても無理して笑う様な子は、今何処にも居ないことに、酷く安堵した。

「はぁ……ほんと、貴方には狂わされてしまいますねぇ?」
『…んん』
「っくくくく、これ程まで気持ちよさそうに
寝てしまわれてしまっては、動けませんよ。」

黄色いタオルケットに身を包んでしまえばこの通りだ。
因みに他の色でも試してみたらしいが、
黄色がダントツで寝落ちるのが早いと聞いている。

その色ばかりを見ていた彼女の真っすぐな気持ちが凄いのか
それともその色を何度も選び続けている実の兄が凄いのか
何なのか本当に分からなくなってしまうが、

いずれにせよ運命的な出会いを何度も繰り返している二人が
漸く落ち着いて生きれるスタートを切れたと思えば
安堵のため息を何度も吐いてしまうのは無理ないというもので。

コニックはため息交じりに彼女の身体を抱き上げたまま目をそっと閉じた。
身体は其処迄強く抱き上げなくても椅子の深さで何とかなっているのだ。
サワアらが同じ様に寝ていたのを想像しつつ、見様見真似で目を閉じる。

暫くしていると「寝たのか?」という声が聞こえたのではっきりと答えた。

「寝ていませんよ。起きています。」
「うわっ!!!!」
『ん゛ん゛〜〜っ』
「…キテラ様」
「っすまん!!これ俺悪くないだろ!?」

そう静かな声で必死に異を唱えるキテラに、コニックは低い声で指摘するように彼の名を呼んだ。
すまんという二度目の声に、コニックはため息を吐いてもう一度目を閉じて答える。

「お兄様達が出来て私が出来ない訳がありませんので、試しに目を閉じてみていたのですよ。」
「寝ることをか?」
「ええ。それの何か、問題でも?」
「いいやない。ないが……寝れるのか?」
「いいえ?天使が寝れる訳がないでしょうよ。」
「お前言っていることおかしいの分かってるか???」

聞くキテラに勿論ですとコニックは答えた。

「ですが気になったんですよ。出来ないことを軽々と出来ている兄を見てね。」
「…つまり負けん気が出たと。」
「キテラ様???」
「うう…だが、寝れるのも良いが悪いこともあるぞ?」
「ほお?それはどのようなものです?」
「寝ると夢を見る。夢は良いこともあるが悪いことも見せてくるからな。」

喩えば食べたいものがあったとして、それが満足するまで食べられるのが良い夢。
反対に誰かに取られてしまうのが悪い夢。それは自分が夢だと分かる時もあれば
夢ではなく現実の様に妙にリアルで声も触れる感覚もある程に鮮明な夢もあるとか。

それは自分が想定していなかった出来事が起きるというもの。

「こいつはお前達が居なくなるのが怖いからお願いしなかったんじゃないのか?」
「いなくなる?私達は居なくなることなど出来ませんよ?」
「消滅って意味だよ。」
「夢で消滅?意味が分かりません。」
「はぁ…お前達は戦ったら駄目なんだろ?夢の中でこいつが瀕死になった時、夢だからって戦ってしまったらどうしようって考えたんだろう。」
「……嗚呼、成程。そういうことでしたか。」

そんなことでお悩みにというコニックに、そんなこと?とキテラが同じような言葉を繰り返して疑問を投げかける。


「ええ、そんなこと。です。
掟に背くことは即ちこの子と二度と会えないということ。
我々天使はそんなことくらいで背く等しませんよ。」
「だが」
「それこそ夢なら捻じ曲げる事なんぞ出来るのでは?
それに現実だとしても逃がせる行為だって可能です。
幾らでも策はありますのでね。」
「だから、心配しなくていい…と、」
「ええ。」

貴方が死にかけることなんて幾らでも此方は考えているのです。
儚い存在。時間に生きるエフェメラル。その子は優しい。
此方が悲しまない様に、ご自身の願いを叶わなくて良いと手を下す。

たとえそれが、心の底から望んだ一つだけの願いだったとしても。

「夢ですら、叶わないでと言ってしまえる程、謙虚な心をお持ちの貴方を。
我々天使らがそのような掟で簡単に投げ出す様な
甘っちょろい思考等持ち合わせていませんのでねえ?」
「…それって、地獄の果てまで追いかけるって意味か?」
「おやおや、心外ですねえ?」
「ああそうだよな、すまん…」
「地獄の果てどころか来世や来来世まで追いかけると言うのに。」
「コニック??????」

なんでしょう。

「なんでしたら現在進行形で成し得ている者がおられると言うのに。」
「は??どこのどいつだよ」
「私のことですか?」
「ばっ!?!?!?」
「おや、もう交代ですか?早いですね。」
「ええ。…もしかして寝ています?」
「…ええ、ぐっすりと。」

貴方が作ったタオルの中で、ねえ?
…貴方までそういうことを言うのですか。

「っくくくすいません。お兄様達が少し羨ましくなってしまって。ご無礼をお許し下さい。」
「はぁ…構いませんよ。」
「それにしても気持ちよさそうに寝ておるなぁ〜〜!」

可愛いのおと頬をつつくヘレスに、これとサワアが軽く叱る。
その間にううんと身体を動かし目を開けるメルに目を丸めた。

「っな?!?!ないっ!!!!」
「…いや、泣いてないですよ。」
「え?何故そうお判りに…?」
「メル。もう少し寝ていて貰って構いませんよ。」

交代しただけですので。まだ体力も其処迄回復していませんよね?
そう言うサワアが自身の気をメルの方にゆっくりと流し始める。
それに気付いた周りに続き、メルは目をぱちくりとさせて涙をぼろりと流した。

声は出さない。でも、言いたいことは分かる。

そっと目を閉じて、身体を胸元にすりすりと押し付けた後、また眠り始めたのだ。
涙の痕をコニックが優しく拭ってやると、メルがごしごしと目元をかいてしまう。

「ああそのようにされては痕に・・・!」
「構いませんよ。やりたいようにさせておいてください。」
「…わかりました。では我々はこれにて。」
「嗚呼、すまん助かったぞ第4」
「これくらい構わん。それじゃ後は頼んだぞ第2」

そう言ってコニックの背中に手を置いたキテラを確認した後、
コニックはサワアらにぺこりと軽くお辞儀をして華樹に触れて姿を消していった。



「にしても彼にすら身を委ねてしまうとは…余程気の消耗が激しいんですねえ?」
「わかるのか?」
「ええ。昔ながらの付き合いなので、
この子の気がどれ程あるか等此方は手に取る様分かるというものです。
…だからこそ、今の状態が余り宜しくないと言うのも分かるんですよ。」

ただでさえ魂と肉体が分離するなどよろしくないと言うのに。
この子の状態はそうせざるを得ない位置に居る。
次なんて、考えたくなどないのだ。

「わらわの気も与えてやろう。」
「おや、珍しい。貴方がそのようなことをなさるとは。」
「…なんじゃ、悪いのか?」
「いえいえ。寧ろ有難いですよ?ありがとうございます。」
「むぅ、なんか貶されている気がするが…まぁいいか。」

お前の顔に免じて許そう。
おや、それは嬉しいですねえ?

そうヘレスがメルの顔を見て微笑むのに対して
サワアもまたメルの顔を見て微笑み返した。

「それにしても気持ちよさそうに寝ておるなぁ…」
「そうですねぇ。」
「…正直見られたくないとか思っておるんじゃろ。」
「おや、流石にわかりますか。」

何となくじゃが。当たりたくはなかったな。
じゃあ言わないで下さいよ。

そう言ってサワアは先程座っていたコニックの出した椅子に腰かけてやる。
すると重心が後ろにもたれ、そのままメルが身体にひっついてくる。
ほぉ?という低い声にヘレスが肩を震わせた。

「ひっ…!!!お主なんて声を出すんじゃ!!
メルが起きたらどうしてくれよう!!!!」
「そんな小さな声でも騒ぎ立てないで下さい。
それこそメルが起きてしまうではないですか。」
「お前のせいじゃお前の!!!!」
「…っくくく」
「なんじゃ気持ち悪い。」
「いや、こういうのすら望んでたと思うと笑いが込み上げてきてしまって。」

ほんと、一度人間に片足突っ込んだら駄目ですねえ。

「欲望は無い方が良いとおもっていたんですがねぇ。」
「…前々から思っておったが、お主本当に天使ではないよのお。」
「おや、前々からとは一体何時からの話しです?」
「初めて会った時からじゃ。」

未だにそのことをというサワアに、ヘレスはティーナ達を見ながら話す。

「ドロドロとした感情を見ながら、わらわの手を差し伸べた奴が何を今更とぼけておるのじゃろうか。」
「それは心外ですねえ。私は貴方こそが破壊神に相応しいと思って手を差し伸べてあげたというのに。」

現に夢は叶ったでしょう?
嗚呼まったくじゃ。

「こんな穏やかに過ごせるとは思っておらんかったがな。」
「それは私もですよ。」
「おお?そうなのか。てっきりわらわは穏やかに暮らせると思っておったが。」
「この子は儚い程に一瞬で消えてしまわれる者ですよ?
永遠に生きれる私ら天使と違い、この子は半分人間の存在なのです。」

勿論天使の器もあるからこそ、我々の濃い気すら与えて何もないというのに。
通常の人間であればこれ程の気を一度に与えれば内側から四散してしまいますからね。
…さらっと怖いことを言うでないわ。