自由型遠距離恋愛
前回のあらすじ
唐突な片道旅行が始まりました。
『それにしても、本当に良かったんですか?』
「別に業務的には差し支えない範囲ですし
寧ろ私の方が良いのですかと言うべきです。」
メル達は一度全王宮に帰り、身支度を整えてから出発をしている。
流石にとメルが引き留め大神官に声を掛けたのだ。
忘れものから服も着替えたいと言うので来ればの衣装が可愛らしいったらありゃしない。
紺色のワンピース姿で、下は半そでの白く襟の緩いシャツを着ている。
ワンピースの胸元は緩い楕円が二つ中央で折り返しの様に弧を描き、
肩は少し小さめではあるが後ろまで二つ線をくっつけている。
靴はシューズで紺色のジーンズ柄がまた統一感があって良い印象を持たせている。
『おしゃれではないですが、
お出かけ用のセットウイスさんから貰っていまして。
こういう時に着るもんだろうなって!!…あれ?
モヒイトさん?…ひょっとしなくても私、似合ってないです?』
「いえ…まあ、似合っていますし、別に構いませんが。」
私が先に見て良いのかどうか不安になりまして。
連絡してるならこれくらい驚かせちゃいましょ!
と、メルはニコニコ笑って答える。
本当は瞬間移動でやれば造作もないだろうが、
彼等の手を煩わせるなんて嫌で。
まぁそれ以上にこういう移動自体が手を煩わせると思ってメルが拒絶したのだが、
どうせならと付き合ってくれることに許可を出した彼に甘えてしまった。
メルは手を繋いでモヒイトの姿をちらりと見た後、
自分のスカートを広げて前と後ろを交互に見ていた。
「気になります?」
『え?嗚呼、まぁ…驚いてくれるかなあって』
「そりゃあいつもと違う格好をなさっていますし、
きっと驚いて固まってしまいますよ?」
『ふふ、モヒイトさん楽しんでます?』
「おや、分かります?」
『うん!!お兄ちゃんあっと驚かせちゃおう!!』
「そうですね。どんな反応になるか楽しみです。」
ニコリと微笑んだ彼に対して、メルはニコリと笑って見せた。
こうやってしているが、運転って感じだよな?
普通に黙っていたほうがいいのでは?
「…先に言っておきますが、
適当にお話されていたほうが此方としては有難いですよ。」
『っ!!…えっと、それじゃあ〜〜』
そう話が出てくる彼女に、モヒイトは手を繋いだまま彼女の話しに耳を傾ける。
一応サワアらの方に移動するためにオートモードで杖を使って移動しているので
其処迄前を見なくても大丈夫ではあるし、万が一あれば身体を掴んででも止める。
軽く三日間の旅に、嫌気が差してこないのかと寧ろこっちが気にするくらいなのに。
貴方にしたことをこっちが気にしても意味がないくらいに何も思わない。
それどころか興味を示してくれるくらいで、本当に呆れてものが言えなくなる。
末妹が犯した罪も割と重いというのに、
メルが庇って言うのだからこっちも強く言えなくなってしまった。
多分彼女が言わなかったらコルンお兄様辺りが強く言っただろうなとは踏んだし、
誰も言わないなら自分が言うべきだろうなと覚悟もしていたが。
きっとメルはそれを分かった上で言うなと言ったのだろう。
「…少し気になったのでコレを機にお聞きしたいのですが。」
『えっなんでしょう』
「シャンティさんの件です。何故お咎めも何もなしで放置を?」
『…ん〜〜色々意味がありますが、一番はあの子の性格ですかねえ。』
「性格ですか?貴方彼女に何度もあったことが?」
『いいえ。正直あれが初対面です。』
でも此方は貴方達天使と違い人間の時間を長く見てきました。
その為感情の深い人間の所を見たら天使の考える範囲など
たかが知れていると言うのだ。
『人間は感情深いのでその分欲の無かったり真っすぐな感情を持つ
天使の特徴は凄くパターン化しやすくてわかりやすいです。
なので彼女の感じからして、幾つか見てわかりました。』
仕草とか、目の挙動ですぐにわかりますよとメルは言うのだ。
『あの子多分人に対して行動を変える子でしょう?
仕草とかも変わったり結構問題児だったりしません?』
「……ええ、仰る通りで、割と大人しいんですが
やる時は凄いやる子でして。」
『まぁ妹の位置で親や兄弟が他の子一人に
時間割いているって知ったら何しでかすかわかりませんし。』
やりたいことは大体分かっていたから、
敢えてその位置を放置してみたと言うのだ。
いや別にやることはなかったのかと
モヒイトが聞くとまぁ無理だろうとメルが答えた。
『あの子の場合結構勘が鋭い子だと分かりました。
大体貴方達のことを考えると何となく分かるんです。
シャンディガフというのもあってすぐにね。』
「シャンディガフ?」
『カクテル言葉で無駄なことという意味を持ちます。
私の花言葉と全く同じ様にねえ?』
「…まさか、同じ言葉を持つから貴方の力を無効化出来たと?」
『そうでもなければあれ程の気を持った本を持つこと自体不可能なハズです。』
一応他の子にやらせましたが、
割と気を扱っていないと使えないと言うので。
嗚呼だからですか。
『別に叱ってもよかったですが、
怒りに任せて振るうとどうなるかくらい想像がつきます。』
「…貴方みたいになるのが怖いと?」
『まぁ私になんて誰もが慣れるとは思っていませんからね。
押し潰されて死にたい気持ちのまま永遠なんて私は死んでも嫌です。』
死ねないから永遠に無理なんでしょうが。
『そうなれば最終的にどうしてそうしたか。
どうやってこうなって、次はどうすればいいか。
ここら辺を考えるだけで済むので、その誘導を。』
「…我が妹ながら、粗相をすいません。」
『いえいえ。こっちも勉強になるというものですから。』
「そう言っていただけると助かります。」
反省はしているでしょうが。
まぁそう言うなら面倒、
もう少し見てあげて下さいねとメルは答える。
『きっと寂しくてついやっちゃったんでしょうし。
私も昔は似たようなこと沢山したもんです。
なんなら元々固定言語機能なんてその類ですし。』
「そうだったんですか!?」
『ええ。まぁコルン様に後々滾々と叱られましたが…』
いやあの時は困ったなあ。
あの人の背中と言うか身体がでかく感じた。
普通に身長差的にはでかいので間違いないが。
『今は彼のおかげで貴方達の言葉も言語も全てわかりますし。
彼には感謝してもしきれないくらい恩を貰っているんですが。』
「それ程では足りない様な気もしますがねぇ〜。」
『そうですかね?』
「ええ、そうですよ。」
彼がこんな変わるなんて思っていませんでしたし。
皆そう言いますよね?まぁ最初見た感じを考えるとそりゃそうか。
『第一印象めちゃ覚えてますもん。』
「ほぉ?コルンさんのですか?」
『生真面目頑固意地っ張り!!!』
「怒られても知りませんよ???」
『えへへ!!!』
メルは笑って話を流そうとする。こうやって手を繋いでいると、
本当に兄弟の様に感じてしまうのが不思議な処で。
「…メル様はどうして約束を守られようとしているのですか?」
『ん?』
「花冠を交換など、いつでもできると言うのに。
どうして今も尚しないのか、ですよ。」
『…あの時間でないと私は交換したって思えないけどね。
怖いんだよ、その時間が。今は何よりも、怖いんだ。』
「怖い?願いが叶う事でしょう?怖いことなどあるのですか?」
怖いよ。怖い。そうメルは左手で左側の服をきゅっと掴んだ処を見ながら答える。
『願いが叶うということは、
それ以上に大事なものがあるということ。
私は花冠で終わらせておきたい。』
「…だから、叶えないと?」
『ん。それにあの花冠はまた違う意味でもあるからね。』
「違う意味?」
『へへ、流石にコレ以上は内緒!』
「おや、狡いですねえ?」
ニコニコと笑うメルに、ニヤリと笑って答えるモヒイト。
少しぶんぶんと揺らして遊ぶメルが身体を少し揺らしては止める。
別にそのまま振っていても構いませんよと言うが、もう満足したとメルは答えた。
『それにしてもまさかモヒイトさんが
スッピーと手を組んでいたとは思わなかったなぁ?』
「おや、今更な話を出してきますねえ?」
『だって割とマジかって思ったんだもの。
やけにこっちを見る目が怖いとは思ってたけど。』
「…すみません、一応大神官様のご命令だったもので。」
『そう差し向ける様に、だったんだよね?』
「ええ、その通りです。」
メルがこっちに気付いてくれていれば
彼女らの隙が出てくると思っていたのだ。
まぁ余り効果は期待できなかったのだが…
『何となく分かってたから、途中私もそっちに向けたんだけど
流石に私が気付いてしまったまま向き続けるのは駄目だなって。』
「だから途中は見てくれていたのに無視されたんですね。」
『ちょ、む、無視って!!…酷いなぁ〜助けたに近いんだけど?』
「ソレは失礼しました。」
『ほんと君達似た者同士だよね????』
「これでも兄弟、ですのでね。」
目を細めて微笑むモヒイトに、ぞわりと悪寒を感じる。
失礼極まりないのだが、大神官様の
少し意味深い時に笑う時の癖そっくりだったもので。
何もないですよと彼には心の中で謝罪しつつ前を向いてみた。
本当に此処は宇宙の中で、本来は惑星なんて見えないというのに
色んな星々が見えて少し身体が上に上がってしまう。
「気になりますか?」
『…うん。あっ!い、いかないよ!?』
「いかない処かいけないに近いですがね。
別に私の管轄区域なら構いませんが、現在第2宇宙の管轄ですし。」
『えっもう!?!?!もうきたの!?!?』
「ええ。一度着陸しますので、お手を胸元へ。」
そう言われてメルは反対側の手を胸元に置いてしまうと
モヒイトが身体を抱き上げてくれた。
青い星の下にバッとキューブを外して下に降りていく。
杖はいつの間にか消えていて、青い空をずっと見続けつつ
落ちない様に、と服を持っていた。
青い、青い世界だなと。緑豊かで、まるでエジプト、
アラビア系を想像させる程の装飾を前に、
メルはふぉおおおと声を上げた。
奥から音が聞こえて来ている間に、
おろして下ろしてとメルがモヒイトの服を掴んでいた時だった。
「メル!!!」
『ヘレス!!!』
「よく来たのぉ〜〜〜!!!!」
そうメルに飛びついて抱き着いたことで
ふらついたメルをモヒイトが支えてやる。
ごめんありがとうとお礼を言うメルに、
いえいえとモヒイトが声を掛けた。
「ヘレス様!メルが初めて来るからと言って
強く飛びつかないで下さいねと、あれ程忠告をしたでしょう!?」
「そんなことを言ってもな!!何時もの恰好ならまだしも
こ〜んな可愛らしい格好で来られると
飛びつきたくもなるというもんじゃろう!?」
「こんな!?こんなって、ど、んな、かっ」
『…あれ?さ、さわ、あ?』
「…固まったな。」
「…固まりましたね。」
『お、お〜い。あれ?息してる?動いて無くない?』
「メル、それ以上近づいたらいかん。」
『え?で、でも』
えっ待って、時間止まってる?
いいえ?
「〜〜〜〜!!!ちょっ、と!!来てください!!!!」
『え!?あ!!えっまっなっにゃあああああああああ!!!!』
「…連れ去られたな?」
「連れ去りましたねぇ?…では私は此処で。」
「いいのか?」
「ええ。流石にこれ以上は野暮というものですし。
帰りは貴方達にお任せしますので、後は頼みましたよ。」
「分かった。ご苦労じゃったな。」
「いえいえ。それでは。」
++++++++++
「そんな恰好でどうしてこちらに来たんですか…」
『えっ…駄目、だった?』
「駄目です。」
『…あう』
「〜〜〜っ、嗚呼違います、そうではなくてですね…!!」
ああもうと声を荒げるサワアに、メルがびくりと反応する。
大きな樹の下にとんと置いてから
その華奢な身体を引き寄せて抱きしめてやる。
「…貴方は僕だけの者なんです。
他の方を誘う様な真似をなさらないで下さい。」
『…驚いた?』
「そりゃあもう驚きましたよ。
弟にとんでもない醜態見せてしまったではないですか。」
『へへ!だいせいこう!!モヒイトさんと内緒で考えたの!』
「モヒイトさんと?」
『正確には私が着てったらどんな反応するかなって。
そしたらモヒイトさんきっと驚きますよって。』
「あの子という子は…全く。してやられました。」
そう言って降参の旗をパタパタと振るサワアにメルはガッツポーズを出した。
サワアの腕を掴んで自分の両肩に沿って胸元で合わせる様に立つメル。
「それにしてもその服は何方がコーディネートを?」
『ビーデルから貰ったお洋服なの!どう?可愛い?』
「ええ。とってもお似合いです。
きっとビーデル様もお喜びのことでしょう。」
やっと着てくれたの〜!可愛いでしょう?
そう言ってくれる彼女の声が聞こえなくもない。
彼女とは何度かメリアと一緒に会わせてくれていたのでよく知っている。
なんならウイスとメルとサワアの三人での共通点は彼女らの話でもある。
メルはなんだかんだ言ってビーデルらの事を認知していたこともあったのだ。
『ブウとか居た時はまだ気も定まって無かったし、
あの子が死ぬと私や母様まで影響しかねなかったから
敢えて引く様に操作しちゃってたんだけど。』
「そのおかげで今こうして生きていますし、
作戦的には大成功でしょうね。」
『えへへ、似合ってるならいいやあ〜〜!驚いた顔面白かった!!』
「もう、ほんと困った天使様ですねえ。」
えへへと笑って居る彼女を軽く抱き上げ、
そのまま近くに置いてあった椅子に
そのまま座り彼女を此方にもたれ掛かってくるように置き直す。
「にしても本当に可愛らしいことで、なんです?襲われに来たんですか?」
『なんでそうなるの!?!?あっちょおいこら何処さわっとんじゃ!!』
「此処をこんなにしといて?」
『ひうっ、あっ、まっ、て』
「待てません。」
後ろから耳元で息を吹きかける様に言われて声にならない声が出てしまう。
背中がゾクゾクして、お腹がぞわりとして、お股の辺りがジンジンして困る。
擬音語しか出て来なくなるから、その手のやつはやめて欲しい。
『…サワア〜〜!』
「…余りヘレス様と一緒に愛でる等したくないですが。」
「ほぉ〜?こんな可愛らしい女子を来て
すぐに愛でるとは…お主も待てが出来なくなったのお?」
「失礼ですね。貴方方に見せたくない私の気持ちが分かる癖に。」
『ヘレス!??』
「随分と愛らしい姿になっておって…
別に仲間に入れて貰ってもいいんじゃぞ?」
『〜〜〜っ!!』
近い近い近い近い!!!
流石にヘレスにまで手を出されたら
どうしていいか分からなくなるんだが!!!
『だ、だめ!!』
「…おや」
『だ、だって…ヘレスは女の子でしょ?』
「女子だから駄目なのか?」
『う゛っ…ちが、くて。その、』
女の子だから、女の子を愛でたらいけないとかじゃないの。
『ヘレスは私みたいな子より、とっても綺麗な神様だから。
沢山愛されてしまって欲しいから、その、えっと……。』
「…男がすぐに襲う気持ちが今分かった気がするな。」
「おや、分かって貰えましたか?ではご案内しましょうか。」
『へ?あっちょ、待って何処に連れていくおつもりで?!』
「安心して下さい。とっても素敵な処ですよ?」
『その顔絶対ヤるって顔だろ!!はなっ、あれ?強いな???』
あっ待って?手の力強いな??放すつもりないな???
当たり前でしょう。この期に及んで何を考えているのです。
「人間から外れた天使を愛でないで一体何をするというのです」
『御父上様に怒られない???』
「ご安心ください。念には念を入れて、一応許可は取ってあります。」
『許可取り消させれないのかな?!?!?!』
「するつもり無い癖に、今更何を言うんだか。」
嬉しそうなのバレバレですよ?
あれ?おかしいな????
『だって久しぶりにサワアのそんな嬉しそうな顔
見ちゃったんだもん。嬉しくない訳ないじゃん?』
「…人間ならこの場で押し倒して犯すくらい
造作もないこと言わないで下さい。」
『サワアさん!?!??!』
「まぁ止せみっともない。」
『そうだよヘレス!いってやって!みてやって!!』
「どうせ部屋に入ればすぐに出来ることを。」
『あれちょっとお姉さん?!!??!』
唐突な裏切り行為が此処に出たんですが。
何ですか神出鬼没なんですか。神だけに?煩いわ。
「ああそうでしたね。それもそうです。」
『待って敵しかいない!!此処敵しか居ない!!!』
「今更か。」
「今更ですねえ。」
どうする?
どうしましょうねえ。
『あの、ちょ、さ、サワア?』
「なんです?」
『このままいくの!?このまま!?!?』
「おや、縦抱きはお嫌いですか?」
『いや別に好き嫌いは無いけども!
サワアなら何されても嬉しいから良いけども!!』
「おやおや、それは良いではないですか。」
『此処外なんですよ!!!恥ずかしい!!!!』
全力で顔を赤らめて叫ぶメルに、
サワアは廊下をスタスタと歩きながら
そんなことと軽く言いながら前を向いて答える。
「外だろうが中だろうがやることは同じではないですか。」
『〜〜〜ちぃがぁう!!私だって歩きたいの!!!』
「別にこのままでも良いではないですか。
暫く此方に居てくれるんでしょう?」
『え?寧ろいていいの?』
「そのつもりでお招きした予定ですが、違うんですか?」
『嗚呼いや、そんなつもりじゃ…』
確かに会いたいとは思っていた。うん。思っていたよ?
でも今此処ですぐに帰りたいと言って帰ろうとは思わない。
うん。思わないけど今すぐ帰りたい気持ちになるのはこれアレだ。
穴に入りたい気持ちだから恥ずかしいに変わりないんだこれ。
うう、考えれば考える程恥ずかしくなっちゃうよ。
『だとしても、この状態はまずくない?
私良い年した女の子だよ?なんなら同い年なのに。』
「でもこういうこと好きでしょう?」
『うん大好き。すんごい好き。でも、疲れない?』
「まぁ横抱きよりかはマシですかね。
変な話こっちでは片手で事足りますから。」
両手塞がるのか片手で済むのかでは話が別というもの。
まぁそりゃそうかもしれないけども。
『私ヘレスの事軽々と持てない気がする…。』
「ほぉ?わらわが重いと」
『ちっがう!!!!そっうぉじゃ、ない!!』
「っくくく、そんな強く言わずとも分かっておるわ。
お主に軽々と持てられると色々ショックじゃからなぁ?」
『えっじゃあする?』
「虐めたいのか貶したいのかなんなのかはっきりせい。」
えへへ
『にしても滅茶苦茶綺麗な処だねえ〜〜流石エジプト系。滅茶苦茶好き。』
「気に入って頂けて良かったです。」
『なんか落ち着くんだよねぇ〜〜なんでだろ?ゲームしてた影響か?』
「そんなものをしていたのか?」
『ものづくりだけどね。衣装とかも割と凝れて結構面白かったんだよな。
今度作ってみるのもありだけど永遠に籠りそうだからやめとこうかな…。』
「貴方一度籠り出すときりがないですからね。」
「そうなのか?」
「ええ。一度ハマると喧嘩しても離れない時がありましてね。」
割と昔は苦労したものですよ。
むぅ、あれは仕方がないもん。
『調子よかったのに駄目って言うのも嫌だったんだから。』
「だとしても来てもずっと放置はないでしょう?」
『来なけりゃいいのに。』
「はぁ、そう言って前に行かずに泣きついて来た子は一体何方様でしたかねぇ〜。」
『あっアレはち、ちがうもん…』
「っふふふ、そうやってみると本当に幼馴染なんじゃのう?」
そう前を歩いて笑うヘレスにメルは首を傾げる。
そうかなとサワアの方を向いてみると、
サワアがメルの方を向いてそうですよと答えた。
「私は貴方とずっと一緒に居たのですからね。」
『随分と昔の話も含めて言うよねぇ〜〜?』
「っくくく、そりゃそうですよ。
誰がパンドラの箱を開けたと思っているんです?」
『はーーーい!ぼっくでーーーーす!!』
「そうですね。」
「…さ、此処が客室じゃ。」
『えっ馬鹿広い。良いのほんとに。』
「寧ろお主の家の方が狭すぎて困惑する程じゃ。」
まぁあの場所以外は広いんだけどね。
色々と使った後で放置されているから
今現在工事中で放置されまくっている処だ。
客室と言えば奥の空間にある家の二階部分にしかないので
ヘレスが言っていたのは其処の話しだろう。
まぁあの場所自体人を入れる前提ではなかったんだが。
「おや、そうなのか?」
『うん。向こうは私用の隔離シェルターとしてたんだよ。
多分だけど対全王様でも行けるはず。』
「とんでもないところ作ってますよね、貴方。」
『全王様に許可取ってないから分からないけどね。今度やってみるよてい。』
大丈夫、消されたら時間戻す。
そういうのに使わないで下さい。
「まぁ好きになさって良いですが、余り無茶しないで下さいよ?」
『はぁい。わぁ、ふかふかべっと!!』
「一応床から放した状態にしております。
こうすれば貴方であれど普通に居られるでしょう?」
『うん!ありがとうサワア〜〜!!』
「どういたしまして。疲れているでしょうし、
お食事をとってからお風呂にしますか?」
『えっいいの。えっ。』
「良いも何も何しにきたのです?」
『お泊りいいの。』
そう目をキラキラとさせるメルに、サワアはちらりとヘレスを見る。
それにはため息を吐いて良いと答える。
「わらわが良いというんじゃ。好きなだけ居てしまえばいい。」
『わ〜〜〜!!ヘレスと一緒に!!女子会!!!!』
「ほぉ?肌の大敵と戦うと。良かろう。」
「ちょっとヘレス様?」
「お主は料理を作ってこい。わらわはこやつの面倒を見ておくから。」
どうせ一人にさせるつもり等ないのじゃろう?
はぁ、ならお願いしますね。
そう言ってサワアが部屋から出ていき、
暫くしてからヘレスがベットの上にポンと乗っかって来た。
エジプトのお姫様が寝そうなこの豪華なベットに
私が寝て良いものなのか不安でしかないが、
この目の前に居る第2宇宙の神様から
直々に許可が出たので良いのだろう。よし!!!