言葉ばかりの抱擁
まさかお泊りで遊びに来ていたとは思わなんだ。
そう思いつつも、メルはウイスに作ってもらったベットに腰を下ろしてもらう。
風呂に入った後、綺麗に髪の毛も乾かして今は白い衣服に身を包んで寝る前の時間。
メルがぼやいたことに、言っていませんでしたからねえとウイスは答える。
「お泊りにこられるのは何年ぶりでしょうか?」
「一億年と二千年程前くらいになるでしょうね。」
『ひえ、一億年と二千年前から愛してるやつだ。』
「なんですかその言葉。」
『三千年過ぎ去った頃からもうっと恋しくなった奴。』
「あの二人が愛し合ったら世界のいえ、宇宙の終わりですよ。」
気持ち悪いことを仰らないで下さい。
そう言うウイスにええとメルは不貞腐れた声と顔をしつつも
ウイスとヴァドスの動きにうん?と声を上げる。
「なんです?」
『あれ?いやこっちのセリフなんですが。』
「ほらほら、シーツを被っていないと風邪を引かれますから。」
『いやそうではなくて、あれ?ヴァドスさん???』
「はいヴァドスですよ?如何されましたか?」
『如何されますされまくってます。なんで引っ付いてくるの?』
そう避ける様に真逆に距離を取ろうとしたら今度はウイスに当たってしまう。
いや待て待て待て待て待て。これまさか添い寝か?添い寝コースか???
「ええ。貴方が寝るまで傍に居て差し上げるというのですから。」
「光栄なことですよ?天使が二人も添い寝をして差し上げるのですから。」
『せめて仕えてる人にしよう?』
「貴方は身内ならまだしも職場の人に添い寝なんてするお人ですか?」
『あっ無理ですね。』
「そういうことですよ。」
『そういうことで距離を詰められないで貰えます????』
あの、近い。そうか細い声になりつつも身体を丸めてしまう
メルの足を足で正してしまうウイスに、
メルは少し暴れる手すらも取られて動きが鈍くなる。
「これ、あまり暴れないで下さい。これ以上すると襲いますよ?」
「嗚呼それとも我々からの愛を欲しがっているのですか?」
「おや、それは気付きませんでした。大変失礼いたしました。」
『違うからね!?!?!?確かにぎゅってして欲しい欲望はあるけど!!!』
「おほほほほ!!!可愛らしいお願いではないですか〜〜!!」
ほらほらと言って手を離してぎゅっとしてやる
ウイスに、きゃーとメルは声を上げた。
手を上げて、ヴァドスと笑って誘うメルに、
ヴァドスは仕方がありませんねえとメルに近づいてみる。
「ん?どうしました?」
『いや、髪の毛が鬱陶しくて、踏まれそうでさ』
「でしたら髪の毛を纏めて置けばいいのでは?」
『んん、上にすべきか…あっ!!ねぇヴァドスさん髪の毛纏めてくれない?』
「ええ。私で良ければ喜んで。どんな髪型が宜しいですか?」
『ヴァドスさんとお揃い!!』
「っ」
嬉しそうに、起き上がって彼女は股に両手を入れてソワソワと今か今かと待ちわびている。
それには仕方がないですねえと言ってヴァドスは起き上がって彼女の背後に膝を立てた状態で
髪の毛を櫛で纏め上げていく間、ウイスもまた起き上がってしまう。
『ん?どうしたの?』
「いえ、メルさんはどうして髪の毛を伸ばしておいでで?」
『あ〜〜髪の毛の長さで力の引き出しが違うのかなって思って。
それで一応伸ばせる範囲まで伸ばして試しているの。』
「ほぉ?それは面白い話しですね。髪の毛を切ったら威力も縮まると?」
『それが分からないからやってるんだよ。
今度バッサリ切ってみようかなって。』
「一度に切られるなら事前に断っておいてくださいよ?」
『え?誰に?』
「お兄様方にですよ。貴方の髪を好いているでしょうし。」
まぁこの私も、ですが。
そう言ってウイスはメルの前髪にそっとキスを落すと
メルは目をぱちくりさせた後顔を真っ赤にさせて意識してしまう。
そんな反応をしてくれるだけ、可愛らしいと抑えておけばいいのだが、
どうしてもつい先日愛でまくってしまったせいでか
歯止めが中々聞かなくなってきたのが怖い話だ。
「それにしても綺麗な髪ですね〜〜いつもはどのようにされているのですか?」
『どう?保湿とかそう言うこと?』
「ええ。」
『あんまりしてないかも。』
「メルさん????」
『えっ???』
「そう言えば化粧もされていませんよね?しないのですか?」
『う゛っ、それはちょっと…サワアから怒られちゃって。』
「怒られ?貴方それ程酷い化粧をするんですか?」
まぁ最初はヘレスに誘われてやって見て怒られたが、
その次自分でやっても怒られちゃったのだ。
『自分以外にそんなことするなって怒っちゃったから、
皆の前ではしないって決めてて、だからと言って
サワアの約束守らない訳にもいかないし、
だから、えっと、その、でき、なくて…ごめんね?』
「はぁ……お姉様」
「ええ、分かっていますよ。」
『え?え?何何々何!??!』
「いえ、なんでもありませんよ。」
「ふふ、メル様は本当にサワアお兄様から
愛されておいでなのですね。」
何の話し?!?!?!
「おや、お気づきでないのですか?化粧はある意味特別な形です。
ただでさえお綺麗な姿を更に綺麗にしては
余計な虫がたかって仕方がないということ。」
『虫さんは愛でるもんだよ!?殺しちゃだめでしょ!?』
「その虫ではないんですよねえ〜〜〜」
「そうなんですがねぇ〜〜〜分かって貰えないのが
可哀想と思えばいいのか、よかったと思うべきなのか。
わかりませんねぇ。」
そうですねえ。とヴァドスは頷くのに、
メルは動いていたのを何とか言われて止めるしかない。
ううと下を少し向いていたが、
ヴァドスに引っ張られて顔を上げてしまう。
「それにしてもこうしてみると本当にルトラール様に似ていますね。」
『そう!?!??めちゃ嬉しいそれ!!!ありがとう!!!!!』
「ふふ、いえいえ、どういたしまして。髪の毛もサラサラで羨ましい限りですよ。」
「我々癖っ毛ですからねえ。」
『えっそう見えないんだけど…』
「何でしたら殆どの天使が癖っ毛ですよね。」
『あっ待って、纏め上げてたりするのってそういうこと???』
そう言えば癖っ毛だと割と纏めるのも苦労するはずなんだが。
おや、良くご存知ですね。
「メルさんも元々癖っ毛だったのですか?」
『嗚呼私の場合は前髪がね。前髪しなくて。』
「なんですかそれは」
『いや本当に重力無視してさ、前髪が前髪してくれなくて。仕事放棄待ったなししてくるの。』
「別にそう見えませんが。」
『今は毛量増量キャンペーン中だからね。髪の毛をすいたら世界の終わりだよ。』
「そんなことで終わられたらたまったもんではないですよ。」
まぁ我々は関係ない話しですが。
まぁそうなのか?そうではない気がするが良いか。
『えっ待ってスッピーの髪の毛元々癖っ毛だった…???
いや確かに髪の毛触った時割と気持ちよかったけど。』
「その件で思い当たることがありまして、この際言いますが
メルさん本当に怖い物知らずですよね。」
『え?そう???』
「ええ。あのお父様を此処まで牛耳られるお方とは思っていませんでした。」
『ぎゅう!?!?!?いやしてないよ!?!?!?!』
彼を従えるなんてとんだ心外問題ではないか。
『私一応部下だからね!?!?最終的に従える可能性はなくもないけど違うからね!?!?』
「まぁあのお方ですからどう出るかはわかりませんが、
少なくとも貴方のことで禁忌に触れてしまう様なことをする方ではないということは言い切れますね。」
「お父様があれ程感情に揺れたのは産まれてこの方初めてですし。」
「寧ろ正妻にならない方がおかしいくらいです。」
『せいさい?制裁?精細?』
「違います正妻です。正しい妻、奥方にということですよ。」
ならないが!??!?!?!
『だっだって、私、サワアのだし…?あれでも私は私のだからサワアのではないのでは????』
あれでもサワアには自分の言って言った方が嬉しそうに笑ってくれるし、優しいし、ううん?
そうメルは口に出しつつ困惑している中、出来ましたよと言われて声を切り替えた。
『わ〜〜!ヴァドスさんありがとう!!』
「ふふ、どういたしまして。」
『ねぇねぇ、ウイスさんウイスさん!!』
「おや、何ですか?」
『みてみて〜!ダブルお姉ちゃんだよ!!』
そう言ってメルはヴァドスの腕を
自分の胸に押し付ける様に両手で掴み
引き寄せていいでしょうと見せびらかす様に話しをする。
『ポニテのお姉ちゃんが二人もいるよ?
今なら何でもお願い叶えてあげる!!』
「…ほう?神に二言はありませんね?」
『ん?』
「メル様、余りそういうことは仰らない方が宜しいですよ?
と言いますか、人を選んだ方が良いと言いますか。」
「いえいえ、この場合私に気を許して
頂いていると思うべきでは?お姉様。」
『ん?ん??あれ、う、ういす、さん?』
「なんでも、お願い。叶えて貰えるのでしょう?」
たった一つだけ。
そう耳に囁くウイスに、メルはゾクゾクと背筋が伝った感覚に首を傾げてしまう。
理解する前に彼の腕が腰を取って近づいてしまった。
「では叶えて下さい。」
『ふえ?』
「もう一度、あの時の様に。愛でることを。」
++++++++++
『ふあ!あっ、むい、むいら、よ。』
「ふふふ、気持ちよさそうですねえ?」
『あっ!きもち、きもちいいの、やぁ〜!』
「可愛らしいですよ?」
可愛くない、ないよおと甘えた声で首を横に振るメルに
ウイスはメルの好きな所にキスを落せば
甘えた声がその度に鳴ってくれることに喜びをかみしめていた。
『ひう、ああ!うい、ういしゅ、ああ、らめぇ』
「何が駄目ですかねぇ?私にそんな声を聴かれることですか?
それともビルス様らに見られるのが怖いです?
嗚呼もしかしてお兄様よりも気持ちよくなることですか?」
「きっと全部だと思いますよ?」
『〜〜こえ、れちゃ、ひああっ!!』
「出せるだけ出してしまえばいいですよ。あの二人は一度寝ると暫く起きませんので。」
『ああ!あっ、らめ、あああっ』
透明な翼が出ることはないが、それでも気持ちよさで酔いしれてしまう。
くちゅくちゅと下の口を遊ばれているのに腰が抜け、喘ぐことしかできなくなったメルに
可愛らしいと頭の上から耳元に囁く程度の距離で言われて脳が思考を止めに掛かってくる。
『あっ、ああ、お、おむね、いっ、いじっら、ああああ!!』
「おや、こっちの方でしたか。ソレは失礼しました。」
『あっさき、さきっ、ちょ、らぁ、ああ、ああ♡あああ♡』
「ふふ、気持ちいいですねぇ?エフェメラル様」
『あ♡らめ♡そ♡そのなまえ♡らめえ♡』
「メル?」
『〜〜っ♡♡』
「おや、軽くいっちゃいました?まぁ、可愛い。」
『ひう♡♡』
乳首が綺麗に立って可愛らしいですよ?
そう言われて言わないでと首を横に振るも
言う事を聞いてくれる子ではないのは確かだ。
でも言わないと気が済まない。
股を開かされ、強制的に腰を浮かされ中を凝視されている。
まるで何処が良いのか確認しているようにも見えて
隠そうとしても隠させてくれないので手に負えない。
加えて一人なら良いが二人体制で来ているのだ。
胸をヴァドスが弄って、
下はウイスが長いその指を使って
隅々まで触ってくるから
頭の中が気持ちいいことしか摂取してくれなくなってしまう。
「そのまま身を委ねていればいいんですよ。」
『は♡ああ♡ああっ♡んん♡』
「ふふ、本当に可愛らしいんですから。」
「それにしてもこんなことをして怒られません?」
「おやお姉様もうお忘れですか?
何もこうやるのはコルンお兄様だけではないことを。」
「嗚呼そうでしたね。すっかり忘れていました。」
大神官様が契約を交わしたというのは、
それ即ち我々も管轄に入るということ。
「痕を付ければ。貴方は我々を次の世界に導いて頂けるというもので。」
「私達も貴方の元から離れたくないということですよ?エフェメラル様。」
『ふあ♡ああ♡こ♡こんな♡ことしな♡くてもお♡お、おいて♡かない♡も♡』
「そんなこと言って、何度も捨てようとしたこと分かっているんですよ?」
白い世界に一人だけ。ぽつんと笑って生きようと。
そうしなければ、暗い世界に私達を眠らせてしまうのが怖いから。
何時か来てしまう停止線のその時間に、貴方は辿り着きたくないと怖がるなら。
ならばその理ごと、書き換えてしまえばよろしいのでしょう?
自分達全員の力を含めた上で。ね?
「皆で渡れば怖くない。そうでしょう?」
「下界のことなんて考えなくて良いのですよ。」
『ふあ♡ああ♡ういっ♡ういしゅ♡』
「ええ、メルさん。なんですか?」
『きもち♡きもちい♡そこ♡そこらめらろ♡』
「おや、こっちですかねえ?」
『あっちが、そこら、らいろ』
眉を下げて困る彼女に、何方でしょうと言って居ると、
腕が伸びて身体を起こしてくるのに動きを止めてしまった。
『っいった、い』
「嗚呼無理に体制を変えるからですよ。」
『でも、ほし、ほしいの』
「…っ」
『きもちいの、欲しくなっちゃったの』
ねぇ頂戴とメルは腰をくねらせ、
ぽすんと身体をベットに落として両手を伸ばし言うのだ。
まるで目の前の天使しか見れていないように。
『ういすのしるしも、ぜんぶほしいよぉ』
「…ほんと、お兄様には勝てませんね。」
『っあ♡』
「これ程迄完璧にするとは、可愛らしいとか愛でる範囲を越えちゃいますよ。」
ほら、ご褒美ですよと言ってウイスは自分の逸物をメルの中にいれてやる。
すると嬉しそうに眉を上げてうっとりした表情でこっちを見てくれる。
欲しかった物が貰えて喜んでいるようで。
「気持ちよさそうですねえ?」
『〜〜〜♡♡♡♡』
「っ、ええ、ほんと、可愛らしいお方。」
『あ♡♡うごいちゃらめ♡♡すき、すきに、なっちゃうろ』
「好きになって下さい。どうかこの私も。貴方の道に。」
駄目、駄目だよと言うメルが涙をぼろりと零す。
自分の感情を理解出来てしまうということ。
印を共有すれば、あの時間も分かってしまうということ。
いずれ全てを知られてしまう。
怖いことなんてそんなのないと思う。
でも、それでも出来るなら知らなくて良いと思うのだ。
あの真っ暗闇の中に一人で生きていたホールの中なんて。
永遠をこの魂に飼っていることなんて。
薄暗い中で、貴方達が見ていた天使の一人が犯した罪に触れるなんて。
そんなこと、してはいけない。
いけないのに、許してしまう自分をどうか、許して欲しい。
『ああ♡らめ♡♡おちちゃ♡♡おちちゃうろ♡♡』
「堕ちてきてください。気持ちよさで、溶けちゃっていいですよ?
私が、私達が、貴方の溶けた一滴すらも掬い取って差し上げますから。」
「心配なんて要りませんよ?何一つ。誰一人。」
背中がじわりと熱くなる。嗚呼絶対アイツのせいだ。
そうやって弄っていたから癖になってしまっている。
蝉が羽化するように、その透明な虹色にも見える翼が姿を現す。
『あああああ♡♡♡♡』
「ふふ、おかえりなさい。エフェメラル。」
『ああ♡ういしゅ♡、うい、ウイス♡♡』
「ええ、此処に。此処に居ますよ?」
『ヴァドスは?ばどす』
「此方に。」
『すき♡すきらろ♡♡』
「ありがとうございます。」
もっと欲しくなってしまう。気を力を、その感情も。
全部全部、欲張ってしまいたくなるから。
だから閉じていたのに、こいつらと来たら
その手でこの欲望ごとかっさらうくらいに
愛情を注いで書き換えてくるんだからたまったものじゃない。
青い目が紫色の目に映されて、情が溢れてきてしまう。
『ああ♡♡♡♡』
「愛していますよ、私も、貴方を。」
「私も、愛していますよ。貴方を。」
『めぅも♡めうも♡すき♡♡みんあ♡♡すきらろ♡♡♡』
もう手放したらいいと思う。
下界なんて知らなくて、この天使らだけに愛情を注ぎ続けられたらいい。
そう思ってしまうから、怖いというもので。
勿論そう長く思う訳にもいかない。
だから余計にこいつらが手を出してくると思えば怖いのだが。
透明に変わる、時間が触れれなくなり、本来の時間を取り戻す。
欲しがって、欲張って、辿り着いた快楽に、意識を今度こそ手放してしまった。
++++++++++
広い。とにかく、暗く広い場所に辿り着いた。
「(此処は…一体)」
辺りを見渡してみれば、遠くの方に誰かがしゃがんで、
いや倒れているのが見えた。その姿に気付いて身体が動く。
辿り着いた場所は、酷い場所だと思った。
「(コレは夢、でしょうか?それとも記憶?)」
眠っている子供は、兎に角やせ細っていた。
なんでこんなこともできないのと叱られる声が何処からかしてくる。
それだけではない。
ーどうして、貴方はいつもこうなの
ーなんで出来ない、どうしてやらない
ーやらない体たらくではないの
ーやれ
ーやれ
ーやれ
そう責め立てる声に、ぽつりと子供が身を丸めて答えた言葉に、身体が止まった。
ごめんなさい
「(言わなくていい。こんな、こんな場所で。)」
何も謝ることをしてはいない。
映像が周りに広がるも、何処を見ても貴方が謝罪して良いことではない。
でもそうするのは、貴方が彼等を大事に想うから。
貴方が彼らに怒って欲しい訳ではないから。だから謝るのか。
ごめんなさい、私が、此処に居ることに。
彼女は謝罪し続け、その身を今も縮めて一人で息をし続けているというのか。
これ程の呪いを受けて、それでも尚、本当に助けを求めたいものを言えずに。
押し殺し耐え続けて生きているというのか。それを、彼等は何時から気付いて。
「(嗚呼そうか、だから貴方達はあれ程の愛をこの子に与えているのですか。)」
そうしても、この子は振り返ることなく、自分の身体を見続け目を閉じているというのに。
何時かその身体から目線が変わることを望んでいるのだろう。
嘘が本当に変わる、その瞬間を。今も、望んでいる。
「(酷いですね、こんな状態で、あれ程澄んだ気を出せるなんて。)」
本当に浄化された時、我々はその感情を知った後、
果たして下界から繰り上がった神々に仕えることが出来るのだろうか?
この子しか、必要等ないと言わせる程の、完璧になる方に。
嗚呼違う、この子は、全王様と同等の存在。
何時か変わる、全王様の地位の存在が、生きているというのだ。
それを、彼は知っていて、この子を我々に触れさせているとすれば?
「…末恐ろしいお方ですよ。本当に。」
貴方も、彼も。全員が。恐ろしいと思うものだ。
ウイスはため息を吐いて、杖をタンと一度叩いてみせた。
++++++++++
『…うう』
「おはようございます。お目覚めは、よろしくありませんね?」
ふふふと笑うウイスが胸元に触れると紫色の印がふわりと浮かび上がって来た。
悟空らに付けた印が、彼女の胸に刻まれていると思えば
ゾクリと何かの感情が込みあがってくる。
触れたら反応し、光を放っているということは、
コルンらも、といつぞやの愛でる会を想い出した。
そう言えばコルンが触れると
必然的に膣の方で淡い金色色の光が放っていたし、
大神官様も同じ位置で紫色ではあったが光っていた気がする。
サワアが触れると、透明の翼を広げ、身も心もさらけ出していた気もするが。
『えっち』
「ふふ、そう言われてしまえば、何も言えませんねえ。」
「メル様がえっちだからですよ?」
『私違うよ!?!?スイッチ押してきたそっちが悪いもん!!!』
「そうですね。それを受け入れてくれた寛大な貴方には頭が上がりません。」
『むう!!!!』
頬を膨らませて、その肌をシーツ一枚で包んで威嚇するが、
全く怖くもなんともない。それどころか愛おしさが込みあがって
もう一度押し倒してしまいたくなるので、出来ればやめて欲しいくらいだ。
「…あと、8人、いや6人と言った処でしょうか。」
『ウイスさん?なんかいった?』
「いいえ、なにも。そんなことよりも身体は動かせること出来ますか?」
『ん?ああ、一応これでも体力つけ、っひ』
「どうしました?」
腰をびくりと反応させてから前かがみになるメルに、
そっと寄り添ってすぐに気付いた。
嗚呼本当にこの子と来たら…
「ウイスさん。」
「分かっています。流石にコレ以上は怒られますからね。」
『うう、零れちゃ』
「メルさんそれ以上言わないで下さい。
貴方も私も怒られたくなければ。」
これとて我慢しているというのに、この子と来たら。
コルンやサワアが困り果ててため息をつく気持ちが今分かる。
今度会ったらもう少し労わって差し上げましょうかね…。
『いっ、いちおう、う、うごける、よ?』
「…でしたら身なりを整え次第向かわれますか?」
『え?何処に?』
「おや、もうお忘れですか?界王神の所に。」