全く予想がつかない
『ほんとに助かった。皆ありがとう。』
「いえいえ。」
「それにしても外はかなり厄介なことになっていますね?」
これも華樹神の力で?
いや、流石に理ごとひっくり返す様な力はないよ。
『まさか大神官様らも影響下にいれるとは…流石理と言うべきか。』
「いずれにせよ元々理に居た者達に黒幕がいると決まった話ですかね。」
「でしょうね。流石にあのまま我々も居れば堪えるといいますか、
消滅する勢いが感じ取れましたし。」
「ひとまずはお返しいたします。」
そう言ってマルカリータから預かっていた杖をコニックが手渡す。
一足先に穴を開け、アルカネットを保護しに
追いかけて行ってくれた彼女には何度礼を言うべきだろうか。
『リサらも影響下に入っているとかなり厄介です。
いっそのこと此処は繋げない方が無難かと。』
「それが得策でしょうね。我々も貴方が完成する迄
此方に住まわせて頂くことに致します。」
「幸いなことに我々は睡眠も食事も何も必要ありません。
貴方が仕入れなくても此方で賄えますし。」
「それに、貴方が作り出した額縁の中であれば
自由に移動できることが判明致しましたからね。」
「これから危険なことがあれば
どんどんお迎えに行かせて頂きましょう。」
『わあなにこれすごい。なんなの私過激派軍団作ってるの???』
当たり前ですよ。何馬鹿なこと言っているんですか。
「本当に貴方は目が放せないことばかりするのですから
見ているこっちの身にもなって頂きたい。」
「それにしても熱かったですねえ?」
『何がです?私何かしました?』
「ええ。コルンさんのこと。
信頼されていることが分かりましたので。」
ニコリと微笑むサワアに、メルは少しコルンを見つめた後、
考えて自分が先程言っていたことを理解して
顔をぼっと赤らめてちがうよ!?と否定を述べる。
『違うからね?!私そそそそそんなつつもりじゃあっ
コルン様があんなおもちゃみたいなやつを使って
責めるなんてするわけないし!?
第一野外で襲うなんてもっての他だからね?!』
「わかりましたわかりましたから
…墓穴をそれ以上掘らないで下さい。」
聞くこっちが恥ずかしくなってきます…!!
そう恥ずかしさが移ったのか、
コルンが顔を赤らめて困り頭を抱えるのには
皆もクスクスと笑って流してやる。
「元々ああやって各星々を廻って回復していたのですね。」
「元は人間でしょうし、其処ら辺の者達と擬態出来ていた上にある程度の知識が引き継がれるだけなら…まぁ神々の目を欺くことくらい容易」
「ですが、今回はまた違うもの…傷が深過ぎる上に、向こう側も手の内が分かっているご様子。」
「唯一の平穏はこの廻廊に入っている時のみとは…」
『華樹神とその周りの子達のみは平和だからね。』
だけど此処に長居し続ける訳にもいかない。
何だかんだ言って外が自分達の暮らす場所ではあるのだ。
『一応此処の設備を君達にも教えてやるから、付いてきて。』
分かりましたと言ってサワアが先に行くとその後からコルン達も後をついていくことに。
++++++++++
「此方は?」
『簡易シェルターバージョン2.0』
中に入ってそう言ってメルが入れたのは青い扉を三回ノックして
青、赤、黄色、白色の扉でドアを開けて入れた処。
其処は華樹神官が使うであろう部屋と同じ場所に入れ出したのだ。
左側は図書館へ、右側は寝室兼奥の間に迎える書斎部屋。
更に右側へ進めばキッチンに移動できるスペースだ。
そのキッチンにコルン達は全員はいる様にメルが指示を送り、
全員が席に座るのを見た後、メルも席に座ってしまう。
『では、あらかた説明いたします。皆さんよろしいですね?』
「ええ、どうぞ。」
『まず此方の場所は主に華樹神が
避難するであろう場所の扉を開けた向こう側の一つ。
要は華樹神のみの避難場所に相当する地点でして
原則として華樹神のみが避難可能です。』
では何故天使らがこうやって生きているか。
『それは私が貴方達を自分の記憶から切り取ったと誤認しているだけのこと。』
「誤認?」
「我々が彼女の一部ではない、そう彼女が思えばたちまち元の場所に戻されることになりましょう。」
『そうです。コニックさんの仰る通り、私が確実に切り取れば貴方達は元の場所に戻ります。』
「成程、華樹神の感情を逆手に取ったのですか。」
切り離し落とすならば、自分で取り付け守ることだって可能だと。
そういうことです。
「では我々は一応貴方の記憶上の人間いや、存在だ、という認識でお間違えはないと。」
『そうです。勿論私は貴方達が私の想像以上の事をしでかすとも考えています。』
「さらっと侮辱を言われた気がしますが…」
「聞き流しておいて差し上げなさい。」
『その為終焉組で培った情報を此方で共有させて頂こうと思いまして。』
今回の会議を開くことにしました。
それは良い心がけですね。
「貴方も周りに助けを求めるようになったという点では非常に良い風向きとも言えましょう。」
「まぁあれ程の経験をなされても尚ご自身で回復しようものなら少々キツイお灸添えをしたことですが。」
どうやら必要なさそうですね。
そうですね。真面目な話の途中に怖いこと言わないで下さいね。
『皆さん多分ご存知でしょうが、下から順に廻廊1番目、2番目と階段を上がるごとに数が増えます。
基本的に額縁の中は空白。画像や映像が表示されていたり、近くに書物や小物が入っている場合は
私が経験しているという意味合いでとってもらって構いません。』
「幾つか表示されていましたが、前に出会われていたと?」
『その可能性と言いますか、この際申し上げます。私の持ち神は全員悪魔でしょう。』
「っな!?!?」
「…でしょうね。何となく察しはしていました。」
悪魔になろうとする彼女の理を覆す方が難しいというもの。
まぁ自分達も元々は悪魔だった者が転生を繰り返して今に至るのだし。
彼女の中に入れるのも悪魔という共通点があるからこその事だろう。
「ですが大神官様が入っておられないのが少々疑問です。」
『彼はイレギュラーですからね。恐らく地位の問題と、その力が膨大過ぎたが故でしょう。』
「ということは、貴方の枠組に入れない程の力があったから、外に弾かれるしかなかったと?」
『ええ。一応欠片は持って来ていますが、此方を成長させない様にしています。』
という訳でそちらの管理をそう言って指を鳴らしたメルの身体に出てきた者に全員が声を上げて叫んだ
「「「「おとうさま!?!?!」」」」
「かっ、かっ、か、か!!!!!」
「かわいいですますわ〜〜〜〜〜!!!!!!!」
そう言って飛び込んで、いや、奪い去ったマルカリータに
これ乱暴にしてやらないでとコルンが叱りに席を外していく。
皆は呆然とその姿を見続けた。開いた口が塞がらないというところ。
「あ、あ、あれ、いや、あ、あちら、のかた、は」
「ままままままさか」
『そ。大神官スピリタスご本人ですよ。と、言っても?
私が入れれる範囲がこれくらいですし…まぁ許して下さい。』
「…しかたがありませんね。」
「おとうさま?!?!!?」
「もうしゅ…こほん。もうす、こ、し。どうにか、できなかっら…できなかったので?」
「お父様、無理して話」
「コルンさんはおだまりなさい。」
あっはい。
『そうしたかったんですがね。12名を綺麗に保持した状態が如何せんかなりの容量圧迫していまして。
華神らを作り出せば多少の余裕は出てくると思いますが、今は此方で我慢して頂きたく存じ上げます。』
「…ゆるしましょう。」
『では話を続けますのでお預かりしますね。』
そう言ってメルはマルカリータから
そっと小さくなった大神官を受取り席に着く。
周りの者達もそっと元の位置に戻りだした。
『今回の目標は向こう側に位置する理との仲良し交渉です。』
「…なんですって?」
「もう一度お聞きしてもよろしいですか?聞こえなかったもので。」
『ですから、今回の目標は向こう側に位置する理との仲良し交渉です。』
「聞いた我々が馬鹿でした。」
「そうですね。馬鹿でしたね。」
「もうこの方どうにかならないのですか?お父様、サワアお兄様。」
「「むりですね。あきらめなさい。」」
『なんか酷い気がするんだが。』
いやだって。そう言う周りにメルはしかめっ面になる。
「あれ程危害を加える方々ですよ?それに理となれば話は別でしょうに。」
「全王様ですら消せれないのですよ?」
『だから私が理に成るつってんだよ。』
「そうなれば貴方の存在は何処にもないことになるでしょうが。」
『一時的なもんだし、その間は向こうみたいに
記憶がないから君らの負担ないでしょうに。』
「そう言う問題ではないのですよ。そう言う問題では。」
「貴方今までの状態をもうお忘れなのですか?」
暗闇の中で。独りぼっちに。
天使が眠る中に、そっと自身の身を降ろして。
その場でゆっくりと、誰の身体に、
手すら触れずに。冷たい床で目を閉じる時間。
あの時間を途方もない年月を掛けて、
ゆっくりと確実に、戻してきたというのに。
それと似たようなことを繰り返すおつもりかと
コルンらは怒っているのだ。
『まぁやりたくないがな。それはあくまでも最終手段。』
「最終?どういうことですか。」
『私が持つのはあくまでも一つ。私は真昼間に位置する存在。』
「…他の者達は外に出払ってしまったのでは?」
案外それはダミーだったりするんだな。
…なんですって?
『お前ら含めて全員私を甘く見過ぎなんだよねぇ〜ま?そういう素振り身振り存在を作り上げてしまった私が天才なんだが?』
「貴方元々自意識過剰ですよね。」
『褒め言葉として受け取るとしましてですね。
実はこの地の協力者なんですよねぇ?』
エテルネルさんにチェレステさんや
「っ!!!」
「はぁ…もういいので?」
『構わない。存分に息抜きしていいよ。』
「あ〜〜〜〜〜むりい〜〜〜〜〜〜」
「っ!?!?」
「づかれだ…ねぇ、ほんと貴方馬鹿みたいな役回りしてるよね。」
こんなこと慣らして生きてるって奇跡中の奇跡だよ。
おやそれはどうも。
『私の凄さ、分かった?』
「もう分かり過ぎて貴方が神どころか理でいいよ。こんなの維持するとか私はごめんだね。」
「チェレステ様!?!?」
『え〜?でも君が器にならないと無理でしょ?ほら3人揃って一つになるんだから。』
「その件についてだが、一つ気になることが。」
『なに?』
「理は一人。分離とか関係なしに、お前自体が作り出したそのダミーにやらせればいいのでは?」
『……それは私も思ったけど、出来ればない方が良い。』
何故ですか?
『ドッペルゲンガーに近い状態だからね。
幾ら私でも周りの環境によって変える者。
本体が理に成らなければ話にならない。』
「一応選ばれた者ですからね。」
「では貴方方のどちらかがなればいいのでは?」
「三人一つになって、というのが大前提ですよ。」
「嗚呼そうでしたね…」
「一つが欠けている…でもそれで満たされているのでは?」
そう、二人は一つ、一人は二つ。
メルはこの二人こそが、片喰としての対になり
同時に理その者になれるであろうと踏んでいるのだ。
『私その者を誰かに渡すなんて無理だからね。
私は神様から結局降りれないというものになるが。』
「まぁ其処は追々、ってところですか?」
「ことが運べばって感じだろうね。」
『基本的に朝の時間はチェレステが、昼の時間は私が。
夜の時間はエテルネルが君らの居場所に存在する。
何かあれば我々に話を付けてほしい。』
無論適当に遊ばせても構わない。
向こう側に置いている者達はダミーだから
こっちから外にでなければバレないし。
では、我々は既にバレていると。
『元々私がそういう素振りをしてしまったが故にね。
杖も一応念には念を入れて新しい方に入れ替えている。』
「ですがマルカリータから受け取って…」
「一度破壊して新しいものとすり替えてきているですますわ。」
「そんなことを」
「まぁ向こうで何か入れられていると困りますし、妥当な判断でしょうね。」
『その為こっちの杖は新品みたいなものです。後で皆さんと設定し直しても?』
勿論構いません。
『では話を進めます。』
お二人共席に。
マジですか。
そう言いつつもメルの近くに椅子を構えそっと座る彼等に
メルは元の視線へと戻す。天使らが座る目の前に。
『1番目はこのまま元の場所に戻り、大急ぎで一周してきます。
そして完全に華を咲かせ、契約を成し得てすぐに此方へ戻ります。』
「その間はどうされるので?」
『ひとまずコルンさんとクカテルさん。
貴方達は私の護衛に時々入ってきてください。
他の皆さんは何があっても待機です。いいですね?』
「それは構いませんが、何故お二人だけで?」
『終焉での廻廊で得た知識です。
基本的にこの内部で移動する中で
一番効率が良い数なんです。』
終焉で他の子達も入れて移動してはいたが、
サワアらが入って来た時も
結構短いスパンでないと生きれなかった。
ということは、自分以外の人間が額縁に入ってから出るまでの
時間制限がある可能性が出てきたのだ。
それが気の量からなのか、そもそも額縁に入った状態から
決まった時間制限なのかは分からない。
いずれにせよ入って戻れなくなるなら少ない方が良い。
そういう訳で二人という数に落ち着いている。
「にしても対の天使を入れるとは、貴方も悪い人ですね。」
『どうせなら仲悪い面子で入れた方がいいなと。』
「エフェメラル様?????」
『仲良くなれとは言いませんが、
13という数字がそもそも私の知る中で不吉なんですよ。』
「嗚呼不吉な数つまり悪魔の数ということで合わせてるんですか。」
そういうことだ。
『額縁が出現するのは危険だと判断した時か、或いは契りが成立出来ればすぐに帰れる。』
「その時間途方もない年月を繰り返すと?」
『それが分からん。』
「待って下さい。貴方一応経験者ですよね?」
「お忘れですか?彼女は元々狂い咲きです。」
まさかと声が上がるが、そうそのまさかだ。
今回こそが、エフェメラル、華樹神本人の、廻廊が始まったというものであり
前回のはアルメリアを蘇生するための足掛けにしかなっていなかったのだ。
その状態であの悲惨さに身を落とし、最終的にメルは自分の精神を壊され
こうやって同じ様に蘇生するためにも、
廻廊を廻す羽目になっていることに気付く周りに、メルは視線が落ちる。
『皆を巻き込む予定はなかった。それは事実。』
「エフェメラル、様」
『でも、外の状況が余りにも怖い。あんなの、乗っ取りに近い状態だから。』
本人なのに、違う。中身を見てぞっとした。違う。殻を被ったナニカに心が冷えて何も考えられなくなりそうになって。正直あのまま犯されていたらこの地すら戻れなかったと思うと震えが止まらなくなる。
そっと腕をさする大神官の身体に、メルは腕の力を強めた。
ほんの少し、楽になるものだから不思議なもので。
『理が何を目的としているのか、そして誰が犯人なのかは分からない。
勿論理らもそれを分かっていて、今互いに警戒している感じだろうし。』
「だからヴァイス様らがお見えにならないのですか。」
『それもあるだろうけど、私の華が枯れているというのもあるだろうね。』
といっても、今は半分綺麗に咲いているけど。
そう言って咲かせるメルの胸元にはとてもじゃないが綺麗とは言えない程の華が咲いた。
すぐに萎れ、枯れ果てると、粉の様に消えてなくなってしまったが。
『その間、要は私が移動している間は基本的に中に入る者は決める。
それ以外は此処か、或いは地下にある私の精神内に入っていて貰っていい。
一番安全なのは精神内の方かな。』
「此方ではないのですか。」
『向こうの方が私の融通が効き易いから、守りやすいんだよ。』
「ダミーが作りやすいと。」
そういうこと。
『なので出来る限り向こうに居て欲しいかも。』
「わかりました。そういうことでしたらお受けいたしましょう。」
『危険な時はこっちに避難できるようにもしておく。何かあれば連絡。』
「ええ、承知いたしました。」
『そういう訳で会議終了!!!じゃあアルカネットの状態見ようか。』
どちらに?精神内に。
そう連れて来てくれたであろうマティーヌに声を掛けると
マティーヌが答えメルの隣を歩いて説明をする。
リキールらに拉致られようとした瞬間にマルカリータとマティーヌ、
そしてヴァドスが彼女を連れて戻って来てくれたらしい。
穴を開けたのは全員で、マルカリータの役目は杖の奪還及び破壊。
マティーヌとヴァドスはアルカネットの保護と廻廊への帰還。
一度に向かったのは二手に分かれ、彼等の目くらましをするという意味だそうで。
良い動きをしてるなとメルも関心してしまった。
「貴方の方はサワアさん、コルンさん、コニックさんが適任だと判断しましてね。」
「もう少し早く動きたかったのですが、此方も穴を開けるのに手間取りましてね。」
『額縁の移動の仕方を教えてなかったのも悪いからねぇ。』
緊急以外はやめてね。
無論。
『あ〜〜〜にしてもなんでこうも面倒になるのかなあ。』
「仕方がないだろ。理を書き換えるってことはつまりそういうことだ。」
『ふぐう〜〜〜私はただ、みんなと一緒にいたいだけなのに。』
一緒に居ない時間の方が穏やかに過ごせるの、なんで?
エフェメラル様…
『夢でも幻でも空想の中でも嫌なの…私は私で。皆と隣で笑って居たい、それだけなのに…。』
「…そういう心こそが、嗚呼いう者らは欲しがるというものですよ。」
『…そう、なの?』
「ええ、そうですよ。」
ただ、それだけ。それだけだからこそ、人は望む。
「そういう定めという意味では受け入れるべきなんでしょうがね。」
「貴方の場合頑固ですし、嫌なら理ごと変えられるなんてご本人ならどうするので?」
『ん〜〜〜その子がそうなら、私は別に、いいのかもねぇ。』
「そういう見切りが付けれる処も含めて欲しがるのでしょうねぇ〜〜。」
「分かって貰えないといいますか、そういうものと判断されると此方も良いよう、ないですしねぇ〜〜。」
はぁと周りがため息を吐くのに対し、メルはむうと頬を膨らませる。
「貴方はエフェメラル。真昼間に位置する存在。常に儚い時間にしか生きれません。」
「それは我々真夜中や明け方の人間らも同じです。常に儚い時間にしか生きれない。」
「でも、私達が手を取り合い追いかけ続ければ一体どうなると思います?」
『えと…ずっと、一緒に居られる?』
「…ええ、そうですね?貴方は夜を。エテルネルは私を。私は貴方の背中を追いかけ続ける存在。」
そうして巡り巡り、季節は変わる。時間は常に、均等に割り振られる。
「私達は時間とも季節とも対等で居続ける存在です。
隣に居たいだなんて仰らないで下さい。もう、隣に居るのですから。」
『…いっしょに?となりに?』
「ええ。だって、そうでしょう?」
そうでなければ、この場所に。この子達が座って居続けられようか。
「気を許している仲だからこそ、手を取り合い、協力しあうというものです。」
「まぁ、此方からしたら見ていられずに手を出してしまっている、が正しいですがね。」
「同感です。」
「ふふふふふ、貴方達はエフェメラルの願いを叶えて差し上げたい。
この子は貴方達とずっと一緒に居たい。我々はこの子の持つ環境を覆したい。
一応協定は結ばれたということでよろしいですね?」
「覆す?貴方達、この子を取り入れようとしていませんよね?」
「おおっと、杖を向けないで下さい。そんなこと出来る訳がないでしょう。」
我々は一体何処から産まれているとおおもいで?
…理様らからでは?
「種自体は理ですが、成長した気自体はこの子です。」
「向こう側が手を出せば流石に操られるかもしれんが、
それ相応の対処は既にとってあるから問題はない。」
「えらく用意周到ですね。まるでこの時が起きることを
分かっていたかのように言いますが。」
「まぁこの子のことだし。
ど〜〜〜せ自分の過ちに深く傷ついて
揚げ足取られてそのまま落っこちて
ついでにかっさらわれそうになるんだろうなぁ〜〜〜?
とは思っていたからな。」
いわれてますよ?
うぐ
『し、しらない。』
「これ」
「まぁ理が誰だろうが別にいいではないですか。」
「君は僕を見ていればいいのだし。」
『エテルネル…?』
「君が空白の時間よりも暗闇の時間に居たからこそ。この場所にこれているのだからね。」
後ろを向くよりも、前を向いて身を降ろしたから。
「色々面倒がかかると思いますが、子供達共々、お世話になります。」
「大神官様…」
「いえいえ。ある程度の食事や時間は守っていたほうが宜しいかと。
この空間は無空間に等しい場所です。
一応位置的には理のあったあの土地と貴方達の住まわれるAの地点の狭間ですから。」
外に出れば間違いなく戻れません。
わかりました。肝に銘じておきましょう。
「そういう訳で、行こうか。」
彼女の。元へ。