鳥たちによる歓喜の歌
『うん、皆良いね!!』
完璧!!そう言うメルにそれはどうもとコルンが答える。
「いやにしても本当にこれ程まで大変だったとは
…今なら貴方を尊敬出来ますよ。」
「こんな感情の入り乱れた状態で
蹴り落して殺し続けて改変したとか頭いかれてます。」
『やったぜ褒められてるぞ。やったぜやったぜ。』
「貶されているんですよ。ちっとは懲りたらどうですか。」
そう言うコルンにメルはニコリと笑って無理と言って殴られる。
「全くもう…!!!」
「ですが本当に凄いと思いますよ。
これで気を操るなんて到底不可能です。
例え長い年月を掛けた所で
場所も時間も相対する者達も違うのですから
心を相当広く持たねば持つものも持ちませんよ。」
「気が清らかな状態を維持できるのは
何も考え方だけではないというものですが…
それにしても何をどうしたらこうなるのか
本当にわかりかねますね。」
周りの意見にメルは首を傾げる。
現在はアレから月日が流れに流れて約四年程経過していた。
本来三年だったのだが、予定が狂って現在に至る。
因みに狂った原因は彼等が予想以上に手こずったことからである。
意外にも慣れが早かったのがモヒイトやコニック、
そしてアワモの三名のみである。
人間に一度なっていたであろうコルン、サワア、ウイスは
気を扱えなかった状態が身に染みていた為故か割と苦戦していたのだ。
まぁ一番時間が掛かったのが
「本当にこの状態で動いていたですますの…???」
「人間って本当に不便ですよね。」
『あはは…まぁ生きとし生ける者の定めですから。』
天使らでも女性陣、特にマルカリータとヴァドスだった。
他の女性陣は割と生理が軽かったり、
そもそも判定に入らなかったりとしていたのだが、
この二人は割と重い方に方向性が向いてしまい、
とばっちりを時々受けていた
男性陣のフォローをしていたメルからすれば
まぁ当然っちゃあ当然のことに苦笑いを隠せないでいた。
私は重いは重いが人に当たるなんてことは滅多にしない。
でもしたくなる気持ちは痛い程分かるし、
実際仕掛けたことは何度でもあるというもの。
それを抑えれたという点でも色々尊敬すると言っていたのだ。
「ですが此処から神々に這い上がって
尚且つその感情を廻すんですますよね?
本当に気が狂ってるですますよ。
よくこんなの思いつきましたですますね。」
『それは私も思うけどね。それくらいの
ハンデが無いといけなかったんでしょうよ。』
「まぁそこら辺の人間や神々には
引けを取らない程度にまで上げるのは
流石に我々でも苦労しましたがね。」
そう言うのはコニックだ。武術やらを習得しているとは言えど、
身勝手の極意を使うにはかなりの鍛錬を積むしかない。
日々訓練し、とにかく底上げをはかっても
早い者で半年はかかっているのだ。
「向こうがどう出るかわかりませんし、
これくらいはしておかねばなりませんよね。」
「ええ、勿論です。そうでなければ護衛は務まりませんからね。」
「それにしてもまさか此処で睡眠が弊害になるとは思いませんでした。」
「その為自由自在に移動できるようにしてもらえたんですよ。」
寧ろこれで出来なかった方が辛いですよ。
ええそうですね。
「全く、天使の状態が恋しくなります。」
「本当ですね。まぁやろうと思えば戻れはするでしょうが、
ソレをしても向こうにバレたら一巻の終わりですしねえ。」
「廻廊が終わるまでは我慢していてください。」
分かりました。
そう言った天使らにではと大神官がメルに目を向けた。
「この場所に居ればどんな種族だろうが何だろうが
貴方の状態とほぼ同列になるという場所で間違いないですね?」
『え゛っ』
そうなの?そう困惑したまま顔を上げてそっぽを向いて聞くメルがひぃいと声を上げて肩を震わせたことで何となく察しがついた。大方メル自体は無意識だったんだろうな、と。
「つくづくあの子が悪に染まった者でないことが良かったと思いますね……。」
「全くですよ。これくらい出来るならば世界を、宇宙全てを掌握するなんて造作もないことでしょうし。」
「ま、そう思う輩はごまんといる上に、現在進行形で奇襲を掛けられたみたいな形には陥っておりますが。」
「それにしても全王様がどうなられているか心配ですね…」
『あっそれは大丈夫。此処に全ちゃんいるよ?』
「「は?????」」
そう言ってメルが全王様の様なクッションを取り出したことに一同が固まる。
二つある上に付き人もちゃっかりお人形さんになっているではないか。
「…余りこういうことは言いたくありませんが
まさか我々の方を優先し過ぎたあまりに全王様らを
そのような形でしか保管出来なかったとか
言い出すんではないでしょうね?」
『そのと〜〜〜り゛っ!!!』
流石に拳骨をくらうのも無理はないが、まぁ華神が増えれば増える程
この状態もまた緩和されると聞いて内心ほっとする。
『一応全界王神と破壊神もいるよ!!』
「「だあああっ!!!!」」
「ちゃっかり全員纏めて守っておられるではないですか!!!」
「なんということをしでかしているのですか貴方というお方は!!!」
『だって〜〜〜!』
「「だってじゃないですだってじゃ!!!」」
そう怒る天使らにメルは軽く半泣きでだってえと答える。
『皆一緒だった方が安心するかなって…』
私が居た時間って一瞬だったでしょ?
時間換算からしたら予想以上に纏まってくれちゃってさ。
「…だからといって記憶を保持した神々をそんなお人形さんに入れて保管し愛でるなど貴方以外にいませんよ。」
「居たら発狂ものですよ。悪寒で済まされる範囲を越えます。」
「中の者達が理性等精神が伴っていればなおのことですが…ソレ、本当に人形のままです?」
『多分違う。』
「なら適当にしないであげて下さい…!!!」
少なくともリキール様とビルス様が可哀想でしょうが…!!
そうわなわなと震えて怒るコルンの姿も無理はない。
メルは現在進行形でリキールとビルスの人形を振りまくっていたのだ。
子供が人形を片手で地面に叩き落したり振ったりするアレに近いもの。
『まぁまぁ。ちゃんとこうやって優しく抱きしめてるんだから、別にいいでしょ?』
「よくはないですね。」
「ええ、よくないですよ。」
「ほらばっちいのでさっさとよこしなさい。」
『あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!メルの〜〜〜〜!!!』
違うでしょうが。コレは我々がお預かり致します。
「何か御用がありましたら
各天使らの部屋に入って来て下さい。」
『むう。折角毎日おねんねする
お人形さん出来たと思ってたのに…。』
「元に戻った際の彼等が可哀想過ぎますから
それだけは勘弁してやってください……。」
メルは未だに全裸で黄色いタオルケットに
身を包まなければ眠れていないのだ。
精神状態が正常のままで人形に
なっている彼等を抱きしめるということは
裸で抱きしめているということに
等しいと言うものであってだな。
百歩譲ってヘレスの様な同性ならまだ許せるとしても、
殆どの者が男性陣ではあるし、
界王神らも性別上は無性であるが、メルを慕っている上に
地位が上なので申し訳なさの方が勝る筈。
色々考慮した上で各天使らが保管および
管理を徹底すると言うのに対しては大神官も賛成し、
全王様と付き人の人形を貰い受けることにした。
「ということは、我々はほぼほぼあの宇宙
そのものを人質に取られている、
ということで間違いないのですかね。」
「つまるところそういうことでしょうね。」
『ま、いずれは廻るものだし。大丈夫だよ。』
「エフェメラル様……」
『最期、どうなるのかなあ……。』
そう上を見上げて言うメルが、
手を伸ばして軽く背伸びをする。
片手だけで、何かを掴もうとしてはいるものの、
掴めるものは何一つとしてない。
見えないのではなく、ないのだから。
「良い方向に進みますよ。きっと…いいえ、必ず。」
『サワア…』
「貴方がそう、望むのであれば。」
そう、仰ってくれたのでしょう?そのお方は。
「貴方が、その手で掴んでくれると。我々は信頼しておりますから。」
『…わあ。私もしかして皆の命綱握ってる??』
「もしかしなくても握られてますよ。」
「ま、貴方の後をついて行くと全員一致で覚悟は決めてきていますし。」
「別に其処迄緊張等はしていませんがねえ。」
まぁ、貴方が望まなくとも?
「私は貴方について行くことを願い縋った。
…と言えば、貴方は一体どうしますかねぇ?」
『……お花捨てちゃった癖して何を言うのかなこの子は。』
「おや。それはあくまでも彼が捨てたものですよ?」
『え?』
「貴方が望めば、何時だって。此処に舞い戻って来てくれます。」
だから、望み続けて。縋り続けていてください。
「貴方の心こそが、この世界そのものを創造するという者ですから。」
そう言ったサワアの瞳が青い瞳と重なり合う様に一点を見つめる。
青と紫色が均等に混ざり合ったなら、一体何色になるんだろうか。
赤紫色でも、青紫色にすらならない、中間色って、一体何処だろう。
メルはそのまま暫くの間サワアの目をじっと見つめていた。
その時間だけは、ただただ、時間が止まったかのように感じれて。
綺麗だなぁと、めいっぱい、思い続けたのだった。
++++++++++
基本的な流れとしてはこうだ。
各廻廊で一人願いを付け、契り互いの契約を交わす。
一人契約を交わせば必ず時間が表示され、
その時間を過ぎねば次の廻廊は始まらない。
尚その間は向こう側の時間も同時に進み続けている。
ただ向こう側から此方側に侵入されることはない。
選ばれた者以外、又は自分らから進んで取り込まなければ不可能。
天使らは一度につき二名を上限としてメルの護衛に向かう。
廻廊が終わるその日までは天使と人間の狭間に位置する者になる。
その為大神官を含めた全天使らは、必要最低限の食事や睡眠等を
摂取しなければならなくなるが、廻廊に入れば安全区域なので、
変な話、日中は外に出て夜の間は帰って来て休息をとることも可能。
次の廻廊が始まる迄は各々好きなことをするようにはするが、
基本的な当番制は守るようにすること。
因みに食事係、風呂係、掃除洗濯係、警備係の
計四種類に分かれて行動することになっている。
勿論天使のみでサイクルを回し続ける。
メルもと手を上げたが、彼女の調子が
此処の元になると言っても過言ではない為
満場一致で却下された。
その代わりと言っては何だが、
「お稽古ではないですが、貴方の元に一人天使を配置するのは如何かと。」
「それは賛成ですね。この場所が確実な安全地帯、とは言い切れません。」
「前にも悪魔が潜んであったことを考えると、
華神らが紛れ込む可能性はあると見込んでよろしいかと。」
『…やっぱりみんなもそう思うか。』
「貴方もそう思っておいでた、と。」
勿論その通りで。恐らく終焉がかなりの高確率で
紛れ込みやすいのではと踏んでいるのだ。
『敵に回しちゃまずいのがフィズ辺りだろうなとは思ってる。』
「まさかかつての妹が敵に回るとは、皮肉な者ですね。」
「ええ」
『天使の細部まで監視できる様な子だし、加えて頭はキレるからね。』
「我々と長い時間付き合っておられたのです。
普通に警戒して当然の脅威ととらえて差支えないでしょうね。」
「他の方方もかなりの手慣れと思いますが…」
『まぁリサとかもそうだけど、正直全員厄介なんだよねぇ。』
「特殊能力者しかいませんよねほんと。」
「そう考えたらアルカネット様は一体どのような特殊能力が?」
それは流石に分からないとメルが先に応える。
『アレは華神になった、身体の何処かに
華を咲かせた後に発現するものだからね。
大体は花言葉に由来していたりするが…』
まぁそれも、各々によって変動はするだろうし、
殆どの形は願いに引き寄せられた力に変わるからねぇ。
『色々ご迷惑をお掛けしますが、何卒宜しくお願いします。』
「いえいえ、此方こそ。」
++++++++++
そんなこんながあってだな。
「さ♡メル様♡お風呂いくですますわよ♡」
『や』
『ああああああやああああだあああつったああああああん!!!!』
「うふふふふ♡照れ隠しは効かないですますわよ〜♡」
全く持って照れ隠しなんかではない。
普通に違うんだが。
一応言っておくが、シャワールームは自室
つまりメルが元々住んでいたあの奥の家の方にもあるし、
なんなら手前の元々使っていた
キッチンルームの中にも風呂場はあったりする。
マルカリータが連れてこようとしているのは
華樹の樹が生えた奥の廊下を突きあたった左側の奥にある暖簾である。
思いっきり男性と女性の暖簾が日本系のアレに見えて笑いが込み上げてくる。
『これ普通に内装私覚えてないんだけど、なんだったかな。』
「ささ、早く早く〜!!」
『あっちょ、ばっっか、押すなって…!!!』
そう言われつつ背中を押されて風呂場に入るメル達に
一番乗りと言うマルカリータだったが、先客がいることに気が付いた。
どうも外が静かだなと思っていたら既に入っている人がいるようだ。
「メル様ったら、大胆♡」
『は?いや別にお風呂なんだから全裸で行くのが普通でしょうが。』
それに男の子と別なんだから見せても問題ないし。
おや、意識してくれないですますの?
「あんなに沢山、愛して差し上げたというのに。」
『…とりあえず逃げるか。』
「あ〜〜ん!連れないこと言わないでですます〜〜!!」
『嗚呼先客ってヴァドスさんでしたか。』
「おや、お二人共先程ぶりですね。お先に失礼しております。」
此処のお風呂とても気持ちが良くて。
まぁコレは絶景だね。
『私こんな所来たことあった…わ、あ〜〜〜あった、なぁ。』
ふと思い出す。港町にある屋台の帯の中で、
小さな宝石を見つけて、ネックレスを買って貰ったこと。
白と水色と青色の三色で作られたアレは何処にもないけれども。
ただ仲の悪かった二人が、階段からこけてしりもちをついて
泣きそうになっていた私の元に降りてくる姿が焼き付いて離れない。
『(戻りたくないけど、戻りたくなるくらいには
……恋焦がれちゃうんだよなあ。あの時間。)』
困ったように笑っているお母さんと、盛大に笑って貶して煽るお父さん。
それに怒って叩きつつも抱っこされて、フェリーの中に入っていく子供。
何処にでもある、家族旅行先の家族が乗った場所の、大きな風呂場。
2、3か所に点在する風呂場の先には海の上とは考えられない程に
周りが木々に囲まれ、目の前にだけ大海原が広がっている絶景がみえる。
その露天風呂はどうして作ったのか本当に聞きたいくらいの形をしていて
所謂棚田式の露天風呂になっていたのだ。
本当になんでそうした。
間違いなく手前しか入らないだろうにと思ったが、
子供ならはしゃいでどんどん下に降りていくだろうなとは思う。
まぁ横から上がって元に戻りは出来るが、
ちゃんと風呂からも登れたりするので、
割と夢がある豪華客船だったなと良く覚えているのだ。
まさかその風呂場が此処で味わえるとは思っていなかったが…。
『マルカリータそのまま髪の毛洗うのきつくない…?』
「そうですますかね…」
『貴方人間生活してないから分からないんだろうけどね。』
流石にその髪の量でその量は無理があるって。
そう言うメルの指を指して言う場所はマルカリータの手のひら。
シャンプーを出したのはワンプッシュのみに幾ら何でも足りないと答えた。
「ではどうやってするのか洗って欲しいですますわ〜〜!」
『も〜〜仕方がないなぁ。』
「そう仰られますが、随分と嬉しそうですね?」
『ふふふ、そりゃあ妹の髪の毛遊べる権利貰ったからねぇ?』
「どちらかと言えば私が姉の様な感じがするですますが…」
おい。待てよ其処は目上を尊重すべきでしょ?
姉にそれ程執着して何がしたので?
『そりゃあ妹とか沢山甘やかしたくならない?』
「いえ特に。」
「メル様が一人っ子だからだと思います。」
『おやまあ。』
ですます口調が抜けるくらいにはサラッと言うんだね。
そりゃそうでしょうね。
「至って当たり前のことを仰られたのですし。」
『とりあえずこれくらいはいるかな』
「出し過ぎでは…????」
それが案外そうでもないんだな。そう言いつつ出したのは3プッシュ。
マルカリータの手のひらはそのままにして好きにしても良いと許可が貰えた為に
軽く頭の付け根を手の腹で揉んでやれば気持ちいいですますわ〜と声が聞こえる。
『そりゃ良かった。こうやってぐ〜りぐり回して擦って
そんで徐々に先っちょまで持って行くといい感じに仕上がるよ。』
「メル様…」
「もう少し言い方が他になかったですますの…???」
『え???私何も変なこと言ってないと思うんだけど…』
「コルンお兄様が居られなくて良かったですね。」
間違いなくお叱り案件ですよ?
えっなんで
『あっほら見てみて、ふわふわになったでしょ?』
「あら本当ですね。お上手なこと。」
『えへへ〜〜〜私良く遊んでるんだよ。』
待って待って私もするすると言うメルに何を?
とヴァドスが聞こうとしている間にまた一人、二人と人が入ってくる。
「声がすると思っておりましたら、メル様達でしたか。」
『わぁ〜!マティーヌさん!!どもども!!』
「…何をされておられるので?」
『えへへ〜〜当ててみてくださいよ〜〜!』
にやにやと笑うメルが軽く頭をごしごしと泡立てている間
股を開かないでと声がかかるが、いいのいいのとメルが目を閉じて答える。
『こうやってやるのが温泉と言うか風呂場の醍醐味でしょうし。』
「そういう環境でしか生きれなかったのですか…なんと哀れな。」
『あ、あははは…まぁ楽しかったからねぇ。
あと股こんなところで閉じてたら熱くてかなわないから後で分かるよ。』
「は、はぁ…」
『よしできた。準備完了!!は〜いまるちゃんもお化粧しまししょうね〜〜!!』
そう言ってメルは軽く手を洗い顔に入って来ていないか確認しつつ
お湯を使ってシャンプーを落としてから目を開ける。
勿論髪のシャンプーは保持したままだ。
『は〜い!メルちゃん一発芸しま〜〜す!!』
「ん?」
『さわあ!!!』
「「「「ぶっ/なっ」」」」
『ん?何か変な声聞こえたような。』
「メル!要らぬことをしないで貰って構いませんか!?一応聞こえてますからね!?」
そう反対から聞こえてきた声に
「え〜〜!?なんてぇ!?」ととぼけてみたメルに
だからあと声が聞こえる。
「髪で遊ばずにさっさと湯につかりなさいと仰っているんですよ!!
貴方そうやって風邪ひいても看病してやりませんからね…!?」
『え〜〜』
「まったくもう…!」
「ふふふ、面白いことをなさっておりますねぇ〜!!」
「想像出来るから尚の事面白いですよ。」
「全く貴方達も他人事ではありませんからね…!?」
そう男風呂の方ではサワアやウイス、コルンらが風呂に入っていた。
メルがサワアの真似をしていることを想像して吹き出したのだ。
『え〜!?待って!?ちょっと待ってそっち誰がいるの!?
待って今ウイスさんの声聞こえたんだけど!!!』
「ええ、メルさ〜ん聞こえてますか〜?
ウイスは此方におりますよ〜!」
『きゃ〜〜!ウイスさんだ〜!!
待って待って待ってサワアサワアサワアサワア』
「はいはい聞こえてます聞こえてます。なんです?」
メルは壁越し近くに座り
そこでシャンプーを更に泡立て遊び続けつつも
自分の手持ちを持って整理をして座り込んで
身体が冷めないように湯をかけて聞く。
『ウイスさんの髪の毛、今どんな感じ…!?』
「……これは答えて差し上げてよろしいのですか?」
「別に構いませんよ?」
「とりあえず下がっておられると言えば分かります?」
『ああああああああああああああ』
「っるさいですねぇ!!!」
ちょっとお静かになさいと言うコルンにだってだってと声が出る。
『コルンもサワアもずるい!!
あっ待って間違えた!!
二人共だけじゃないじゃん!!皆ずるい!!』
「いや、間違えたとしても修正…」
「何の話をしているんですか…」
『だって髪の毛降ろしてるとか超貴重じゃん!!
ね〜〜〜ぇ〜〜〜待ってよ!!私も見たいのに〜〜!!』
「…可愛らしいですねえ?お兄様♡」
「止めて下さい。こっちは一周回って恥ずかしいんです。」
そう頭を片手で抱えるサワアにウイスはおほほほほと上品に笑う。
アレが幼馴染だと思いたくないと首を横に振るサワアには
コルンや近くで話を聞いていたコニックらも
ほんの少しだけ頷いてしまいたくなる気持ちを抑えた。
「それにしても良く此処までふわふわに出来ますね?」
『いつも遊んでたんですよ。お風呂の遊びといえば
もこもこに泡立てた泡ですからね!嗚呼マルカリータそれつかう?』
「いえ、一応持って来ただけですますが、使いますか?」
『後で使うから欲しい!!』
ありがと〜と手渡しで貰ったタオルを置き、そのまま身体を洗っていく。
どうせなので今日は全部洗ってから一気に流そうという魂胆だ。
『にしても此処の土地一体どういう仕組みになってるんだろ…』
「おや、貴方がご存じでなければ一体誰が知っていることやら。」
「考えたことなどないのですか?」
『一応お風呂とかの水とかを再利用する形みたいなのは
想像してたけど、上手く言ってるのかなぁ。』
飲み水とかに出来たりするんだよ。
ほぉ、それはそれは。
「此方はどのように扱うのですか?」
『ん?嗚呼ボディタオルのことかな?』
色々あってさ、こうやってボディーソープを上にかけてくしゃくしゃしたら泡だつんだよ。
そう言ってボディータオルにお湯をくぐらせた後に軽く絞ってから上にボディーソープを1プッシュかけたメルが実演する。
「皆さん左から洗うのですか?」
『いいや?人によると思いますよ?私は左腕から真ん中行って、
背中入って右手行ってから下に行きますが、日によって変えますし。』
「ごわごわしていて痛そうなんですが…」
『大中小それぞれお取り扱いしています。触って使ってみて下さい。』
そっちは大丈夫だよねー?と言うメルに勿論とサワアが答える。
「此方の指導はお気になさらなくて構いませんよー」
『はーーーーい!!!』
「それにしても良くご存知ですね?」
「まぁ色々ありましてね。」
そう困ったように笑ってモヒイトが聞いて来たことにサワアが答える。
そこから身体の洗い方や各物の使い方などを説明し終え、湯船に入ること数分。
「おや、もうあがるので?」
『嗚呼いや、露天風呂いきたくて!!』
「ふふ、気になっておりましたものね?」
『いざゆかん!!秘境のちいいいいい!!!』
きゃあああきれいいいいそう叫ぶメルに苦笑いで女性陣も入っていく中
前を向いて下さいと言われて大丈夫と言いつつ前を向いた直後だった。
「『あ』」
わなわなと震えあがったコルンの声がその後鳴り響いたのは言うまでもない。