音の無い遊園地で
「…上書き、ですか。」
「ええ。夢遊病者とも呼ばれたらしくてですね。」
「私としては非常に遺憾なんですがねえ。」
「カンパーリさん」
失礼。
「ですが、本当にあのお方に会って
それも願いを叶えて貰える人など
この世に存在しえるのでしょうか?」
「現になっているから、こういう状態に陥っているんでしょうね。
私達ですら、記憶を分断させ、本体と離して動かせている。」
「破壊神らの形が人形止まりなのは力が少なかったからか」
「或いは記憶の量が関係されているのか。」
「まぁ我々天使は彼女と良く交流を持たせて頂けておりましたし。」
その点を考慮すれば、まぁ分かる話です。
「現にリキール様らのお身体も変わりましたからね。」
「…僕らとしてはこっちの方が遺憾なんだがな。」
「なんで人形の姿で喋らなきゃいけないんだ。」
「全くじゃな。」
「右に同じく。」
そうリキールを始めとし、
ビルス、ヘレス、ラムーシが声を上げた。
現在進行形で人形の姿をしているが、
他の者達と比べて動くし言葉も流暢に喋る。
まぁ姿は人形の姿ではあるのだが。
何度も言っているが、人形である。
身長おおよそ50p程の、だ。
ご丁寧に破壊神らの衣装はそのまま。
何なら弓やらなにやら色々と
特徴を兼ね揃えた小物までぬいぐるみ式である。
「良かったではないですか。
愛されていたおかげで皆よりも先に動けるのですよ?」
「だとしても遺憾だろこんな状態。」
「あの状態では話すことすら
ままならなかったのではないですか。」
「一応言っておくけど意識が戻ったのは
こうやって話している時くらいだよ。」
「おや、そうだったのですか?ビルス様。」
嗚呼そうだよとウイスの横、
正確には机の上でどっしりと構えていたビルスが答える。
「正確には夢うつつって感じだったかな。
何か話してるなー程度。」
「その状態で色々言われても言えないし、
仮に気付いても自分らから動くなんてこと無理だからな。」
「気付いたところで、というわけだ。」
「はぁ。」
「それで、その本人は何してるんだよ。」
「現在はモヒイトさんが付いております。」
大丈夫なんだろうな。
ええ、ご心配なく。
「いつぞやの件は話が終わっております故。
それにアレは目くらましであり
彼が彼女を殺すなんてことは在り得ませんよ。」
「…なら、いいですが。」
「まぁ疑心暗鬼になるのも分からなくはないです。
どのような願いを捧げたかによっては事が大きく変わりますからね。」
事と次第によりけりでは、
彼女の妨害に加担しなければならないというもの。
でも、彼等が嘘を付いているかと言われたら、その確証はない。
自分達も気付いたらこの廻廊に出ていたというものなのだ。
「単純にメルの力が大きくなりすぎて無意識に力を使うくらいならば
わらわ達の記憶を丸ごと保管してやろうと思って切り取っただけなのでは?」
「ヘレス様、そうは仰られますが、ソレは幾ら何でも無理かと。」
「何故じゃ」
「百歩譲ってそれが可能だとしてもですよ。
貴方方は未だ良いとしても
私や大神官様らをどう説明するつもりですか。」
「私はサワアさんよりも彼女と長い付き合いですからね。」
それこそ生まれる前からの付き合いになります。
「ただでさえ膨大な記憶量があるというのに
それを一人から切り取り
更に維持をするだけでも面倒だという行為。」
「確かに妙ですね。一人だけで維持をしているのも
難しいでしょうに、こうして記憶を切り取った上に
自分らが自由に動けるなんて無理があります。」
「ましてや自我を持って
行動させて貰えているんですよ?
肉体も元々無かったであろう状態から。」
「…だとして、現に出来ておるではないか。」
「だからこの件が分からないと疑心暗鬼に
かかっておるのではないですか…!!!」
貴方の頭は綿が詰まっているんですか。
むう、現実そうではないのか。寧ろ見せてやろうか?
いえ、結構です。
「痛みがあると可哀想ですし。」
「そっちですか…」
「おや、違いますか?」
「いや良いですよ、そんなことより、これからどうします?」
もしも彼等の言う通りならば、
これ以上進むも彼女の記憶が変わり続けている以上
最期の結末がどうなるかは未知なるもの。
それならいっそのこと留めさせるのは、寧ろ懸命な判断だとは思う。
「ですがそれはあくまでも一時的な措置にしかすぎません。」
「決定打に欠けるんですよねぇ〜〜?」
「…そのお方とやらは一体どうしたら会えるんだ?」
「ですから神々すらも中々お目にかかれな…あれ、ちょ、ちょっと待って下さい。お兄様。」
奇遇ですね。私も思いました。
そう言ったコルンとサワアが頷いて席を同時に立つ。
向かう先はただ一つである。
++++++++++
『それで、私にあのマコちゃんを呼び出せと。』
「ええ。彼女に聞けば誰が何をしているのか分かるかと思いまして。」
「お聞き出来ますでしょうか?」
『……そうは言ってもね、私も見つけられる時は見つけられるんだけど』
今は居ないと。
そういうこと。
『其処迄嗅ぎ付けて来たとは思わなかったが、まぁこの際良いか。』
「かぎっ…貴方本当に何処でそんな言葉を覚えてくるんですか。」
『秘密〜』
「…」
「まぁまぁ」
イラっとしたコルンを宥めたサワアがメルに問う。
「それで、その件お聞きしても?作っているんですよねぇ?
…華樹その者を呼び出すこと、いや、依り代になる者を。」
『……正確には、呼び出してこの地で願いを書き換える、に等しいがな。』
「願いを?」
一体どういうことです。
そう言うコルンに続きメルはちらりとサワアを見て言った後、
コツコツと足音を立てて図書館の内部に移動する。
中央にある円卓から更に右側に歩いていく彼女に
黙ってついて行けば、何もない列を端から指を指し続ける。
右側、廻って左側から。上から、下からと数えた後
指を指した場所に立ち尽くす。
そしてまた同じ様に右左上下と
数を数えてコレかとぼやいたメルが声を出した。
『華の者魔の者聖なる者。』
「っな!!!」
『どうぞ。秘密のお部屋にて。』
こんなものを作っていたのですか…
いつの間に…
随分と昔の話だよ。
『それこそウイスさんが華樹の件に探りを入れ始めた辺りかな』
「…私が貴方のお父様にお任せ頂いた辺りではないですか。」
本当に随分と前の話しですね。
『此処は気を練った私の力で尚且つ言葉を
一言一句速度も同じ様にしないと入れないからね。
私ですら一発で行けなかったりするんだよ。
良かったね?運良くて。』
「良かったねって…あ、貴方ねぇ……」
「何故そんな回りくどいことをしているんですか。」
『私の模倣が悪さしない様に。
私ですら面倒極まりないことさせてるんだよ。』
それくらい、この場所が危険だと。
そういうこと。
『これみて』
「これは?」
『コルン様分かるでしょ?』
「……成程私を連れてきた理由が漸く分かりました。」
其処に書かれていたのは日本語で、
内容もかなり面倒臭いものであった。
「これ詠唱一覧でしょう。それも原型の。」
「っな!!!」
『ご名答。察しが良くて助かります。』
「何時これを入手したので。」
『もう記憶すらないもの。』
「…となれば最初の時点、ですか。」
リサの記憶だけでなく、ミユ自体の記憶も無くなっている。
それには流石におかしいと違和感を感じていたメルだが
全体的に違和感を感じ取っていたのだ。
そう、全ての人間に置いて、記憶がほぼほぼ伏せられているということ。
『私が知っているのはフォルス、フィズ、
シアージュ、ミル、エル、メリア、メルトリアの計7名。』
ミユ、ミラ、フェル、ピナ、リサの5人に関しては全く知らないのだ。
『計12の廻廊がある尚且つ12名で編成されていたのであれば
通常なれば華神が出来て同時に前の持ち場である華神が消えるのは
全くもって不思議ではないし、有り得ることではある。』
では何故、3つしか行っていないのに4人も消えているのか。
「行ったことがある、と。」
『可能性が拭いきれない。それともう一つ。
既に行ったという判定に入っているということ。』
「どういうことですか。」
『この言語は何処で入手するもの?』
「…恐らく第1かと。」
『そしてその第1の人間である存在も忘れている。』
んでしょう?まぁ記憶がないからそもそも照らし合わせも出来ないが。
「ん?お待ちください。照らし合わせ、って
…貴方各華神らの情報を明記しておいでたハズですが。」
『その件はすぐに分かる。どうぞー』
コンコンとノックが入り指を鳴らせばドアが開く。
メルが入っている状態ならばこの場所には容易に入れるというものか。
入って来たのは本を持ったウイスだった。
『となれば、考えうるのは一つのみ、に絞られる。』
「どうぞ」
『どーも』
「っな!!!!」
「メルさんの推察通りでした。我々以外記される書物は愚か
各宇宙の何処にも彼女らが存在した記録は一切書き記されておりません。」
まるで、本当に上書きされていくかの様に。
そう見つめるウイスに、メルはにやりと笑ってそうかと答えた。
『やはりな。』
「どういうことですか」
『本来理はバトンタッチ等しえないんだよ。
あの地に行くことすら異例中の異例。
書き換えられると知られたら神々とて生物。
望みをかなえて貰おうと我先にと手を出しかねない。』
「ですがそう簡単に行き来が出来ないのでは。」
『本来ならばと私は言ったよ?』
失礼。
『という訳で、コルン様♡各華神らのお花おーしえて♡』
「……そう言わずとも、教えますが、ま、まぁ、いいでしょう。」
こっちを見ないで下さい。
いいえ?見ていませんよ。
「そういう気がおあり、という判断をしても?」
「…勘弁して下さい。」
「ふふ」
「第1からクナウティア、オレガノ、ネメシア、
ルドベキア、クンシランだったはずです。
ですが第1、第10、第12に至っては覚醒で華が変化している筈。」
『変化!?そんなのしてたの!?』
「ええ。貴方の方に全華神が華を書き換えられています。」
そんな話覚えていない。
まぁ覚えていなくても事実ありましたからね。
「大きく触れていないでしょうが、時系列的に貴方が早咲きに狂い
華樹神としてその地に身を降ろしている間でしたかね。
まぁその間に貴方の目色も変わりましたが。」
『ほえー、目の色も違ってたの。』
「其処も分からなかったのですか。」
知らないからね。
ま、まぁ、いいでしょう。
『元の花とか分かる?』
「各場所ですか?まぁ…確かムラサキカタバミと
ラークスパー、それとハーテンベルギアだったはずです。」
「何をなされて?」
『ヒント』
第1からミユ、元の華はムラサキカタバミ
花言葉は「心の輝き」「喜び」
次がクナウティア
花言葉は「幸せになりたい」
第3からミラ、オレガノのままで
花言葉は「苦痛を除きます」
第8からフェル、ネメシアのままで
花言葉は「過去の思い出」
第10からピナ、元の華はラークスパー
花言葉は「陽気」「快活」
次がルドベキア
花言葉は「貴方を見つめる」
第12からリサ、元の華はハーテンベルギア
花言葉は「奇跡的な再会」
次がクンシラン
花言葉は「誠実」「情け深い」
覚醒に入ったのは他にも第6,第7、第11の
合計で6名が入っていたと聞いている。
「他にも原初や最果ての人間らも変わっていました。」
『原初?』
「記憶にありませんか?」
『……な、い、な。』
多分。
…そうですか。
『ごめん、なんか。』
「いえ、」
『ねぇ、私のお花って、どんどん変わってたんだよね?』
「え?ええ、最初は片喰、次にオキザリス、
その次が確かトサシモツケという樹木の華です。」
『…すると、こうか。』
そう言いながらメルは円を描いて何かを記し続けるのに
其方は何を?とウイスが訪ねると
さらりと答えるメルだがその手は止めない。
『前に見ていた本の形。
12の星の中に3つの光を持ち、
ソレを弓で携え居る者が描かれていたんだよ。
私はかいていないつもりなんだがな。』
「かつて居た第8での時間ですか。」
『もしも仮に、フェルという人間が華神だったとして。
いやまぁ華神だったんだろうけども。
その子の時間が消えるならば、何故書物が保管される?』
「…確かに、貴方が使っているという時点で消される筈ですよね?」
そう、其処がおかしいのだ。
『まるで今現在進行形で消えて言っていますよ、
と言わんばかりに残るところは残っている。
現にコルン様、貴方の記憶からは外れていない。』
「それは貴方が私達を彼等から切り取っ……いや、待てよ?」
「お兄様?何かお判りに?」
『そう、切り取った先ならば、どうだろう?』
本も、コルンらも、直接記していない。模倣者であれば?
『記憶が保管され、維持出来ている。』
「ソレをして一体どうなると」
『理の書き換えに必要だとしたら?』
「…我々が存在してはならないものだと。」
だから、夢遊病と謳うのかもしれない。
『幻想は否定される。必ず、誰かによって。
そうして逃げる場所はない。消えて無くなるただそれだけ。』
「メル様……」
『逆に考えたら私は本物ってことだよ。模倣ではない、偽物でもない。存在しえる者。』
まぁ、だからこそ…依り代にもってこい、なんだろうなあ。
「これを完成させ、我々から消えるおつもりですか。」
『それが、この世の…全王様のご命令、とあれば?』
「っぐ…」
「流石にそれは…ですが在り得ない。
あのお方と貴方はとても仲が良い様に見えました。」
『…果たしてそうかな?』
え?
『ま、完成はいずれするよ。』
「…何をしているのですか。」
「サワアお兄様…」
「あのお方と、何を、約束されたのですか。」
『……知らない方が、身の為だよ。』
私はただ、夢を見たかっただけ。
『真実は、何時も残酷なんだよ。サワア。』
「……嘘はつき続ければ真となる。ご存知の筈です。」
『例え、華樹に願いを捧げても?』
「それは、」
『…私ね?花冠を交換するの。それだけで、いいんだよ。』
そう、それだけで。
『もうお願いは叶ってる。もう長いエンドロールは見飽きてるんだよ。』
「…メル様」
『コルン、出来れば貴方は此処に残って。他はかえって。』
「ですが」
『命令、と言えば?』
「ウイスさん、行きましょう。」
「お兄様、それでいいのですか…!?」
「ええ、彼女の命、ですからね。」
そう言って一足先に出て言ったサワアに続き
失礼しますと言ってからウイスもまた席を外した。
「…全部書き記してから、ということで?」
『無論』
出来るね?
ええ、勿論。
「それにしても驚きました。まさか我々が別の存在に乗っ取られているのではなく、向こうが本物であったのだと。」
『正確には模倣ですらないから、君らも本物なんだけどねぇ〜。』
「ですが彼等は全く知りもしていない感じでしたが?」
『そうだねー』
何をなさって?
秘密
「そうですか…」
そう言ってから書類を各々書き記していく音だけが続く。
ぺらりと資料を捲っては悩んだ後片足を組んだ上に本を置いて
その上でサラサラと書き記すメルとは違い、
コルンは席に座って机に向かい用紙に
これまでの華神らの情報を洗いざらい
徹底的に書き記し纏め続けていく。
「(これ程の量を、貴方は一人で書き記していたのですか)」
それも、絵も含めて。
ウイスさんが持ち出して来てくれた本を見れば
その愛情がひしひしと伝わってくる。
彼女が前に見るなと言っていた本を、
今見せて貰えているというもの。
その時間すらも忘れているのか、
はたまた仕方が無しに見せているのかは知らないが、
いずれにせよこれを見れるのは
かなり貴重なものだと見受けられる。
端から端まで自筆で、事細かに描かれている
その表情は、とても見ていて気分が良い。
ふと笑みが零れてしまったり、少し悲しくなったりと
各キャラクターに応じて顔を変えてしまえるくらいには、
没頭できる程に、愛情が注がれていたのだ。
そんな存在を、綺麗に忘れ去るどころか、
存在ごと無かったことの様にされるのは、少々酷というもの。
でも、彼女に言ったというのだ。
大丈夫、忘れても、私らは忘れないと、華神らが告げたと。
一々メルが向こうに戻って行っているのも少し気になるもの。
…何かが変わろうとしているのは明確で、不安が胸底をくすぐってくる。
「(…ほんと、こういうのを私に見せるとは、甘いんですから。)」
彼女がこっちを向いていなくて本当に助かった。
今この顔を見られると恥じらいで
どうにかなってしまいそうになるから。
それ程まで、今顔は緩んでいることだろう。
笑みが零れて、収まらないので口元を手で覆うしかできない。
其処に描かれていたのは、嬉しそうに笑って談笑するメルらと華神らの絵。
ウイスさんが持ってきたのは一冊だけではなかったのだ。
計6冊。4冊は原初から終焉までの各設定を持ち合わせたもの。
1冊は設定を書き記していた文字と攻撃、そして惑星の設定欄。
そして、最後の1冊が、各華神らが攻撃をしたり
談笑したりとする絵を合わせたものだった。
攻撃パターンや繰り出す瞬間を綺麗に描いている。
想像したんだろうし、それが現実に起こっていたのだろうな
と思えば少し胸が苦しくなるが。
嗚呼それでも、此処には、生きている。
この絵ですら、もう、抜けている子達が多いというのに。
「(残酷ですね…記憶のある貴方に見せたらひとたまりもないでしょう。)」
こればかりは不幸中の幸いというものだろう。
貴方の感情を、天は救ってくれているのかもしれない。
そう思わざるを得ない程に、くりぬかれたその場所。
嬉しそうに笑って居るメルの隣には、誰も、存在しない。
「(…この先がどうなったとしても、
我々は、貴方を見捨てたり等致しませんよ。)」
それがたとえ、全王様に歯向かうことになろうとも。
…きっと、全員が同じ面持ちであるだろうから。
嗚呼、だからこそ、外れたというものなのだろうか?
貴方は、とてもお優しいから。
「(何処まで、我々を救うおつもりなのですか…エフェメラル様)」
額縁の中にですら、満足しない。その場で、笑って居れればいい。
その時間が、例え、切り離された別の空間世界であったとしても、だ。
それが許されるべきではないことくらい、分かり切っている。
いずれは消えて無くなってしまう、この居場所を。
貴方は、最後の最期まで、抗って抵抗するのだろう。
そうして…最後は、きっと、
「(…とっとと書き記してしまいましょう。)」
この詠唱なんて、目も向けてはいけない。
そう思いながらコルンは
今まであるべきであろう華神らを書き記していく。
こと、3時間が過ぎた。
流石に疲れたと肩を叩いてため息を吐いた
コルンにお疲れと労いの言葉を掛けるメル。
『どう?大分かけた?』
「大方は…ですが貴方の知る絵を描くのは無理ですよ。」
『いやいや、特徴さえしれれば大体のは描けるよ。』
「…ですが貴方の描いたものは
全て消されるから私が書き直しているのでは。」
あっ
「貴方ねぇ…」
『あはは、それなら絵得意な人とかいる?』
「絵、ですか…流石にソレは存じ上げませんね。
第一描くなんて産まれてこの方したことがありませんから。」
『え』
「なんです。間違っていませんよ?」
『私サワアには描いて貰えてたんだけど。』
「………それは説明が通じないが故の、最終手段では。」
前に私もしましたよね?
あっ
「そういうものではなく、貴方がこうやって
描いている様な愛の在る絵ですよ。」
『いや愛のあるってそんな』
「なんです?これが適当に描かれたと?」
『いいえ。』
「ならいいではないですか。
普通に可愛らしくて私は好きですよ?この絵。」
『…………ど、どう、も。』
「っくくく」
っ!!!
殴らないで下さい
「別に思ったことを言っただけではないですか。
褒めているんですよ?この私が。」
『〜〜〜〜っ!!!!………ずるい。』
「ふふ、それはどうも。」