君を見つめるための目




前回のあらすじ

コニックさんの肩ぐっちゃぐちゃのぐっしょぐっしょ。


『ごべんだっい(訳:ごめんなさい)』
「いえいえ、これしき構いませんよ。」

そう言って杖を一振りすれば綺麗になる。わあお便利。

「それより鼻が詰まってますね。これを脇に挟んで頂いても?」

それは?と首を傾げればコニックが説明する。

「脇に挟めば鼻の通りが良くなるはずですよ。通気性の問題です。」

暫くしていればすぐに戻るはずですよ。
ペットボトルなどでも構いません。

「ちょっとした豆知識です。」

そうニコリと微笑んで渡してくれたペットボトル。
ほんのり温かい気がするのは気のせいだろうか?
というか、この情報知っているのって、いや…まさか、な。

そんなバカな話があってたまるか。

此処は、溶け切った世界の末路だ。最果ての最期。
彼等が記憶を知って、私を見てくれるなんて、そんな

そんな夢物語が、あってたまるものか。

『(そうだよね…流石に、そんな期待。しない方が良い。)』

でも、少しでも縋り付いてしまう。私を、どうか、許して。
あんだけ辛い思いをしているというのに、
現金過ぎてもう笑う気力も残っていやしない。

いっそのこと記憶が消えて無くなっていればよかったのに。
嗚呼でも、そうやって記憶欲しさに私、旅してたな。
あれを繰り返すくらいならば、周りの記憶がない方がいいな。
嗚呼でも、そうやって記憶が無いことに怖くなって逃げてたな、私。

いやだめじゃん。八方塞がりとはこれ如何に。

死んで生まれ変わったとしても、別の世界に行ったとしても。
違う環境に生まれ直しても、記憶があっても無くても、何をしても。

私は、彼等に出会い、そして、彼に恋をしている。

嗚呼そんなに逃げるくらいならば、もう、立ち向かった方が良い。
いっそのこと、全力で走ってその顔驚かせてしまえばいい。

でも、そうやってしないのは
この場所に留まって動かないのは
私が臆病者だからであって。

『(会いたい)』

廻廊を走っていた時間を想い出す。
皆と約束したこと、守れずに、また泡沫に溶けてしまった。
何度繰り返したら気が済むのかわかりゃしないけれども。

コニックが傍に居てくれて、少し落ち着くのは何故なのか。
分かっている、気付いている。彼が私の記憶を読み取ったのを。
だから、愛おしそうに見つめてくれる、
この手を頬に置くくらいは、どうか許して欲しい。

「っ、」
『(大きな手。あの人とはまた違う、お手手。)』

少しごつごつしてる、この手も大好きだった。
組手してる時、しょっちゅう手を見ては攻撃もろに食らって
コルンに滅茶苦茶怒られてたな。いや懐かしい。

嗚呼駄目だな、会いたくなってしまう。
ぎゅっと強く握ってしまった自分が悲しい。
気付かれたくないのに、言わせたくないのに。

「…会いたいですか?あの方に。」
『っ、』
「…構わないのですよ。願ったって叶うのです。
だって此処は溶け切れなかった世界でもあるのですから。」
『え?一体どういう……』
「さ、お食事に致しましょう。」

そう言われて話を逸らされる。
他に何か言いたいことがあったのに、
何かがつっかえて言えなくなってその場は流されることにした。

++++++++++

「え?18宇宙居た時は一体どうしてたのか、ですって?」
『ええ。貴方達の兄弟って確か上から男の子でも
サワアから始まってコルンでしょ?コニックに〜
って下がってくるけども、元々18あった〜
って聞いてたの思い出してね。』
「…何処でお聞きしたのか存じ上げませんが、
余りその話は周りの天使らにしない方が宜しいかと。」

そう言って食器を片付けるコニックにメルは何となく察した。
どうやらかなりの訳アリではあるらしい。まぁそりゃあそうか、
自分らが消滅しないといっても、色々消滅の仕方だってある。
勿論、簡単にはさせてくれないのだろうが。

現在メルは華樹神である状態。
正確には華樹神から純環の定理者に一度成ってから
そのまま世界が溶け切ってしまった状態ではあるのだが。

まぁもっと正確に言えば最初から純環の定理者ではあって
育てる為にと華樹神から進めようとしたら思いの外
早くから進めてしまって周りが騒いだって処ではあるのだが。

そんな話はさておいて。

『そっか。ごめんね、変なこと聞いちゃって。』
「いえいえ、それで本日はどうする予定だったので?」
『コルン様が来られないとしたらどうしましょう。』

うーん、本のお勉強は欠かせませんし。
でしたら私がお教えいたしましょうか?

「……なんですその顔は。嫌なんですか。」
『いや〜〜コニックさんが読めるとは思えな』

いたい!!!!何も殴らなくたって!!!!
…いや普通にこれは当然のことだと思うんですが。

「心外にも限度があります。全く失礼極まりないことをさらりと仰られる。」
『貴方本当に変わりましたよね。』
「ええおかげさまで。主に貴方の記憶を知ってから
というもの頭が痛いので責任とって頂きたいのです。」
『無理ですが?!?!?!?』
「ぷっくくくく、冗談ですよ。さ、図書館ですよね?行きましょう。」
『あれ???食器なんでもう洗い終わってるの?!?!?
ねぇ何した?!何したの?!?!?
ねぇ待ってこ〜〜〜〜にっくさ〜〜〜〜ん!!!!!!!』

ばっばっと頭を右へ左へ動かしては
慌ててコニックの後をついてくるメルには
内心笑いが止まらなくてついつい顔に
声に出してしまったのは修行不足かと思うことにした。

そんなコニックは笑みを止め、
図書館の方にまっすぐ歩いていく。

ドアを開けると、広い場所に少し驚いた。

「…此処は、」
『うわ〜〜〜維持されてるんだ。でもおかしいな。』
「何がです?」
『もしも世界が完全に溶け切ったらさ、
この場所は愚かこの資料って残っていない筈なんですよ。』

そう言ってメルはコニックの前を歩き
指を右へ左へとぷいぷい移動させて答える。
人が通れる半円のトンネルを潜り抜ければ
本の内部へと侵入してしまえる。

中央には大きな円卓があり、
外側には筒のように縦へと上に本がびっしりと保管されているが、
その筒側つまり本棚の方面には幾つか机が設置されていて、
本当に何人かが同時作業できるような配置は
まさしく図書館と言っても過言ではない雰囲気とか

なんかもう色々あった。

ごめん語彙力どっかいったわ。主にこの世界が原因です。


『う〜〜〜わぁ。』
「何です?」
『よめない』
「でしょうね。正直申し上げますと私も読めません。」
『えっ』
「此方にある資料は読めたとしてもコルンお兄様程度でしょうか。」

後は大神官様。

『お兄さん方長く生きて暇つぶしに
コレ読んだりとかしようと思わなかったのですか?』
「…逆に聞きますが、貴方は途方もなく長い年月の中で
各宇宙を管轄しつつ自身の仕事ではないことを増やそうと思うのですか?」
『あっそれは〜〜』
「まだ管轄内の言語とそっくりだったり、
もしくは余程この場所に保管されている資料が
気になったりとかすればわかりますが。
…まぁなんでしたら此処に来たのは
片手で数えられる程度しか来てませんしね。」
『え?そうなの?』

意外な話を聞いた。コニックですら、片手で数える程度?
えっそれってつまり、

「お考えの通り、この場所は本来神々ましてや
我々天使らは原則立ち入り禁止区域なのですよ。」
『えっあっご、ごめんな』
「とは言ってもそれも昔の話しです。
現在は此方に入って良いと
全王様のお告げの元に来ていますのでご安心を。」

そう泣きそうな顔をなさらないで下さい。
無理に呼び出したわけではないのですから。
…だって。

『私いつも悪いことしちゃって、周りの人巻き込んじゃうから。』
「…自覚があるだけまだマシだと思った方が
良いんでしょうね。きっと。こういうことって。」
『何が?』
「いいえなんでも。そんなことよりも、何のお勉強をとお考えだったのですか?」
『こっちに来てから全部の部屋まだ廻れてないので、
とりあえず此処の図書館を覚える処からにしようかなって。』
「内部をですか。それはまぁ良い心がけですね。」

天使らが迷子になることは無いと思いますが、
貴方のご友人が来られるとすれば話が変わりますし。
ご友人?

「ええ。おや、いらっしゃらないと?」
『友達というか、同僚というか、部下というか。』
「…それはきっと、友達。と、言うんですよ?」

そうかな?
ええそうです。

「でなければ彼女らはきっと泣いてしまわれることでしょうから。」
『ひえっ、それは駄目だよ…うう。お友達お友達』
「…まぁ、いいでしょう。話を戻しますが、どこら辺を覚える予定で?」
『えっついてきてくれるの?』
「ええ。コルンお兄様から目を放すなと言われていますし。」
『そんな五歳児じゃあるまいし…何処にも行かないって。』

正確には何処にもいけないというものなのだが。
まったく、彼等は過保護なんだから。

『せめて此処の地図とかあったらいいのになって思ってたらありましたね。』
「ありましたね。読めます?」
『うーん読めないですね!!!!この言語って何て言うんですか!!!!』
「確かよくコルンお兄様がにほんごがどうたらと言っていましたが。」
『ニホンゴ。ほう。』

そんなものがあるのか。

「だとしてもエフェメラル様、貴方神々の言語は?」
『あんまわからんです。』
「…そちらからなさった方が宜しいのでは。」
『いやでもここら辺にありそうなんですって。』
「嗚呼もしかして神々の言語でも内容が易しいものがあるかもと思われてこの場所に?」

そういうことだ。

「…貴方はもう少し人に頼るということをなさらないのですか。」
『だって皆さん忙しいでしょう?そんな赤子の言葉から教えろってプライドズタボロもいい処になりそうだなって。』
「…そう言う処は配慮されて、何故通常時から其処迄出来ないのか私には到底理解出来ないのですが。」

しなくていいよ。
ですがねぇ…まぁ、いいですか。

『にしても此処本当に凄いよね。資料、一体誰が作ったんだろう?』
「…知らないのですか?」
『うーん、正直私の中の記憶が膨大過ぎてさ、沢山寝ちゃった影響もあってかうろ覚えと言うか、殆ど分からないんですよ。』
「記憶が曖昧で判断には欠けると。」

まぁそれもそうだろう。世界が完全に溶け切った処からを計算しても、もう今は数兆年以上は軽く過ぎ去っている時間である。途方もない時間眠っていて、それから起きてすぐに動けるというのも不思議なものだが、仮に動けても頭が回らないのは納得がいくというもの。

様は人間寝すぎると頭が働かないとよくいうもの。
それと似たような現象が彼女に起こっているということだ。

「だから覚え直しと?」
『そういうこと〜。とりあえずこの筒上は全部で12階層になってるんだね。』
「ええ。数を数えた感じでは。…えっと、まさか。」
『全部めぐるよ!!!さあいこう!!!』
「地図の知識を読み解けばいいのでは。」

そんなことが彼女に通用する訳もなく。
コニックは諦め彼女について行くことにした。

1階部分は殆ど何もない。なんなら右側と左側で少し分かれているようにも見えるこの場所。
その意味が上の階層に上がって理解することになる。

「っ!これは!!!」
『なに?何か発見しました?』
「…此処、とんでもない場所ですね。そりゃあ天使ですら立ち入りを禁ずるのも頷けます。」

片手に取った本をぺらぺらとめくって
答えるコニックにメルは首を傾げる。
その本の内容が全くわからないのだ。

「端的に申し上げますと、この宇宙世界の導を書き記している場所です。
人間に分かりやすく言えば司書、いや歴史書というべきでしょう。」

その当時に管轄していた天使らや大神官らの名も記されている。
数兆年以上の途方もないものを、良く此処まで纏め切っているなとは思うが…
これがもし、溶け切る前の資料であれば、もう使えるものではないだろう。

いやだとしても、良く此処まで保管出来ているというものであって。

1階層は縦に12段。横は半円でも6枠で区切られている。
神々の言語ですら1階層72枠もあり、本の厚さも物それぞれではあるが
此処の広さから計算すれば、数千冊はゆうに越えることだろう。

「片側とすれば、このまま上に上がれば此方の管轄と考えてもよさそうですね。」
『もう片方は読めないから推察も何もできないですもんね。』
「ええ。ひょっとすれば向こうも同じかもしれません。上に行きましょうか。」

本を戻したコニックにメルは頷き階段へと進む。
その間コニックは周りを見渡す。

本棚の枠上には白い枠がくっついており、
其処に第1区分 00歴史書と振られていたのだ。
恐らくこのまま上に進めば全部で11区分あることだろう。

『どう?』
「…的が外れましたね。全部がそうとでもなさそうです。」

ひょっとすれば各階層の縦一つの枠ごとで区切っているのかもしれない。
三階に上がれば言語にと繋がっていたではないか。

「…どうやらここら辺が良さそうで」
『どうしました?』
「……エフェメラル様。此方辺りが貴方のレベルに相応かと。」

余り気が進まないと言いますか、私はこう言いたくないのですが。
え?なんで?

『わわ!凄い〜!文字の書き換え集だ!!!』
「著者が一体どなたなのか…いや考えるのを止めましょう。」

これ以上は怒られそうですし。
ん???

「幾つか抜き取って行きましょうか。」
『わわ、私も持ちますよ!!』
「こけちゃったらどうするんですか。これくらいお持ち出来ますよ。」

そう言ってコニックは片手で本を纏めて持つのに
半分こしようというメルの提案を拒絶する。
半分になれば少々彼女に持つには苦労しそうだったのだ。

「下に、というよりかはそちらの机で見た方が良いでしょうね。」

ご丁寧に各階層には折り畳み式の机と椅子が設置されていた。
足で踏めば綺麗に椅子や机ご丁寧に観葉植物まで出てくる始末だ。
これ普通に設置されていても問題ないと思うのだが…
きっと管理が面倒になったんだろうな。生前の方達が。

席に座らせると、コニックは何冊かの表紙を見てから本を抜き取り
メルの方に向けて本を開いて前に出してやる。
メルはメルで机に両手をそっと置いて本に視線が向いている。

指だけで机に触れているメルは、まさしく幼子のようで。
コニックはクスリと笑いつつもメルに向けて本の一部に指を置いて説明する。

「此方が貴方の言語に近しい者だと思われます。」
『言ってるの分かるの?』
「余り確証がありませんがね。此処まで練りに練った本は初めてみますし、それに他の本よりも少し古いんですよ。」

まるで何度も使ったかのように、ね。
何度も…

「一体どなたが、何方に向けて作られた資料かは存じあげませんが、かなり噛み砕いて説明をされています。
此処まで来て分からないとあればお手上げだと言わんばかりには、ね。」
『へーーーー』
「手を離せば依然貴方との会話は非常に厳しい状況下です。
コレを機に何度か手を離して会話の練習をしましょうか。」
『いいんですか…!!』
「それくらいならお安い御用ですし、これからずっと手を繋がないと話せないというのも結構きつい処があるでしょうからね。」

戦闘とか特に。
まぁそれもそうか。

「貴方が戦いに出向く方ではないと存じていますが、貴方の力は途方もない。ソレを取りに来る輩も後を絶たないことでしょうし。念には念を入れよと言いますからね。」
『そういや前にコニックさんと組手してたんだよ?』
「ええ、記憶を見させて頂きました。えらく熱心にしていたんですよね、私も、そしてお兄様も。」
『ふふ。コルン様ったら凄い怒るんだよ!こうプリプリって』
「ぶっっ、くくく、ぷ、ぷりぷり、ですか?」

そうだよ!

『ぷんすこ怒るんだよ!まったくもう、私出来ないって言ってるのに出来ますって言うんだもん。』
「あの方が出来ないことをさらりとさせる方ではありませんからね。事実出来るんでしょうよ。」
『え〜〜そんなことないのになぁ。』
「ほらそんな無駄口叩いている暇があったら口を他にお使い下さい。」
『びえ、ひどい。』

そう言いつつも、コニックの指示にちゃんと従いメルは口を変える。
あいうえおかきくけこさしすせそ。発音をゆっくりと言えば、
メルの口はコニックの指示通りに従い発音するも、首を傾げて言う。

よくわかっていないのか、それともその言葉で合っているか分からないから
首を傾げて相手の顔を読み取って理解しようとしているのか…いや後者だな。

一通りの発音が出来た所で、一人称や二人称の発音をとページを開く。
いや本当にこの資料、一体誰が作ったのだろうか。
本に記載はないが、捲った形跡がとんでもなくある。
ぼろぼろとまではいかないが、明らか他とは違うのだ。

まるで繰り返し使って覚えたかのような…いや、まさか、な。

「(流石にそれは考え過ぎか)」

かつてこの場所に、存在していた者。それ即ち、

「(溶け切るその前から、貴方がこの世界の言語を覚え続けようと勉学をしていたとすれば。)」

そしてニホンゴという言語が、貴方の知る言語であったとすれば。
この場所は異種の者達が集い、交流する一種の言語コミュニケーション場という場所。
彼女だけが、ニホンゴという言語を使っていなかったとしたら?

もしも、この場所が。確かに存在していた者達の安息の場所だとしたら。

「(余り長居はしていない方が良いでしょうね。)」

なんだか居心地は悪いのだ。場違い感が否めない。
勉強をするつもりがないのに来てしまったみたいな感じ。
まぁ教えているからそんなの感じなくて良いのだろうが。

嗚呼そうか

「…今日は此処までに致しましょうか。」
『え?でも。』
「余り煮詰めてもいけませんから。」

本を戻しコニックが声を掛ければメルが付いてくる。
手を繋いで、この場所から出ていく。
あんなに居たくなかったのに、居たいと思ってしまうのは何故なのだろうか。


ーまた此方に籠って。もう、修行をする時間ですよ?

「っ!?!!?」
『…なに、これ。』

急に、二階から一階にと降りようとした時に、中央部分に居る者に対して声を掛ける天使がみえる。

ーえーだって〜〜まだ見てたい〜〜〜〜。
ーそんなもの何時だって見れるでしょうが。
ーそんなことないよ〜!知識は常にアップデートかけとかないと。

いざという時に役に立てれないから。

そう言って本の中に埋もれている者が髪を黄色い紐で纏め上げている。
青い、とにかく青い髪色を。真っ白になっているこの髪色ではない。別の人?

ーだとしても修行をするとしてもう一時間は過ぎていますよ?
ーげっ
ーコルンお兄様が大層お怒りです。
ー…い、行かないとか?
ー駄目です。様子を見に行くと言ってきましたから。

ほら、そう言って彼が手を前に出してくれる。

ー一緒に怒られて差し上げますから。…ね?
ー…うう。ごめんなさい。
ーふふ、素直に謝ればきっと許してくれますよ。何だかんだ言ってコルンお兄様は貴方に甘いですからね。
ーそうなの?

そう首を傾げる女性に、ええと答える天使。

ーだって貴方は彼の大事な大事な、愛弟子であるのですから。

そう言って綺麗にふわり溶け居なくなる。