君の名を呼ぶための口
前回のあらすじ
なんかメルから色々出てきた。
「それで、貴方方は一体どなたですか。」
「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれた見てくれた。」
「いや其処迄聞いてないですし見てもないです。」
話しが長くなりそうな予感がして即拒絶するコルンに
なんでよ言わせろよと叫ぶ者に、煩いから黙ろうよと声が上がる。
「だーーってこいつらが聞いて来たんだから言うべきだろうに!」
「もうすいません。朱音先輩血の気があり過ぎて
溢れてこうなると悪魔ですら収集つかないんです。」
「だれが悪魔だって?????」
「悪魔ですらっていったからね?!?!?ねぇ先輩!??!?」
そう叩かれる彼女には流石に可哀想だと思ったのか
んんっと咳払いをして話を変えようとしたのはサワアだった。
「それで、貴方方は一体何方様で?」
「…これ、言っていいんか?」
「ねぇ〜〜〜!!!古都葉〜〜〜!?
聞こえてるでしょ〜〜〜!??
こ〜とーは〜〜〜〜!!!!」
「あ〜〜いりす〜〜〜〜!!!!」
『っだああああああああうるっっっっさいな
お前ら本当に!!!締め上げ叩き切るぞ!??!?!』
「ちょ」
『第一誰が名前を言わせる権限を持たせたと????』
勘違いもはだだたしい…ん?
はぁ。
『んあ????はだららしい?はたたかしい?』
「違う違う温かいだよ。温かい。」
『勘違いも温かい!!!!!…ん?????』
「いや、素で間違えるから空気がごちゃるよ。」
ほらほら席に付いて。
そう言って入っているのは図書館の中央部。
何だかんだ言って此処の方が
席も取りやすい上に話もまとまりやすいのだ。
大人数であればある程、ではあるが。
『全く、まさか一度タクトを戻せば外に出てくるとは思わなんだよ。』
「まぁ封印していたのは事実だろうけどね。」
『…まさか他の子も。』
「嗚呼君のご想像通り。彼等もまた、貴方の中に眠り続けてくれているよ。」
どうしてこうなってる。
だからそれを今から説明するから。
『これで全員?』
「ええ。呼ばれて来てみましたが、一体何事ですかこれは。」
『はいはい!皆席に座って!!会議しますよ〜〜〜。』
「言い方がただのお母さん。」
なんかいったかと言われてさっと座る彼女を見た後
色々こっちも聞きたいことがありましてねと席に座るメル。
『一応色々言いたいことはあるけど、先に自己紹介と行きましょうか。』
「え〜〜〜」
『煩い!!私だって記憶が曖昧なんだよ!!皆一人ずつ左からね。』
「じゃあ私から。」
そう言って席を立つのは金髪の先程モヒイトと戦った者だった。
「改めまして、初めまして、かな?私の名前はアルトリアと申します。
この世界が溶け切る前では此方で華樹神ルトラール様の元では第1宇宙の華神を。
ルトラール様が華樹神官になられた際には一度この世界から外れ、
Cの世界で水面高校吹奏楽部の副リーダーを務めていました。
3年4組
その後は次世代の華樹神であり定理者になるエフェメラル様の元
第三世代第三期第1廻廊、希望の華神アルトリアと命じられています。
「以後お見知りおきを。」
そう言ってぺこりとお辞儀をして席に座る
アルトリアにじゃあ私かと席を立つのは
先程騒いでいた子である者。
「ギリアだ。この世界が溶け切る前では
元々第2宇宙惑星
「っ!?!?」
「…ルトラールという存在は私の方では神の域ではなくてな。
知っているのはルトラール・メートランドと呼ばれる作曲家だ。」
まあ、神と言えば。神に選ばれし音楽家とも異名が付いたくらいであって
華樹神官とかそういう役職染みた者は知らない。
「Cの世界ではアイリス・シュミットさんと呼ばれるお方に弟子入り志願してね。
一か月程度しか共にしていなかったが、実に有意義な時を過ごした。」
「話それてるそれてる。」
「っあ、ま、まぁ其処から色々あり、転生し直した時はCの世界
水面高校吹奏楽部のリーダーを務めていた。
3年2組
「っえ?!?!リーダー!??!?」
「驚くのも無理ないわ。これだけ叫んでたらとてもじゃないけどリーダーに見えないよね。」
「情に厚いと言わんか情に。」
「厚いを越して鬱陶しいのよ。」
まぁまぁ次行きましょうと話を逸らす。
「アシュガ・ベイリーと申します。第三世代第三期第3廻廊、理の番人である華神としてひと時だけ生きていました。ちなみに此方は第三世代第三期第2廻廊、気まぐれの華神ギリア様です。」
「ふっ!!!!!」
「…。僕はルトラール様のことは余り詳しく知りません。
Cの世界で水面高校吹奏楽部で指揮リーダーを務めてました。
2年5組の
宜しくお願いしますとペコリお辞儀をして手を出しつつ席に付いた彼に命じられ、次に席を立つのは。
「アイビーよ。時系列順に並ばせれば、この中でほぼ一番エフェメラルと長い付き合いじゃないかしら。」
『…ま、だろうね。』
続けてと前に手を出したメルに、皆もメルからアイビーの方に目を向けた。
「この世界が3つになる前の世界。天海から産み落とされし、古の黄金世代と言えば話が分かるかしら。」
「っ!!!」
「…その時代では確か悪魔だったはずよ。色々あって転生し、第三世代第二期である初期頃に生まれ直したわ。元々第18宇宙を統括していた友情の華神ヘデラとでも言えば知っている子もいるんじゃないかしら。」
「……ええ、存じ上げていますよ。お久しぶりですね。こういった形で対話が出来るとは思っていませんでしたが。」
その節はどうもとペコリお辞儀をするアイビーに大神官は少しだけぺこりとお辞儀をし返した。
記憶がない筈なのだが、何故そう出来るのかは後々理解することになる。
「ヘデラから腐り果て、アイビーという悪魔になってからとある子とつるんで彼女を奈落に突き落としちゃってね。」
「っ」
「嗚呼一応言っておくけど、元ソシエールの人間で、元妖精族よ。順番的には悪魔、妖精、もう一旦悪魔になり果てたって感じかしら。」
妖精の時期だけ女性だったからね。
えっそうなの。
「ええそうよ。おかげで言葉が慣れずにオネエと化しちゃったわ。
ま、彼女らの礼儀を通せば、私は第三世代の第三期廻廊
第4番不滅の華神アイビー・ヘデラと言った処かしら。」
「…ビオランテだ。第三世代第三期廻廊第5番悲哀の華神ビオランテ。」
「えっ以上?????」
なんだ悪いか。
いや別に言いたくないならいいけれども。
「過去は過去。強いて言うなら廻廊が始まる前に
エリナ・アイスバーグ・ノックアウトという名で通っていたものだ。」
「エリナ!?!?!?!」
「ん、知ってるのか?」
「嗚呼いや……まさか、あのエリナ・アイスバーグ?そんなはずは。」
「…どうやら訳アリのようですね。次に行きましょう。」
話が滞ると何がしたかったのか分からなくなりますからね。
「廻廊に入る前はアーディル・ト・キフィルと言う名でこの地に身を降ろしていた。
更に前は最悪の6魔女で活動していた、サキョワと呼ばれる者だ。華神であればロベリア。
神草の華神ロベリアで通っていた。確かその当時は第16宇宙の統括を任されていたかな。」
「モネアです。華神であれば第7宇宙の統括を任して頂いていました。
悪魔に堕ちた際はモネア。歩く魔女モネアという異名が付いていた筈です。
飛ばされた後はアネモネ・コロナリアという名で暮らしていました。」
以上ですと答えると、あっと声を上げ
「第三期では第7番廻廊千代の華神モネアと名を変えています。」
そう言って席に座り直した彼がちらりと隣を見る。
「シナリス・マリオットです。最悪の魔女ではカレンデュラで名を通していました。
華神時代は第8宇宙を統括しており、
献身の華神キンセンカとして仕事を任して頂けていました。
その後散り果て、シナリス・マリオットとして次の時間に。」
第三期では第8番廻廊献身の華神カレンデュラとして生きていました。
以後お見知りおきを。そう言って席に座る。
「…えっと、第三期では名前、きちんと憶えてなくて。」
「そういや聞いたこと無いな。もえちゃん。」
「もえちゃん?」
「あっ、ああ私の名前です!…
アルトサックスを担当させて頂いていました。会計部を担当してました!」
「確か華はアイスランドポピーだったよな?」
えっええと言って華を咲かせる彼女に
確か花言葉って腐る程あったんだがと唸るギリアに
赤は慰めとメルが声を出す。
「え?」
『赤は慰め、しは眠り。忘却の彼方に赤に感謝。
太陽見紛うオレンジは思いやりを持ち、
最後は決まって私が勝つだから…確か赤が
「慰め」「感謝」。白は「眠り」「忘却」
オレンジがえ〜と赤は慰めしはねむり…
嗚呼「思いやり」で、黄色が「私が勝つ」じゃなかったっけ。』
「どういう覚え方をしてんだあんたは。」
いや〜〜〜意外とね、面白いんだよ花言葉。
『昔覚える為に考えたのがぱっと思い出しただけだけどね?』
「それならいっそのこと今此処で決めちゃったら?」
『あ?私が?』
「嗚呼私が。」
『待って今此処で?????』
「別にいいのでは?」
え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そう言って彼女の方を向いてやると
少しおどおどして俯くのを見て、ふと自分の姿と重なった。
黒髪の、前に出れないあの子供に。
『ポピー』
「え?」
『慰めの華神ポピー。あっそれとも私が勝つとかの方が良い?』
「えっえっそそそそそんなおおおおそれおおいです…!!!!」
『そんな臆病にならずとも。』
「でも決まったな。」
嗚呼そうですね。
『では次。』
「元水面高校吹奏楽部指揮リーダーの
「元?」
「私は彼女らの一つ上に位置していますので。
卒業後は
吹奏楽部ではアルトサックスを担当していましたよ。」
「というと、彼女らもその担当で?」
「嗚呼、私はホルン担当だし、つけだれはラッパだから違うぞ。」
「つけだれ?」
「ちょ、朱音先輩?!?!?」
良いじゃんべつに。可愛いし。
そう言う問題ではないですよ…!!!
「ま、卒業後もアルトサックスを担当していましたが色々あって転生し直し
現在ではエリーゼ・レウィシアという名でこの世界に降り立ちました。
確か華神としては私も名が無かったはずですし……。」
『えっ待ってなんでこっち見るの。』
「…後輩想いの良い子を持ちましたから。」
あっ凄い笑顔。綺麗な笑顔。
『………。
エリーゼ・レウィシアで手を打っていただけますか???』
「ええ。充分ですよ。」
「何かほぼさんっだ!!!」
「失礼。つい手元が狂って。」
いや誰が手元狂わせて岩花火を飛ばせと言った。誰が。
「第三期10番目
「では次私ですかね。」
「ええ。」
「水面高校吹奏楽部3年2組
ファゴット担当で、演奏会梯子して夜更かしして補導食らったこともあります。」
「さらっと悪いこと言うね。この問題児。」
「煩いですよ。この万年生徒に怒鳴られ問題児。」
「二人共それ言うならただの悪魔では。」
どうやら二人が組めば悪魔の使い手という異名が付くくらいには問題児だったそうだ。
いや、この二人結構仲が悪そうにみえるのだが、意外と仲が良いらしい。
「そうですね、その前はCの世界で作曲をしていましたかね。」
「え!??!?!!?……あっ、な、あやまさか。」
「…おや、あの日あの時、私の事を理解してくれていたと思っていたんですが。」
どうやら勘違いだったようですね。
…いや、
「えっ待って無理無理無理無理。」
「なんですか。」
「ふふ。グラウ・ヴィーア・チェレステという作曲家をご存知の方も居ると思います。」
既に何名か椅子から崩れ落ちましたし。
「え?!?!!?うそ!!!!!え?!??!?!?まじ!??!?!?!?」
「は!??!?!!??えっ!?!??!え?!?!?!?」
『こーら静粛にっていう私も結構あらぶってるけどね。』
そう隠しきれない気の同様に、落ち着いて下さいと流石にコルンが声を上げる。
「一体彼女がどういう位置なんですか。」
「どうもこうも、どえらい人ですよ。」
「こっち側の界隈では滅茶苦茶偉い人ですね。
音楽界隈の革命家という異名もあるくらいの伝説級作曲者ですよ。」
「確かクラウディア・フォーゲル・ソフィアって名前だったんでーーすよね???」
「ええ。あっていますよ。」
「えっうわえっ……後でサインもらお。」
「これ。」
こほん。
「作曲した数は数知れず。歩く音楽家と言われることもあって
確か彼女が作曲したものは弟子入りしたエテルネルが模倣したとか。」
「むっ、それは心外だな。色々話が変わっている。」
一体誰が言い伝えたんだか。
まぁまぁ。
「無理もないでしょうよ。何せ私は当時女装していましたし。」
「え?」
「じょ、え?」
「言っておくがこいつ元から男だっだ。」
「今は女性ですよ。心も身体もね?」
おーこわい。
「あともう一つ訂正を入れればエテルネルは私の弟子ではなかったんですよ。」
「え?でも確かに歴史書ではそういうことに。」
「それは後でたっぷりと。理由を彼女からお聞きできると思いますからね。」
『……っ』
「逃げるとか忘れるとか理由を決めても無駄ですよ。」
私は、知っているから。
そう微笑むエリーゼに、メルは息を吐いて次と顎で指示をした。
彼女は結合の華神ティナ・ライトイーという名に変えると言っていたが
ティナ自体知り合いに似た者が居る為却下し、
エリーゼ・レウィシアで名を通す様に指示をした後だ。
第11番目が終わり、次が最後。
「…夏場に滅茶苦茶弱い。暑さは天敵。
故郷は第12宇宙惑星ハイマット。
仮名アンチューサ、アルカネットと申します。
水面高校吹奏楽部2年3組弓枝橙花(ゆみえだとうか)。
元トロンボーンで高校ではテナーサックスを担当していました。」
あと、
「Cの時代ではミシェル・マーガレットという名でも生きていました。
まぁ結婚前の姓はミシェル・シャーロット・クラークでしたかねえ。」
「…………ん????」
「どうしたギリア。」
「ふふ。作曲は兄の方がもっぱらでしたし、それに兄の弟子には恐れ入りましたから。」
ルトラール・メートランド
「アニュラス・テッド・クラークの弟子であるルトラール・メートランドは偉大なる王とも言われる程の音楽界に功績を残して死にましたのでね。」
「……は。」
「成程そこで繋がっていたんですね、貴方達は。」
「ええ。では、自己紹介を、頂きましょうか。」
第三期廻廊12番目、自由の華神アルカネットから。
「我らの主、ヴァイス・ミア・エフェメラル様へとお戻し致しましょう。」
++++++++++
『…なんだかとんでもないブーメランを貰った気がする〜〜〜〜。』
「ふふ。貰った気がするのではなくてぶん投げたんですよ。」
『はぁ…一応言っておきますけど、記憶違いの可能性ありますからね?』
「ええ。そのつもりでも自己紹介をと提案されたんでしょう?」
「あの、順番からしたらアワモさんでは。」
「この場合一度此方で終わらせた方がいいと思いますし。」
それに自己紹介は端折っていいぞと言ったのはダリアだ。
「何故かって?何故ならアタシ達はアンタらの事を知っているから。」
「…我々は貴方方とも交流を?」
「正確には偶々同じ道だったという処かしらね。」
「ええ。何でしたら一時期我々魔女の者達は貴方方と敵対していましたし。」
「な!!!!」
「流石に色々制限あってきつかったけどねぇ。何とかなって今に至る。」
さ、もういいわよね?
「エフェメラル。いや、華の者
『…流石に言い過ぎ。アイビー・ヘデラ。』
「おや失礼。でも間違って居ないと思うんだけれども。」
そう言われてため息を吐きつつ何処から言うべきかとメルは答える。
『ひとまず遡るように言いますね。私はこの世界がまだ溶け切る前は
大神官様、スピリタス様の実兄であるルトラール様のお子として産まれました。
エフェメラルのメルと申します。』
その時はアイビーが少々話をしてくれたように
一時期この地で育っていたんですがある日を境に
廻廊に落ち、母であるアルメリア様と共に廻廊を廻していたんです。
『確かプラティアという子がクスさんよりも上に。
話を聞いた限りでは彼女が一番上の子だったとか。』
「え?」
『ん?どうしました?』
「ああいや、なんでもありません。続けて下さい。」
『…?ええ、それで彼女が一度華神になり、アイビーとタッグ組んで華樹神を襲撃に来まして。』
「当時は貴方を殺す予定だったけどね。」
あらそうなの。
「ええ。華の力からして異常だったからね。」
「華の力が?」
「通常であれば華樹が選ぶ時期は決まっている。大体10歳前後の二桁に満たない時くらいから始まる筈なのよ。
加えて気の量も関係してくる。華神らが華樹神にならないのも気の量が足りないという致命的な処もあった。」
でも、この子は違う。
「気の量が其処迄無いというのに、華樹が産まれた時から選んでいるのよ。」
「選ばれるとは一体どんな形を指しているので?」
「基本的には華樹の樹の実がみえたりするんだけれども
見える以前に身体の何処かに印が浮かび上がる筈よ。」
『えっ私記憶に存じ上げない。』
「単に忘れているだけならいいけれども、もしもそうでなければ見えない位置に出ていた筈よ。」
確か私が見た時は首後ろに在ったはず。
えっ
「赤子だと色に紛れて綺麗に見えないことだろうけどね。
でけぇほくろがあるとか噂を聞いてたけど、見てすぐに判別したわ。
嗚呼これはとんでもない時間に生まれ直したものだわってね。」
「華樹に選ばれた者は果実を喰い、その身に華樹神として相応しいかどうかの試練が始まります。
エフェメラル様は早くに果実を食らい、幼いながらにこの地から身を引いたんですよ。」
『引いたというか引き寄せられたというか。喰われそうになったのを無理やり食ったというかねえ。』
「…?」
『ま、そりゃいいか。それで廻廊は全部で12階層。12人に出会う前大体11人目に入ったとある日から其処に居る子に出会った。』
僕?そう言って指を指したのはビルスだ。
そうとメルは続けて答える。
『正確には私ではなくて11番目の廻廊である子が貴方に出会うことで私は目覚めた。
私は当時記憶が無くてね。廻廊を無事に終えると記憶も戻って一件落着しはしたけど。』
「その前は」
『嗚呼其処からその前に話を戻しますね。』
ありがと忘れてた。
『その前はCの場所で、演奏してました。』
言って良いモノか分からない。そう思っていると名前を呼ばれる。
古都葉。それは、私の名前。皆古都、古都って呼んでたけど。
こっちが本当の、私の名前であるもので。
「お前は確かにあの場所に居た。ソレだけだよ。」
『…水面高校吹奏楽部3年5組千代木古都葉という名で通していました。
担当はアルトサックスを担当させて頂き、指揮リーダーを務めてました。』
勿論本当に一時期だけでしたが。
「ですが実際活動されていたんですよね?何故其処迄端切れを悪くするのですか?」
『とは言っても演奏会には出れませんでしたので。』
「うちの部活動は演奏会に出れない奴を見て見ぬ部員とみなす空気があったからな。」
悪い風習でソレを拭い去ろうとしたが、流石に1,2年じゃ根付いた風習は取り除けなかった。
「そいつはうちの部活でも屈指の努力家で皆それについて走っていたくらいだけどな。」
「まぁだからこそ、最後の演奏会は悔しい思いしましたね。」
「本当だよね。どうしようもない理由聞いちゃったら言うに言えなかったし。」
『え?理由?待って、何聞いたの。』
嫌な予感が胸を過るも、それは現実になる。
「音が聞こえなくなっちゃったんでしょ?」