「愛してる」の最上級形
遡ること一週間前。
サワアらとも仲良く元に戻ったということで。
ちょくちょくサワアと遊んで居たとある日の事である。
丁度いい処にサワアがコニックと一緒に話をしていた処声を掛けた。
『ねぇサワア』
「ん?どうしました?」
『あっや、やっぱり後でいいよ。』
「構いませんよ。」
あっやでも気のせいかもしれないし。
なんですそんなもどもどして。
「まさかまた変なやらかしをしたんでは」
『あっちがえっと…ううう。』
良いことでもあるけど悪いことでもあって。
何ですか本当に。
『で、できちゃった』
「なにがってちょ、なにを!!」
『……っ。ここ!!!』
そう言って顔を赤らめたメルがばっと片手を取って腹に当てる。
プルプルと震える彼女に、何事かと少し気を取り戻してしまえば。
「っ!?!??!!?!?!」
「えっちょ、お、お兄様!?!??」
「待って下さい本当に待ってっいつですか?!?!?!」
何時から貴方こんな状態に!?!?!?
お兄様?!?!?!
「おお気を確かに!!!」
「コレが落ち着いていられますか…!!エフェメラル貴方何時からですか!!!!」
『あんまりよくわかんない。』
「コレを知っている者は!!!」
『瞬時に此間レーゾンデートルが何か居るって言ってたから多分ちょっとまえ?』
「〜〜〜〜っだったら何故そう早く相談しないんですか貴方って子は!!!!」
そう叫んだ後落としていた杖を取って
指を鳴らせばメルの上から黄色いタオルケットが出て来て
メルを綺麗に包んでしまうではないか。
そのまま浮遊させ杖を消し去りメルを抱き上げる。
『あっちょ、だ、大丈夫だって!!!』
「駄目です。このことコルンさんには?」
『まだ言ってない。』
「なんでですか」
『えっだって絶対面白いもん。』
「………貴方一度くらいは叱られたらどうですか。」
えっなんで
あの
「先程から何をそう慌てて?」
「貴方には分かりませんか?と言っても
私も言われるまで感じ取れませんでしたが。」
「え?」
『あっさわあ〜あてさせて?』
「…コニックさんちょっと」
メルに手を貸して貰ってください。
はぁ…ってメル様?!?!?!
ほらここと言って片手を取って腹に当てる。
するとその場所にある音に、目を見開いて固まった。
「……………は?????????」
『あっやっばおもしろ……!!!!』
「面白がってる場合ではありませんよ。」
「ちょ、ちょっと待って下さい…
なんかいるって仰られていたのが
何時だと申されていましたっけ?」
『えっと大体一週間以上は前????』
「一昨日貴方えげつない修行入れられていましたよね?????」
「エフェメラル?」
『ひえっ』
流石にそれはちょっと。
「とにもかくにも…おめでとうございます、エフェメラル様、サワアお兄様。」
「ありがとうございます。そういう訳で暫くは鍛錬を少し控えめにして頂ければと。」
「ええ。そのように致しますよ。流石にお身体に悪いですからね。」
『えっでも身体はある程度動いていないと悪いって前に聞いたことが。』
「駄目ですよ貴方転んだらどうするんですか。」
というかコルンさん今日来る予定ですよね?
え?
「まさか」
『ふふふ。』
「おや、もう来ていたんですか。」
あっこんにちわコルン様
こんにちわエフェメラル様
「その状態はどうなされて?」
『ねぇサワアおろして????』
「駄目ですよ何言ってるんですか。」
『過保護発動してるの助けてお師匠。』
「…貴方何やらかしたんですか。」
『待ってなんでやらかした前提で話を進めるの???』
「いやどう考えてもそうでしょう。サワアお兄様が
そうするとはつまりそういうことですよ。」
『どういうことだよ。』
そう押し問答が続く中、手に持っている本に目を引いた。
どうやら此間我儘を言って第8の本を幾つか抜き取って来てくれたらしい。
わぁ物語本だと嬉しいが、そうは上手くいくだろうか。
『ねぇコルン。』
「なんです?」
『できちゃった。』
「なにがです」
『だからあかちゃん。』
「…………は?????????」
バサバサバサと、メルの手に入る前に落とすコルンが目を見開いて驚き固まる。
多分これ飲み物前だったら全部零してただろうなってくらいには手に力入ってない。
「え??あっ、え????」
『っごいりょく消えてるwwwwww』
「これ」
「…え、ちょ、お、おまちなさい。…なんていいました?」
『あかちゃん。手ちょうだい。』
「いや赤子など気を察知できる筈では…嘘でしょう?????」
「嘘ではないんですよ。」
手で触れてみれば漸く分かる。
その魂の小ささに、思わず驚き固まった。
もう片方の手で口を当てるしかない。
あのコルンですら杖を手放していることにすら気付かないとは。
それ程驚くことなのか????
「…おめでとうございます、お二人共。」
「ありがとうございます。」
『えへへ。という訳でこういう状態なんです助けてちんちくりん。』
「無理ですね。あと私がサワアお兄様であれば同じことをしますよ。」
「でしょうね。」
「誰でもそうなりますよ。観念なさいエフェメラル様。」
『つらたにえんのやばたーにえーん。』
何変なことを仰るのですか。
「お待ちなさい貴方この期に及んで数週間前からとか言い出すんじゃ」
『〜〜〜』
「……いやこの際説教は後に致しましょう。赤子に悪い。」
『えっそういう????』
「その代わり子が取り出せるような大きさになれば分かっていますよねぇ????」
『あっはぁい』
「それにしても具合は悪くないのですか?」
『そこまで。』
いうて私ですら気付かなかったからねぇ。
逆に良く彼女も気付けましたね。
そう言いながら周りの子達はメルの寝室へとゆっくりだが足を運ぶ。
絶対安静だと考えている子達には悪いが、後でティーナらに声を掛けることにしよう。
多分子供に関してはあいつらの方が話が分かってくれることだろうし。
「この事華神らにはお伝えしているのですか。」
『と思うじゃん。してないんだなこれが。』
「…いやな予感しかしませんが。」
『まぁまぁ後々言うって。』
「そうこう言って具合悪くなってから言うとか洒落になりませんからね?」
明日にでも言いなさい。
はぁい。
『まったくもう、皆して大袈裟だよね?
皆のお姉ちゃんしてたんだから
大丈夫だよ〜って言ってやってよ。弟達にさ。』
「エフェメラル様……」
『えへへ、やっと戻って来てくれたんだよ?ながかった。』
「ええ、よく頑張ってくれましたね。でもここからが戦い。」
そうでしょう?
もちろん。
「その為にもお身体はご自愛ください。」
「全くですよ。本当に驚くことしかなさらない。」
『えへへ寿命縮まった?』
「寿命の概念等ありませんがね。まぁ軽く数百年は。」
待って人間生きれない。
そう言う問題ですか。
「本日のメニューも流石に激しいので日を改めましょう。
私はこれで失礼しますよ、
エフェメラル様くれぐれもご自愛くださいね?」
『待ってなんで念を押されるんだ。』
「貴方の日ごろの行いが来ているんですよ。」
『待って私そんなに無理してないのですがねぇ〜〜〜』
何故皆して頷くのそういうところで。
「そりゃそうですよ。貴方のことは我々よくご存知ですのでね。」
「お兄様はどうなされますか?」
「ひとまず彼女の様子を見てからお父様にご報告いたします。」
「それが良いでしょうね。」
『ねぇねぇヘレスにもいお〜〜〜。』
「えぇ、後でちゃんと言いますよ。」
えー私もいくー
いや絶対連れて行きませんからね?
『えー』
「…そんな顔しても駄目です。暫く横になって居て下さい。」
体調崩される時は決まって一度休憩した後ですから。
そんなことないもんと言うメルだが、案外そういうものであって。
コニックやコルンが帰り、数十分後でメルがばてていた。
吐き気がしてふらつくと言っているところ元々具合が悪かったのもあるだろう。
直してやりたいのはいいが、こればかりは耐えて貰える方がいい。
人間の体内なら猶更である。余りこっちが手を出せば本来出てくる赤子の体力が落ちる。
勿論勝手に死ぬようなことがあれば時間を巻き戻してでも蘇生という形で救出するが。
それ程まで、彼女の状態は良くないことでもあるのだ。
何だかんだ言ってメルの身体は溶ける前の身体とほぼ変わらない。
彼女も意識を失っている為、物が溶けていなくて
自分が一度溶けたかどうかも分からないとか。
確認が出来ない以上確かに言っていることは分かる。
だがだとしても、サワアと付き合いが長い間でのこれは
流石に溶ける前の世界から来てくれた子ではないかとは思うが。
「体調は良くなりました?」
『…ちょっと。』
「ならご飯でも食べます?」
ソレは嫌らしく、首を横に振るメルに、仕方がないですねと杖を出す。
一応この後元の宇宙に戻る予定だったがこうも体調が悪いと怖くて目が放せない。
大神官を呼びつけることにしたサワアに、メルが手を取る。
『そっちいく』
「え?ですが。」
『だっこして?』
「…すみません大神官様。ええ、分かりました。」
ゆっくりで構いませんので来てくださいだそうです。
抱きますよと言われて身構えていると、ふわりと身体が浮かび上がる。
そのまま歩いていくこと、数十分。
「お待たせしました。」
「いえいえ、それにしても気分が悪そうですね?」
『うう』
「メル大丈夫ー?」
「大丈夫ー?」
『うん。あのねぇ?スピリタス。』
「なんです急に名など出して。」
できたの。
何がですか。
『あかちゃん』
「…は?」
『あっ待って、笑うwww』
「エフェメラル…すみません、どうしても
此方から出向きたいと仰って聞かなかったものでして。」
「…本当にいるのですか?」
「ええ。腹に手を当てればわかります。
かなり微弱ではありますが、
一応彼女の気を察することが出来ました。」
「……本当ですね。」
私のレベルで分からないとは、
貴方達一体どういう形で生きてるのですか。
しらないよそんなの。
『でもちゃんといるんだよ?えへへ』
「おめでとうございます。」
「なになにー」
「エフェメラルさんの中にプラティアさんがおられるんですよ。」
「そうなのー?」
『うん。此処にいるよ。』
新しい赤ちゃんとして、生まれてこようとしてくれてるんだよ。
「はやくでてきてあそぼー」
「あそぼあそぼー」
『えへへ、そうだねぇ。』
「だから其処迄身体を包んでいるんですね。」
「ええ、母体は温めておいて損はないでしょうし。
冷やせばどうなるか分かりませんからね。」
「具合が悪いならさっさとお帰りなさい。」
どうせ驚かせるために来たんでしょう。
あっばれた?
『じゃあもう帰るね?ごめんね。』
「いえいえ。何かあればお申し付け下さいね。ボタンもお貸ししておきましょう。」
そう言われて青いボタンを大神官から貰う
メルは腹元にそっと置いて溝の中に留めてしまう。
手に力を入れる事すら億劫な程に具合が悪いとは、
其処迄して外に出て来たかったのかと
大神官は少し彼女の気持ちに眉を寄せるもすぐに対応を変える。
「お体ご自愛下さいね、エフェメラルさん。」
「ゆっくりやすんでまたあそぼー」
「あそぼあそぼー」
『うん。またね。』
そう言うだけ言って目を閉じるメルに、全王様が互いを見てしょんぼりする。
それに気付いた大神官は困ったようにサワアと笑い合った。
何だかんだ言って子供でも無理して遊ぼうとする子ではない。
本当に苦しい時は痛みを分かち合い距離を取って勉強する。
事実メルの顔は割と青かったのだ。
すぐに部屋に戻せば血の気が良くなっているのがみえる。
外にちょっと出してあれ程青くなるのだ。自分で動かずに、で。
それでよく遠い第2まで足を運ぶだと言い切ったものだ。
シーツを掛けてしまえば息が落ち着いてきてそっと目を開けてくれる。
「気分は良さそうですね。」
『ん。ありがとう、サワア。』
「どういたしまして。」
『ねててもいい?』
「ええ、勿論。」
お休みと言ってしまえばすやりと眠ってしまう。
優しくさすっていれば、ニコリと微笑む彼女に笑みが零れる。
早く出て来て欲しい気持ちもあるが、もう少しだけでいい。
二人だけの時間を共に過ごしていたいとも感じられる。
どうかゆっくり、出て来て欲しいとおもうものだ。
++++++++++
「え????」
「は????」
「まぁそうなりますよね。」
『皆同じ反応やっぱり遺伝?』
「いや貴方の突拍子もない話に驚きを隠せないのも無理ないですよ。」
あと貴方一応一度は腹に穴を開けられているのを覚えていないので?
まぁ覚えてるけど。
『綺麗に塞がっていたし、やっぱり身体変わったのかな?』
「いやそこといいますかえっ」
「ややこが此処に?」
本日次の日。すっかり落ち着いたメルはというと
先に天使らをと大神官がお伝えしていたのか
午前中に全天使がマジで来てくれました。
緊急でもない限りは日を跨いで大神官自らが
天使らを招集なんてするわけもなく
今度は何が起きたのかと覚悟をしてきていたのだが…
「まさか赤子を身籠っているとは…」
「おめでとうございますお兄様」
「ありがとうございます。」
『いるよ〜触ったら分かるっぽいから触って見ます?』
「え?あっいやっちょマルカリータさん?!?!」
「…本当ですますね」
「お身体は悪くないのですか?」
『実は昨日ちょっと気分悪くて。』
駄目じゃないですか!!!!
「今日も少し悪いのでは?」
『ううん昨日沢山寝たのでまだマシかなって!!』
「それ端的に申し上げるとまだ不調だと言っているのでは????」
「こんな調子で言う事聞いてくれなくて。」
「それはそれは…いつも気苦労が絶えませんね。」
「楽しいって言えば楽しいですがね。」
「何か騒がしいと思えばお前達か。」
そうにゅるっと樹木から這い出てきたのは
『ティーナ!!!』
「んよっ!お前達が全員いるなんて何したんだお前。」
『待って普通にうけるんだけど。なんで私がした前提で皆みるの。』
「いや前科何犯だと思ってるんだお前。」
「言われてますよエフェメラル。」
『うぬ〜〜〜〜でもこれは良いことな様な悪いこと…???』
「あきらか良いことですよ。それもとびっきりのね。」
「あ???」
「でも彼女に察せれますかね?」
嗚呼そこら辺は大丈夫だよとメルが手を上げてティーナに近づき言う。
『ねぇティーナ』
「ん?なんだ?」
『できちゃった♡』
「何が」
『こ〜こ♡』
「………いや待って本当に待って。」
たんま
むーり
「ガチ?」
『がち』
「マジ?」
『まじ』
「……あんちゃああああああああああああ!!!!!しゃくううううううううううう!!!!!!!
めるがあかちゃんできたってええええええええええええええええええ」
そうくるりと回った後軽く走って入って来た穴に身体を前に出して叫ぶのに対して
数十秒後嘘でしょと何人かが飛び出てきたではないか。
「はあああああ?!??!?!お前いつからだよ!!!!」
「時期的には今から換算して10日と4時間くらいだよ。」
「ちょ、待ってこの子誰。」
「まさかお前既に生んだとか言ってるんじゃないだろうな…」
『待って待って流石にそれはない。』
っていうかなんで君達まで頷いてるの。
いえ、有り得そうだなと。
「貴方のことですし、我々に黙って
一人で閉じこもってそのまま赤子を生み
母子共々姿をくらましかねないなと。」
「うわ〜〜〜〜ありえそう〜〜〜〜」
『いや流石にもうしないよ!?!??』
「成程、ではするおつもりはあったと。」
「あっ墓穴掘った。」
『ひえっ』
そう半泣きのメルに、あまり身体に負荷を掛けないと
背中をそっとさすってくれるお師匠。
なんだか滅茶苦茶優し過ぎて
逆に怖いなと思ってたら
デコピンされました。普通にいたい。
「僕は夏の果てにいる子だよ。
「れーぞんって…ひょっとして存在理由の話か?」
『あれ知ってるのトレイーズさん。』
「一応この人これでも精神科医してたからね。凄腕の。」
「…ラストリア様???」
ふふ、ごめんなさい。
「はぁ…色々お尋ねしたいことは山ほどありますが、今はいいでしょう。
おめでとうございますエフェメラル様それにサワア様」
「ありがとうございます。」
『えへへ、ありがとう〜!』
「その前にお前ご両親には?」
『まだ言ってない。』
「まぁあの二人なら察して時を見計らってきてくれること分かってるでしょ。」
というか向こう側にいるし。
アッ今そっちにいるの?
「そっちもなにも華神らの星だからねぇ。
一応言っておくけどアニュラス様達もこっちにいるよ。」
「中央部の管轄を任せて貰ってる。そいつらは?」
『一応何事も無ければそっちに預けたい。』
「私らはポケモンか何かか。」
ぽ?
いや変な話を出さないで。
『というかアニュラス様達が居るなら猶更出てくればいいのに。』
「む〜〜〜〜〜りむりむりむりむりむりむりむり」
「えっえっねぇエフェメラル様エフェメラル様エフェメラル様エフェメラル様」
『はいはいなんですか宮間さん。』
「宮間?」
「彼女の苗字です。最早華神の名前になりつつありますけどね。」
「待ってねぇ前にさ、定理者は前世殆どが作曲者だったって言ってたよね?」
そう恐る恐る聞いて来た彼女にそれはそうだけど、
とため息交じりに応えるメル。
物怖じしないまるでさもそうだと言わんばかりに。
『いやまぁそうだけど。』
「まってさっき聞き捨てならない言葉聞こえたんだけど。」
『え?』
「ルトラール様って待って」
「あっ!!!」
「ん????」
『おっとこれは相応の勘違いが発生してる???』
首を傾げるメルに、まさかと声がかかる。
「あの伝説のルトラール・メートランド様ですか…???」
「…は???????」
「ねぇ待って聞き捨てならない単語聞こえてきた。」
『だーーー!!お前達はどうしてそうわっらわっら出てくるんだ!!!!』