獣の嫉妬心
結婚式の途中で倒れたメルはというと
「どうですか?」
「…駄目ですね。さらに熱が上がってもう二日です。」
いい加減下がって欲しいですが。
「流石に全神経を使った上に一度ご自身のタクトを放した状態で操作したのです。無理もないでしょう。」
「すみません、何も出来ず。」
「いえいえ、元はと言えば私が許可しましたので。これは私の責任ですよ。」
余り責めないで下さいサワアさん。
…分かりましたお父様。
「それにしても、一度に二人いや三人も手に取るとは流石ですねえ。」
「…お父様もお気づきになられていたのですか?」
「ええ。彼女らから譜面の名前をありったけお聞きしまして一つだけ気になる名前がありましたので。」
「……キャロルお姉様の件ですか。」
そう言えば身体が止まる。正解と言いたそうに。
「
正直此方としてはそう言った風に付けた者ではないんですがね。」
「まぐれにしても出来過ぎていると?」
「ええ。…あの子が戻ってくれば更に賑やかになるでしょう。」
「…お父様」
「分かっています。…どんどんと戻って来てくれていますから。」
このままいけば、全員が。
…でしょうね。
「よろしいのですか?本当に18宇宙全て戻してしまわれて。」
「彼女も面倒を見ると言い切ってくれましたからね。
華樹神は今で行けば私と全王様の中間に位置するお方です。」
各華神らを束ね、宇宙を見て下さることでしょうから、
あの子達が帰ってくればきっと其処ら辺は問題ありませんよ。
…そうだと良いのですが。
「それとも戻って来て欲しくないと?」
「っいえ滅相もない!!!」
「…彼女の負担が大きくなるのが嫌ですか?」
「…っ。」
「あの子はなんでも一人でやろうとしますからね。
悪い癖です。もう少し人に頼ろうとする
気持ちを持って帰って来て欲しかったのですが。」
「…流石にそれは。」
「分かっていますよ。ただの愚痴です。」
ニコリと笑う大神官にそうですかとサワアは笑って答えた。
「では後のこと、頼みましたよ。」
「ええ。」
無事式は終わり、何事もなく日常が戻って来て居る。
明日には熱が戻り、このまま行けばまた軽く
話が出来る程度には戻ってくれることだろう。
そう部屋に戻れば、其処に居たのは
「っ全王様!?!?どうしてこちらに、」
「あ、きちゃった。」
「きちゃったきちゃった」
『あはは、ごめんサワア捕まっちゃってた。』
「捕まっちゃってたって貴方ねぇ…」
「メルもう大丈夫?」
『うん。本当にありがとね。お詫びと言っては何だけど、何かしてあげられることない?』
何を頂いて?
嗚呼全王様が前にお薬持たされていたの忘れてたらしくて。
『華樹神用の風邪薬。しかも別固体に影響なし。』
「…えらい用意周到なものを。」
「えへへ、偉い?」
『うんうん。偉い偉い。』
「なにもらおー」
「なにしてもらおー」
そう回る彼があっと声を上げる。
「ねぇねぇ力の大会またしよーよ」
「っえ」
「うんうん!ねえーエフェメラルーいいでしょー?」
『ん〜〜〜〜ちなみにいつやるの。』
「いまからーーー!!!」
そっっっっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『マジか。』
「駄目なの?」
『やります。』
「ちょ、メル?!?!?」
『全王様のお願い絶対だから駄目。』
「だからと言っても…!!嗚呼わかりましたわかりましたから。」
ならば、こっちも尽力させていただきますよ…!?
++++++++++
そうこうして、力の大会&この世界の
知見を広める為にもと運動会を続けて
開催する手筈になったのだ。
「本当に熱なんて出ていませんね?」
『だから大丈夫だって。』
「ならいいのですが…」
『えへへ』
「何笑ってるんですか。笑い事ではないんですよ?」
貴方ご自身がどういった地位にいるか分かっているんですか。
えへへ
「全くもう…ほら、早く行きましょう。お送りいたします。」
『え?いや一人で行けると言うか此処で迷子になんてならないし。』
「駄目です。大神官様にも言われたこともうお忘れですか?
原則として大会以外は私が付いていますし、
大会中は大神官様の近くから離れないと。」
『えーーーー』
まぁ勿論流石に風呂やらトイレやらはみてやらないが。
だとしても活動自体は付きまとうしかない。
メルが万が一でも力を悪用されたらと思えば気が気でないのだ。
こんなにも澄んでいる、清らかなものが
この地に全てに知られていくのは
少々どころかかなり嫌なことであるのだから。
「私だけではないのです。天使らも皆、
貴方が心配でたまらないのですよ。」
『うう。』
「あれだけ高熱を出して心配しない訳もないじゃないですか。
お子が身体の中にいるという状態で病み上がりもいい処ですよ?」
『…だっこされます。』
「ええええ、されて下さい。」
よいしょと言って抱き上げた後、
サワアは部屋から出てメルの部屋にと足を歩む。
この場所普通に良い処のホテルである。
床はカーペットであるのは勿論のこと、
一階層ごとに各宇宙の者達が家族入れて部屋で寝泊まり出来るように
一階層全部合わせて24室はあるし、その一部は医療機器もある。
一階はフロントで、選手やらなにやらを確認する場所と
風呂場や皆で使えるようにと施設を構えている。
勿論部屋の中にも風呂やトイレはあるが、其処ら辺は好きに使えだそうで。
流石に神々と人間の入る場所は別の方がいいと言う話もあったが
それをしたら管理が面倒だということで今に収まっている。
それに案外大浴場に行く人間は結構多いようで少なくなるはず。
時間も相まっていい感じに流れが出来ているのだ。
天使らは破壊神と界王神ともに同じ部屋に入り各階層の見回りを担当している。
勿論第2はサワアが管理しているが、
今回メルスを巻き込み対処してもらっているので
まず面倒事が起きることはないとみている。
「全く、一体何時になったら頼ってくれるのだか。」
『充分頼ってるじゃん。』
「この期に及んでまだそんなこと仰るんですか。」
エレベーターがチンと音を立てて開く。
中に誰もいないことが救いであって、ほっと息を吐いて乗り入るも
待って待ってと声が掛かったので身体を前に出したメルに
サワアも前に出た。
「っちょ!!」
『どぞーーーー』
「ありがとおねえさん!!」
『いえいえ。此処上に上がるけど良いの?』
「えっそうなの?でも何処に何があるか分からないから。」
『ああ探検隊か君ら。』
「そうそう!俺達探検隊!!」
「…一応言っておきますが、別の宇宙にある階層に移動は不可能ですよ?」
えっそうなの?そう言う悟天にええとサワアがメルを抱きかかえ直して答える。
「大神官様が各チームの人数分魂を階層ごとに設定しておりますので。
貴方達は確か第7、今が8階ですので、試しに一つ上に設定してあげましょう。」
そう言ってつついたボタンでチンと音がなり開く。
ドアが暫く空くように押させるよう指示をし
もう一人に外へ出ろと指示をした。
「普通のとこだね?」
「色違うだけじゃんそんなばったあああああ」
「えー?トランクス君バッタなんて何処にもいなさそうだよ?」
「ちっげえよ!!なんだよこれ!!!」
「だから言ったでしょう?何処にも出れないと。」
『待って私達は?』
「普通に移動可能です。」
「なんで!?!?狡い!!!」
「そうだそうだ!!!」
『あーーこれアレか。万が一あった時の避難用か。』
察しが良くて助かります。
「あれメルさんが作ったんじゃないの?」
「発案者は彼女ですが、此処を作ったのは大神官様と我々天使ですからね。」
「へーーーー通りで見たことあるようなホテルなもんで。」
『うぐっ。ぱくってはないからね。』
「分かってるって。」
「…ま、そんな感じですので後で一階に降りて貰えれば。」
このボタン上に優先的で上がるので。
嗚呼一度開かないと駄目な奴か。
「じゃあアレとか出来るんかな。エレベータージンクスってやつ。」
『嗚呼それあれ?ひょっとして異世界エレベーターの話?』
「えっお姉さん知ってるの!?!?なんで!??!?」
『や、まぁ君らの世界で一瞬だけでも暮らしてたし…ねっと?とか見れてたの記憶から引き抜けばあったし。』
というか第1の廻廊で死ぬほどそういうジンクスには触れて書き記しているからな。
あの図書館にも確か眠っているはずだ。そういう話大好きですからね。
「どういったものなんですか?」
「お兄さんはしらないんだー」
「……。」
『ま、まぁまぁ。私が知ってるのは一人で乗るタイプかな。
確か4,2,6,2,10で移動する筈。
勿論この時誰かが乗ってきたら成功しないからやり直し込みだけどね。』
「普通に害悪なんで移動しなければ強制的にその階に押し込む要領に変更しますよ?」
「えっ出来るの?」
「それくらい容易いですよ。設定すれば造作もありませんのでね。」
『あはは…まぁ大丈夫だよ。あの人数がこのホテルに集結しているんだからね。』
そうそう確定で出せるものではないだろう。
それに、異世界とはいっても本当に行けるかどうかわからない。
ただの迷信であるものだし、なんならこの世界そのものが
メルにとっては異世界そのものの感覚である。
これ以上別の世界なんて御免被りたいものだ。
『折角戻ってこれたんだし、これ以上行く場所ないもんだってねぇ〜。』
「そうですよ。行かれたら私死ぬまで追いかけますからね?」
『わぁ怖い。でもよろしくね?』
「ええ。」
「…なんかお姉さんたちってできてる?」
『えっ?!?!でっ?!!?!?』
「できてるという意味が交際や赤子の判定ならそうですね。できてますよ。」
「えっ!?!?!赤ちゃん居るの?!!?!?」
あっ言ってませんでした?
うう。いいたかったああ。
嗚呼すみません、すみませんって。
「もう殴らないで下さい。落としたらどうするんですか。」
『大丈夫此処に二人いる。』
「彼等を巻き込まないでやって下さい。全くもう。」
「ねぇねぇもう結婚式とかしたの?」
『ううんまだ。』
「えーーーなんでーーー!?!??」
『ううん、なんでって言われても…ねぇ?』
「したくないそうですね。」
ちがいますーーーー
『別にしたくない訳じゃないし…寧ろしたくて堪らないと言うかなんというか。』
「…これ終わったらしましょうか。」
『え』
「前にした気がしますが、アレはほぼ貴方の言う婚約に近い仕来りでしたでしょうし。」
どうせなら逃げも隠れも出来ない状態に追い込んで差し上げましょう。
鬼だ悪魔だ天使様だ?
「ええ。貴方の天使ですよ?エフェメラル様。」
『うう。たすけてちんちくりぃん。』
「ぷっ、ふふふふ、全く何を言ってるんですか。」
「…本当に何を言っているんですか。」
「おや、コルンさん。どちらに向かわれて?」
「例の件で、ねぇ?」
「ではお渡し致しましょうか。」
お預かりしますね。
そう言ってコルンはサワアからメルを受取る。
その間メルはぎゅっと身体を縮めて目を閉じるものだから
何をしているんだと言いたそうにじっと見ていたコルンに何と声を掛けた。
「ああいや、嫌がらなくなったなと思いまして。」
『だってするじゃん。はやく抱っこして恥ずかしいから!!!』
「今更何恥ずかしがってるんですか。」
「っていうか歩けないの?お姉さん。何処か具合が悪いとか?」
「悟天駄目だって!赤ちゃん居るっていうんだから。」
「えーでもお父さんたちそんなことして無かったような?」
『アレの特に片方はプライドの塊だからなぁ〜〜〜
しても君らの居ない処でこっそりしてるでしょうよ。』
そうなの?
多分ねぇ。
『ベジータに関しては絶対しないと思うけど。
…案外愛妻家みたいな処あるからなあの人。』
「まぁソレを抜きにしても貴方を野に放てば一体何処に行くか分かったものではありませんからね。」
『待ってまるでそれ綱がない犬を抱っこしてるみたいに言うじゃん。』
「おやわかりました?知識が増えたことで何よりです。」
あっちょ、馬鹿痛いですよ!!!
ふっん!!ふん!!!
そう鼻息を荒げながらコルンの肩を叩く叩く。
こいつどうにかしてとサワアに対して指を指せば
それは無理ですねと笑うのである。
「お、珍しい面子いんじゃねぇか。」
「アンダルシア様達ではないですか。貴方達何方に向かわれて?」
「戦場観察。」
「いやなんでですか。意味あります?」
「あるある。多分。」
「神様達は何処でも自由にいけるの?」
『そうだよ?えっ待ってそのはずなんだけど。』
「あってますよ。移動が制限されているのは人間のみです。」
その他の者達は原則移動制限はないでしょう。
そうでもしないと万が一緊急で移動する時困りますからね。
「まぁ人間が対処出来ない事案は全て天使らが対処致しますし。
其処ら辺で起きる野次等と比べて貰ったら困りますがね。」
「じゃあ華でも咲かせて一泡吹かすか。」
「…それとこれとはまた話が別ですし、大惨事になるのでお控え下さい。」
貴方達の力どうなってるかこっちでも判別に苦しいんですよ。
えー別にいいじゃんか。
「ねえねぇお姉さん達って誰が一番強いの!?」
「んー誰って誰だろな。」
「えっ」
「決まってないのですか?」
「あー原初世代はころっっころ人が変わっていたからな。」
『えっでも割と落ち着いてなかった?』
「初期の初期は地獄だったぞ。」
お前まだ生まれてなかった頃だしな。
えっそうなの。
「一秒で人が三人くらい変わるくらいにはえぐかった。」
『えーーーーーーっぐぅ。なにそれ馬鹿なの死ぬの阿保なんの?』
「前の華樹神様が滅茶苦茶頭いい奴だったってことだよ。」
「そうなの?」
「種を持ちその位置を維持する者達ですからね。
それ相応の技量が必要になってくるのですよ。」
「へーーーー」
『まぁ要は沢山人いるし周り変わるけど全員の名前覚えられる学校の先生みたいな感じ。』
「そうなの!!」
「そうなんか?」
『まぁあながち間違ってないかなと。』
何か人増えるね。まぁいいけど。
『私達一応最上階行くけど良いの君達。』
「いいのいいの。だって次で降りるし。」
『そして降りたら入ってくると…!!!』
「随分と面白い面子じゃないか。」
『いや普通に破壊神はまだわかるよ。階層移動。』
でもお前達なんで移動してるん。
「視察。」
『ブルータスお前もか。』
「ひゃーなつかしーーー」
『阿呆』
「…お姉さん大変だね?」
『分かってくれるか幼子よ。』
割と苦労するんだよ。
へ、へぇ。
『まぁ楽しいから良いんだけどね。』
「そうこう言っていたら着きましたので、我々はこれで。」
『皆またねー』
はーいと言って手を振って出てくれば。他の階層よりも大きく分かれている場所にある。
その一つのドアに入れば、其処は自分達がこれから生活する一室にと出て来てくれた。
「まさかとんでもない世界を良く覚えていましたね。」
『無の世界で此処まで出来れば凄いもんだよ。』
「貴方の知識も知識ですよ。」
本当に恐ろしい方だ。
いえいえ。
『彼女ら程じゃあない。』
「何かお悩み事が?」
『それは彼がきてから。』
そう言えばコンコンとノックが入るのにコルンが手をかけようとするも待ってと声を上げた。
メルがベットから降りてトタトタと前に出て行くのに待って下さいとこれ以上前にいかさないように止めるコルン。
『…火の中潜れば?』
「樹木の中。水面落ちれば?」
『花の中。どうぞ。』
「どうも。」
入って来たのはルトラールだ。どうやらもうそんな時間らしい。
食事を一応終えているが、未だ少し小腹が空いている。
そう思っていたのが分かったのか、食事を持って来てくれたらしい。
「一応毒は入ってないですよ。」
「確認したんですか。」
「念のためね。貴方も食べます?」
「…では。」
メルをちらりと見れば頷いたので流石に食べるならとコルンが手を付ける。
食べて問題なさそうだったのでどうぞと手を指せば
クンクンと匂いを嗅いでからチビチビと食べるメル。
少々行儀が悪いのだが、まぁ仕方がない。外が外であるのだから。
勘で嫌な者には手を付けない。
現に一つは外して食しているので、
下手したら余り宜しくない者が混じっているのかもしれない。
こういう勘は嘘を付かないのだ。
コルンはその食べ物を覚えてから話を進める。
「では、作戦を練りましょうか。
その前に、自己紹介をして頂いても構いませんか?」
「何を言えばいい?」
「戦闘での名と、後は得意分野。苦手なことくらいですかね。主に近距離型か遠距離型かとか。」
『なら武器とかも?』
「ええ。勿論試合では原則使用禁止ですが。」
じゃあ私から。
「二人共ご存知の通りルトラールです。得意分野としては主に杖、後は投げナイフとかも出来るかな。」
『えっまじ?』
「まじ。苦手なことは近距離戦闘かな。」
「そうなんですか!?あれ程組み敷かれたと言うのに…。」
「ふふ。でも君とやった時は瞬殺してたでしょ?」
…まさか苦手だから無理やり?
そういうこと。
「てっきり得意分野かと思っていました。」
「だから遠距離が得意なんだよ。」
「成程誘っていたと。」
「そう言う事。まぁこんな感じかな?明後日はどうぞよろしくね、お二人共。」
「ええ」
『おねがいしまーす!』
そう間延びをしたメルに、次は私がとコルンが言う。
「戦闘中はコルンとでもお呼び下さい。得意分野は杖ですが、一応全般的に使えます。」
『鬼のようにしごかれたからな。』
「貴方が弱すぎるんですよ。情報だけ片っ端から選んで出してきたので得意かと思って叩けば酷いではないですか。」
「そんなに?」
「今度貴方もしごいてやってください。滅茶苦茶弱いです。」
「うーんそんな筈はないんだけどね。あるとしたら舐め腐り切ってるとか。」
「いやそんな……在り得そうなんで止めて下さい。」
本当に在り得そうだ。
「正直武術全般扱えるので特にコレと言った苦手はありませんが
強いて言うならエフェメラル様ですかね。」
『まって勝ち確やん。』
「かちかく????」
『勝利確定。』
「嗚呼そういう…とは言っても貴方の様な者という判定ですがね。」
『…おっとこれは話が変わって来たぞー?』
「大体こんな感じですかね。ではエフェメラル様どうぞ。」
そう言われてごそごそと身体を動かしたあとエフェメラルですと声を出す。
『試合中はメルで構いません。ヴァイスとでも呼んでくれてもいいですよ。』
「では古都葉とかでも?」
『おおっと流石に慣れてないから鳥肌たっちゃった。』
「…。」
『あはは、睨まないで睨まないで。敢えて今のうちに慣らして隙を作るのもありだけどね。』
「まぁ考えておきましょう。」
『得意武器としては杖と後は拳銃かな。』
「おや、意外ですね。」
「君銃習ってたの?」
『正確には第1でね。』
嗚呼ゲームとやらですか?
「ですが実戦はしていないのでは?」
『ま、そういうでしょうねぇ〜〜〜。』
「…まさかとは思いますが、私らがいない間にコソコソ練習していたのですか?」
『用意周到とはいうでしょう?』
「呆れた。本当に何隠しているんですか。」
『一応魔法的な遠距離攻撃だけど、近距離戦も戦えるよ。寧ろ近距離の方が嬉しい。』
「おっとそうなの?」
『力加減調整しなくていいのと、怒りぶち込めるから。』
「さらっと恐ろしいこと言わないで下さい。」
彼等を殺せば一発アウトですからね?
わかってるわかってる。
『まぁ苦手なのは…ううん。策士系全般。』
「ほぼほぼ全滅ではないですか…。」
『だからチーム作るのやだったんだってー。』
「なんで作ったんだ。」
『全王様のお導き?』
「嗚呼そういう。」
だから断れなくて。
まぁ断る道理もないでしょうしね。
「それで、彼女らの知識を持ち合わせているのでしょう?」
「例えばチームシークレット、とか?」
『嗚呼其処はシークレットです。』
「だっ」
なんでですか。
『だって味方にすら言ったら面白みないもん。』
「そう言う意味では…まさかとは思いますが
我々と敵対とかする試合をなさるおつもりでは。」
『それはどうでしょう?蓋を開けてからのお楽しみってことで。』
「…成程。わかりましたその時になって考えましょう。」
「話を戻そうか。」
【チーム師弟】エフェメラル&コルン&ルトラール
【チーム水面】アルトリア&チェレステ&エテルネル
【チーム天使】サワア&コニック&マルカリータ
【チーム原初】アンダルシア&ボールパーク&アルカポネ
【チーム引継】リキャラール&リコット&コピア
【チーム最果】ティーナ&ライネア&シャクロラス
【チーム終焉】フォルス&シアージュ&フェル
【チーム破壊神】ビルス&リキール&ヘレス
【チーム一楽章】アシュガ&アイビー&モネア
【チーム元天使】マール&リッキー&シャトリューズ
【チーム楽譜】ヴェアード&べヴァイス&レーレアゲイン
以上が今回出場するメンバーだ。
勿論シークレットも入るので全部で13組にはなる、
「お待ちなさい。後の二つは聞いていませんし、元天使って貴方」
『だってコレが一番最善だから。』
「え」
『だって言っていないからね。
しかもそっちはハンデというかなんというか。
そもそも出て来ていないと言うかなんというか。』
「…まさかこの数日でものにすると。」
いい加減になさい。
「貴方数日前ご自身がどうなったかもうお忘れですか。
二人だけであのような高熱を出したのに加えて今回は試合。
ちょっとした甘えで棄権など出来ないのですよ?」
『わかってるって。』
「でしたら何故、」
『大丈夫大丈夫。』
「…何か策がある、いやそうしないといけないと。」
そういうことだ。
「…なるほどね。それで?あとの二組は置いておいて君が一番嫌なのは何処のチーム?」
『正直何処も嫌。』
「おや正直。」
『だって水面は全員指揮組だから相性がクソ悪い。
互いに効果があるから如何に私を使って攻撃を防ぎながら移動するかーだし。
原初も引継ぎはあーーーでも駄目だ。最果てはティーナ様居る時点で終わってるし。』
「ぼろぼろではないですか……なんでこうご自身の勝てる範囲に絞らないのです。」
『だってそれだとおもろくないもん。』
「面白くないからといってご自身の首を絞めてどうするんですか…!!!!」
「これまさか勝ち抜き戦?」
『その予定。』
「なら猶更作戦練った方が良いかもね。」
でしたら此処はこうしますか?
嗚呼それが良いね。
そう言って駒を創り出したコルンに対し、
各面子の形を取った駒を台の上に乗せて話すルトラールに
メルはクスリと笑い貰って来た食べ物をパクパクと食べていく。
正直この者達にも手を開かない。それがメルの戦い方なのだ。
粗方は相手に合わせ、そして自分も合わせる。
『(チーム戦とは言ったが正直これはほぼほぼ単独勝ち抜き戦になる)』
実際やらせたら分かるが、互いに誘導してボコしたら出来るだろうが。
まぁそんなこと神様レベルの者がさせてくれるわけもない。
ましてや戦ってきた歴戦の猛者である
破壊神を越えた天使も入ってくるのだ。
それも入っているだけで3組もだ。
『(チーム師弟はあくまでも師弟関係の構成ではある。)』
何時しかだったか、ルトラールがメルのことを
お師匠と言ってくれていたことがあった。
彼が覚えているかどうかは、分からないが。
その日を覚えていればどれ程良いか。
でも、そんなこと、縋ったって無意味であるのだ。
アレは夢幻に消えて行った、小さな人の居た世界であるのだから。
「ではルトラール様が囮になって我々が叩くと。」
『いや、其処は私が囮になる。』
「大丈夫ですか?囮で捕まってしまえば手も足も出なくなりますよ?」
「エフェメラル」
なにと言いたそうにちらりとルトラールを見る。
「出来るね?」
『あいよ。』
「よし、それならいい。」
「そこ、親子会話しないで頂きたい。」
「え?出来ないの?」
「は?」
「一応義理の弟なのに。ぱっぱの考え読めないかぁ。」
「〜〜〜〜〜〜!!!!!」
『(あ〜ととさまの罠に何度入っていることやら……。)』
そんな訳ないでしょうがと言いたそうに
赤く染めた顔で震えるコルンが叫び声を上げる。
こういうのを誘導って言うんですよコルンさんや。
其処ら辺は華麗にスルーするメルであった。