春攫いの幕
綺麗な色、優しい時間
何時だって彼は綺麗に輝いていて
それを望んではいけないのだと知った
『だあいすき』
願いよ祈りよとタンタン手を叩く。
願いを込めて、華を手折ったその瞬間だった。
ダンとドアを開けて上をみた
彼が空を飛びあがって
メルと声を上げて腕を掴んできたのだ。
『っな!?!?え?!?!?!!?サワア!??!!?!?』
「っやっっっっっっと見つけた!!!!」
『え!?えまっ!?!?!?おおん!??!!?』
「おやおや、えらく熱烈ですねえ。」
『だいっだあああああああああああああああああああああ』
だい様が二人なっとるううううううううううううううう
いいいいいいいいいやあああああああああああああ
そう叫びながらイヤリング両方を投げて
被っていた冠が落ちることで
周りの者達が此方を見つけて叫ぶ
「だああああああああああああああ!?!??!」
「あ、いや、あいつ、でもまさか」
「ええ皆さんの知る、メルさんで間違いないですよ。」
「すいません、式の邪魔をするつもりはなかったのですが。」
迷い子が迷い込んでいる話を聞きまして。
そうちらりと見た大神官に嗚呼とメルが声を上げた。
『まさかこの印、元の世界に知らせる用の印か!??!!?』
「今更気付きましたか。
今日丁度迎えに来られる手配になっていましたので。」
『いや待ったマジで式邪魔するから抜けるか』
「抜けずともよい」
『ああああああああこんどはヘレスとサワアが
ふたりいいるううううううううううううううう
いいいいいいいいいやあああああああああああああ』
「うるさい」
あああああいだいよおおおおおおおおおお
そう泣いては笑うメルに、せわしないのおとヘレスがため息を吐く。
破壊神の服を着ているので凄くわかりやすいと思いましたまる。
「そこまで煩いと寧ろ抜けられた方が気になるというものじゃ。」
『すいません』
「じゃからよいと言っとるじゃろうが。それにそいつもつれていけ」
『えっ!?あ!!!!プラティア〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
「暴れるとまずいと思いましたので、此方で封じていました。」
「安心しろアタシもしっかり了承済みだ。」
じゃなきゃ寝てねえからなと言う
プラティアがパンと銃の様な物を撃った
その方向に居たのは、
『っコルン!!!!』
「これくらいで許されると思えば楽な者だろ。」
軽く胸を打たれたコルンが少し膝まづく。
治療をしようとして止めて首を横に振るのに、
何をとメルが身体を動かして変に止める。
「…そういうことだからねえ?ま、アタシは戻るよ。じゃあな?」
『え?!あっちょこら!!もう!!!!』
「印も消しておきますね」
『ああすいません』
「いえいえ、此方こそ色々乱暴にして申し訳ありません。」
『教えてくれれば聞いたのに。』
「あの状態で貴方は教えられました?」
『無理ですねえ。強制的に付けさせるしかないですね。』
「でしょう?」
不可抗力ですねえ。とメルは笑って答える。
仕方がないものは仕方がないのだ。
「今回迷い子のご相談を別世界の大神官から引き受けまして。」
「此方も徹底的に移動できるように各華神らと念入りに話をしましてね。
恐らく願いの強そうな第二の子達を連れての引き受けとなったわけです。」
『嗚呼成程、それでサワアとヘレスの二人、んで白い部屋の3人だったと。』
「文句あります?」
『ないでーす。帰りますか。』
「文句なら一つ良いですか?」
『あっコルン様はダメです。』
「何故ですか!」
何が何でも後で聞く。そういったメルに、メルはちらりと目を合わせて笑ってふる。
それに色々考えたこちら側のコルンが頭を抱えた後、手を振った後しっしと
さっさと出ていけコールをしているのか口が動く。
嗚呼本当に帰るのか、いやまてでも駄目だ。
ふわりと未だ浮かぶメルに、元居た世界のサワアがメル?と声を掛けた。
『ごめんね、私の勝ちだよ。』
「…っ!!!馬鹿!!!!貴方どうして!!!」
ブンと音が空でなったことに、顔を上げた。
〈おめでとうございますシークレット達成です。特別ボーナスを渡します。〉
ぱんぱかぱーんと、なんとも気の抜ける音と共に空から落ちてきたものをぱっと手に取り開く。
〈食べて下さい〉
『いや明らかくいもんじゃ』
〈食べて下さい〉
『あれ待って?これ食べないと元の世界戻させないやつ?』
そういったメルに背後の扉がバンと閉じる音がして笑いだす。
待って待ってもうそんなやめてよ〜〜〜と笑って手を横に振った後
『あ?お前殺されたい?』
ブチ切れだすので落ち着いて下さいとサワアがなだめる。
『別にお前をこの場で喰らうなんて出来るんだよ?』
〈特別ペナルティーを出されますか?〉
『…私が死ねばお前も死ぬくせに。なあ?この世界のエフェメラルよ。』
「っなに!?!?!」
『教えてやろうか。どうせ私のことだ。
肉体が維持できなくなった魂が願いの部屋を創り出した。
それはどんな願い事も叶う場所で、
樹が駄目なら部屋にしてしまおうと試しに作ってみた。』
だがそれでも人が入らねば無理だし、
と思ってあれよあれよと実験をしているとだ。
『自分と同じ人間が出てきた。それも名前も同じ、
まさかまさかと思いきや、別世界の人間が。』
それも、完成させた自分が入っていたとは驚いた。
『私なら少しずつ気付かせ、その時点で受容を認めさせる。
加えて思考が溶ける様なお題を出して混乱させている間に
元居た場所の道を創り出す。数多もの道から一つを思い出す
なんてかなりの時間がかかるだろうからなあ?』
「…貴方何時から知って」
『正直今知った。カランコエが死んだというというのは
肉体で戻る行為をしなくなったという事。
魂が死ぬというのはあの状態では難しい。』
ならば、肉体に入れなくなった魂が存在しているということ。
その魂が居る場所を、創り出す、それは華神の願いが叶わなくて当然。
魔女にもなれず誰とも話せることもできない。
『それならいっそのこと、同じ人間に助けを求めたってこと。
いやにしても手折る瞬間気付かなかったら私死んだの分かってやっただろ。』
「…いや、私なら絶対に分かってくれると気付いてたから。」
「っエフェメラル!?!?」
「…ありがとう私」
『どういたしまして私。これを機に白い部屋なんぞ出すなよ?』
「善処します♡楽しかったでしょ?」
『アルプス以外は正直イマイチ』
「えええええええ」
冗談冗談と言ってメルは軽く駆け足でサワアの元に走って振り返る。
『じゃあね、私!ソレ、ちゃんと抱えていろよ?一度しか助けれないんだから。』
「…ありがとう私。ちゃんと抱きかかえて生き続けるよ。」
笑った二人に、ではと元々の世界に居た大神官が声を上げる。
ぱちんと指を鳴らし、今度こそ消えて居なくなった。
「あ〜あ!戻ってきちゃったあ〜な!」
「…メル、様」
「…綺麗だねえ?ヘレス泣かせたら私貴方悪魔にするから。」
「っふふ、それは、困りましたね?」
「ならわらわと三人で挙式を執り行うか?」
「あ?え?なんで?」
「わらわはお前のことも好いておるのじゃから。」
よいだろうと言ったヘレスに勿論だとサワアが答える。
「貴方をずっとお待ちしておりましたので」
「まって!?!?!?ほんとにまって?!?!?!?!!?」
「っくくく、いいのですか?奪われますよ?」
「…私が奪われたのはこちら側ではないので。」
「おやおや、本当にあの子を?」
「それに、印もちゃんとつけましたので。」
ちらりと見た視界に、クスリと笑って答える。
「また、会いに行くとしますよ。」
++++++++++
そんな世界とは打って変わり、ドアを開けたメルに
一同が記憶の廻廊に戻ってくる。
『ああああああああほんとにかえってきたああああああああああ』
「まだ廻廊の内部ですがね」
それでも私にとっては夢のまた夢だと思ったのだ。
『いやほんと死ぬかと思ったマジでコルンに殺されかけた。』
「…それを聞こうと思っていたのですが、メル様。」
『はあい?』
「先程から貴方から私の匂いしかしないのですが、
あちらの私は貴方に一体何をしたんですか????」
『にげるか♡』
「ちょっ!?!?!?おまちなさい!!!!!」
話しはおわってませんよ!!!!!
そうドアを開けて走って逃げる
メルを追いかけるコルンに
メルはだってえええと声を上げて空を飛ぶ。
『コルン様じゃないしいいじゃないですか!!』
「私がいたたまれなくなるんですよ!!!私が!!!!!」
『だってそんひああ!』
「なにへん、な、こえを」
あっまっず。
ぼたぼたと落ちたことにメルの顔が青ざめた。
ん?と思った彼が下にしゃがもうとして気付いたのか身体が止まる。
よし、そうだ逃げよう。
そう思って背後を見せたのが悪かったのか。
ぽんと肩に手を置かれた。
「少々此処で聞くのはまずいというのはわかりました。
お部屋に連れていきますよ。」
『っあ』
「すいません、貴方の記憶をほんの少し見させてもらいましたが
…詳しくはあの例の、お部屋でお聞きしますね?」
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
ああああるとおおさわあああたすげでえええ』
「ごめんそのコルン様の状態私はお手上げ。」
「助けてあげてもよろしいですが…ご同行しても?」
ひきつるコルンに、ぱあと顔が花を咲かせるように笑うメルだが
はて、こんなきれいに笑う彼だっただろうか?
嫌な虫の知らせは直球であってだな。
「じっっくり、教えてもらいますよ?」
『ひ、や、やだ、コルンこらちょっと放して!!』
「コルン?放したらどうなるかわかりますよね?」
「……すいません、メル様、
私も事情が知りたいので此処は助けられません。」
『あああああああああああああ』
そう数時間前で入っていた部屋にお戻りになる私。
嗚呼もうだめだああおしまいだあああと声を上げながら
コルンの背中に手を置いて後ろに手を伸ばす。
++++++++++
「………とりあえず申し訳ございませんでした。」
『も、もういいから、ね?だから顔を上げて?ね?』
「顔なんぞ上げられることをしていませんが????」
メルの許可を取って、メルは渋々彼らに記憶の共有を行った後のこと。
向こう側ではあるが、コルンが取った行為に本人ではないものの
自分が彼女を犯したという状態に落ち込み軽く跪いて深く反省していたのだ。
『一応いままでは避妊してもらえてたし』
「ん?待って下さい今までとは?」
『あ』
「メル?」
『嗚呼いういう言います言いますから!!
最後三回だけ入れられただけだって!!
……孕んじゃうかもとか言われたけど。』
「ーーーーー」
『あああああこるんさまがああああああああああああああ』
その言葉でコルンが気を失った。
これはメル様が悪いと流石にサワアが言う。
『でもあの状態で私結構頑張った方だよ?』
「まあ背後を取られなければの話しですよね?」
『うぐ』
「後で躾をし直すとはしてですが、これは?」
『…えと、その、ゆ、ゆびわ?』
「何故つけているのです?」
『えとおおおああああこるうううううん』
「向こう側の弟に助けを求めても無駄ですよ。」
「そうですよ、こうして助けに来るくらいしかできませんし。」
「っええ!??!!?」
『あ、ほんとにきやがったこの野郎。一昨日きやがれ』
「そりゃないですよねえ?」
まあ本当に試しに来ただけなのでまた来ますが
そう言いながらも近くに寄ろうとすると
パシッと手を叩かれる。
「おや」
『さ、さわ、あ?』
「余り貴方に触れられたくはないので。」
「…まぁ、そうでしょうねえ。そうそう言い忘れていたのでそれを伝えにと、メル様」
『あいなんでしょうてやんでい。』
「その返しはあの……いや、まぁいいでしょう。」
『あっ許されたやっふう!!!』
「本当にお説教しますよ?」
あっすいません。
そう半泣きになったメルに、息を吐いた後
此方側のコルン様の様に態度を改める。
「貴方の腹部にあるその印ですが、私が管轄をしていましたのを覚えてますよね?」
「印?」
『ああこれ』
「〜〜〜〜〜!!!!」
「それは私が居なくなれば印も消えると同時に記憶も」
忘れるんですよ、そういった途端
メルはサワアの元から離れ、胸の服を掴んで上に引き上げる。
『…おい、お前いい加減にしろよ』
「っメルさ」
『確かにやられたことは怖かったし嫌だったし帰りたかったよ。
でもすぐに分かったのあんたも分かってるだろ?ねぇ。』
迷子になって戻れなくて、怖くて泣きそうになっていた私を。
この状態で帰せば本当に崩壊した世界に連れて行きそうで。
そうなったら本当に取返しもつかない。
それならばいっそのこと、此処に怖さを植え付けて
この場に居座らせて保護をしてしまえばいい。
記憶を消すのではなく、濁らせる。
額縁の表面にあるガラスに、軽く霧を振り掛けるみたいに。
少しだけ奥が見えにくくなるみたいにして。
『私が記憶を消すのはいいけど、
お前に記憶を消されるのは許さない。』
「…本当に呆れる程優しいのですね貴方と言うお人は。」
『私が優しいとか誰が思うか。』
「少なくとも私は思いますし、後ろのお三方もそう思っていますよ?」
『ん?コルン様とサワア様が居るのはわかるとしても』
もう一人?と胸倉を掴みながら見た所に居たのは
『っだだいさま!??!!?』
「はい、ダイ様ですよ。向こうの大神官から伝言でして、貴方の処遇という話で。」
『…あ』
「どのような始末でも喜んで。」
「メル様」
『やだ。』
「駄々をこねられても困ります。」
バッと両手でコルンの方を庇うメルに、大神官が首を横に振る。
ちゃんと優しかったのだ。痛めつけるわけではない。
最初に逃がさないようにした時の目だって、
怖かったのはどうして私を逃がさないようにするか分からなかっただけで。
その目は、確かに私を見てくれていたから。
『悪いことしてない』
「しましたよ、たくさん。」
『私がしてないって言ったらしてない!!!』
「…メル様」
『ダイ様』
「なんでしょう」
『もしも変な処遇するなら私。この華枯らします。』
「っ!!!」
「なりません!!!」
『完成されたとはいえ、優しい天使を処罰するのがこの世界のルールとあれば。』
それは私にとって、完成されたものではないので。
笑って手に力を籠めようとした時、ぴたりと止める。
流石に其処迄本気ではないのだ。そう、流石に?うん。
だが割と本気な状態のメルをみて、困りましたねぇとため息を吐いた。
恐らく消滅は免れないだろうと判断はする。
だって一応地位的にまずいのだ。
華樹神を天使がたぶらかしたみたいなものだし。
あれまって文字的には普通に悪くない?
待って待って待って????
「っくくくく、本当に貴方と言う人は。」
『ほえ?』
「此方に遊びに来られても構いませんが、
お仕事もきちんと全うして下さいね。
というお知らせだけですよ?」
『〜〜〜〜〜〜〜ダイ様達はかったの!?!?!?!』
「っはははは、そんな訳ないでしょう?」
『あああああ笑うなあああああああ』
「……あ、の、だ、いしん、かんさま、が?」
「笑っていますねえ」
口元で笑いを堪える大神官の周りを
ねぇどうして?どうして笑うの?!ねえええ
なんでよおおおと叫びながらつられて笑うので
笑ってきちゃったじゃんねえええと文句を言って
更に笑いだすというループが生まれる。
「小さな頃からこんな感じですよ?」
「そう、なんですか。」
「ええ。」
そうコルン様の方が呆れてみているのに対し、
サワアが昔からあんな感じだと笑って前を見た。
酷いと文句を言っているメルに、すいませんと笑う大神官。
小さい頃の彼女も、同じ様に、対等で話をしていた。
大神官よりも低い位置に行って話をすることは
最近出来るようになったくらいのことであって。
「ほんと、面白い方ですね。」
「そうでしょう?あげませんよ?」
「それは彼女が言うべきことでは?」
「…さあ?」
「向こう側の私よ、頼みますから引いて頂けませんか?」
「おや、此方側の私はそんなにも臆病になってなにをしているのですか。」
「メル様に充てられただけでしょうが。」
「…ま、それは事実ですねえ。」
プリプリとひとしきり怒ったメルが此方を見て軽くニコリと笑う。
壊さずに、ただその時間を野放しにするわけでもない。
その時間を、ただただ、自分のものに出来るように。
極力自分の範囲内で、寄り添いその場を愛そうとする、その精神に。
「私は惚れてしまったんですからねぇ〜。」
「…もう少し厳しい処罰を与えた方がいいのでは?」
「別に私は構いませんが、彼女が許さないと思いますよ?」
「ですが」
『ストックホルム症候群絶対ないよ。』
「いや他所からみたらそれに入りますって。」
なんで!なんでもです。ケチ!それであればケチで結構。
そう今度はコルンの方に戻って痴話喧嘩をしていたメル。
「ま、本当に子を孕んでしまえば、それ相応の対応はしますがね。」
『ぴ』
「大神官様」
「安心して下さい、少なくともメルさんが泣くようなことは致しませんよ。」
『記憶を消すとかだったら私泣くからね?』
「ええ、だとしても貴方は必ず記憶を取り戻すでしょう?」
どうせ、消せれやしないのだ。
『私が天使と人間の子だから?』
「…っ!!」
『あ、驚いた。』
「っメル様何処でその話をって嗚呼成程」
「私は言っていませんが?」
『向こうのカランコエとお喋りして発覚したし
なんならこうしてプラティア出入り自由に出来るようにしてきた。』
「っわ!!」
「よ。何か用か?」
『いや向こう側に居た時の説明中だったから。
そんなことよりカランコエは?』
「嗚呼その話ならついでに出ていても?」
アタシも話があると言う彼女に、まぁいいかと頷く。
流石に客室で立ってというのもあれだということで、
メルはお茶を取ってくると言い出した。
プラティアに裏庭に皆を連れて行けと指示し、
部屋を出て行ったメル。
「全く、人使いいや天使使いが荒い神様だよなあ?」
「プラティア…」
『ね〜え〜!紅茶が良い!?プラティアはブラックだよね!?』
「なんでもいいだろうが!さっさと自分の好きなの入れて
適当に見繕って来いってば!!!」
『やああああああ』
「お二人で出してこられてはどうです?場所くらいは把握していますし。」
「お、それじゃあ弟の言葉に甘えるとするか。」
『私一人で出来るよ?!?!?!』
「アタシが心配なんだよ。」
いったいったと、帰ってきたメルの背中を押しながら
メルはいやあああああああと叫び声を上げつつも
ドアを閉めて階段を下りる音が消える。
「…全く、本当に騒がしいですねえ。」
「大神官様、半分本気でしたよね?私を消滅させるというのは。」
「ええ。まぁメルさんを蔑ろにしたら、という前提がありましたが。」
「そんなこと、はなからする予定もないのです。」
「なので、今回は特別扱いということです。
向こう側のお仕事も管轄されていたご様子ですし、
暫くは向こう側のカランコエ様のお仕事の引継ぎもと考えていまして。」
「成程、それはそれは。また彼女を連れていくことにしましょうか。」
その付き添いとあらば、そうお辞儀をしたコルンに大神官は今度こそ移動を開始したのだった。