謎をあつかうような仕事ですね
「しょこ!?!?!?」
「ええ、アルトさんは此方で修行をして
あれから弱音も殆ど吐かず、かなり努力をしています。
旅のお礼もしていませんでしたし、
これを機にと部屋を大きくするのは」
「…お言葉ですが、
あの部屋を変える予定はありません。」
おや、意外も意外。
「何故です?手狭になっておりませんか?」
「いいえ、あの狭さが丁度良いのです。」
本当に変わったと思う。
少し目を開けて驚いていたコルンは
目を閉じ暫く考えた後「…わかりました」
と、了承の言葉をかける。
「ですが、書庫は隣にあるほうがいいでしょう。
部屋に入って左側に作って差し上げます。」
「わぁ」
「よかったですね、アルト様」
「うん!」
「うんではありません!アルトさん!!」
ひぇと声が出るアルト。
どうも会話の仕方については一向に能力が上がらない。
もう開き直っているとしか言いようがないレベル。
「本にハマっているのですか?」
「えっと」
おや、これは…
「本と言うか、いや本?本か。
なんか絵本みたいなの面白くて。」
つい絵がついたお話借りちゃったり、買ってきちゃって。
それで読みふけっちゃうんですよ。という。
まぁあながち間違えてはいない事実だ。
だが、勉学という方に重きを置いている点では嘘になるだろう。
それをコルンは知っているのを、彼女は気付いて言うのだろうか?
もしそうなら、とんでもない化け物を育てていることになる。
いや、考えないほうがいい。そうだそうしよう。
「へぇ、私も一時期薬草シリーズの本漁ってたなぁ。」
「確かフェル様は惑星、ロスフェリのご出身ですよね?
魔術系の薬学系が発展したとされるあの別名薬草惑星。」
「ええ、魔術系の薬草はご飯にもなるし、
薬にもなるのが多いからね。
書庫とか普通に増設に増設重ねてたよ。」
懐かしいなぁそういえば
久しくいっていないけど、破壊された?
そう聞いたリキールに、本人がいいやと答える。
「あそこは君が居た星というのもあるが、
知能の高い人間が住み着いているからね。」
「徳が非常に高い為、破壊はしておりません。
なんでしたら前の破壊神から長くある
かなり古い惑星ですから。」
「へぇ、そんな惑星があるんですね。」
「えっ待ってロスフェリって、あの、ロスフェリ?」
フラン・グレンツェントの石があるあの?
そういったのは元第八宇宙の華神であったハシュクロードだった。
紅茶が少し揺れるのに、騒がしいですよと指摘をしたのは
元第八宇宙の華神に仕えていた付き人、加護天使のラシルである。
「ええ、ってかよく知ってますね、
それって確か滅茶苦茶古い
伝説級の石じゃなかったですっけ?」
「そりゃあそうですよ。創設者この方ですし。」
「ええええ?!?!?」
「ちょ、黙ってるところでしょ!」
「いやいや、貴方が創造したにしてはかなりの年月ですよ。
というか調べるところ唯一の星では?」
「ねぇ、待って。そんなこと聞いたら
猶更あそこら辺周辺の惑星、
破壊出来ないんだけど…」
そうさらっと大事な人たちが
住んだり作ったりの話を聞いてリキールが困る。
まぁそれもそうだろう。
知らないほうがいいことだってある。
それにはハシュクロードも謝った。
「話を戻して、書庫というのは
ご自身で作って書いた本を並べていたのですか?」
「嗚呼、薬草関係はそうですよ。
まぁ地元の勉強は一応
街に出て買ってしてました。」
しておいて損はないですから。
そういったことをきっかけに、そうだとフェルが叫ぶ。
「今度遊びにいきません?
皆さん連れて。出来ればメル様も」
「嗚呼、君の魂と繋がってた神様だっけ。」
「別にそれはいいんですけど、お邪魔しません?」
「いいのいいの、
久しぶりに家にも帰りたいし、
薬学は結構楽しいんだよ?」
「嗚呼それはちょっとわかるかも。」
そういったのはハシュクロードだ。
「確かハシュクロード様って
植物の華神だったよね?」
「ええ、その通り。そのため、
植物系の惑星には特に力をお注ぎになりました。」
「嗚呼なるほど、だから
あんなにも活気づいてるのですね。」
そういったのは界王神イルだった。
「惑星にしてはかなりの長生きな上に、
外からの侵略もない。
結構レアな惑星だと思っていましたが…」
「嗚呼下手したらバリア張り続けてるのが関係してう?」
「えっっ」
「…ハシュクロード様、
つかぬ事をお聞きしますが、
まさかアレを忘れていたのですか?」
そう聞いたラシルの髪が下にたらりと下がる。
それにハシュクロードはそっぽをむいた。
金色と紺色の目が違う方向をみているのに、
何をしていたのですか?とコルンが聞きだす。
「その昔、まだハシュクロード様達が
華神としてお仕事を全うされていた頃、
各宇宙で妙な動きがありましてね。」
「妙な動き?」
「ええ、変に彼女達華神の使う
星の近辺が荒らされていたのです。」
流石にと、華神達が緊急で会合を開き、
星の一つでもと外から出ていきは出来るが、
戻れないようにバリアを張っていたらしい。
外から来る奴らに内側から破壊されるのは困るから。
それと
「華神様達のエネルギーの元にと、いいますか。」
「私達の力の存在意義って形に近かったの。」
「ほぉ」
「それが、あのラスフェリだと。」
「ええ、ですがアレは移動も制限されています。
解放するにはまた華神様達全員で会合をし、
可決を取り、更に華樹神様と、
華樹神官様に許可を貰わねば。」
「そうだねぇ〜〜下手したら
長くて一億年かかっちゃうね。」
「いっ、いちおっ!?!?」
それ程の長い期間、放置していたのだ。
「最早生きる化石の惑星ですね。」
「いっそのことそのままにしとけば?」
「そうはいいますが、
一度華樹神様も交代されるとなれば、
元々当時いなかったとはいえども、
許可はある程度必要になります。」
当時は大神官様にも手伝って貰って何とかしたからね。
そういったハシュクロードに、へぇとフェルが言った。
「早いと半年くらいかな。」
「数分で終わりそうな話でもありますがね。
いずれにせよ、ハシュクロード様達は
すでに華神から外れております。」
「そうか、華神の管轄から外れたから、
解除も不可能と…」
「そんな……」
「まぁあの地は下手に入るよりかは
そのままがよろしいかと。」
「私も同感。」
そういったのはアルトだった。
「そこまで知能も資料も深い情報量で生き続けて、
戦争とかもしても生き延びるということは、
相当の技術者がいるか、もしくは星が
定期的に再生成されている可能性もありそうだよね。
ほら、昔あった惑星ランドリーのようなやつ。」
「…あ、ああ、まさかあの銀河89の
3432の青い星惑星ランドリーのこと?」
「そうそうそう、確かあの惑星って
再生成エネルギーがあって、
人の生命活動が少々吸収されつつあって、
生き続けたとかの。」
「よく、ご存じですね。」
長生きをしていた彼女らでも、
思い出すのに時間がかかったものだ。
資料も膨大な量があるというのに、
いつの間にと周りが驚く中、
流石にしまったと思ったのか、訂正を入れる。
「じ、実はコルン様から本を少しずつ借りてまして…
それでちょこーっと入った時に奥の方をみちゃいまして。」
「興味本位で入っていたのは見ていましたが、そこまでとは。」
流石にばれたので、これは致し方ない行為だ。許せ。
「まぁ可能性はなくはないでしょう。」
「人が死んでは?」
「それはない。私達の力で不老不死の術もあるくらい。
まぁそれが生命体の引き金になっていたら、尚更かもね。」
「在り得なくはない話ですね。」
いずれにせよ、視察は行った方がいいなと言ったリキールに
界王神と声をかける。それに任されたと言って彼は消える。
どうやら情報を聞きに各界王の元に移動したらしい。
「じゃあこれにて茶会は終了だ。」
+++++++++++++
「いやほんとにひっっっんんろ」
アルトはびびった。その広さに。
いや本当に広いんだもの。
強いていうなら、なんだ、これは。
学校の図書館と言うべきか
いやあれは図書室とか言ってたな。
いやんなこたどうでもいい。
その広さに驚いている。
元々自分の自室は少し部屋が
区切られているが、3区間になっており、
それぞれ15、10、8くらいの広さである。
もちろん畳単位だ。
その15の部屋の左側にドアが設置されており、
15の軽く3倍程の広さがあった。
いやいらん。こんないらん。
そう思ったアルトの動きは速い。
「コルン様。」
「なんでしょう。」
「減らしてください。」
「なりません。これくらいは余裕で事足ります。
というか、貴方が持っている書物の量からして
現在の部屋では、流石に狭すぎます。
久しぶりに入ったらなんという有様ですか。」
指を指して図書室に等しいほどの広さを
収縮しろと言うが、断固拒否された。
書物は全て此方に移動しなさい。
そういってコルンが勝手に書物を移動する。
嗚呼というアルトだが、まだ隠し持っていますよね?
と、ぐいっと見てきたコルンに腰が引ける。
「えっっ」
「杖にかくしているでしょう」
「あっいや」
「だしなさい」
「えと」
「あると」
そういわれると、出せないわけがない。
メルのとっておきも少し含めて、
まぁまぁの量を出すと怒られた。
どうしてこうも放置しておくのですと。
「いやだって、別にあの部屋くらいでよかったですし、
それに手元から出しては引いてが楽ですよ?」
「ズボラの典型例を出すようなことはしないでください。
この部屋の三分の一が埋まるほどの量ではないですか。」
狭いとは何処に。
三分の一が入り、なんなら上にも広いので、
二階部分にメル達との思い出を、
一階部分には資料やら
この第八で管理している書類を纏めて
やっただけでもありがたいと思ってほしい。
加えて言えば、その日本語とやらの
勉強道具に話を振らないことにもだ。
「うっ」
「全く、これから相談はするようにしてください。」
「わ、わかりました」
「よろしい。では後の処理は任せました。」
「あ、ありがとうございました!!」
そういったアルトに、
コルンは嗚呼そうそうと部屋から出る前に話す。
「明日に有休をとらせます。」
「え」
「…沢山努力をされたのです、
沢山遊んできてらっしゃい。」
そういって笑って出て行ったコルンに、
今度こそアルトは笑った。
なんならコルンに抱き着いてお礼を言った。
これ!!レディがはしたないですよ!!
と言うコルンだが、割と投げ捨てなくなったところ、
絆されていると思う、アルトだった。
+++++++++++++
「と、言うわけで休暇が三日とれちゃいました。」
「いやだから此処来たのかよ。メルは」
「誘ったら無理ってことわられだあああ」
おまえなぁと泣きながら崩れた
アルトをみてカミカゼはため息を吐いた。
此処は第七宇宙、
折角休日を貰ったんだから休めよと言ったが、
どうも真面目さが元々あるらしく、
そうは言ってられないと言うのだ。
「書庫まで貰っちゃってもうほんと困るんだよ!!!」
「お前もか」
「えっ???」
「僕の方も実は貰った」
「なにを」
「書庫を」
お前話の流れ苦手か?国語の文章は。
うふふ
おい馬鹿進んでねぇだろふざけんな。
「ったく」
「そういうカミカゼも、書庫貰ったんだいつ?」
「昨日」
「えっ」
「なんなら休み貰った。お前と同じ。」
「えっグル??天使グル??」
「…お前後でしごかれても知らねぇからな???」
俺は言わねぇけどというカミカゼに、
お前も思ってはいたんだなとアルトは察した。
「ってことは、メルもか?」
「嗚呼在り得そう。
あの子一度整理始めると
終わるまで時間かかるし。」
それで断ったのも頷ける。
なんなら彼女は私達
天使と破壊神二人分の教育も兼ねているのだ。
そろそろ勉強の速度的に
キツイと白旗が上がりそうなほどに、
最近答えた書類が送って
待つ時間の方が長いくらいまである。
「下手し俺達ばれた?」
「かもしれないけど、
放置されてるっていいんじゃね?」
「いや馬鹿ダメだろ。」
「ええ」
「綻びは何時解かれてもってわけにはいかない。
というかそれを許せば最後だろ。」
時間の問題、というのがもう困るところだ。
「どうする、ついでに勉強していくか?」
「いいの!?!?!?」
「もう今更だろ。どうせ布団の中に入って
蹴り割り込んで奴だからな。」
「あっ!悪口だぁ!アルトしてないもんね!!」
「そりゃ俺がお前の布団に戻したからな!!
寝相最悪なんだぞお前!!!」
「おかしいなぁ、部屋では全く動いてないんだけど。」
「…まさかお前、寝て覚めたら元の場所に戻ってる????」
何それホラー?夏まだだぞ。
いやー夏の概念あると思う?
いやそれ言い出したら色々終わりだが。
そう中身のない話を続けながら
廊下を歩いていると、人に出会う。
「あ」「お」「ん?」
「カミカゼ、そいつは」
「嗚呼、ベジータさん悟空さん
来てらっしゃったんですね。
こんにちは」
「よ!んん?誰だおめー」
「ひえ」
「これアルト、お二人の前ですよ。
怯えなくていいんですから。」
「だだだだだだdああdsfかjsdf」
「…俺達何かしたのか?」
「いんや?」
「いえ、初対面の方にはこういう態度ですので。」
あと近いですよ悟空さん、あっわりーわりー
そう謝る悟空に、はぁとカミカゼは言う。
「おめぇつえぇんか?」
「悟空お前…」
「僕やメルよりも圧倒的に弱いですよ。
正直武術は諦めさせる方がいいくらいです。」
「…それは、天使としてどうなんだ?」
「あう」
「ベジータさん、それはちょと触れないでいただいて。」
彼女泣きそうです。…すまん。
そう謝るベジータに、
半泣きのアルトがもう行こうとせかす。
それにわかりましたと答える。
「すみません、ウイスさんに伝言を。」
「んん?なんだ?」
「アルトが遊びに来て軽く半泣きなので
慰めてから挨拶に行きますと。」
「びえええええ」
「…泣き出したが、大丈夫なのか?」
「いいえ」
ではこれでそういうカミカゼに、
悟空は大変だなぁと呑気な声を出した。
+++++++++++++
「全く、貴方と言う人は……末恐ろしいですね。」
「……えへっ☆」
えへではない。えへでは。
さっきの精神的な不安定から何から何まで演技が凄まじい。
恐怖など、人見知りなどするわけもない彼女なのだが、
その慎重さ故か、アホさ加減が滲み出ているのか知らない。
だが、まぁ殆どの人を騙していくのに、
カミカゼは一瞬恐怖を感じ取っていた。
「一応コルン様も騙されてる」
「…終わってる」
「ま、これまだまだなんだけどね」
「……猶更終わってる」
これが更に磨かれたら、
もう彼女の本心を知る人はいなくなるだろう。
それ程に、アルトの演技は目を見張るものがあるのだ。
いや、逆か、目を見張ることがない。
させてくれないのだ。
あまりにも、自然過ぎて、素通りしてしまうのだ。
「ベジータさんは騙されないはずですが、
何も感じていない様子でしたから、
ほぼ騙しましたね。」
「やった」
「…僕は貴方が末恐ろしいんですが。
どういう経験を積めばこうなるのです?」
「主に日本語のお勉強。」
「……僕も一応、しているはずなんですけどねぇ。」
おかしいなぁ
と、書庫の一階でノートを広げてみる。
うわあとアルトが言うのは国語だった。
「これなんねんせ?」
「何年生といえば、2年生でしょうか?」
「え?小学生?」
「バカ仰いますね、高校ですよ。」
ええと驚くアルトに、貴方は?と声がかかる。
「いっ、いちねんせ…」
「……まさか小学????嘘ですよね????」
「っで、でも、理科とか社会は小学五年生入ったから!!」
漢字難しくて、まぁ気持ちはわかります。
そういうカミカゼも、割と苦戦していたのだ。
「僕は文学が得意ですが、理系が難しくてですね。
数学と理科がイマイチ理解できなくて、小学生どまりです。」
「ぼくとおなじ!」
「本当に馬鹿ですか。高校レベルに行ってない人が何を言う。」
なんでしたら、このレベルをメルは
さらりと攻略しているのですよ。
多少ブランクやら有利なところはあるものの、
彼女の教え方からやり方はうまいと思っていた。
「ま、自分の復習にもなりますし、
国語あたりは手伝ってやりましょう。」
「いいの…!!!」
「ええ」
「お泊りしても!?!?!?」
「…コルン様とウイス様がご了承下さいましたらですが。」
やっっっっぱーりぃと喜ぶアルトだが、
まだ決まったわけではない。
軽く話をして、落ち着いてきたので、
そろそろかと思ったカミカゼの部屋がノックされる。
「はい」
そう日向側の椅子から席を立つと
同時に、失礼しますとウイスが入ってきた。
「おや、ご機嫌はよろしくなったようですね。」
「お、おひさしぶりです!おじゃましてやす!!」
「おほほほ、お久しぶりですねアルトさん。
体調は良くなったようで何よりです。」
笑うウイスに、
背後から悟空やベジータが出てくる。
どうやら彼らも心配していたらしい。
「おや、お二人とも隠れていないで出てきたらどうです?」
「だ、だってよお……」
「お二人で機嫌を損なわれたわけではありませんし、
アルトさんの機嫌が悪くなったことが貴方方の原因としても
カミカゼさんが怒っているわけでもないですから。」
「まぁそうだね。こいつ泣き虫だから別に大差ない。」
「あああああああいじめるうううううう」
大丈夫大丈夫って、なんか、
ちから、ちょ、つよくな?いだだだだだだ
そう今度はカミカゼの方が痛がり、
割と死ぬ気になるのが、怖いところだ。
「おほほほ!力は増えたが、
その扱いにかけている、
と言ったところでしょうか?」
「よくわかりましたね…」
「だてに何人も修行のお手伝いをしていませんから。」
「わあ」
「ウイス様」
「なんです?」
「アルトを此処に数日泊めたいのですが…」
構いませんか?そういったカミカゼに、
少々考えた後、そうですねぇと悩んだ後言う。
「構いませんが、二つほどお願いが。」
「なんですか?」
「一つはコルンお兄様に相談されること。
まぁ此処は当たり前と言ったところですよね?」
「ええ」
「もう一つが、アルトさん、
私と後はこの二人と戦ってもらいたいのです。」
「え゛」
「いい!?」
「だが、先程の話を聞くに、こいつは弱いと」
「単純に力の加減が難しいのでしょう。
他の宇宙の子を指導とあれば、
コルンお兄様も黙っておいでないはず。
そこら辺も含めて、
ご相談しに帰られていただきたいのです。」
許可がでれば、何時でもお泊りして頂いて構いません。
そういったウイスに、
アルトはわかったと言って席を立ち、
そのまま浮遊し始める。
メルから貰った石により、力が強まり続ける。
「私ちょっとコルン師匠に
土下座してでも頼み込んでくる!!
それじゃまた後でウイス様!!」
「いや、土下座とは言っていないのですが
…ま、まぁ、いいでしょう。」
どうせ言わせたのではなく、
彼女が言い出した、と彼も分かってくれるだろう。
そういうしているうちに、
数十秒で帰ってくるアルトに、全員がずっこけた。
余りの速さに、驚き困惑したのだ。
「あれ?どうしたの皆、床で涼んでる?」
「い、いや」
「その様子では、許可が下りたのですね。」
うんと嬉しそうに笑う。
もう家出かと言わんばかりの無駄な荷物に少々目を疑うが、
コルンから
「サイヤ人の奴らもいるでしょう、
食べ物くらい持っていきなさい」
と言われてこの量を持たされたらしい。
彼女の身体の数十倍はある量を
軽々ともって空から戻ってきたのは驚いた。
「3日程お世話になります!」
「ええ、構いません。」
「やたーーーねぇねぇカミカゼカミカゼカミカゼ!!!」
「なんです?」
「私にテスト出してよ!私超天才なったの!!!!」
そうウイスに荷物を渡して自慢してくるアルト
それにじゃあと言って一階から
適当に本を見た後振り返る。
「なんでもいい?何教科?5?8?それとも学校?
人文?社会?自然?総合?それとも応用?」
「ふえ算数ないよお!!!!」
「…聞いた僕がバカだった。
わかったわかった。人文とかまだレベル高すぎたね。」
「あああ馬鹿にしてるううううアルト頑張ったも!!!」
はいはいと言う二人の会話に、
仲がよろしいのですね。
とウイスが答える。
「いつの間にそんなに仲良くなったのです?」
「旅をする間にですかね」
「ウイスさん聞いて下さいよ!
カミカゼったらすーーごい寝坊助なんですよ!
私もうお腹空いて先に食べちゃったら怒って」
「いや、メルが居なかったから探しに行っただけだし、
なんならあの量を頼んで一人で食い続けるとか馬鹿だろ!!」
「やぁ馬鹿じゃないやい!!!
アレくらい成長期食べるでしょ!!」
「お前はなぁ!!阿保か!!
いくら生命体でも人間のような
体じゃなくなったんだろうが!
本来なら食わなくていいだろ!!」
寧ろ俺やメル辺りの方が
食わないとだめなのにというカミカゼ。
それにいいやんいいやんとキャンキャン煩い。
「全く、なら理系とくいっつってたし、理科から出すぞ。」
「どんとこい」
どやる彼女に、何の話だと悟空が聞く。
「旅の途中で面白い場所を知りまして、
そこの資料が面白かったので、
買ってきたのも含めて勉強をしているんです。
メルが採点してくれて、
僕たちは生徒という形に落ち着きました。」
「おやまぁ、なんと。
仕事をして疲れているのにも関わらず、
競いあってお勉強を?なんと素晴らしい!!」
そう感動したウイスが、アルトに近づく。
「最初お会いした時よりもかなり、
知識を蓄えてそうですし、
確かに嘘は言っていませんね。」
「え゛」
「おや、私を騙そうだなんて数億年早いですよ?
恐らくコルンお兄様はすぐに気付かれたでしょうし。」
「はわ」
「知識は技術、武器になります。
それが攻撃の一手にもね。」
そういったウイスと同時に、
嗚呼これはいえねぇだろと
カミカゼに対して言う。
「月は何日で一周する?」
「30」
「…おお、じゃあそれを何という?」
「月の一周?それは月の満ち欠け。
月の満ち欠けが起きる理由は
その星からみた月の太陽からの光が当たる
面積が月日が経過するごとに変わるから。」
そう的確に話すアルト。
「じゃ、じゃあ月の満ち欠けは?」
「新月から始まり、徐々に満ちていく。
三日月、上弦の月、十日余りの月、十三夜月、
小望月、十五夜、望月、そして満月。」
ちなみにと付け加えるアルト
「満月からは、十六夜月、立待月、居待月、臥待月
寝待月、宵闇月、更待月、二十日余りの月、下弦の月、
二十三夜月、そうして新月に戻って其処から繰り返す。」
そのぺらぺらと喋るのに、
驚きカミカゼだけではなく、
ウイスも目を丸くしていた。
「地球から見える天体の中では太陽の次に明るく、
白色に光って見えるが、
これは自ら発光しているのではなく、
太陽光を反射したものであって、
単純に月が白いからという意味合いではない。」
「え、あっ、あ、ってるけど…」
「何なら重力により、
その惑星の潮の満ち引きを起こす。
勿論月よりも格段に大きい質量を持つ太陽も、
影響があるが、その惑星の距離が
月より遠距離である場合、
月の力の半分以下になるはず。」
「素晴らしいですね。」
よくお勉強されております。
そう拍手が送られるのに、いやぁとアルトが照れる。
「私まだまだですよ、理科というか、
地形分野といいますか、
惑星系は楽しくてつい勉強のめり込んじゃって
他が点でダメなんです。」
「最初はそれでいいと思いますよ?
カミカゼさんも夜通し勉強されている時がありますが、
まぁこういうことがあっての、そういうことでしたら。」
「え」
気付いていないというのも、また勉強不足。
修行が足りてない証拠だと反省したカミカゼ。
本当に素直で可愛らしいとウイスが笑う。
「どうです?いっそのこと、第七の破壊神とか。」
「それは」
「いやです」
「おや、何故です?」
「アルトやメルのことを放置できません。
彼女達はとても優秀で、真面目な子達です。
その努力を無碍にする行為に当たると思います。」
だから、しないと。
「…本当に、素晴らしい破壊神ですね。」
「いえいえ、努力あるのみです。」
「ほんと、何処かのだ〜〜〜れかさんも
見習ってほしい者ですねぇ〜〜〜???」
「うるさい」
「ひえ」
「何ワイワイしているのかと思いきや、こんなへっぶ
「わああああアルト様だああああああああああ」」
こっっらミル!僕を叩き落していくな!
そう抱き着いたミルはガン無視する。
わーいわーいと喜ぶ彼女に、
すみませんと声を掛けた。
「ミルはアルト様達と話をするのを待ちわびていたので。」
「ラストリア、君ほんと甘いよねあの子に。」
「それは貴方もでしょう。」
「…君はほんとに生意気だよね、破壊しようか?」
「おや、それをしていいと、本気でお思いに?」
そういうのはラストリアの加護天使トレイーズだった。