きまっていたよお願いごとは
「…ふぁあ〜」
そうあくびをする悟空。
あれから数年が立った。
メルとミユは二人で華樹神となり、仕事をしているらしい。
ウイスからによると、本当に文字通り、
破壊神と界王神を司る華神と、
その付き人の加護天使が復活したとのこと。
その形は、12として、各宇宙に星を構えている。
星の場所だが、大体破壊神と界王神の惑星を
三角形に作るくらいの位置に星を置いているらしい。
ルメリアを含む、記憶の回廊に居た
感情の華神である12人は、
位置的に界王神の位置を司り、
破壊も可能だが、基本的には創造を司ることに。
コファを始めとする最古の華神12人は
その力が強いことを理由に、
破壊神として重きを置くことになった。
勿論、創造だって扱うことが可能ではある。
破壊神や界王神達の仕事が余りにも多すぎるので、
手分けして分配し、作業を効率よくしようというのが
メルとミユの気持ちである。
確かにあまりにも爆発的に多くなる仕事量は堪える。
実際、毎日の様に仕事をしていた第八宇宙も仕事を休み
適度に仕事をこなし始めているらしい。
それでも、星の価値が、人間の資質が上がらなくても。
暫くはこのままキープしようと全王様に言ったのはミユだ。
彼女曰く「絶対一日二日で出来る人なんてこの世に存在しない。
したとしてもそれは創造した幻想にすぎないし、
出来ても奇跡的な出来事だから、最初から考えない方がいい。」だそうだ。
それを聞いた一部の破壊神は笑った笑った。
兎に角笑って、もうたいそうミユのことを気に入ったそうだ。
とにかく、現在は神様の仕事も落ち着き、
各々趣味やらなにやら出来る余裕が生まれた。
勿論、現在の破壊神や界王神が
無能だからこうするのかという言い分も出た。
だがそれに制したのはメルの方だ。
『お前らは昔と今を勘違いする。
昔を積み重ねれば必然的に多くなる。
仕事量が多くなって裁けないのは人も神も同じ。
最初から出来るかどうかも見定めれないくせに
そうやって自分の首を絞めるからこうなるんだ。』
とのこと。
メルはけっっして現在の彼らが無能だと言わない。
と言うかむしろ全王様の目の前でぶっちぎり褒めたたえた。
これを機に、あえて消すのではなく、
育てるのはという提案だ。
こうやって消して生まれてを繰り返すと、
途中で辛くなるのは全王様の方。
ただでさえ力を消費するならば、
その力を温存し、
下の者を泳がすのも手だと言ったのだ。
それには全王様も受け入れた。
メルは破壊神や界王神達が無能だからこうなっているのではなく、
元々長い期間積み重ねた星々の量が、生命体一つ二つでは管理不能。
ならば、元々仕事していた加護天使や華神達を付ければということだった。
こんなにもティーナ達がこの場所に戻るということは
恐らくメルやらミユやら何かしらの引力が関係しているのは明白。
向こうの世界に戻すよりも、彼女達の話を聞いて、此方に居てはという相談。
勿論それで反対する人は誰もいなかった。
寧ろ賛成で、何処の宇宙にどんな対応をするかを、
昔の記憶を引っ張ってきたり、
資料が大神官様の書庫にないかとかで
仕事の話にもちきりとなったのだ。
殆どの人達が日本人。
つまりは根が真面目で、よく働く子達。
そりゃあもう手が早かった早かった。
すぐに界王やらなにやらの方に出向いて挨拶をし、
自身の住む星を作ったり、各々の身体を鍛えたりと動いた。
数年を立たずして、今の平和な時間が来ているのだ。
悪い者がいたら、ある一定以上のラインを越えれば華神が出向く算段となっている。
これは本来であれば、他の宇宙の破壊神が手を出していたことだ。
手を出すというのは気が引けていたので、割と助かるものである。
華神が無理ならば、華神達がすぐに応援に行くようになっている。
破壊神が渋るくらいならば、自分らで動いた方が早い。
現についこないだ、第12宇宙でとんでもなく強い敵が出たのだが、
秒でアラナが笛を吹き、第1、第5、第8、第11の華神が
敵の目の前に飛んできて終わらせたくらい。
もう敵も可哀想なので、流石にとメルが
『ねぇもうあのさ、せめて2人にしよ。
敵さん環境下が悪かった場合もある
可能性だってなくはないから。
ほら悪くないから…』
とお願いをしにきたくらいだ。
一番上が手をすりながら、謝りながら言うのはどうかと思うが。
まぁそれは別にもう、今に始まったことではないらしい。
そうして、悟空ものんびりすることが出来て少々暇だった。
大神官の名により、全宇宙のサバイバルを掛けた「力の大会」
それをまた同じように再開を試みたのだ。
「では、折角ですし、メルさん達も身体を動かしては?」
『え』
「それはいいですね。華神達そして加護天使達の戦いですか。」
「なんでしたら優勝者が次の華樹神というのは。」
「先生」
「なんでしょう」
「手は抜いちゃダメですか」
「「だめです」」
そんな泣き声も、彼女らだけが許されるというもの。
泣き声というか、最早ガンガンに泣いていたのは気にしないでおこう。
『いや絶対無理、私無理』
「同意しかない強い同意」
「お二人とも、そんなに弱気になってどうするんですか。」
貴方方、大神官様達と同レベルでしょうが。
そう呆れて言うウイスに、だってだってとメルが言う。
『いや無理だが?!?!?!力の大会ってあの力の大会でしょ!?!?
私11回目においてなんとか無効だったあのえげつねぇ大会でしょ!?!?』
「ええ、お二人共は違う位置として戦いますけれど。」
「えっっ、ねぇ一般参加ダメ?」
「ダメに決まっているでしょうが。何を言っているんですか。」
ひぇとウイスに言われて縮こまるミユに、メルはそうだそうだと答える。
『うちら力が強いんだよ!一般の人消し飛ぶわ!!』
「ええそうです」
『だから傍観は?』
「ダメに決まっているでしょうが。」
だから此処に来ただろうに。
そうウイスに言われてやあああと泣く。
全く、泣き叫ぶ華樹神とか聞いて呆れるし見ても呆れる。
示しがつかないとコルンも指導を受ける前から見ているというのに。
多分そろそろ死ぬんじゃないかなとは思う。
主に心配的な過労死で。
「だってだって、順位なんてやだよ。」
『ミユ…』
「皆が一番でいいじゃん。」
そしたら誰も悪くないし、誰もがいいよ。
そういうミユに、ウイスはため息交じりにそれではだめですよと答える。
「いいですか?己の力を抑え、闘うとは失礼に値します。」
「どうして?」
「逆に手を抜かれていいのですか?」
「いやまぁ…うん?」
『下に見られても別に文句はないし、こういうのだから仕方がない。』
でもまぁとメルが続けて言う。
『あくまでも順位は順位。
楽しめればよかろうなのだ
ってことにしたらいいのでは?』
「それだ!!!!」
「はぁ」
「すみません師匠。」
「貴方まで止してください。
私は貴方ほど強くはないのですよ。
カミカゼ様。」
「それこそ止してください。
僕は貴方に鍛えられた
と言っても過言ではないのです。」
勿論、ビルス様がお師匠ですが。
そういって笑うカミカゼに、
ふんとビルスが鼻を飛ばす。
「それにしてもお前ら、
最初よりも滅茶苦茶だよねほんと。」
「あはは、お恥ずかしい限りです。」
「ぶっちゃけ除外した方がもういいでしょ。」
「ビルス様!」
「いや間違ってないでしょ。」
確かに、メルやミユの力は強大。
現在の華神達が
どれ程の力を持っているのかも
色々知りたいところでの、この戦い。
なのでやることはやれるのだが。
「それは単純に、また10人探すのが
面倒、ということでは?」
「うっうるさい!!」
『いやでも、多分それしなくていい。』
「え?」
『その宇宙サバイバル?
力の大会に出場した人全員生きてるよ。』
その言葉にビルスが叫ぶ。
「えってあdふぁsdfか」
「ビルス様、ちゃんと言語化してください。」
「一応大神官様からリスト貰って
華神達に調べさせたけどいたよ。」
「端から端までとんでもないことを…」
「それくらいは華神出来るでしょう。」
メルの考え見てるとそうだよと言うミユ。
本当に二人とも、今では神様のTOPに君臨しているだけある。
黒いワンピースと白いワンピースの二人は、妙に鋭い。
「それに、メルの記憶に残ってたしね。
皆で遊びたいなぁって。」
『ミユ…それって』
11番目の時間が終わりを告げる時だ。
今からもう何千の時が過ぎたことやら。
ゆっくりと眠りにつくあの時間は、
ウイス達でも傷が癒えていない。
なんならメルを大神官の元に置いたのはそういうことなのだ。
ウイス達の元において、
あの時を思い出させたくないという、大神官が
ウイス達の気持ちを汲み取った行為である。
「今度は大丈夫」
「…なら、闘いの続きをしましょうか。」
「でも痛いのはやだあああああ」
『あ!ミユダメだってひとりはあああああ』
「ああちょ!…もう、」
「っくくく、これじゃあ指導にならないね。」
「全くです。」
ルメリアという人間が神になり、そしてその力を引き継いだ二人。
一人は神として、その身を無にして生まれ、
一人は人として、その身を知らずに別世界で歩いていた。
そんな二人は、生き別れていた片割れをルメリアが見つけ連れ戻す。
だが、拒絶反応なのか、それとも別世界だからなのか。
都佑は願いを言って、消えてなくなってしまう。
そうして、エフェメラルはメルとして名前を略し、
彼女を探す長い旅に出た。
約束という名の、片割れを探す長い長い、旅を。
そして、戻ってきた都佑は再会を喜び手を取る。
今度こそ、一緒に笑って生き続けるのだと。
「物語はこれで終わり、とはいかないのがソレですね。」
「にしてもあいつら、日に日に力増してない?」
「下手をすれば全王様の位置になりそうですね。」
「おいおい、流石にそれは」
「おほほほほ!冗談ですよ。」
だが、間違ってはないだろう。
その威力が、悪夢を引き起こすなんて造作もない。
それに
「(いまだ、彼女達が探している赤本が
見つからないというのが、
何とも腑に落ちない、恐ろしい点ですかね。)」
その後、メルはミユに事情を話し、
華神と加護天使に事情を話す。
勿論色々怒られたりなんなりしたが、
それは甘んじて受け止めた。
向こう側の世界に行くには、
この世界で願いを切り落とす行為。
もう向こうに戻れば
こちら側に帰れないに等しい状態の為、
強いていうなら、
新しい華神を作る
又は来てしまった人間を探すしかないのだ。
かと言って、赤本をどう説明するかにもよるし、
なんならその本は全て日本語で書かれている。
日本人が対象ならば猶更新人に探させるのは苦である。
「(ま、何もなければ、いいのですが)」
そう、なにもなければ。
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「此処にいたんだメル」
『…うん』
空の下、ミユはニコリと笑ってメルの隣に座る。
大きな木の下で、一面に広がる花畑を前にして息を吐く。
「三年後辺りに力の大会開くって。」
『うん』
「ね、メル」
『なぁに?』
「もしも、上が変わったらどうなるかな。」
この世界はまた、
変わるのかなそういったミユに、
きっとそうだよとメルは答えて起き上がる。
『私はそれに従うまでだ。』
「メル……」
『ここは最果て、向こう側の世界。』
私達は、ずっと、この世界を見続けるんだよ。
そういって笑うメルに、
ミユもまた傍によって身体を寄り添い笑った。
二人は一つ、一人は二つ。
そうして、巡り巡って、戻ってくる。
『そうしてまた、一つに戻るんだ。』
「メル…」
『この大会で、きっと沢山の世界が見える。』
そうして、また
『今度は二人で、手を繋いで、お話出来るよ!』
あの時の時間の様に、触れられないなんて
そんなことはないのだから。
目をキラキラと輝かせたミユがうんと頷く。
じゃあ準備しようとわくわくして走り出す。
いいねいいねと笑ってメルも走り出した。