小鳥をながめるように触れた
前回のあらすじ
フェルのご先祖様がアンダルシア様だった。
以上
そう夜闇の中、部屋に入った各々。
一階は綺麗にまとまっている。
フェルの家だ。
本当に。
「いや、何故フェル様のご先祖がアンダルシア様だと?」
『アンダルシア様って、この星の原初ですよね。』
「ああそうだ」
『そのあと、突っ込んだ話ですが、子供は?』
「作った。女と男が2人ずつだったはずだ。」
『そのご子息たちがどうなったかは?』
「一応この家を守るようには告げたが…」
『……フェル、確かさ』
君が居た時、祖母がすぐに死んだよね。
そういったメルに、うんとフェルは答える。
「貴方の感覚で正しいよ?
8歳くらいかな、子供の頃に死んで、
それからリキール様に会うまで一人で生活してたじゃない。」
『……だそうです。』
「いや、話がみえません。」
「つまり、アンダルシア様が代々引き継いだこの地を
力の根源でもあるメル様の継承でもあるフェル様が
引き継いだってなんらおかしくなかったってことです。」
「いやアルト、貴方には聞いていません。」
というかよくわかりますね。
いやぁそれほどでも
そういうコルンににやつきながら勝手に椅子に座る図々しさ。
『そういや、アンダルシア様ってこの家をずっと守ってるんですよね?』
「嗚呼、そうだが?恐らく、
お前達が死んでからすぐに生まれ変わったから
大体此処は軽く千年程私が請け負っている。」
多少埃臭かったが、数百年放置されていただけのようだったし。
そういった彼女に、なるほどと言ってメルは続いて聞く。
『では、魔術系の薬草とかも、ひょっとして完備してます?』
「んん?ああ、分厚い薬学本らのことか?」
『ええ棚三つ分の』
これだろそういって奥にあった本棚に手をかける。
それにうんうんとメルがうなずく。
「そうだ、これら全部私が下書きした。」
「ひえ」
「途中で綺麗な字になって置いてるから驚いたが、
これはどっちだ?」
『私は字が下手なのでこの子です。』
「いや!?!?!?!?」
「そうか。」
『なんかさらっと受け入れられたの腑に堕ちねぇなおい。』
さらっと文句言われた気がして嫌な気分だが。
まぁそういうなと言われ、席に座らされる。
家に入って左側に机があり、椅子が6つあった。
少々広いとは思っていたが、
子供が多かったことを考えれば納得の家の広さだ。
「魔術系の薬草はご飯にもなるし
薬にもなるのが多いからな。
一応書物は完備していた。」
そんな話はどうだっていい。
「お前達腹が減っただろう。席に座って待っておれ。」
「や、私手伝います!!」
「っふふ、ならフェルお前だけ手伝え。
私の子孫なら、そこら辺の奴よりも出来るだろ。」
「〜〜〜〜っはい!!!!!」
そう目を輝かせてついてくフェルに、
おっとと他の者を止めた。
「お前達は席に座って待っとれ、お前も」
「…ですが」
「いいから」
『お言葉に甘えておきなよ、コルン様』
「ですが、」
「そうそう、アンダルシア様は確かに破壊神様方のこと嫌いだけど、
それは理由があったからに過ぎないし、良い人ってわかったら優しいよ?」
なんならこうして家に招くなんてなふぼっ
ああああああアルトおおおおおおお
そう横から人参が飛んできたのを
直で食らったアルトに、メルが椅子から立ち彼女の介抱に走る。
ぶんぶんと肩を揺すっているのが介抱だと思っているのならば
少々今度躾をし直すべきだと小言をいれるかどうか、
コルンは元師匠に相談するかどうか、迷ってみていた。
「それにしても、広い家ですね。」
『だよね、私もそう思った』
玄関から入ると左側は窓側。
小さくも家からしたら広い椅子と机。
玄関から入って奥には三つ程の棚があり、
右側はキッチン。キッチンに入る前に廊下があり、
その廊下のすぐ左には階段になり、二階に繋がっている。
階段の手前にはドアがあり、その奥はトイレと風呂だ。
ちなみに、階段を無視した突き当りは各部屋があるが、
薬草を管理する下処理の場所で、仕事場と言った所。
突き当りのドアは普通に外に繋がっているのだ。
まぁ反対側の突き当りは普通に物置兼掃除道具入れだ。
玄関左側は荷物置き場。
因みに地下室行きはキッチンの床下だ。
荷物置き場と仮の逃げ道として棚の左端、
窓側に死角にもなっている抜け道がある。
二階は上がって左がフェルの部屋。
右側は三つ程部屋があるが、材料庫だったり
素材の資料を纏めて研究する研究室だったりする。
幾つか部屋があったりするが、
どうやらそこは元々子供たちの部屋らしく、
フェルが使っている場所は
次の子供にと開けていた場所らしい。
『この家本当に広くて、探検するの超楽しかったもの。』
「一人では流石に広すぎますしね」
「ねぇねぇ、フェルの時って、この家どうやってしてたの?」
『んん、私実は当時管轄外だったんだよ。』
「と、いいますと?」
『名前に近いと行動も緩くなる。でもフェルは
確かにエフェメラルとしてはほぼ出来るけど、
前の時に少々ドジしたから自粛してたんだよ。』
「まえ、といいますと、第七ということですか?」
そうコルンはそっと席に座る。
アルトの隣で、メルはアルトの隣
つまりコルンと話をするのはアルトを通してになる。
『そうそう、ちょっと色々あってね、ウイス様達には苦労させた。』
「…猶更彼らが過保護になるのはわかりますね。」
『でしょ?だからさ、ちょっとね。』
「ではリキール様にはお会いに?」
『其処が曖昧。だから初めてというか、
11番目で貴方達と出会った時は
ちょっと見覚えがあるようでなかったんだよ。』
「なるほど、記憶が曖昧だったと。」
そういうことだ。
「なら、この星で暮らしていれば
ある程度の薬草が生えている場所もご存じでは?」
『いや〜〜〜〜知っていはするけどもですね、
此処の星って、結構な頻度で
薬草の生える場所が変わるんですよ。』
「ほお?」
『絶滅の薬草だって多分あるはずだし、
現地の人が居れば猶更話がしたかったんです。』
「なるほど、だから彼女についていくと。」
まぁああなるとは想像していなかったが。
「そういやここの地下ってどうなってるの?
ここさ、湖の真ん中じゃん。」
『ああ、地下は涼しい管理場所でないと
駄目な薬草を保管したり調理する場所がある。』
まぁ後は、危険のある避難経路があるが、
彼らに言っても無駄ではある。
水を汲めるようにしていたのと、
地下通路を魔術で作っていたのは憶えている。
あれ、けっこう覚えているもんだな?
指を鳴らすと下から板が出て来て小さな橋が出来るので、
表向きは家に行くにはあの橋しか渡れないように見えるが、
地下通路はちゃんとあるので、正直面倒な時は
ずっとそこから通っていたりするし、
雨の時は地下しか移動していない。
なんなら、地下の一部は菜園になっているのだ。
軽いビニールハウスが出来ていたりする場所もある。
『いや〜〜〜にしても久しぶりに来たなぁ。
私前は牧場物語とか魔法系のアニメやゲーム好きでさ、
フェルだけでなくフォルスやシアージュの惑星だって、
めちゃ良い素材一杯あって凄いときめいたんだよね。
自分で作れる凄い!って。私の生まれた惑星もそうだし。』
「ぼく、ゲーム、ですか?」
「お姉さん、それ何番目の話?」
『嗚呼、一番目。あの時は何もない所だからね。』
力も何もない、ただ人が暮らす場所。
精神的にはきつかったが、それなりに暮らせるときはあった。
その時はとても楽しかったものだ。
『嗚呼材料があれば、魔法が使えればって思ってたけど
此処に来た時もうガッツポーズしたんだよ。
ゲームで培ったやり方が通用する凄いって!!』
「まぁ、シュミレーションを行えば大抵のことはできますからね。」
「フォルスやシアージュもっていってたけど、
彼女達はこんな形の星だったの?」
そう前のめりに聞いたアルトが、
机に身体をくっつけそうにしてはゆらゆらと引いて動く。
それを軽く見つめるコルンを見つめつつも
嗚呼とメルが話をしてアルトに視線を向けた。
「確か同じ魔法系の種族だったよね?」
『あ〜そうそう、まぁ、フォルスは薬学よりも
爆撃系の火力重視系の薬草が多くて、
シアージュも薬学には多少あったけど種類が少ないのと
後は単純に彼女の魔法が強すぎて軽く生き残る薬草が少なかった。』
っていうのが、大前提。
なので、此処まで発展した場所はないのだ。
「此処は一般家庭からまぁまずいやつもなくはないけど、
割と少ないと思うなぁ。そうですよね?ご先祖様。」
「まぁそうだな、比較的他の惑星からすれば
割と手ごろで使えるものが多いが……」
その、ご先祖様どうにかしないの?
いやぁお母さんっていうのも照れくさくて。
いや私娘を生んだ覚えはあるけど
君を生んだ覚えはさらさらないんだが。
そういって二人して食器をもって歩いてくる。
流石に大荷物なのを気にしてかコルンが立ち上がる。
放置しすぎるのも悪いと思ったのか、ではと言って
アンダルシアが奥の食べ物を持ってきて欲しいと指示をする。
杖を使って食べ物を運ぶと思ったが、
彼は案外真面目なところがある。
こういうところで力を使って楽をする奴ではない。
「まずいって、それは、味?それとも火力?」
「両方だな、呪いにも特化しているし、味もまぁやばいぞ。」
「わあそれ教えてもらっても?」
『どうするつもりよ』
「えへへ」
『…カミカゼ辺りに地獄から這って出てこられるわよ。』
流石にやりかねん。
まぁ薬草は見た目は別として凄いのはすごいのだ。
そう見た目は。
割と目が合ったり牙が合ったりする場所もある。
いや何処の魔界だ此処は。恐ろし過ぎるわ。
その地区からは遠い結構のんびりした場所ではある。
来たことのある場所。
ずっと暮らしていたハズの場所。
見守っていた場所。
そこにあるのだ。
『不思議だよね、うろ覚えで見ていた夢が現実だった。
そうして夢だった手の繋げない人は現実にいて、繋げられる。』
「…メル」
『嗚呼夢じゃない、現実だった。これは生きていた。
私もそれを、守り続けた、その先に今生きている。』
そう実感するだけで、何よりも嬉しい気持ちになる。
『私は、もう何よりも掛け替えのない場所に、生きているんだぁって。』
「メル様……」
「…フェル」
「はい?」
「いい子に出会ったな。」
こんな子は数多の人を見てきたが、あまり見ない者だ。
そう笑って前に座るメルを見て言う。
全て移動したコルンが席に着くころ、改めてとアンダルシアが言う。
「うちの子を、後継者として選んでくれて、本当に礼をいう。」
「ちょ、ご、ご先祖様!!」
「それと、コルンと言ったか、さっきはすまなかった。」
「いえ…貴方方の思うところは私達も非があったのは事実です。」
そういってぺこりと謝るコルン
これからは仲良くしてほしいと、言ったところで
さぁとアルトが手を叩く。
「ごっはん、ごはん!!」
「…アルト、貴方と言う子は」
「っふふふ、っははははは!!!!
いや〜〜〜お前はほっっっとうに変わらないな!!!」
まるで呪われたんじゃないか?
そういうアンダルシアに内心アルトはひやひやした。
割と当たっているし、なんならそれで
この今まで苦労しているまであるのだ。
「さ、たんと食べてくれ。詫びもある。」
「わああああ」
『いただきます〜〜〜!!!』
「…いただきます」
天使とて、食べれないわけでもない。
何ならアルトの指導は自分が…
じ、ぶんが……
そう隣でがつがつと食べるアルトに
そっとスプーンでスープを飲もうとした手が止まる。
そう、指導を……
「…アルト????」
「ふぁんふぁふ、ふぉおかぢfkd」
「貴方また説教を垂れられたいのですか????」
あれ程人前では丁寧に食べなさいと言いましたよね?
あれは寝ていたんですか?どうなんです???
そう隣で指導が出てくるコルンに
ふぇええと半泣きである。
それにはいいではないかと声を掛けたのはアンダルシアだった。
「天使の子よ、そいつは私が生きていた時もこうだったし
なんならその時の方が酷かったまであるぞ??」
「え」
「今回は目をつむってやってほしい。」
「……そう言われたら、そうするしかないではないですか。」
流石に、彼女らの頼みとあらば。
そういってため息交じりに了承をするコルンに
すまんなと笑って膝をついて言うアンダルシア
「そうか、そんなにうまいか!!」
「ふふふふふ!!!!!」
「っはははは、お前本当に私の料理好きだよな。」
「あれ、メルは?」
「っんぐ、メルは好きなの食べ出したら
こっちも見向きしないから放置した方がいいよ。」
なんなら先程からコツコツと食べ続けている。
人のことなど本当にいないと言ってもいいほどだ。
「メルも私みたいに好き嫌い多くて
私よりも食べるの嫌いだから食べないんだけど」
「ほぉ?食が嫌いか。また難儀なの。」
「そうそう、だけど美味しいと感動してか
言葉を忘れてのめり込むように食べるから、
暫くすれば話し出すよ。」
『……うるさいだまれ』
「ほら」
「指摘されている気がしますが……」
違うのか。
「っくく、いやはや、賑やかでいいことだな。
お前達華神星にはいっているのか?」
「いや」
「…現在少々面倒なことが起きていましてね。
破壊神リキール様の元で私共々彼女達を保護しています。」
「…ほぉ???面倒、とは?」
私が首を突っ込めるか?
そう目が光るのに、うぐっと手が止まるコルン
やめなよと声が出るのはアルトだけではない。
「もう、コルン様はとってもいい天使ですよ?
それに見た目以上に優しいし!」
「…フェル様?」
「そうそう、顔は怖いけど中身くそ優しいしこないふぁ」
「はいはい、温かいうちに食べておきましょうね。」
ふぁい
そう半泣きの声が聞こえるが、
軽く食べ物を突っ込んで黙らせたコルン
「…良い加護に充てられたら、そりゃそうなるか。」
「ん?なんかいった?」
「いいや。」
+++++++++++++
ほーほーと音が鳴る。
食器を片付ける中、すまんなと後ろから声がかかる。
「アルトらと一緒に居ればよかろうに。」
「いえ、食事だけでなく寝泊りもさせていただけるのです。
これくらいのことは手伝って当然かと。」
「あいつらほどに遊べばいいのに。」
「…すいません、躾がなっておらず。」
そうちらりと廊下越しから見える場所に、アルト達は笑って遊んでいた。
薬草の本を見てはこれかなあれかなと言って草を生やしていたのだ。
頭の痛い話で、コルンが困っているのにいいと答える。
「あれくらいがちょうどいい。子供たちもああやって遊んでいたものだし。」
「…貴方は」
「んん?」
「どうして、私達を生かしてくれているのですか?
産まれた瞬間、望んだ憎しみに、身を焦がすこともできたはず。」
なんなら、この世の全てを殺すことだって。
「そうして、どうなる」
「…」
「メル様も言っておったことだ。
そうして、願った先に同じことをして、
一体どうなるというのだ。」
自分の子が、自分の崇拝していた人の子が、泣きを見るなら苦しい。
だが、それ以上に、彼女達が苦しんで泣くのは見るに堪えない。
「確証もない状態で、闇雲に動けば、それこそ同じ行為。」
「……お強いのですね」
「いいや、弱い。」
「え?」
「弱いから、我々は協力をして、この宇宙を守り続けた。
当時は今がどうかはしらんが、宇宙の垣根を越えて守ったんじゃぞ?」
「嗚呼……前に、一度ありました。」
皆して敵をぼこすので、
あんまりだとメルからレッドカードが出たくらいだ。
なんなら、それが発端で現在出禁を出している程である。
そうかそうかとそれにはアンダルシアも笑って食器を片付ける。
洗ってくれたコルンからの皿を拭いては元ある場所に戻す。
「アルトは、良い子だ。」
「…はい、存じ上げています。痛いほどに。」
「あの子は一度決めたらてこでも聞かない」
「その上過ちに気付くのは色々遅すぎます。」
「っふふ、そうだな。」
「ですが、彼女もいいところはあります。」
そういって、水で泡を流しながら話を続ける。
そのコルンをそっとアンダルシアは見つめた。
「あの子は確かに出来ないことが多いですし、
出来るようになる速度も人一倍遅い。
ですが、人に相談せず、
自分で成し遂げようと試行錯誤をする。
あの子は、私のことでも、
まっすぐにみてくれるのです。」
元々、自身が手を下したも同然の、過ちを。
忘れていても、忘れていなくても、許されないのに、
ましてや、下に付くなど、もってのほかだろうに。
「何度叱られても前を向いてああでもないこうでもないと考えます。
出来ないことを飲み込んで、出来るように沢山失敗をします。
いつの間にか、メル様達と旅をして、他に勉学に励み、眠り突っ伏した時は少々困りましたが。」
「……いまなんと」
「え?叱られても、あたりですか?」
「いや、もっと、もっともっとあとだ」
そうぴたりと止めたアンダルシアが食い込んで聞く。
「アルトが、旅どころか、人の、お前の所で、
お前の前で、眠りこけて、おきないと???」
「え、ええ…それが、なにか?」
「……いや、コルンと言ったな」
「はい」
「あいつはお前が思うほど以上に警戒心が強い。」
恐らくメル以上かもしれん。
「それはあいつが生きていた時間がそうさせているだろう。
だが、それでも、お前達のしたことを呪わないわけでもない。」
「…重々承知しています。」
「だが、それでもだ。眠り突っ伏すなど、聞いたことがない。」
「…………………はい?」
だから
「あのカミカゼですら、一緒に眠ってもすぐに起きたのだ。
それを、数十分以上も近くにいても起きない
ましてやゆすって起きないとは、お前…信用されているな?」
それとも
「あいつはお前なら、大丈夫だと信用以上のものを得ているか。」
ーコルン様、貴方あの子のこと、好きでしょう?
その言葉に、顔に熱が上がるのを覚えたコルンに
おっとこれはと笑ったアンダルシア。
コルンは流石にと御冗談をとアンダルシアの名前を呼ぶ。
「っふふふ、だが、それを聞いて安心した。」
あの子も、安息を取り戻したということ。
「…私達は何処に行っても安息など
在り得ない空想を抱いて寝ることすら忘れた
愚かな紛い物だというのに。」
「…アンダルシア様」
「よいよい、適当に呼べ。」
「流石になりません」
「なのにアルトはいいと?」
「うぐっそ、それは、か、かのじょ、がですね。」
「っふふ、よいよい。好きにしろ。」
嗚呼、君が、言う通りだ。
ーいつか、いつかね、みんなが
「…本当に、可愛い奴だから、虐めすぎるなとはいうかな。」
「…分かりました。」
ー笑って、暮らせたらいいね。
そう笑っていた彼女を思い出しては前を向いた。
アンダルシアを見つめては、最後の食器に手を付けたのだった。
+++++++++++++
「おっふろ、おっふろ」
「いっても二人ずつじゃぞ。」
「メル一緒にはいろ!!!!」
『ごめん流石に今日は二人無理。』
「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ふられたねぇ一緒に入る?
うぐうぐ、はいる
そうフェルに連れられてお風呂に入る二人に、
いってらっしゃいと言って部屋に来た彼女らを追い出す。
『…は』
全く、彼らといい彼女らといい
本当に目まぐるしい人たちだ。
今日一日で沢山のことが起きたと思う。
さっさと、風呂に、はいって、寝なければ。
そうメルはちょっと休憩がてらにベットに横になった。
「…流石にお疲れでしたか。」
すやすやと眠る彼女の傍に来て、コルンは杖をトントンと叩く。
メルの身体が宙に浮遊し、そっとベットの中に入る中、
身体の汚れを綺麗に取り除いてあげたのだ。
「ま、あんだけ騒いで動いたらそりゃあそうなりますか。」
ー破壊神達も今ではそんなことない!!!
「…貴方に、そう言われてしまえば、
私達は貴方を守る以外他ならないではないですか。」
そうではないとしても、貴方の様な人を、
蔑ろになんて、一体誰がするというのだろうか。
「…流石に、ひやひやしましたが、礼を言わせて下さい。」
すやすやと眠る彼女にそっと触れる。
何時しか言っていたことを、叶えてあげるのだ。
「ありがとうございます、リキール様を
私ら天使を、守っていただいて。」
頭を優しく、割れ物のように撫でる。
するとむにゃむにゃと言うのに、起きたかと驚いたが
まぁまと言う彼女に寝言かと安心した。
「私が出来る恩返しなど、これくらいしかできませんが。」
そういってコルンはそっと杖をメルの頭にかざす。
彼女は今、一番見たい夢を、見ていることだろう。
嬉しそうに弧を描く口元に、此方も自然と移る。
「よい夢を」
そっと電気を消し、ドアを閉める。
その間、涙を流していたことは誰も知らない。