羽根は載せずきみを載せた天秤皿
それから更に時間が過ぎる。
メルは順調に回復をしていく。
「…呼吸器は外して大丈夫そうですね。」
だが、油断は禁物。
そう言うのは大神官だった。
「神の身体と、精神が未だ一致しません。
拒絶をずっとしている以上は、貴方が神になることはありませんし、
彼女達だけでなく、華を継ぐ者達は全員いなくなります。」
『(っ)』
「別に、いなくなっても問題はありませんが、少々寂しくなりますからね。」
『(大神官様)』
「はいなんでしょう。」
『(私そろそろ声出しても???)』
「ダメですね。」
駄目でした!!!!
そう心の中で叫ぶメルに、くすくすと笑っている大神官。
現在此処は全王宮の奥にある華樹神庭のとある部屋。
メルの病室でもあり、寝室でもあるところである。
「顔色は非常に良好ですが、まだ不安定です。
もう少し様子を見てから、体力を作り、
そこから旅を開始しませんと。
またあのようになられたいのですか?」
『(めっっっっっっそうも)』
「ならその手筈で。
まぁ、貴方がお会いしたい方が
おられればすぐにでも招集させますよ?」
『(いや色々悪いですし、
それに会ってしまえば
絶対遊んで吐血しますから。)』
「ふふ、なら仕方がありませんね。」
ですが
「皆さん待ち遠しくしておりますよ。」
『(ううん、そう言われてもねぇ〜〜〜
そう言えば原初達が見えませんが)』
「嗚呼、一度帰させました。彼女達も付きっ切りでしたし。
貴方も声は出せずとも、まずは歩いて軽く体力をつけ始める段階ですからね。」
此方で対応できる範囲ですから。
まぁ私も無理に動いたら後がどうなるか分かっている。
流石にそこを汲んだというよりかは、
頑張って張りつめていた彼女達を兎に角休ませるためだろう。
「では私は全王様に呼ばれますのでこれで。」
『(ええ、ありがとうございました)』
「おだいじに、無理なさらない程度にね。」
そう言われて、ぱたりとドアを閉められる。
ちらりとベットの近くにあった棚をじっと見つめる。
ずらりと並んでいた棚は、列ごとに各宇宙の本を入れていた。
1から12、そしてこの世の全て。
別に飲み込んだって魔女にだってならない。
何故なら廻廊を渡り、そして辿り着いたから。
これが途中なら大問題だろうが。
この世の時間を知って、それでも其処に縋る。
愚かな私を、何故彼らはこうも慕ってくれるのか、分からない。
『(ま、声を出すなとは言えども)』
あまり言わないと
『…こ、え、でな』
くなるな。うん、というか。
『(なんか発音忘れてやしないか!??!?!?!)』
それは流石にまずい、後で練習を考えておこう。
そう思いつつも、メルは周りを見つめる。
ドアは右斜め前にあり、その周りは時計や、
各書籍、後は机と椅子が置かれている。
右側は奥側の方に図書室へと繋がるドアがある。
その手前側に行けば、棚があるが、
薬草瓶やらなにやらの瓶とか、小物たちが置かれたもの。
更に手前右側の方は机があり、小さな棚と簡易的なデスクだ。
L字型になったデスクは、今も愛用している。
大きな白いベットの左右には物が置けるように台が置かれており、
片方は電気を付けれるように点灯ランプが置かれている。
そのまま左側に目を向ければ棚と、折り返しで棚棚棚棚。
その手前に小さな机と椅子。棚の先にはドアがあり、
ドアの向こうは自室でも外から持ち込んだ本当の自室である。
向こうは出来れば自分の部屋として
ベットを置いて寝ていたのだが、
どうも手狭になったので、広くしない代わりに
隣へ隣へと部屋が大きくなっているだけだ。
今度此処の部屋を書籍系。
向こうを寝室に作り替えようとメルは決意する。
『(とりあえず、動くか)』
流石に力を使いながら移動となれば、割と苦労するものだ。
幸い誰もいないので、ちょっと本を読んだりゆっくりはできる。
そういえば久しぶりにこうのんびりできるなと考えた。
『(日当たりとかも自動っていうのがもう人間味出して来てるよなこの場所)』
この場所、大きくみると円状になっている。
全王様の宮廷を真っすぐ突き進む渡り廊下の先にあるドア。
其処に入ると横は歩いて行けば各部屋に、円を描くような廊下。
渡り廊下を更に前に進めば、華樹神が仕事をする華樹が植えられてる。
因みにこの場所はその更に奥の、華樹後ろに位置する部屋だ。
部屋に入れば、右斜め奥に、私が現在よく寝ているベットがある。
此間歩いた場所は、この部屋から出たら右側。
華樹から歩けば左側の部屋にあるものだ。
といっても、ここ、外側に12部屋、内側に12部屋の計24部屋がある。
自分の部屋を除いてなので、全部で25部屋と中庭(職場)である。
24部屋全て違う場所になっており、図書の空間やら海底の空間。
色んな空間に繋がっているが、どれも此処に就任した又は
就任する者の記憶に繋がっているとのこと。
『(今日は部屋から出るつもりないしな)』
因みに、風呂や食事場は更に小物を置いていた小さな部屋の奥だ。
外からの人間を此処に寝かせるというのは基本ないため、
というか天使自体が必要ないというものだから、
まぁ付き人の部屋はあるにはあるが。
それを入れたら計26部屋のこの宮廷から外れた華樹神庭。
多分頑張ったら東京ドーム1個とか言えるのでは。
この部屋だけかなり小さくコンパクトに作ったのは、
私が渡り歩いた場所自体が原因ともいえるのだ。
彼ら人間はコンパクトな四角い空間を張り合わせて、大きな箱で暮らす者達。
それに長い間付き合ったらそりゃそういう空間自体が安心区域に入る。
メルはそうため息を吐きながら、
ベットから降ろした足を何とか前に出す。
一応ふらふらはするものの、歩くことはしている。
『(確か前の荷物整理してたとか言ってたけど、皆此処入ったのか。)』
そう左側のドアを手で空けて部屋に入る。
全体的に白い印象のこの部屋。
『(あ〜久しぶりに入った我が実家安心感)』
左側奥にはパソコン机がL字型で置かれ、
壁にはいくつかの資料を張っていたり、
棚がくぼんで中に物が置けるようになっている。
棚の右側にはドアがあり、そこから食事がとりに行ける。
更に右側、入って右手の壁沿いには机やら棚が立てられている。
其処にも一応扉は付いているが、此処だけ特殊で、
ドアを何度かノックすると別室に繋がるのだ。
この要領はルメリアにこっそり教えて貰った。
どうやら緊急事態で、此処に華樹神を殺しに来る奴の逃げ道らしい。
これがあったことで、私は今現在もこの世界に戻って生活が出来ている。
別空間に飛べるとんでもないドアだが、やり方を間違えると繋がらない安心設計。
だが、ドアの形と記憶を覚えていないと、この場所に一生戻れないものなので
記憶力に自信のない限りは、基本呪文を唱えて移動するのは控えているべきだろう。
『(そうそうこの椅子〜〜〜ぎもぢ〜〜〜〜)』
灰色のゲーミングチェアに座り、前のデスクに手を掛けた。
椅子をくるりとまわす。部屋から入って左側の方だ。
此方にも棚があるが、この部屋とんでもない仕掛けがあってだな。
『(えっと、こうだったかな。)』
棚の3番目上から8段目の青い本を押し込むと、
部屋から入って左側の壁にあった棚が消えてドアが出てくる。
このドアの中に入ると、小さな通路があり、それを更にくぐれば
『…あ、あーーーあああーーーーーよし。』
自分の動ける空間、本来の自室に繋がっているということだ。
通路の左右には菜園室やらがある。そこで種を取っている。
天井は魚たちや、海藻たちが水に泳いでいる通路の先。
綺麗な庭の近くに、小さな家がある。
『久しぶりに帰ってきたなぁ。』
二階建ての木造住宅だ。
中央にはドアがあり、左右はちょっとした広いくつろぎスペース。
半楕円系のドアを開けると、前に靴を脱ぎ捨てる場所がある。
正面気持ち右側は階段。気持ち左側は奥に風呂、トイレ、
奥に菜園があるのでそこのドアがある。
『いやー実家の様な安心感、まぁ実家だけれども!』
玄関左側は客室兼書庫になっている。
ちょっとした書籍は此処に全て詰め込んでいる。
玄関右側に行けば、リビングルーム、食事が出来る場所だ。
ソファーに座り、空を見上げる。
からからと音を立てることなく、大きな風車の様な木が天井からぶら下がっていた。
『風が気持ちいいんだよねぇ此処。』
5月の涼しげな風が、大きなドアのような窓を開けると
こんにちわと言っているように、ゆっくり入ってくる。
此処のスペースは全てが日本語となっており、
今までの暮らしでも人に見せれる範囲が詰められている。
『二階も風通しよくしておこう。』
そう思ったメルは、よっとと言って身体を上げて動かす。
どうも此処では身体が軽い。普通に動けるのが嬉しいことだ。
『二階ひゃっふ〜〜〜!』
そう階段を上っている間、中間には様々な額縁に絵が飾られている。
勿論そこにも書籍があるが、あくまでも中身は白紙である。
見た目が好きで買って入れているというものだ。
上った先は、向かって左側が客室。右側は自室になる。
そのまま右の奥に進めば、自分の部屋。
全部で二階は7部屋ある。多くあるのは自室側。
階段すぐ横は軽い遊び道具。隣はお土産用。
更に隣はくつろぎスペースで、その最奥が、
『ようこそ帰った我が本来の場所!!!!』
自分が心置きなく過ごせる、スペースになっている。
この場所は自分がかつていた0番目の時間での部屋を忠実に再現した場所だ。
縋ることが出来たのも、この空間をずっと頭の中に叩き込み続けていたから。
帰る場所なんて、幾らでも作れるのだ。
こんなに力が有り余っているのだから。
『にしても椅子きもち、あ〜そういやノート纏めないとな。』
向こうから持ってくるのもきつい。
思い出しながらある程度ノートにサラサラと書き留めていく。
絵も一部はこっちに持ってこようかと思ったが、止めることにした。
『ここはあの時間しか書き留めたくないもんねぇ〜〜〜』
流石に全員この場所に入れるとはしたくない。
この場所は、自分が一番入れる唯一の空間。
『それにしても、まさか自分が創造主だったとは驚きだわ。』
そう言ってメルは深い紺色のノートを取り出す。
其処には、多くの絵と設定を書き連ねたものが描かれていた。
『ドラゴンボールの世界の神様が、天使が。
もし戦闘禁止している理由があれば、どんなのだろう。
って考えて色んなことを書き連ねていたことがまさか、』
現実に在り、その主人公になれているとは、思ってもいなかったことだ。
ミユのいた時間、彼女から教えて貰ったその想像力を活かして
二人ではなく、私一人で作り、彼女に褒められつつも伸ばした長所の一つ。
『にしても…此処まで忠実とは、流石に怖いな。』
そう、問題は此処だ。
『やはり、ない。か。』
本来、最後まで書き連ねていたその唯一の空想物語。
他の話は完結なんて出来るわけがなく、
ただ空想が膨らみ過ぎて止めたものばかり。
大きな話で、綺麗に完成したのはこの一作品。
だが、その書類も、空白ばかりなのだ。
『何者かが此処に入り盗んだか、或いはこの時間を誰かが望み、消し去ったか。』
いずれにせよ、この空間すらも、影響下に入っていることに舌打ちを打つ。
『まぁ、その確認ができただけでもありがたい。』
確かこの先の予定は、各場所に赴き、各場所の整理をしてから
力の大会に参加し、皆の戦いを見てから、自分の力を覚醒させる所。
そのあとのことはあまり覚えていない。
其処で最終回を迎えて終わりだったはず。
事細かい資料は此処に全て収納しているはずだ。
各惑星のどんな種族、資質、それら全て、自作した超傑作資料室だ。
まぁ二次創作なので、自分が作った!とは言えないし、
まぁ仮に言ったとしても、自分の気分を満足させるだけの
ただの自己満足部屋というものではあるのだが。
『とにかく、資料の思い出しと、後は他に変わったところがないかの再確認。』
外に人間が来ているとブザーが鳴る使用にしている。
兎に角生命体、天使達ですらブザーが鳴る様にしている。
その範囲に入ればの話だから、余り長いして良い場所でもない。
此処はかなり例外の場所だし、知られると割と困るところだ。
最悪、消されて記憶も全て無かったことにされかねない。
それ程この場所は私にとってトップシークレットで在る場所なのだ。
『にしても、先の所が全て書かれていない。
ウイスやコルン、大神官などの天使達の資料は未だ完璧なんだがなぁ。』
そう前から居た彼らの資料を開いて手で触る。
この人達が実際話していると思うと、少々驚くものだ。
絵でしか、空想でしか会話が出来ないと思っていたのだから。
『悟空達も一応完備されている。んん、やはり原初達の方しかないか。』
一部黒く塗りつぶされていたりするのだ。
ここら辺は話を進めていけば、自然とはがれてくるだろう。
というのも、此処に来たのはそれだけではない。
『あ〜〜〜〜第8の資料だあああああああ』
本当に私はこの世界が好きで、もし他の惑星があればこういうのは?
と色々宇宙が好きでついつい、各宇宙の各惑星を想像して連ねたのだ。
『ぴゃ〜〜〜〜!マジで見たのだああああああ!!!!』
其処には、瓶や魔女の鍋など、今まで見つけたものも事細かに書かれていた。
なんなら絵もついているし、大きさまで書かれている。
『ま、流石にみていないのは黒く塗られていると。』
どうやらそれは第8だけではない、この宇宙全てのものもそうらしい。
流石に後から何故知っていると言われて説明が出来るとは到底思えない。
見えなくて別にいいかぁとメルは笑って本を閉じた。
『とりあえず、向こうに戻って、今度此処の掃除をしておくか。』
此処はドアが一つだけで直通出来る家なのだ。
日本語で全て書かれているとはいえど、余り見られていい者ではない。
『それにしても、滅茶苦茶楽しいねぇ。』
まさか彼らと出会えるなんて、夢の様な話だ。
ミユの生きていた時代に、彼らの話をかいつまんでみていたのは覚えている。
最初はピッコロが好きになって、そこから界王神様と見ていたら
神々の存在をしったのだったか。
『天使の日だからって安直に付けたよな。』
天使の日という彼女の誕生日に、もう書き留めた。
もしもこの子が此処にいれば、どういう歩みをしたか。
優しく、でも真っすぐなこの素直な子が。
ウイス達と人間ではない、とんでもない力を持った人なら。
どういう対応をしていたのかと、想像が止まらなかったものだ。
『ま、私は動きますよ、貴方が華で要られるように。』
この話、何故華に着目したかというと、
多年草と一年草という種類がある。
多年草は季節が変わっても枯れることなく、
毎年花を咲かせる植物のことだ。
勿論花を咲かせたり、実をつけたりするものは
季節そして種類によって異なる。
いずれにしても、毎年花や実をつけ、
数年間はそのサイクルを繰り返す。
一方一年草は、種子から芽を出し、
成長して花が咲き、種子が出来ると枯れてしまう。
普通は草木。一年生植物ともよばれるものだ。
まぁ狭義には、植物の本来の性質として
一年以内に枯れるものを指す。
園芸や農業においては、本来は多年生であるが
栽培では越冬や越夏が難しい植物をも
「一年生」「園芸上は一年生」「一年草扱い」
などと呼ぶことがあるもの。
『華やかな人生とも言うだろう?』
そう誰にも居ないのに、誰かに言い聞かせるように私は言う。
秋に発芽し越冬し翌年に枯れる一年生植物を、
特に冬型一年草または越年草という。
園芸や農業では冬型一年草を「二年生植物」と呼ぶことがあるが、
これは本来の意味の二年生植物とは異なる。
『華神はこの花達のように、芽吹き、花を咲かせ、枯れる。
それは人の一生の様に、願いを華やかに咲かせ、
そして、その種をまた誰かに何処かに引き継がせる。
生命のサイクルそのものとさせた。』
そうして、その願いが、叶った時は。
『新しい場所で、そしてその花が次違う形になる様に。
品種改良は華神の次加護天使かなぁ。』
どうだったか、忘れてしまったが。
『魔女になるのは枯れる前の病気をしたもの。
取り除けば元の本来の華神になる。』
だが、それに気付く者はいない。
だって、その願いを知らない、その解決を知らないから。
だから万能薬みたいなものはなく、散って消えてしまう。
土に戻り、そしてまた誰かの栄養になる。
そうしてサイクルを繰り返すこれこそが、華神の本来の、意味。
『だから何度だって繰り返せるし、何度だって蘇る。』
華の種は、決して枯れるなんてありえない。
それは病気をしただけで、種は何度だって咲かせる。
其処に大地がある限り、生きれる場所を、作り続ける。
それが、ただ、大地の栄養だったか、その生命の願いかの違いだ。
『これが華神の大元、全ての意味の原点であり始まり。』
そう、その願いが集まったのが、華樹の木だ。
その大地は願いが叶う場で、叶わないのは全て病として消される。
叶えば種になりまた増えていく。増殖は止まらない。
そうして蔓延り、何度も何度もそこで枯れては芽吹くもの。
それこそが
『雑草』
其処の場所に、望まれず、咲かせる植物
その願いが、その想いが、何度も芽吹き、それはやがて、大輪を咲かせる。
『知ってる?雑草ってね、不屈の精神って意味もあるんだ。』
何度踏まれたって、何度終わっても、決してそのあと前を向いて伸びていく。
傷付いても壊れても、何度だって時間をかけて修正していく。
そして、更に強く、更に長く、生き延びようとする。
『雑草の様な、華を、私は愛したのだから。』
あの綺麗な紫の名が付いたピンク色の花が。
誰よりも何よりも、いとおしいと思うのだから。
皆が春になれば桜をイメージするだろう。
綺麗な花見で、大層食事も進むだろうが、私は違う。
『貴方の名前を知って、私は何度涙を零したか。』
そう花に触れて、ちらりと腰元を見た。
此処では力が有り余るのか、華が咲きだしているのが見えた。
『ムラサキカタバミよ、どうか永遠に、私の願いで居続けて。』
母のやさしさを、忘れずに、どうか、心の奥底で、輝きを失わず。
けっして、喜びを、捨てない、諦めない者に。
私はなりたいと、思って、此処に生きている。
願わくば、あの子が笑えるように。
あの子の手を、私自らが手に取り、その手と共に、
あの場所に、返せるように。なんて、思っていたのに。
『貴方が好きなの…ミユ』
嬉しそうに笑った私の一欠片。
その願いが叶えば、どれ程の幸福なのだろうか?
永久に満たされていたって構わない。
たとえそれが地獄になろうとも。
『ずっと、ずっと…愛してるから。』
そう思い、メルはそっと花を一凛其処に捧げる。
勿論自分の華を千切ってではない。
そこら辺に蔓延っていた、花をひとつだ。
『どうかそのままで』
メルは部屋を後にする。
その花の前には、各々が笑う写真が置かれていた。
メル達華神達と集合して笑う姿と、破壊神や天使達、
界王神や人間までもが、その絵に。
願わくば、どうかそれが、現実になりますようにと。
メルは願った。