誰かの書いた日記でしょう
前回のあらすじ
神になるかならないかの選択
以上
メルはすぐに自身の時間を探すべく部屋にこもることにした。
一週間後と言った大神官の言葉が妙に刺さったのだ。
数年は見積もっていいのに、数週間で決意させる。
それは逆に、嘘をつかれている?
いや違う、事実ではないことを言わない人達ではない。
『…やはり、塗られたか』
今度は赤い
恐らくこのままいけば死ぬという暗示だろう。
『ま、そりゃそうか。』
何時だって私は間違った選択をしてきた。
あの子がいたから、私はいきれている。
だが、もう、それは叶わない。
私が天に、神になるのか。
『無理だろうな』
そう日向に出したベットシーツを見て思う。
『ま、一週間は部屋にどころか華樹の場に誰も入れないと誓ってたし、だからこっちに入ってるんだが。』
ここから一週間、徹底的に洗い出す。
自分がどうしていたのか、どうするのか。
『掃除はするとして、だ。』
メルはちらりと部屋の中をみつめる。
そういえば、妙な話があった。
『まぁ病気は移る、全員魔女になるということは、私は既にこの地の者になったもの。』
ならば、おかしいのだ。
『何故この場に入れる?許されている?』
それは願ったから?
『ま、ひとまず彼らも来ない以上、これももってきた。』
そうにやりと笑ってメルは描く。
ぶわりと身体が描かれ出てきた存在は
「…お呼びですか?メルさん」
『おう、ちょっと手伝ってもらいたくてね。』
ウイス達数人の天使そして華神達だ。
この広い部屋、流石に一人で一週間はキツイ。
「ここは?」
『私が生きていた時間、0の時の資料全てが収納されている。』
「なっ」
『ウイス、コルン、サワアの天使らは二階で私と資料の捜索。
シン、ロウ、ゴワスお前ら界王神は二階の隣にある資料部屋。』
そういって創り出した面子に声を掛け移動する。
「ここは…」
『私怖くて見れないの。この部屋』
「あ、じゃあどうしてつくったんだよ」
『臆病なんだ私』
もし、誰かを傷つけていたらと、怖くて足が毎回すくむのだ。
『この部屋は私が犯した罪が全て収納されている』
「っな!!」
「…界王神に、ということは、我々が審査しろと。」
『そう』
「わかりました、第8、第9よ行きましょう。」
「嗚呼」
「では後程」
シンがウイスにぺこりとお辞儀をする。
それに、ええとウイスがニコリと微笑む。
「メルさん、我々はどちらで作業を?」
『そのまえに、お〜い、破壊神ヘレス、キテラ、ジーンお前らこっちこい。』
そうドアを開け、ベランダに出たメルが手すりに乗っかりひらひらと手を振る。
それに、外で放置されていた彼らがやってきた。
「なんじゃ我らを呼びつけて」
『いいじゃん、私が創った創造のお前らなんだから敬称などいらんだろ?』
「…ま、別にいいが、何をする?」
『界王神の隣にある部屋に入れ』
「そこになにがあるんだ」
そうベランダに待機していたウイス達はそのままで
ヘレス達をベランダ前にあるドアに案内するメル
『此処は映像部屋。本来この家は通常ドアを開けば普通の部屋だ。』
そういって天使達もちらりとメルの方を見て説明を聞く。
『此処特殊でね、ノックを三回、「お願い神様現実みせて」と三回唱えろ。』
「するとどうなる」
『はっ、こうなる。』
お願い神様現実みせて
お願い神様現実見せて
お願い神様現実見せて
そう願ったメルがドアを開けた先には、メルが少し顔をゆがませ嗚呼と笑う。
『辛い時間だった場所に、各者たちの視点で入ることが出来る。』
「っな!!!」
『帰るときは「お願い神様夢を醒まして」と三回唱えろ。
全部でそうだな、100程の場所そして内容があるはず。
それを全視点で見比べてきて欲しい。』
「わかった」
たのんだそういって笑い手を振ったメルは、次だと声を変えた。
『デンデ、ピッコロ、悟空、悟飯』
「ん?やっとよんだか〜!」
そういって空を飛ぶ悟空に、待たせたなとメルは笑う。
『お前らこの隣の部屋ね。』
「おお」
「どんな部屋なんです?」
『ピッコロ』
メルは告げて空に一つの石を飛ばす。
それを片手で取ったピッコロにこれはとデンデが聞く
『私の力練り込んだ通信機。無くさずにしてて。
出来れば飲んだ方がいいかも。』
「のっ!?」
「何故飲ませるのです?別に持たせるだけでいいのでは?」
そう聞いたのはベランダで待機していたサワアだ
嗚呼とメルは眉を上げてそりゃねと言う。
『悟空と悟飯はおっちょこちょいだし、デンデは狙われそうだしで
ピッコロさん忙しそうだから管理無理だろうしってことで!!』
「いい!?」
「ま、妥当な判断か。いいだろう。」
「そっ、そんな!父さんならわかりますがなんで僕もなんです!?」
「悟飯、ピッコロまで〜〜〜」
『そりゃ血の繋がりだもん、無理だよ諦めな。』
「だが、何故俺達だけ4人なんだ?」
ピッコロの意見に、同意ですと言ったのはコルンだ。
「人間だからという意味ですか?」
『いいや、悟空は純粋な気持ちを、ピッコロは分析。
デンデは審査、最後悟飯は纏めを主に意識していかせる。』
「そんな大役を」
『場所が場所だからねぇ。私が何度だって見て何度だってこの部屋に入った。』
そう嬉しそうに、目を輝かせていうメル。
悟空達は目を丸くして首を傾げた。
「それにしてもメルよぉ」
『ん?』
「どうしてそんな嬉しそうなんだ?」
今回悟空達は設定があるというのもあり
どうせ会えないならと等身大で描き綺麗に感情を入れてみたので
まぁそう悟空に言われてもおかしくないかとメルはおもい、うーんと唸る。
『そうだねぇ、私はドアに夢を見てるからかな!』
「…夢、ですか。」
『そ。ドアの先は未知の世界。此処は不思議な世界なの。
私がずっと願いずっと縋って、ずっとずっと望んだ場所。』
がちゃりとドアを開けて手をドアの先に向けて軽くお辞儀をする
『最愛の時間を込めた映像を止めた記憶の展覧場所』
「っひゃ〜〜〜!!!」
「これは…」
『此処は絵画に触れて唱える。瞬間移動と同じ原理。
行きは「戻れ戻れ戻れ」帰りは「醒めて醒めて醒めて」』
「それ逆だったりまちげぇてねぇか?」
そう天使を連れてメルは中に入る。
『んん〜そうおもうじゃん?』
「おっ、おお」
『へへ、此処は現実なの。もう、あれは過去の存在。』
メルはそう軽くくるくる回って服をひらひらさせながら言う。
『此処は現実、だから戻るしか、あの場所にいくしかない。』
「…なるほど、向こう側を場所と設定しての移動だから瞬間移動だと。」
『ウイスご名答。そういうことで悟空は特別枠。思ったこと言っていいからね。』
「んん?」
メルはただ一つだけを眺めて言う。
うっとりと、それを見つめては左手を後ろにつけて、
軽くいや、ゆっくりと足を後ろにさげ、お辞儀をする。
『私はアレを変えることなんて出来ない
私はアレ以上の存在になれるなんて出来ない。』
それは全て崇高な時間であり、決定されたもの。
『何度だって縋るし何度だって望むし何度だって想い続ける。』
「…メルさん、」
『人はそれを執着と言う。地球らの者よ、どうか壊れないでね。』
「安心しろ、そうやわではない。それくらい、お前も知っているだろう?」
『…!っぷ、ふふふ、そうだね!!そうだそうだ!!そうだった!!!』
肩を落とし、そうだったと繰り返して言うメルに、くつくつとピッコロが言う。
「じゃ何かあればお前の名前を呼べばいいのか?」
『おう。メルでもエフェメラルでも嗚呼でも、黒髪の子は絶対触れないで。』
「んん?どうしてだ?」
『アレはちょとね。勘は悟空以上と思った方がいい。気付かれたらすぐに出ること。』
「それは厄介だな…わかった。」
『全部見たらドアから出てきて。それまでに何かあれば私に声かけて。』
そう言ったメルに、各自が頷き、行こうとメルはウイスの背中をとんと軽く叩いて走る。
「これ、走ったらこけますよ。」
『や〜!だって此処最近こんな元気に動けなかったんだもん!!』
「確かに元気ですね。」
『へへ!ほんとはね〜こうやってしたいけど、幼いじゃない?』
コルン辺りは絶対許してくれないからそう笑ってないないと首と共に手を振る。
『メル様!神で在る前に女性がはしたないですよ!!!って言う絶対あっいうあははっ!!!!』
「っくくく……言われてますよ?」
「お兄様」
失礼と笑うサワアに、コルンは鼻でふんと答える。
『じゃ、誰も入れるつもり無かった場所へ、どうぞ。』
そういってメルは軽くウイス達にお辞儀をしてドアを開けて誘う。
コルン達はそっとドアを軽くしゃがんでくぐる。
「ここは…」
『ん〜〜〜〜!は〜〜〜いっしょ!!!!』
「メル様!?!?!?!?」
『わ〜〜!っと!いや、一週間しかないからさこれくらい許してよ。』
「だからと言って人前でしないで下さい!!!!」
『ははは!人前って…だってお前ら……私が創った偽造だろう?』
「っ」
そうベットに飛び込んだメルが、足を地面におろし、片足を膝に乗せ言う。
にやりと笑い、まるで破壊神のように、ビルスが笑うように笑みを浮かべさせる。
『私が創り出した瓜二つの存在、記憶力は非常に良い方なんだ。
そんなこと言っても無駄だし、本人の前ならまだしも…ね。』
「ほぉ、では本人の前、であればどうします?」
「っウイス!」
『ま、青ざめちゃうかもねぇ。こんな姿見せれないよ。』
「何故でしょう?私の本物は、そんなものですか?」
『ん、天使さんとは、天使さんと。』
こんな、こんなひどい姿なんて、みせれない。
『幼く、ただ前を手を伸ばした愚かな私を、貴方達崇高な天使の者達に表せるわけがない。』
「…では、いつもはどうされているので?」
『綺麗に隠してる。まぁ本音も漏らしてるけど。』
「漏れているのではなくて?」
『ははっ、いうねぇコルン。ま、間違ってない時もある。
基本はそれを隠すためにもするんだよ、嗚呼そうこうやって。』
ねぇ
そうメルはウイス達を一緒に居るように姿を変える。
正確には、その表情だ。先程まで口を大きく開けて身体を動かし笑っていた。
だが、今ではどうだ。今は、病弱の様に見える。
『これほど弱っていたし、これほどの、口調そして息の仕方』
「……っ」
『演技は上手なの、私。』
きっと彼らも分かる。
『どうせ私はこの7日しかいきれない。ならば』
顔を手で隠し、目を開く。それは先程まで見ていた、元気な彼女。
『こうして、普通に笑って私はいたいから。』
「…そうしなくても、我々失礼とは思わないと思うんですが。」
『あはは!そりゃ私が考えてる限りない希望だからでしょ〜〜!』
「そうですかねぇ」
「…話を戻して下さい。」
そうだった
『コルンはドア前の此処。サワアはドア隣のその棚。ウイスこっち来て。』
ああ二人とも上から下まで本出して読み解いてね。そういうメルに首を傾げる。
『此処全部日本語だから!』
「っな!?」
「にほ?」
「メルさんの元居た場所での言語ですよサワアお兄様」
「ほお」
「読めます?我々」
『読めるはずだが?だって私が創ったんだもの…嗚呼まぁあるとすれば』
メルはゆらりとサワアの方の手を掴みぐっと引き寄せて言う。
『【本物が此処に紛れ込んだ、という意味だが?】』
「ーーーーっ!!!!!!!!!」
『ま、そりゃ無理でしょ。あくまでも絵は絵って言ってたし。』
「そうですか。」
『じゃ、ウイスさんこっち。』
笑う彼女に、サワアは少し心臓が掴まれた思いをした。
それに、メルはテンションが高く気付いていないのが、救いだった。
『其処座れ』
「はい」
『これ見てて』
「なんでしょう?」
『ウイス確か見せてたからねぇ。絵。』
「ああ、前に見せて頂きましたね。」
可愛らしい絵をよせやいてれるじゃん!!!
そう悶えるメルに、ウイスは少し軽く引き気味に笑う。
「それがどうされました?」
『ほらみて?これ。』
「………っ、こ、れは」
『赤いでしょ?これね、多分私次死ぬの。』
「っメル様」
『赤い本覚えてる?』
「ええ」
『似たようなものだと思ってる。多分ね、此処から出たら私死ぬんだよ。』
最初は白かったりしたが、それはあくまでも、みてなかったから。
途中から黒くなり、それが今日いや数日前か。
見たら赤い色に変わりつつあった。
インクが移ったみたいだったが、今日開いてわかる。
『嗚呼、もう、おわりなんだあって』
「っ」
べちゃりと音をして開けられるそのノート。
最初は文字が描かれていたり、それと絵が挟まれていた。
メルが部屋で寝始めてから、徐々に赤が入り、
最後の方がかなりの量があるというのに、そこからは
赤いペンキが張り付いたように中が読めなくなっていた。
『恐らく白はそもそも存在しなかったこと。』
「…あの赤の本ですか?」
『そう。黒は元々あるが、今は知らなくていい状態。
そして赤は、もうこの世に存在しない時間。』
「っ流石に考え過ぎでは?」
そう言ったのは聞いていたコルンだった。
メルは後ろを向いて聞く
「それはあくまでも推察、
此処から出れば最終決断をするのはお父様のはず。」
『先をある程度覚悟するのが私なの。
最悪は常に考えて行動する者でしょ?』
「…考えすぎでしょうがね。」
『ま、別にいいけど。』
メルはもう一つの本を取る。
『ほらみて、可愛いでしょう?』
「っこれは」
其処にはウイス達にはまだ見せていないキャラ案だ。
天使達の姿や顔の表情、そして事細かな設定を描いていたのだ。
「これ全て貴方が?」
『ん〜にゃ?デザ案は別。』
「え?」
『私このキャラ達が居た世界を見てたの。』
嬉しそうに笑い言うメルに、ウイスの目が見開く。
ばさりと二つ音がした。
「い、ま、なんと」
『君らが物語になっている処。
や、流石に思い出したのはまぁ途中だけど、
すぐにそんなの考えれなくなったから
恐らく天使ら気付いてないんじゃなかろうかと。』
「ですがご存じでしょう?
その者の生きていた場所を見れると」
『それが0は無理だよ。』
「何故です?どうしてそう断言が?」
『そりゃ私が、あの子が、
0つまり別の世界に居たから。』
「…これは、その世界の記録と?」
そう、そういってメルはにやりと笑う。
『あり得るとすれば、ミユかな。
彼女は一応0の時間である存在。
アレ見ればちょっと困るけどね。』
「ほう?」
『大神官様辺りは流石にいやいけるかな。
多分可能性があるならルメリア辺りかも。』
「何故です?」
『んん?何故って、ルメリアと契約したからだ。』
どうかおねがい
『ミユと触れれなくていいから、共に人の時間を過ごさせて欲しいとね。』
「…そのようなことを」
『そこから1番目の時間が続いた。ま、0を思い出したのは外れてからに近い。
この場所も外れた時から創り出したものだし。』
「なるほど、天使はあくまでもこの世界に生きた者達の記録をみるもの。
対して今回の貴方は別世界の状態、つまり対象外だと。」
『そういうこと。多分今頃探してるだろうが、何処にもないはず。』
何故なら、此処にしか存在しないから。
私の脳内が具現化されたこの小さな家の中でしか。
「…恐ろしい隠し場所を思いつきますね、
言われないと絶対分からないでしょう。」
『だろうね、ま、しないが。』
奴らがここになんて、嫌過ぎる。
『私は私が私の思いを知るだけでいい。
誰も知らないでいい、誰も彼も、知らない。』
「…何故です?人は楽になるのでは?」
しられれることで
『それはね、でも嫌なの。』
「…傷つけられるからですか?」
ひていされるから
『ま、正解かな。』
間違ってはいない。
嗚呼、本来なら隣その更に隣も見るべきだが、流石に無理だ。
『にしても資料を見てるが、やっぱ前に見た奴と変わらんか。
んん〜〜変わると思ってきたが、精々あってもインクが滲んだか。』
「何を此処にしにきたので?」
『向こうの人間がもうこっちに来ないってわかったから来ただけ。
余生を過ごさせてくれるんだよ。』
「ちなみに、どうしてこの場所を隠して?」
『そりゃ誰も見られたくないよ。こうやって生きていたら嘘ついてたと同じでしょう?』
嘘つきと呼ばれていた時を思い出す。
『嘘は仮面、己を守るもの。それにバレる時はもう死んで消える。
此処は向こうの生命体を感知できるから、すぐに移動できる。』
「ほお、だから誰も知らないと。」
『勿論』
「知られたらどうします?」
『華ちぎって死ぬ』
「っ」
『冗談、でもそうしなくても、そうなる。』
そう赤いインクの垂れた本を見て笑う。
『偽物の前でしか、私は笑えないのよ。』
「…本物の前では、どうして隠すのです。」
『怖いんだろうね、私は。』
私が。
『神になるというのに、変わらないその言葉に。』
「…メル様」
『もう人でいたいって決めているから、だからそれ赤いんだよ。』
指を指して言うメルに、ちらりとサワアは目を寄せる。
『私は人間。誰も知らない神が落とした人間だ。』
「」
『ミユが神に相応しい。まぁ、有り得るのは融合だけかな。』
「融合?」
『ミユと融合する。一応それが一番の最善なんだけど、それは出来ないや。』
そう肩を落として首を傾け言うメル
困ったように笑うのだ。
『私が望んだのは、ミユと共に手を取って世界を見続けること。
融合してしまえば、そんな願いなんて淘汰される。淘汰はつまり、死ぬこと。』
「っ」
『融合出来ても爆発して死ぬ、融合せずとも、自分の体にある神の力に耐えきれず死ぬ。
今はどっちに転がっても死ぬなら、せめてと神の身体を作り返るという手段。』
まあ
『0番目はミユではない私の生きた時間。私は失敗作である者。
この私が得を持っているわけがないので、死ぬのは確定。』
「そうまでわかって、何故告げないのです?」
『優しいと思ったのよ。言わない方が。』
言わぬが花というじゃない?
『言って悲しい姿を見たくない私が悪いだけなの。』
「…っ」
『もうあがいても無駄ならせめて過ごすしかない。』
だって此処はとても気持ちいの。
もう忘れるかもしれない、忘れたくなんてない。
忘れるくらいなら、魔女にだってなってやりたい。
でも、そんなことできないのだ。
『みぃんな、大好きだから』
「…泣かないで下さい」
ぽろぽろと笑って泣き出すメルに、
ウイスはそっと目じりに手をあてた。
『ういすも、こるんも、さわあも。
それだけじゃない此処に居ない全ての天使、破壊神、界王神。
この場に記された全ての者達全員を、私は大好きだから。』
そう、何時だって救いのヒーローだった。
前を向かせてくれた、唯一の物語。
『ならもし、もしこの世界に生きれるならば。
華で在りたい。ガラクタで出来損ないの
こんな私でも、願っていいなら、報われたい。
夢だけでも、華で輝き続けたい、と、願ったから。』
「…メル様」
『空も飛べない気もありゃしない。
人の足を引っ張るだけで、人が消える時間。
それなら、夢だけでも誰かを救えたらとどれだけ願ったか。』
勿論、やることはやったから、後悔なんてさらさらないのだが。
嗚呼でもどうかもう一度、彼らの子で在りたいと思ったのだ。
『父と母の子で在れるなら、どんな存在だって成し遂げる。
たとえそれが、死ぬことの許されない華の神になろうともね。』
「…貴方は、どうしてそれを考えたのです。」
『天使と会話したかったの』
「え」
『私ね、貴方達と共に過ごしてみたかった。』
人間なんて
『下界人なら見てもくれないだろうし』
「だから、そう?」
『それがきっかけなのかなぁ。そうで、いればいいね。』
それでいいよ。もう、それで。
『天使の生まれなのに、やり方悪魔だから。
華の折れた末路は悪魔にって作ったんだ。
天使が強いのに戦闘不可っていうのは気になるからね。』
だから
『天使を華神に殺させた。』
「……っ」
『ストーリー的にはそれが正しい。まぁ、そんなこと夢物語。
そう思ってたんだけどねぇ、現実あるからビビってる!!』
「笑い事では、」
『人を巻き込んだ事実だから、死んで当然だが、私の罪は重すぎる。
ならいっそ、忘れたくないから生きるなら、忘れて生き返らせればいい。』
それは、私が一番恐れて一番怖くて辛いこと。
それこそが、私の罰を償わせられるというもの。
『私は貴方達を使って私を殺させたの。』