あなたは永遠を何に捧げますか
「っな、にを」
『だって事実でしょう?現にそうなってる。』
ま、もう終わる話だ。
『あいつらは知りもしないものだしね。にしても上手く溶け込ませた内容だわ。
全部知ったら怒られるだろうし、覚悟しとかないとなぁ。』
「…それだけを知れば確かに怒られるでしょうね。」
天使を操作したとすれば、大罪では済まないだろう。
「ですが、それを夢見た一種の物語。それに巻き込まれたに過ぎないのでは?」
『…そうならいいね。』
どうせそうならない。
現実を見ておけばいい。
残酷なのだ現実は。
『華神は人間で願いを叶えさせようとした末路の者。そして叶えた者は加護天使へ。
人が人ならざる者になり、魔女はその間に手折られたもの。』
「だから魔女は淘汰される。」
『そう。種と同じ。花はやがて枯れて種を飛ばし次の場で咲く。
魔女は手折るか、又は病気したもの。まぁ後者が本来の魔女だ。』
だから私は病気になるのだ。
大魔女になるならば、の話だが。
『願いのルールを決めて、時間を飛ばしたのは
花でいうところのコールドスリープ。
まぁ冷凍保存された状態だよ。』
その次は、枯れてまた種を出す。
『そうして繰り返し、続けた中で、新たな役割を作り、それが君ら天使。』
「その天使に殺させ、天使の役割を変えたと。」
『そうしたら辻褄が合うかなぁって思ってね。
まぁこの話も正直此処数週間気付いただけだし。』
「それなら悟られないと」
ないものを見れる訳もないだろうからね。
そう言ったメルに、隠し通しますねぇとウイスが言う。
「何故そうまでして隠すのです?我々に軽蔑されるのが怖いとかですか?」
『まぁそれもそうだけど、一番はこの物語作った奴かな。』
「貴方、ということですか?」
そう、そうなのだ。
『私が創る全てはどうしようもない処ばかりだから。』
「…結末を覚えていないのですか?創造主なのでしょう?」
『それがこれにしようかあれにしようかで多すぎてな。』
「だああっ」
忘れたというメルに、全員がこける。
『へへ、気が抜けたらお腹空いたね』
「向こうに戻らなくていいんです?」
『いやこないだろうし』
「音なってません?」
そう言われて、びっくりしたメルに、ほらとウイスが言う。
本当に来ていたのだ。しかもよりによって第7が。
『ダメだ、此処だといや、やるしかないか。』
華樹の力が発生しているのがバレると、それは同時に自ら使っている此処がバレるというもの。
流石に今裏でやっているのを知られる訳にはいかない。
「強制的に戻せばいいのでは?」
『分かったごめん皆また後でね。』
「ええ、また、あとで。」
そう手を振るウイスが綺麗に消え、用紙の中に入っていく。
それはありとあらゆる方向から綺麗になくなる。
ばっと飛び出し、身体の力が抜け落ちていく。
ったく、来る予定はないはずだがとドアを閉じ消し去る。
記憶も止めて、綺麗にしておこうと思ったメルが顔に手を置いてあげる。
「メルさん、いらっしゃいますか?」
『(ウイスさん)』
「すいません、どうしてもパンさんが期待と仰りまして。」
「おねえちぁあん」
『あっ、らら、』
「メル様が審査の時に入ったとお告げしたら一人だけでもって聞かなくて。」
泣き出すパンに、嗚呼ごめんねぇとメルは言う。
お絵描きしたいと言った彼女にぎくりとメルは動いてしまった。
しまった、向こうに置いているし、なんならウイス達にみられるわけにはいかないのだ。
『ごめんね、あれ沢山かいて、もううまったの。』
一応間違っていないし、それ以上は考えない。
煩い異例中の異例なのだ。
ウイスの視線が少しいやかなり痛い。なんで。ほんとなんで。
「だそうですよ、パンさん」
「うううううう」
『嗚呼でも、お腹空いてごはんにしようとおもってたの。』
一緒に食べる?そう言ったメルに、食べると元気に返事するパン。
では私がと手をまくろうとしたウイスに待ってとメルは答える。
『どうせなら三人で、ね?』
「?」
++++++++++
「わあお姉ちゃん凄い!!」
『まぁ軽く運動がてらね』
「そんな動いて大丈夫なのですか?」
大丈夫大丈夫。そうメルは言う。
『こうやって子供と戯れるのが一番のごふっ』
「わああああああああああ」
「メル様!?」
笑って口から吐血するメルに、嗚呼ごめんとメルが言うも
そんなことないとパンやウイスが言う。
一応食事に入ってないというが、大丈夫ではないだろう。
作り直そうというが、いいですからとウイスに追い出された。
暫くすると
「どうぞ」
「おいしそ〜〜〜!」
『頂きます』
病院食から少々飛び出し、今日はスパゲッティをと思ってたのだ。
綺麗なオレンジ色を見て、何時かの子を思い出す。
「どうされました?」
『アルトは元気?』
「…ええ、元気ですよ。」
『そ。ならいいや。』
「……」
ちゅるちゅると食べるパンがちらりとメルを見ては食べを繰り返す。
黙々と食べるメルは兎に角ウイス達の事を考えないように
とにかく自然に振る舞うようになんとか誤魔化していた。
「メルさんは」
『んん?』
「私達天使を、どう思っておりますか?」
『…んんっ、そ、れは。けほっ。どういう?』
「いえ、貴方が一週間後死ぬかもしれないというお告げで
聞いてないことを聞きたいと思いましてね。」
どうせ最後になるなら。
そう言った彼を思い出した。
『…好きだよ、ずっと。』
「おねえちゃ…」
『まぁ正直その輪を私もスポってつけたかったけどね!!!!』
「わ………です、か?」
そう、輪、わだよ、わ。
『だって滅茶苦茶かっこいいじゃん。天使の輪だよ。
羽根があれば尚由だったが、ないなら輪でもと思うやん?』
「いえ、あっ、ふ、ふふふふふ!」
『なにが面白いの』
いえ、だってと笑うウイスが口をナプキンで拭う。
「どう思うに対して輪を被りたいと仰るので。」
『(あ)』
「もう一度問いますね、メルさん。」
天使を、どう思っていますか?
ひゅっと冷える感覚がすぐに戻る。
我ながら感覚を鍛えているのが素晴らしい。
『…いいな。って、おもうよ。』
「いい、ですか。」
『うん。』
そう、そうだ、それがしっくりくる。
破壊神を見守り、命令に従う。それだけ。
途方もない長い月日だろうが、それでも変わるだろう。
変わらないものは、何一つない。
『天使はね、いい子でないと成れないって昔誰かが言ってたの。』
「いい子で、ねぇ?」
「そうなの?」
「…正直本当になろうとは、無理でしょうね。」
我々天使は大神官様の生まれです。
「魂を此方に、とあらば話は別ですが。」
例外が、フィズということだ。
恐らく彼はそう言いたいのだろう。
ちらりと奥を見てくるように見てくる目が怖い。
まるで、お前のやることはお見通しだ。と言われている気がする。
だが、此方としてもあがきたいというもの。
『いい子でいたらパパとママは褒めてくれる。
良い子のままでいれば、天使になれる。
天使は私の生まれ日。だから天使になるべき者。』
そう言い聞かせた。だからいい子を演じた。
演じて、そして、そのがたが、今きただけだ。
『パンちゃんはそのままでいいよ』
「んんやだ、おねえちゃんがいい!!!!」
『へ』
「パンもお姉ちゃんみたいになりたい!!!」
ダメと言いたかった口が止まる。
そうだ、私が死ねば、新しい華樹が生まれる。
だが、記憶は?あの素振りからして、ひょっとすれば、ひょっとするか。
『…なってもどうだろ、なれないよ?』
「っ」
「え〜〜〜〜〜!なんで!!!」
『だって私は私。貴方は貴方だから。』
そうだ、そうなのだ。私は私であるのだ。
では、では私は?0番目の私はどう願うのだろうか?
この状況を、忘れたいと思う?いやそんなの決まっている。
忘れたくないのだ
もう、忘れたくないから、額縁に飾ったのだ。
『ごちそうさま』
「ええ、もういいの?」
『うん、食べれるなら食べてもいいよ。』
「はぁい」
「…メルさんは、我々に何か言いたいことはないのですか?」
『ないよ』
「……そう、ですか。」
まぁいうなら、
『私とお喋りしてくれて、ありがとう。とは言いたいかな?』
「…っ、いえ、此方こそ。」
『まぁまだ死ぬとは限らない。』
限りなくゼロだろうが。
芽を閉じた、あの子は、きっというのだ。
もういいの。
そうして、手折るだろう。
自ら、その手で。
++++++++++
彼らが居なくなり、数時間後。
すぐにメルは飛び起き、元の場所に戻る。
指を鳴らし、彼らの続きを創り出した。
「おかえりなさい」
『ただいま、あれみんなは?』
「客室で寝ていますよ。」
そうリビングに来て見えるのはウイスとサワア。
ピッコロ、そして界王神3人の、計6名だけだった。
『君らそのままでいいの?』
「我々は休憩を茶で済ませる故」
『ああ、そうだった。そうだった寝ねぇわ。界王神ねねぇ。』
そう頭を抱えて身体を倒すメルに、
ソファーでくつろいでいたシンとゴワスが苦笑いする。
『だとしてもピッコロ意外だな。此処居にくくない?』
「何処にいようが構わんだろう。」
『まぁうん、良いけど。』
そんなもんだったか、まぁいいか。
「それにしても、どうしました?我々を一度止めていましたが。」
『ちょっと第七、ウイスさんがねぇ、パンちゃん連れて来てさ。』
「なに?それは本当か。」
『うん。もう死んじゃうかもってことで、泣いちゃって。』
大甘で見てウイスも大神官にコンタクトを取ったのだろう。
勿論それで却下を言う大神官ではないはずだ。
『緊急で止めて、外を片付けた。多分もう来ないが』
「が、どうした。」
なんかあったようにいうな。そう言ったのはソファーで軽くくつろぐロウだ。
その隣に座り、そっと足を汲んでその上に肘を立て顎を乗せて言う。
『やぁ、なんかバレた気がするんだわ。』
「…ほぉ?」
『あのソフトクリーム危険だからなぁ。』
「そっぶ」
「…ロウ様」
すまんと笑うロウに、メルも笑ってしまう。
『んで、そのウイスさんこっちみて言いたそうだったんだよ。』
「どんな感じだったんです?」
『“お前のしていることは分かっているが大人しくしていろ”なんてね。』
「…………っ」
「………へぇ?それはそれは。」
そう意味があるように、ちらりとシンがウイスを見る。
ウイスはメルの前にことりと茶を置いた。
『……』
「おや、メルさんどうされました?」
『ウイス』
「はい」
『私食事って言ってたよね?』
「ええ」
空に飛び、華を咲かせ彼の輪に足を掛けた
『【本物が何をしに来た何故此処に来るのだ】』
「……おや、私が本物だと、どうしてそうお思いに?」
『食事だと私は告げた。だがメニューまでは言っていなかった。ただ書き留めた。スパだけでもね。』
そう一種の賭けだった。
嫌な予感がしたのだ。
彼のやりそうな手口だと、メルは舌打ちを打つ。
『加えてその茶、お前には食事と言って、
後で茶をと思ったのは向こうの本体だ。
まぁ私が気付くのが遅かったか?チッ』
「ではどうやって本物だと気付くのです?私は貴方の考えたあくまでも記憶の存在。」
そうでは?
そう言った目に、眉がピクリと動く。
服を掴み、手を後ろに引いたまま、ただ華を創り出して止めたままだ。
そのまま彼に打ち付けると、大体の想像は察する。
メルは大きく息を吐き力を抜いて空にウイスの輪でけりあがった。
『……仮に、ウイス、問うぞ。』
「ええ」
『どうしてそこまで私を守ろうとする。』
「……ええと、仰る意味が分かりませんが。」
私の記憶でも無理か。そう言ったメルが浮遊しながらも彼の方を向いて顎を触っていた手で指さす。
『だって私だったら、偽物に紛れてでも彼女が生きる守れる術を探そうとするもん。』
「っ!!!」
『まぁ私が創り出した虚像ではあるし、インク量的には恐らく次書き直したが最後だろうが。』
「っええ、そうなんですか!?」
『多くの者達を一度に書いたからね。その都度開くインク量も変わる。』
ペンは一応一本のみ。恐らくこれはインクの方が大事なのだろう。
追加で貰うと、もし本物ならば少々厄介なことだ。
だがある程度調べられている以上、やるとすればいや。
「何を考えておられるんです?」
『んんん〜〜〜〜今後のこと。』
「考えるなら空で胡坐をかかないで貰えます?」
『ああはいはい。』
そういってメルはすっと胡坐をかいたままロウの隣に戻る。
『んん、本物なら死ぬ。偽物だから私こうしているのに。』
「ふふ、偽物ですよ?私達は。」
『えぇ、ウイスさんがいいそうなんだってば…』
そう笑ってメルが言うのに、ならどっちがいいんですとウイスが問う。
「別に本物だろうが偽物だろうが、
最終的にメル様が生きた時間を精査されるというもの。
此処が全てならば、尚更本物を連れてくれば良いだけの話。」
「わしもそう思っておったのです。
なんなら貴方の事を少し見ましたが、
何も悪いことをしているようなものは
見当たりませんでしたぞ?」
問題ないなら、別に来させれば、という二人にメルは大きなため息を吐いて両手を膝に置いた。
『そりゃ、簡単に言うがねぇ、サワアさんにゴワスさんや。
この場所は0番目の時間そのものに等しい場所。
私は此処ならさらっとのびのびと生きるって決めてるの。
誰が隠している奴をのこのこいれるというのさ。』
「ああ、なるほど」
「だがどうしてそこまで隠す。悟空達と探したが、
お前の方もかなりキツイ状態が続いたはずだ。」
嗚呼、願った場所をちょっとみたか。
『ちなみにどこ』
「一応幼い頃くらいしかみれなかったが、まぁ悟飯が怒っていたな。」
『…ま、親だしね。願いはアレが全て。私はアレに捧げた者。』
だから、それに怒っても、無意味だ。
『私馬鹿だからね、素でいると全部見えるんだよ。
ピッコロさん処か、多分悟空とかあの類もバレる。』
なるべく、自分だけで留めたいもの。
広がればその分、自分の行動がかなり狭まるというものだ。
『決めた状態で維持するのが現状良い状態だと思ったまで。
ま、君らが見ているのは実際現実にあったものだ。』
事実だから、それ以上もそれ以下もない。
『私は私が知り続けるだけがいい。それがもし、華の力の源なら猶更ね。』
「…人が知れば知るほど、力が減ると?」
『可能性はなくもない。強い願いの末だからね。』
「では、尚更我々が探すのはまずのではないですか?仮にも記憶とはいえ、こうして話すもの。」
シンが言うのは、記憶で作った偽物でも、人は人。
つまりそれは知られるという同意義にということだ。
それにはメルが否定する。
『ないない、これは私が本物だと思えば発動するもの。
まぁその情報もあやふやだから聞きたいが』
「まぁ聞けばバレるだろうな」
『ああ〜だよねぇ〜〜〜〜なんならだからウイスさんがさぁ』
「でも、それならバレていたとして、どうしてそのままに?」
『まあ普通に助けたいからとかじゃない?』
あとはそうだなぁ。
『私がこうして話しているの、狡いとか思うかなぁ?』
「ーーーっ」
『いつか、こうして話したかったし、よいっしょ!』
「っ!メルさ」
『こうやって膝の上に座ってお話したかったんだよ!』
ニコニコと身体を揺らすメル。
ウイスはただ両手をメルに掴まされれ前に出ていた手が
そっとメルの腹に置かれる。
「あの、メルさん?」
『ああい』
「先程と打って変わった対応ですが、これはどういう?」
『まぁ本物だろうが偽物だろうが、やりたいことやる。』
「はぁ」
『私は偽物希望してます。』
そんな匿名希望みたいに。
『ま、どうせ全てを見ればわかる。
私がどれだけ愚かでどれだけ罰を拭えられない者か。』
「それは、人を殺したとかですか?」
『いいや、殺人はしてないよ。まぁ、身体は。』
「なんか意味があるように言うな。」
『此処なら数えられない程殺した。』
そうメルはウイスの腕に片手を置き、もう片手中指で胸をトントンと叩く。
『悲鳴を聞いた、嫌だと拒絶を知った。
でも止めない、最初は手、手首、足、腕。
胸を刺して痛みが苦しくて、ならと犠牲を取った。』
胸を叩いていた手を前に出して眺める。
『この印に全てをと。子を何度も殺した。何度も何度も何度も。その時は感情なんてない。』
産まれるその感覚を、殺し続けた。
そうして、痛みなんて振り払ったハズだった。
そう、そのはずだったのに。
『私は人間で、普通を望んだ。それが、いけないんだと、気付いては遅くて。』
「…っそんな、人は人であるべきです。ましてや普通を奪われるなどあってはならない。」
『』
メルはちらりとシンを見てから、左下を見て、右上右下と見て首を横に振った。
そんなことはない、何度考えてもそれ以外はないのだと。言い聞かせるように。
『この痛みが亡くなるのは惜しいならば痛みを感じなければ生きれなくなるように作り変えればいいと思った。』
「っ!!!!!それは」
「お前、そんなことしてよくそう生きれるな。」
『え、だって私ガラクタだもん。』
「は」
『私はもう死んだ人間なのだから、生きてないよ?』