命じてください貴方の欲を






んん、とメルが声を上げる。

『こ、こは』
「起きましたか、すみません、少々強く当ててしまいましたね。」
『うう、ん。だい、じょうぶ。』

それより、やっと帰れるねぇと言うメルに
それなんですが、とコルンは膝を立てメルに頭を下げる。

「すみません、メル様」
『んにゃ、えっま、コルン様?!いや皆さんもどうしてちょっと、頭を上げて下さい!!』
「実は、お題がお題でしたので、強行突破をと全員で力を最大限に使用して破壊したのですが」
「破壊してもドアは修復され、なんならペナルティーとしてお題が増えました。」
「すみません」
『いや、別にそんなむずか、し、いお、だいじゃ』
「…普通のお題であれば、本来強行突破をしないのですが。」

後の5つが余りにも酷い内容でしたので。
強行突破をと全員一致の上でしたこと。

「メル様、嫌だとは思いますが、堪えて下さい。」
「嫌われる行為を許さなくても構いません
ぶってもなんでもいいですので、今だけは。」
『あ、いやあの、あ〜〜〜〜〜』

とりあえず、お風呂入ろうか。

そう言ったメルに、ですがと周りが困惑する。

『ほら、今後の作戦会議としても、内容も内容だし。』

そう目をかなり泳がせるメルに、無理もないとモヒイトは思っていた。
なにせ、内容が内容だ。メルは現在神でも高位の位置に居る身分。
元々人間だったとはいえども、現在は違うし、
人間だったとしても、産まれはあの華樹神である、全王様も気に入った人間の神様。

そのお子を、大昔の天使がやった末路を、
正そうとしているこの状況でのこの話。
嫌われても当然であるというのに。



なのに、なのにこの人は




『ああああ本当に混浴風呂だあああああ
しかも私行きたかった風呂おおおおお
いやっふうううううう!!!!』
「メル様!!メル様お待ちください!!
お願いします、もう後生ですから
頼みますからタオルを付けて下さい!!!!!!」

弟たちが困惑してます!!!!!

そう顔を赤らめて白いタオルを持って追いかけるコルンに
いやぁこれからの内容的にむりっしょと諦めるメルに
どうしてそうも勢いがいいんですか!!とコルンが怒鳴る。


「貴方と言う方は、我々酷いことをするんですよ!?!?」
『だから風呂入るんじゃん。ほらんなもんすてる。』
「ばっちょ、メル様!?!?」
『ほら触る』
「〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
「メル様、流石に強すぎます。」

コルンお兄様が失神しますから。
そう言ったウイスに、仕方がないなぁとメルはぼやく。

『本当は最初からタオル付けると後から恥ずかしくなるので
もういっそのこと子供の様にとはっちゃけるつもりだったのにぃ。』
「すいません、流石にそう流すわけにもいかないので。」
『あはは、コルン様胸予想以上にあって驚いた?』
「〜〜〜っメル様!!!」
『ふふ』
「怖いもの知らずですね、ほんと。」
『こわいよぉ?』

怖がっているように全く見えないのですが。
そうタオルをウイスにつけられたメルにモヒイトが話す。

『でも怖いことを考えても仕方がない。
ひとまず汗を流すのみ!あと単純に
みんなの髪の毛が変わるのが見たい!!!!!』
「嗚呼、貴方のその勢いがうらやましいです。」
「まぁ、考えても確かに時間が過ぎるだけです。
此処は彼女の意見も組むべきでは?」

そう言ったウイスに、うんうんとメルは思い、おおと目を輝かせる。

『此処ねぇ、私が小さい頃に来た風呂にも似てるんだよねぇ。
下手したら作りかえることもできるんだよね??』
「メル様??」
『わああああすごい!橋の風呂だああああああ!!!』
「メル様!??!?!!?!」

見たことのない風呂から、更に見たことのない風呂へと変化する。
大きな一つの風呂場が、橋の付いた露天風呂付の風呂へと変化したのだ。

来て来てと言うメルに、どうされました?とウイスが付いてくる。

『此処の風呂は小さい頃私がぱっぱと友達と一緒に入ったことがあるの!』
「ほぉ、それは思い入れのあるお風呂で」
『まぁ此処で滑って頭から血垂れ流して意識失ったんだけどね!!!!』
「メル様!?!?!?!」

いやーあの時は面白かったなぁ。
ドラマみたいな感じで意識失うんだもん。
そう笑って言うが、それは当時、父親も血の気が引いたことだろう。

というか、さらっと言っているが、
彼女の前世といえば、まさか


「…お師匠も苦労したのでしょうね。」
「コルンお兄様……」
『なはは〜〜〜!ウイスさんウイスさん』
「はいはいなんでしょうメル様。」
『お背中おなながしします!!!』
「それを言うならお背中お流し致しましょうかですよ。
と、言いますが、私でよいのですか?」
『ううん!全員する!!!』
「ほほほほ、元気ですねぇ。」

笑って言うウイスに、メルは笑って答える。

「どうせ私の髪型を下させたいのでしょう?」
『そう!!!!』
「そのまえに、身体が冷えると悪いですから、先に流させても?」
『いいけど…やらせてくれる?』
「ええ、ええさせますから。」

じゃあいいと言って椅子にちょこんと座るメル
こうやってミル達とも風呂に入っていたのだろうか。

「いつもは何処から洗っているんです?」
『一応顔、頭、身体で終わり。』
「おや、頭からではないのですね?」
『そうするとねぇ〜なんか嫌だから先に手を洗って
其処から顔やってる。』

なんか顔をやった方が楽なんだよね。

そう言いながらメルはお湯の温度を手で測り、そのまま頭を軽く流す。
ゴムをはずしたメルの髪が下に落ちる。

「流しますよ。」
『はぁい』

そう目を閉じて空から落ちるお湯に身体をこわばらせる。
そう言えば昔も父に母に頭を身体を洗ってもらったなぁと思い出す。
ウイスに流して貰っている間に、メルはそのまま顔を洗う。

何故か前に使っていたソープたちが此処に集結してることには、見ないことにした。

余り考えても仕方がないというもの。

ふわりと香る、柔らかなフローラルの香りに、いい匂いと思う。
いやはや、風呂はこうでなくてはいけない。

顔をお湯で軽く流してもらい、頭を洗う。
かなりの雑さに、メル様?と空から声がかかる。

「少々雑過ぎやしません?」
『私いつもこうしてるよ?シャンプーは根本、トリートメントは毛の方って決めてるの。』
「いやだとしても洗いきれてませんよ。」
『嗚呼〜そこあとで〜〜〜するよてい〜〜〜〜』
「力加減はいかがです?」
『もうてんにのぼる〜〜〜〜』
「上られては私達一生この空間からでれませんが。」

こまるーーーー
というメルは、隣から突っ込んだモヒイトの反応に答えたのだ。
一度洗い流している間、何処にあったかと嗚呼思い出し指を鳴らした。

『(そうそうピンクのこの身体洗うやつが好きなんだよね)』

ちょっとぼろくなったくらいがちょうどいいのだ。
痛みが少しだけって感じが、きっと敏感肌なのだろう。
なるべく強くこすっていないはずだが、
最初はたまに赤くなったりするのだ。

わしゃわしゃと泡立てていると、先に洗います?とウイスにメルはうんと答えた。

『一応胸と下、脇は洗わせたくないからね。』
「わかりました」
『にしてもウイスさん滅茶苦茶頭洗うの上手すぎやしません?』
「おや、そうです?」
『滅茶苦茶気持ち良すぎて逆に寝る。』
「嬉しいですが、寝られては困りますねぇ。」
『あはは、そりゃそうだ。はいどうぞ』
「ありがとうございます。これくらいでよろしいです?」

トリートメントを放置する間、メルは先に秘部の方を軽く洗い、ウイスに渡した。
下の方は特にそのまま放置すると痛みを伴うので、洗った後すぐに洗い流すのだ。

シャワーでお湯を溜めていた湯を軽く手で掬い取り、ささっと流す。

『うん大丈夫、ありがとう』
「いえいえ」
『もう大丈夫だよ、ウイスさん。』
「わかりました、では流しますね〜〜」
『はぁい』

シャワーで軽く流して貰っている間、ついでに髪の毛も触って流し続ける。
ごわごわがツルツルと変わって行くこの感じが堪らない。
風呂はこうでなくてはとメルは思っていた。

『よし、じゃあご褒美ご褒美!!!』
「私の頭がご褒美とは、不思議なことですねぇ〜〜〜」

そう全裸の状態で頭に軽くシャワーヘッドを手で当ててお湯を流す。
ウイスが指を鳴らすと、立てていた髪の毛が下に下がったのだ。
おおおおおと感動の声がウイスからして、上から聞こえる。

きっと目を丸くして笑ってみているのだろう。
まったく、面白いったらありゃしない。

もういいですと言った彼に、メルは背中を流す準備を整えだす。
軽く頭を洗い、メルから洗い流してもらって、と先程と交代した流れをする。


『これくらい?』
「もう少し強めでも構いませんよ」
『こ、ここここ、こおう?』
「ええ、丁度良いです」
『はぁわ』
「どうしました?」
『いや背中でっっっっかって思って』
「それ言い出したらコルンお兄様どうなります?」
『ぴゃ〜〜〜〜〜〜』
「ちょ、メル様タオルを付け直してください!!!」
『やぁ別に減る者じゃないですし』
「それ貴方がいうものではないですよね!?!?!?」


先程の影響もあってか、メルのテンションは以前下がることがない。
黒い髪の毛がキラキラと光っていて綺麗なのは確かではある。
まぁ恥じらう彼らにと仕方がなく落ちてしまっていたタオルを拾うと
濡れていたタオルが綺麗に乾いたではないか。

「新しいタオルです。」
『わあ〜〜サワア様ありがとうございます!!!!』
「いえいえ」
『ウイスさん!お背中お流しします!』
「はいはいどうぞ〜」

ふんと鼻息が荒くなるメルに、ウイスはクスリと笑った。
幼子が父親の背中を流す様な気分なのだろう。
好きにさせるべきだと、彼女に身を任せるようにする。

泡が感じられなくなると、もういいですよと言うウイスに
メル様と声がかかる。

「背中を流してもらっても?」
『わあああああしますしますしますします!!!!!』
「ふふ、お願いしますね」

わあおっき!ありがとうございます
そう目を輝かせる彼女にウイスはまた笑いが込みあがってきた。

メルの注意が逸れている間、洗えるところは洗い温泉につかることにする。
メルはサワアが付き添っているので大丈夫だと踏んだのだ。

『橋はし、はし!!!』
「メル様、熱いのでお気をつけて。」
『そんな〜びっ』
「…メル様?」
『水』

びゃあああつめだああああ
と声を上げるメルがぎゅっと声を止め身体が震える。
冷やした身体で、そのままタオルをはぎ取りながら風呂につかる。

一応乳白系の色だったので、下が綺麗に見えるわけでもないが。

『はにゃ〜〜〜いいゆだねぇ〜〜〜〜』
「ええ」
『わ〜〜〜〜』
「これ、泳がない。はしたないですよ!!!」
『だってこんな広いんですよ。手をついてでも泳ぎます。』

手はつけないが。足はつける。
なので軽くついては伸びてを繰り返す。
はにゃ〜〜〜ぎもぢ〜〜〜と中年男性みたいな低い声を出すメルに
元気ですねぇとサワアが笑う。

「メル様は何時もこうして泳がれるのですか?」
『ん〜いや、いつもは風呂烏の行水みたいに早いから。』

風呂もできればこうして浸かるのは久しぶりだ。

『そんなことより、露天風呂いきましょう!』
「急いだらこけますよ」
『わかってますっと』
「っメル様!!」

先程転んだと言っていたところで滑るメルに、
咄嗟にサワアが杖を取り出しメル全体を浮遊させた。

「〜〜〜だから言ったでしょうに。」
『あはは、ごめん』
「そのままお連れしますよ。」

そう言って杖を消し、
サワアはメルを抱き上げて露天風呂の方に移動する。
そこは、綺麗な夜空が空を見せていた。
竹林のように組まれた竹の奥には川が見える。

広い露天風呂は、透明で透き通っていたのが、白く濁りだす。
コルンが指を鳴らし、染色したのだ。

そっとメルを下したサワアにメルは礼を言う。

全員が入ったのを機に、よしとメルは声を上げる。

『じゃ、本題入りますか。』
「っ」
『お題を見せろ』

そう言ったメルに答えてか、空にブンとお題が表示される。
ふぅんと鼻で答えたメルがちらちらと目を向ける。
軽く流して読み進めたのだろう。

『あ〜なるほどぉ?まぁ確かに、きついねぇ〜〜。』
「っ、すみません」
『いや、最後はまぁ仕方がないとしても
確かにこの内容だったら私でも此処破壊していくわ。』

それにペナルティーが発生するなんて気付くわけもない。
そんなことで嫌いになるなんてないよと先にメルは訂正する。

『それよりも、お題を改めて告げるよ。
まず現段階で10個、そのうち2個は終わった。
後で風呂上りにコルン様と、モヒイト様
お二人は私を肩車してもらいます。いいですね?』
「ええ」
「わかりました」
『説明は後でします。話を続けますよ。』

そう言ってメルはまずはと指を指す。

内容はこうだ、


・誰かが誰かを肩車する
・誰かが誰かを抱っこする
・全員で温泉に入る
・全員メルに10か所キスをする
・一人一度メルと性交をする
・性感帯を5つ増やす
・メルを大小問わず50回いかせる
・全員が満足する
・誰かが誰かを殺すこと※ただし死んだ後華神の力は扱えるようにする
・2人一組でメルをいかせること※必ず全員が入り、全員メルと手を繋ぐこと。


『ペナルティーとして、更に追加条件が発生した。
正直下から二番目が、私としては避けたい内容なのだが
まず私がこのままやる順番決めても本当にいいんです?』
「拒否権など此方に在るわけもありません。構いません。」
「ええ、全員同意見です。」
『…なら、最初に……』

そう静かになったメル
それもそうだ、この内容は全てメルの負担が大きすぎる。
眉を寄せるメルがどうしようかねぇと低い声を上げる。


『んん、サワア』
「なんでしょう」
『人を殺めたことは?』
「あるわけないですし、全天使同じですよ。」
『…なら私を殺して。』
「っ」
『多分この中で貴方が一番適任。』

頼んだよそう言ったメルに、分かりましたと、サワアはすっと顔を落としお辞儀をした。

『ま、安心して。直で君に手を染めさせるわけがない。』
「っえ」
「というと?」
『私が私を殺せばいい。』

誰かが誰かを殺す、これに華神の力が発生する。
それはつまり、私の十八番である人間を創り出す行為が可能ということ。

『私がサワアという存在を創り出し、
ソレに殺させるだけのこと。
なぁに、そんな簡単なこと朝飯前だよ。
まぁ君らに見せるのは初めてだから、
懸念点としたら君らが壊れないか心配ですけれども。』

「っ、メル様、まさか貴方」

『ふふ』
「…今まで何度、ソレをしてきました?」
『さあ?』
「……呆れた、死ねないからといって、
感情を殺し自らを実験台にしていたのですか?」


『まぁ、昔の話だよ。』


それは一体、いつのだろうか。
メルはもう遠の昔過ぎて忘れてしまった。


『ま、そういうことだけど、サワアの肉体を少々使って再現度高めにいくから。』

そうしないとこの空間誤魔化せない。
本気でやらないと、多分シビアだからね。
そう言う彼女に、覚悟はいつでもとサワアは答えた。


『じゃ、次。私この後意識吹っ飛ぶ予定だからねぇ〜先にこういうのは告げておきたくてね!』


そう、これでもあと6個もあるのだ。
加えて一番の問題はだ、


『追加メニューとして、媚薬を飲ませるって言うのがねぇ〜〜。』

そう、ペナルティ特別メニューとして、
10回いくごとにメルは強制的に媚薬を一本飲まねばならないのだ。
そうでなくとも、全部で20本もある媚薬を飲みきれというのだ。
しかも、うち4本は口移し。零した液体は自動的に瓶に戻るらしい。
一滴も零さず、飲み込ませるというのがメニューの一つ。

強制的にメルは口移し4本と達するごとの5本
そして一人一つは必ず自ら飲むという1本の
計10本を飲み切らなければならなかった。
後の10本はウイス達が飲み切ってくれるのでいいが。

問題はその量である。
最初に10本をウイス達が飲んで様子をみることは
どうしてもと押した彼らにメルは許すしかない。

『一人一度、次に二人一組の順番。
その間に、キス、性感帯を増やす、50達するのはクリアさせる。』

しかも、これ、面倒なのが

『チッ、性感帯で5回はいかないといかないのが厄介だよなぁ〜〜』

余りこういうのは好きではない。
出来るだけ彼らにあまり弱いところは見せたくないというのが本音。
自分の弱いところは何となく察しているので、
一応開発はなるべくしていないのが救いか。

いやだとしてもだ。

『まぁ、いけるでしょう。二人一組だけど、その時のいける子達が入るってことで。任せますいいですね?』
「わかりました」
「構いませんよ」
「では、余り長湯も悪いですし、さっさと終わらせるとしますか。」
『ええ(全員が気付いているかは知らないが、この斜めに書かれたペナルティ)』


隠しペナルティがメルに課せられていた。


『(恋に落ち、願いを書き換えろか)』



それはすなわち、己の消滅を意味するに等しいもの。

一体この空間を誰が作ったかは定かではないが、
嗚呼今綺麗に隠せれているか、気になるが。


『(作った奴を殺したくなる気分だ)』


天使達を汚す、傷付かせる行為でもあるこの状況。
巻き込んだ私も私だが、少々ひどすぎる。
彼らは私に悪いというが、どっちかっていうとこっちが申し訳ない。

この空間は魔女を浄化させきれていない此方の不備でもあるものだ。
私が未熟だから、彼らを巻き込んでいることを、
間違っても忘れるなど、思ってはいけないし。

ましてや、そう押し付けるなんて、言語道断である。


『(忘れるな、決して、刷り込ませろ)』



お前が、いけないのだと。

そうメルは覚悟し、部屋をあとにしたのだった。