自分が自分であることを証明せよ





「あ〜こぉわああぁい!恐怖恐怖♡!!私千代木芽瑠!
現在ストーカに突撃隣の告白途中から逃げて来てるとこ!!」

嫌お前のテンションが怖いわと誰かが突っ込んだのを
メルも強く首を縦に振る。

「だけど此処は袋小路八方ふさがりのコンクリートブロックの嵐!
次回芽瑠ちゃん異世界に転生!?お楽しみに!!ってそれ死ぬよねぇ!!」

ってあれ此処ドアしかないね!?
ごめんこうむる!
現在逃げてるからそう言って入る彼女に
異空間が広がり堕ちていく先はだ、

「ああああああああああああ」
「おおおおおおあああああああああ」

どしんという音に、いたたたた、と銀色の髪色が揺れる。
一体何がと紺色の髪色をした男性が顔をぎょっとした。

「あ、ども」

わなわなした後、芽瑠の身体を脇に抱えてとんずらこく。
というか、大神官の前に息を切らしながら来た

「どうされました?ルトラールさん。」
『あまたこの言葉』
「メル…まさかこの人って」
「嗚呼もう、スピス!!一体全体どうなってんだこの宮廷は!!」

空から人間の女の子が降ってくるってどういう仕組みしてんだよ!!!

「ですが、その女の子傍に居ませんよ?」
「え」
「わ〜すげぇ綺麗!これたべれあがっ」
「に〜ん〜げ〜ん〜〜〜」
「あああああ食わないで食わないで食わないで食わないで」
「っくくく、食べませんよ。」

美味しくなんてないでしょうし。
えっ美味かったらくうの?まじまんじ?
そう言う芽瑠に、大神官はどうでしょうと流す。

「それより、その子にしたらいいのでは?」
「え?まさか」
「丁度最果てらも交換時期でしょうし。」

貴方が引き継ぎに使えばいいでしょう。
そういった彼に、わなわなと震えあがる。

++++++++++

「こほん、というわけで、貴方が生きていた世界とは
別世界つまり異世界と言うことです。」
「はい!」
「はいどうぞ。」
「私はこれからどうなるんで?」
「一応気と呼ばれる力があるか
どうかとかその他諸々試験します。」
「その最果てとかって」
「まぁなれなくはないですが、
貴方にそんな強い願いがあるとは思えません。」

ううんと唸りながら見る彼の髪色は白く、目は紫色をしていた。
だがその姿はどうみても、肌色の素肌であり。

「人間なのになんで神様みたいな言い方するんです?」
「そりゃあ私は神様ですし。なんならあのスピスが弟ですよ。」
「いい!?!?!?」

とんでもない爆弾発言が聞けたのもつかの間。
それよりとルトラールが話を聞く。

「そもそも貴方、人間の分際でよくあの場所で生きれましたね。」
「え?どうして」
「あの区域は人間の息できる酸素に近いものは存在しません。」

まぁ作り途中というのもありますが。
あの区域は非常に繊細なのですという
ルトラールに、はわと芽瑠がバたり倒れた。

「ま、ここまで華神になれるものか
皆目見当もつかない子は正直初めてですね。
ある意味実験にはもってこいというかなんというか。」
「ううああややっっっぱり私食べるの!!!!」
「だーから食べる訳ないでしょう。まずは気のお勉強から。」

ま、その前に。

「体力をつけて貰いましょうね。」
「ひいむりしぬ」
「華神の候補者なら死ぬなど在り得ませんよ。」

ま、例外はありますが。
そう言うルトラールに、何と答える。

「強い感情に願いを祈りを波に乗せ無理矢理華を咲かせる行為です。」

余り褒められたものではありませんが、
かなりの素質があるという者ではあります。
鍛えれば普通に戦闘としても重宝するレベルですから。

そう言うルトラールに、へぇと芽瑠は聞く。

「貴方も強いんですか?」
「…ほお?この私を強くないとでも?」
「うん!!!!!」


「これでわかりました?」
「ぴゃい」

数分後、芽瑠はコテンパンにやられて意気消沈していた。
といっても大分加減してこれなので、先が思いやられるのは確かである。

まったく、とため息をつくルトラールに、
何事だと声がかかる。

「おや、皆さんお集まりで」
「いや、すっぴーから聞いてきてよ。」
「ああもう情報が」

すっぴー、流行っていたのかなと言う誰かに煩いと叩かれる。

「この人達は?」
「ご紹介します。彼女達は貴方が立つ華神らの存在。」
「第5宇宙、炎の華神ティーナだ!!こっちは付き人の加護天使リフレイ」
「よろしくお願いします」

そうぺこりお辞儀する白髪の前髪を左右に中央で分けた男性に、芽瑠もぺこりする。
ティーナは赤髪赤目で、後ろに髪の毛をひとくくりしていた。
そのイケイケって感じが短髪イメージの強さをつついてくるが、意外なこともあるもんだ。

「なんだか失礼なこと思われている気がするが…まぁいいか。」
「第7宇宙、感情の華神ラストリアです。此方は加護天使のトレイーズ」
「…よろしく」
「ども」
「そいつ何処からだ?」
「それが例の異世界からでして。」

嗚呼もう確定じゃんと全力で脱力するティーナに、周りも頷く。

「華神は別世界からの選ばれし者達ですからね。」
「いい!?!?」
「その魂はこの世界で管轄外だから、天国も地獄にもいけねぇ。」
「え、かえることは…」
「願えば出来るだろうが、
基本こっちできちんと死んで
且つ元来た場所の空間に戻らないと無理だろうな。」

ソレは最早、詰みでは。

がっくりくる芽瑠に、そう気を落とすなとティーナがしゃがんで言う。


「向こう側の知識があるなら、神の言語なんてすぐ覚えるさ。」
「かみのげんご?」
「アレローマ字に逆再生したみたいなもんですからね。
ホント誰が描いたのか知りませんが、此方は助かりものです。」

あれ程分かりやすい言語ありませんよね。
日本人に優しいよなあという二人に
えっっ二人とも日本人なのと目を輝かせて言う。

加護天使に至っては正直首を振っているが。

「我々加護天使の域になると基本的に
華神らの記憶は消え失せます。」
「どうして」
「そもそも前の記憶があるとちゃんとした
判断がつかなくなるからですよ。」

本来の魂もそのような仕組みがあります。
前世の記憶を引き継ぐと、色々面倒になるのですよ。

未来がよりよく回るとは限りませんと言うリフレイには
現実世界の天使達も頷くものだ。


「でも…」
「帰りたいですか?」
「うん。帰りたい。」
「では、まずは力をつけて下さい。」


貴方が願うのはそれでいいでしょう。
そういったルトラールに、マジでさせるのかというティーナ。

「ルトラール様幾ら何でも安直過ぎんだろ!!」
「ええですが彼女そう言ってますし、正直面倒で。」
「面倒だからって貴重な人間をおいそれと放置するなよ!!!」
「次の引継ぎ的には第7か第5をと思いまして。」
「成程それで連れてこられたのですか。」

まぁ第1、第9辺りも考えましたがと顎に手を置くルトラールが
無理でしょうねえと芽瑠を見て言う。

「なんで」
「貴方の願い的には恐らくこの二つのいずれかがお似合いです。
と、いう訳でどうです?要ります?」
「要らない訳がない…と、言いたいが、アタシは却下だ。」
「ひう!!!」
「もう大分多くの華神見習いがいるもんでな。手一杯なんだよ。」
「おやおや、それは残念ですね、貴方程の力があれば相性もよさそうなのに。」

そうだから困るんだよなあと言ったティーナにだったらと手を叩くラストリア
水色髪をポニーテールにして、その左右から出た横髪が紺色を見せる。

「私の所においで?それでティーナ、貴方が面倒を見ればいいじゃない。」
「はぁ!?人の宇宙まで管理しろってか!?そんな嫌だぞアタシは!!」
「でも枠的には無理だし、それにこの子の面倒絶対面白いわよ?」
「いやいや、やだね!アタシはいかねぇ」

そういった、ティーナだったが。

「そう言って面倒を見てくれる貴方は私好きよ?」
「うっせぇ!!にしてもこいつの力はなんなんだよ一体!!!」

能力があるのに身体が一切点で駄目じゃねぇか!!!


「こんなの付け焼刃に錆だ錆!!」
「それ、最初から切れないのに意味不明なってるよ…」
「ふええええいだいいいいい」
「ああはいはい。」
「もういじめっ子にいじめられた子供みたいな懐き方してますね。」

そう来たのはルトラールだ。
芽瑠がこの場所に来てから大体一か月が経ったくらいのこと。

「だって華神じゃあるめぇのに空は飛べねぇし
気の爆発は爆弾どころか
町軽く吹っ飛ばす威力出すわで
修正の方が時間掛かるしまつだぞ!?!?
どうするんだよこのバケモン!!!!」

「いやいや、私に言われましても…
ですが、それが本当ならとんでもない宝では?」
「ああ?」
「そうね、華神にそれも見習いの前段階に近い状態でそれでしょう?
華神になった時、私達を軽く超える存在になるってことになるのでは?」

まぁ、私程に来るかはわかりませんが。
そう言うルトラールに、下手したら超えるかもねぇと
笑ったのはラストリアだ。

「ま、調整が出来ない程馬鹿でもないでしょう。
一応スピスの目は間違いないはずです。
私も見ましたし、二人が一致なら問題ないはずですが?」
「それなら別にいいが…だが、お前」
「それに私は加護天使の分際。華樹神官ではないのですから。」
「華樹神官?」

なにそれと聞いた彼女に、メルも気になっていた。
フィズの時に聞いた言葉の前に位置しているのか。

「ああ、華樹神という神様がいて、願いの樹を守る奴がいてな。
その護衛というか、付き人としての役割が華樹神官だ。」
「華樹神なら正確には瀕死で廻廊に送られたと言い伝えられています。」
『え』
「嗚呼そうだったか。」
「歴史の勉強不足ですよ。」
「失礼。」
「その人っていないと困るんじゃ」
「華樹神自体が死んだわけではないのよ?
それなら私達華神は死んでいる。」

そういうことですとルトラールは言う。

「華樹神が居ない状態でも死んでいない場合、
華樹神官は必然的に役割から降ります。
権限が落ちるので、近い位置である大神官
私の弟スピスが現在管轄を共にしてくれているのです。」

ま、ちゃんと私も仕事していますがね。
そう自慢げに言うルトラールに大体の派遣屑だがなと
ティーナが言って、軽くティーナの頭をぐりぐり弄りだす。

痛いという声を半分無視だ。

「…ま、まぁ、そういうわけで、上はある程度いないけど
代わりに下が頑張っているってわけ」
「…そっか。」
「芽瑠…」
「ねね、ティーナ様ってどんな力出すんですか?」

そういやちゃんと見たこと無いけど華神ってという芽瑠に
雲行きが怪しくなるティーナ。



「なぁ、ルトラール」
「あのですね、ティーナ、外ですよ?様を付けなさい様を。」
「お前本当にあいつを華神にするつもりか?」

そう言うのはメルが第10宇宙の植物の華神ハシュクロードと仲良くお花を摘んで遊んでいたところだ。
意識がそっちに奪われている間に話を進める。

「なあ」
「…魔女になる可能性があると?」
「大魔女」
「口を慎みなさい」

その言葉がどれ程の罪か分かるでしょう。
そういったルトラールの顔が怖くなる。
それに引かないティーナが言う。

「あいつは見れば見る程確かに華神に相応しいと思う。
だがそれでは務まらねぇ、残酷な世界を見れていねえ。
それに」
「それに?」
「なんか、こう違うんだよ、落ち着くというかなんというか。」
「母性愛に目覚めました?」
「だからちげえってば!!!」

なんだか、嫌な予感がする。そう言うティーナが胸に咲いた華を軽く握りしめる。
千切るつもりはさらさらないが、そうしたくなるくらいには、怖いのだと。

「…彼女の気を察知している貴方への頼みです。ティーナよ。」
「アタシが燃えるような炎を持つからか?」

その願いが、永久に燃える炎に投げ入れると。
あの子が、あの、純粋で前を向き続ける希望を見つめた子を。

「牢獄の中に閉じ込めるつもりか。
この、多くの宇宙が生死にまみれた
クソ面倒な機関に、あんな子すらも、贄にするとでも。」
「あの子は選ばれた。
それが、どういう意味か解りましょう?」
「っぐ」
「貴方に将来の全てがかかっている
と言っても過言ではありません。
確かに使えない力になるかもしれませんが、
それを咲かせるのもまた貴方の力です。」
「…あたしはそんなに、強くなんてない。」

ソレを知っているだろうというティーナに、誰も言わない。

「多分全員が口をそろえて言う。あいつは優しすぎる。酷いくらいに優しいんだ。
手の動きが身体の動きが感情が身に乗れば全てが正直だ。
相手を殺すんじゃない相手を活かす様な動きを無意識下でしてくる。」

敵に合わせて良い、華神の仕事には相応しい相手ではない。
そう言い切るティーナに、仕方がないですねえとルトラールはぼやく。

「なら殺すしか方法がないのですよねえ」
「…華神は基本的に他人に殺させても死ねねえのはあんたも分かってるだろ。」

だって

「あんたがこの仕組み自体を作った張本人なんだか」

そういったティーナの胸元に杖の牙を向ける。
黄緑色の目を灯したルトラールが低い声で忠告する。

「それ以上言えばどうなるか、貴方なら分かるでしょう?」

「…し、つれい、しました。」
「それでいい。」




『しくみをつくった』
「…ルトラールさんは、華神の状態から
加護天使、華樹神官全てを知っています。」

彼はその道に実際身を落としていたので。
そういった大神官にメルはちらりと目を見た。
心配ですかと聞かれて、うんと頷く。

「見ていればいい。貴方はその義務を果たさねばなりません。」
『この子も、私の?』
「ええ」


「華神の掟を知っているでしょうに。」
「…うぐ」
「おや?言えないとは言わせませんよ?ほら言いなさい。」
「ううう」

観念したティーナが、掟とぼやく。

「常に願いを覚え続けること。
忘れる等以ての外であり、
忘れた時は華が最悪魔女へと変化を遂げる。」
「続けなさい」
「…故意的な殺人の厳禁。
計画的な星の破壊等の民はその都度連絡要相談。」

この二つだろというティーナが手を開いて見せる。
それに続けてとルトラールが言うのに、
まだいうのかと舌が出たティーナ。

「では、華神になる方法を三つ述べなさい。」
「…はぁ、誰よりも何よりもその願いを縋る程の欲望。
人間であること。神々の居るこの世界ではない
別の世界に生きる魂であること。」
「華神が死ぬ場合の3つ。」


言えるでしょう?そういったルトラールに、
言いますと胡坐をかいて言うティーナ


「願いに呪われ、魔女になること。
自身の願いを変え、華を変えての自殺
後は自身で華を喰らう又は喰らわれ願いを叶えられる。」

特に後者はとティーナが続けて言う。

「喰った者の願いが華神の願いよりも強ければ
その願いが正式に華神の願いと変化し、
そのペナルティーとして喰らった者は
千年もの時間拘束される。」

よろしい。

「やればできるではないですか。」
「いやというほど聞かされてるんでな。」
「ま、それだけではないですが。」
「え?」

そう驚くのはティーナだけではない。

「喰らった者達の地位にも関係します。」
「地位」
「我々加護天使が喰らえば一発アウトです。
千年どころか数億年は軽く罰を受けねばなりません。」
「そんな長く」
「天使なら華から外れた区域の者ですし、
まぁ気を扱える量にもよりましょうが、
恐らく大体千年辺りは封印されるでしょうね。」

その間誰もが触れることも出来ず、誰もその時間を操作できない。
ただいる場所の時間だけが流れないといけないのだと。

「何故こうも華神に掟があるかご存知ですか?」
「…破壊と創造、並びに時間操作も可能な為だろう?」
「ええ。貴方方は次の神々を創るいわば依り代みたいなもの。
実験台に広い視野を持たせていなければ、綺麗な神々は成り立ちませんからね。」

そう冷たい目を見せるルトラールに、
この目を彼女に見せれるかと思い、直ぐに考えるのを止めた。

「弟さんがそんなに心配か?」
「スピスですか?そうですねぇ〜心配といえば心配ですね。
お子もかなり幼く、精神的にもかなり不安定です。
此間なんか長男の子に鍛えてくれと申されまして。」
「鍛えてやったのか?」
「まさか!軽くあしらって逃げました。」
「だあああああああ」

その滑りはティーナだけでなく、何人かも滑った。

「おいおい!お前その子可哀想と思わねぇのか!!!」
「いやあ〜ついつい、我が子の第一候補になると思って怒りがですね。」
「我が子って、お前子供いたのか。」
「……いえ、居ませんよ。」

いやそのノリ居ただろ。いません。いませんよ。
そう言い聞かす様に言うルトラールは、
今にも泣きそうな顔で言う。

「私に子供なんていませんでした。
最初から最後まで、私は一人なのです。」
『るとらーる…』


「律儀だな、そうして子供を妻を守ろうってことか?」
「なんのことだか」
「華神の枠組みも、何時か子供が帰って来た時
何処にも居ないことで悲しまないようにするためだろ。」
「しりませんねぇ?」
「天使に合わせてたって…まさか、お前、
この華神らが絶滅した時、悲しませないように?!?!」

華樹神である者が、妻が本当に死んだとき
子供が帰ってきたその場所で寂しくて泣かないように?

そういったティーナに、
メルはばっと大神官を周りの天使をみた。
まさか、いやそんな、まさかそんなわけが。

「そんなまさか!あるわけないでしょう?
この私がそんな天才な子供想いにみえます?」
「…はっ、見えるといったら?」
「節穴、とでもいっておきましょうか。」

その言い方は確定であって。

彼は、子供が寂しくないように、
華神だけでなく天使にも会わせていた。
そう、まるで、今の現状を指し示すように。

サワアやクスらに、託したとでもいうのだろうか。

「お前本当に…親ばかなんだなぁ〜!」
「だああああああ貴方人の話を聞いてました?!?!」
「さぁ?なんだったか!」
「…今度組手して差し上げてもいいのですよ?」
「へぇ?そりゃ願ったりかなったりだな!」
「…あの子を見てどう思います?」

アイツ?芽瑠か?ええという
ルトラールにそうだなあと上を向いて言う。

「きっと、全部受け入れたら良い華神になるぞ。」
「そうですか」
「いや、華樹神の更に向こう側に到達するかもしれねぇな。」

こんな基盤、ひっくり返して変えてやるって。
言い出しかねねぇ。そう何処かを見て言うティーナに、
風が揺れて髪を揺らしている。

まるでそうだよ、と言いたそうに。

「そうしたら、貴方はどうします?」
「いたら絶対賛成する。」

アタシもこの空間が大っ嫌いなんでな。
おやおや、手厳しいですねえ。

「最果てなんてアイツにはもったいなさ過ぎる。」
「ほお?」
「アタシは絶対此処であいつを華神にさせねえ。」
「それは…あの子が最果てに身を下す者ではないと?」
「だってそんなの、可哀想過ぎるじゃねぇか。」

こんな無慈悲な場所で、その身を消すなんて。

「あいつは普通を何一つ知らねぇ。まるでおとぎ話の様に言うんだ。」
「ティーナ……」
「だから普通を知らせる。願いではないが、希望を渡すくらいかな?」
「…貴方と言う子は、本当にお優しいですねえ。」
「それこそ節穴ってもんだろ!アタシは厳しい。なによりも、な。」



嬉しそうに笑って話すメルとハシュクロードを眩しそうにティーナが見つめる。




「嗚呼、この時間が何よりも好きだなあ」