生贄が願った誰かの幸福







「天使が、かみ、を?」
「正確には複雑ですが、後々判明するでしょう。」

この子と居ると、ね。
そういうルトラールに、ううんと唸るメル。

本当に起きているかに感じるが、
どうも精神の方でも眠っている様子なので、
暫くは起き上がらないだろう。

「大神官様に怒られる話では」
「もう時効ですし、構いませんよ。」
「大神官様!!!」
「どえらい気を感じ取りまして。」

そう言う彼に、久しぶりに手加減なしでやりましたからと笑うルトラール。

「彼女が?」
「ええ、審判さんはどうご決断を?」
「そんなもの、貴方も分かっているでしょう?」
「…残念ながら、合格を押すしかありません。」

ルトラールが指を鳴らすと、メルの姿が変わり始める。
この世界に来た時の様な服装に変わるも、その髪色が変化を遂げた。

「っ紺色に…!」
「華神は元々髪色を持ちます。
本来の髪色から変化しますから、この子の場合は
黒髪を無理やり白に染め上げて変えていたので。」
「では、これは正式に?」
「ええ、言うなら、華樹神見習いと言ったところでしょうか。」

お帰りなさいと優しく抱きしめるルトラールに、
ただいまあと声が聞こえて、
その場に居た全員が声を出して笑ってしまった。



++++++++++


と、いう訳で、前回のあらすじ


シン様放置してすいません。


そうして現在に戻り、無事華樹神見習いに昇格してしまった私はというと。

「ほら、一定を保つ」
『んんんんn』

こうしてカランチュもとい、カランコエをちゃんと華咲かせ、
私も私で小さくも華を咲かせてしまったというもので。

紺色の髪色に、黄緑色の目を灯し、
現在シン様と一緒に創造のお勉強をと
この華樹の宮廷内で力を使っていた。

「漸くできましたね」
『はあ、ありがとうございましたあ』
「ふふ、お茶にしましょうか?」
『お願いします。』

創造でというよりかは持ってきた物で出すシン。
飲み物たちも出せるが、やるのにはコツがいる。
そうするくらいなら元々あるものを使えばいいというもので。

「それにしても、メルさん此方で迷子になられたりしませんか?
ビルス様からよく迷子になって困るとウイスさんからも聞いていましたが。」
『おおうそんなことを…一応迷子なりませんよ。此処簡易なんで。』
「…まさか迷子になったらひとまず一周してます?」
『正確には半周ですが。』

この華樹の場所は中央に位置しており、
全王宮を通じるドアの部分と、その奥の部分は廊下が直結している。
その為、一度間違えたら半周さえすれば元の場所に辿り着く。

至ってシンプルなので、迷う必要性がないのだ。
まぁその前に何処のドアに行けばいいかで迷うが、そんなの論外だろう。

『正直全員出して全員分にやらせようとも思いましたが。』
「嫌がるでしょね…」
『それに結構な確率で寝てるんですよ。
こういうもんなんですか?魂って。』
「魂も寝るとは、聞いたことがないと言いますか。」

そもそもこれほどまで主を支える魂を未だかつて見ていないと言いますか。
そう唸るシンにそりゃそうかとメルも苦笑いした。

「ですが良く空間を創り出しましたね?」
『一応ね』

華樹の奥にある扉を開けると直でほぼ寝室。
左側に倉庫、右側にも倉庫を作った。
あれから更に荷物やら何やらを作って行けば
後々ちゃんとした部屋になるだろうと思っている。

『サイズも変えようと思えば返れるけど、今はあの狭さ。』
「ウイス様達何人かちゃんと立てませんよね???」
『言っておくけど、悪意ないからね?!!?』

ええ、知っていますよとシンは笑って紅茶を飲む。

『それにしても創造出来てます?』
「勿論、メルさんの気をちゃんと使えてると
サワア様からもお墨付きを貰えてると
お聞きしていますが?」
『実感湧かないんですよねぇ〜〜〜
人のだと物だと分かるのか
凄い実感あってやりやすいですが。』
「逆にいずれ、なりますよ。」

そうだといいですが。ええ。

「そんなことより、創造するなら何が欲しいとかあるのですか?」
『というと?』
「創造は主に想像力が元になります。考えたものが正確であればあるほど、その力を効果を発揮します。」
『あ〜〜〜〜』
「メルさんは何が欲しいのですか?」
『いや、調理器具とかも欲しいですが、人間の一般的な範囲は欲しいですね。』
「メルさんの元々居た場所は、此方なんですよね?」

ええ、ですがとメルは続けて言う。

『私の記憶恐らく0番にあるんですよ。』
「1ではないのですか?」
『1も似ているでしょうが、0と言われたら私ってしっくりくるのです。』
「まぁ1なら束ねるよりも一つですしね。」
『その時間軸が、どうもティーナ様やメリアの所に似て居まして。』
「…あの、メルさん」
『ふぁい、ふぁんふぇふお』

そうもぐもぐ食べるメルに、提案を出す。

「こうやってずっと籠っているのも悪いですし、久しぶりに地元に帰りませんか?」
『んぐっ…地元?え?まさか』













そう、そのまさかである!!!!!

『ぴゃああああああああああああ
地球だあああああああああああああ
いいいいいやっふううううううううううううううううううう』
「本当にあいつ、メルか?」
「ええ、現在は華樹神見習いですがね?」

ルトラール曰く、一度メリアさんから外れてみてください。
どう出るか気になりますので。そう言われてここ最近メリアとは会っていない。
現在メリアは地元が何処に位置しているのかを調べる為、
大神官と共に第11宇宙の方に遊びにいっている。

その間、メルは勉強とは言えどだ


『わあ、電子レンジに〜炊飯器!!冷蔵庫に!!冷暖房!!!!!』
「凄いはっちゃけよう…」
「そりゃあねぇ、メル!!」
『何ですかブルマさん!!!』

そうキラキラした目のまま来るメルに、軽く引くブルマだが
聞くことはちゃんと聞く。
メルの状態的に貸し切りの方が良いだろうと
踏んだブルマの案は正しかった。

メルの異様な状態は人間ですら何となく察するというもの。
その為、一応念のためとウイスやビルスもこうして護衛として来ていたのだ。

此処まで来るとメルが死ねばどう転がるか分からない。
最悪巻き戻して何とか方向を変えさせるくらいはするとか。

「貴方ってこんな感じのやつ見てるの?」
『…いえ、私が見てるのこっちですね。』

この型の方が凄い愛着湧きます。

「あら、それかなり古い型じゃない。
でもおかしいわね、メリアが使ってる時代とは違うはずだけど。」
「其処迄知っているのですか?」
「古い知り合いだからね。
何度か家電相談されて遊びに来たこともあるのよ。」
「へぇ〜これはなんだ?」
『それ炊飯器ですビルス様。
お米ぶち込んで混ぜて、
水適量入れて、放置したら米が炊けます。』
「メルちゃんメルちゃん、説明、説明。」

すいませんと笑うメルはぴょんぴょんと飛び跳ねる。
本当に可愛らしく、髪色も変わり、目も変わっている。
最初に会った時は本当に臆病で怖がっていたが…

「ん、ほんと、今の方が良いわ。」
「でしょう?」
『んん?ふおおおおおおおおあれは、あれはあれはああああ』
「あら?」

PCではないですか!!!!!!

そう目を輝かせたのと同時にぶわりとその勢いで華が広がる。
とと、とメルはぎゅっと引っ込めた。にへらっと笑うが、割と危ない。

「っこら!むやみやたらと出すんじゃない!!」
『いだい』
「ビルス様のおっしゃる通りですよ?メルさん。
貴方の位置は華神をゆうに超えた存在です。
下界に奴らが居ない、という考えは捨てた方がよろしいかと。」
「ん?奴ら?なにそれ」
「んぐ…お前らに言っても太刀打ちできない範囲だから駄目。」
「え〜いいじゃない。悟空が居たら出来るでしょ。」
「正直悟空さんの範囲をこえていますよ。」
「え」

なんでしたらとウイスが言う。

「メルさんの此間行った儀式での力は私を軽く超えましたので。」
『…………ん?』
「おや、聞こえませんでしたか?」
『いや違う理解が追い付かない。』
「一応言っておきますが、サワアさんの程迄
いかずとも本気を出せば軽く超えますよ。」
『ま?』
「ま、ですよ?メルさん。」
『つよくなりたくないよお』
「何を仰りますか、此間言い切ったお人はどこの誰です?」

うう、私。

「サワアってだれ?」
「嗚呼、第2の天使で私の兄です。」
『あれ!?ああ、まあそうか。年齢的に、そうか???』

その当時の記憶が曖昧なので、
彼の姿的にももう少し年下と思っていたが

「ちなみに一番上はクス姉様ですよ。」
『え』
「あ!あの小さい!!」
『やめたげましょう』

三つ編みのというブルマに、
というか何故知ってとメルが首を傾げる。

「色々ありましてね。」
『へえ』
「それで納得するもんなんだ。」
『まあ白いPCくっっそかっこよと思って。』

嗚呼そう。というビルスに、いやにしても、とメルがぼやく。

『ゲーミングこんなもんなんだ。あんまよくないね。』
「ん?」
『ネットで探せばもう少し出るんだろうなぁ〜。
あのNUXEとかユーチュリーとか、ないんだな。
大手メーカーだから出してると思ったのに。』
「…そんなメーカー此処にはないわよ。」
『あ、そっか。日本じゃなかったこりゃしつれい。』

いや〜平成令和時代じゃないもんね。
そうさらっととんでもない発言をするメルを見る者もいて、

「…どう思います?」
「少々驚いてます。無意識で言ってますよねあれ。」
「間違いないですねえ」

その映像をクス、サワア、ルトラールが見ていたのだ。
一応メルには了承を得ているとのことだが、
恐らく本気で忘れ去っているのだろう。

滅茶苦茶解説して凄く嬉しそうだ。

「日本という場所は?」
「我々天使らでも探してないですよ。」
「ま、どう考えても別世界の場所でしょうが…」
「どうしました?」
「いえ、最近向こう側とコンタクトが取れにくいんですよ。」
「向こう側って…まさか」
「華神は全員異世界の者です。お借りしているという者に近い。」

勿論ティーナら全員此方で見ています。
そう空にぶんとそれぞれの世界が球体にうつされる。

「生まれ変わりと言いますか、戻した時に暴走されても困ります。
向こうの神々とも近々会合をと連絡を取りたいくらいですからね。」
「こんなことをなさっていたのですか…」
「スピスが丁寧にしてくれていたのもありましてね。」

まぁそれに

「きっとあの子も悲しむでしょうから。死んでしまったなんてね。」
「…メルトリアの件ですか?」
「ええ」
「それにしても不思議ですね、どうして周りを巻き込むような形を?」
「あのフラッシュバック本来は自身を落とす予定だったんですがね。」

それが発動しない、というのもおかしい話です。

「本当に廻廊のような場所なんです。
下は暗く、一番奥の奥にその子の願いがある。
周りには廻廊で生きていた記憶が記録され、
額縁に飾られているはず。」
「其処に行った話は?」
「一度も聞いていませんし、
あの子達の様子を見ていると、
恐らく一度たりとも行ったことがない様子。」
「カランコエという存在も関係しているのでは?」
「充分在り得ますね。私が術を施したのはメルの方です。
カランコエの方に紐づけていたら入れない。」
「なら、これからでは?」

そう、これから。それが、恐ろしいという。

「ま、あの感じ的に創造は問題ないでしょう。」
「破壊の方だと?」
「…ま、お二人とも色々知っているのでこの際言いますが、
あの子は私によく似ている。それ故その決めた想いを変えない。」

それは、人に変える程迄に、その願いを変えることがない。

「あの花をご存知ですよね?」
「黄色の華…カタバミ、ですよね?」
「ええ、アレもムラサキカタバミ同様、華ではない。」

雑草と呼ばれる範囲内で、本来力は強くない。
だから、いや逆か。

「だからこそ、あの子はその小さな力で人々を騙した。
お陰様でか、魔女らに気付かれないも、その身を壊していますが。」
「…変えるとでも、いうのですか?」
「わかりません、あの人も、居るかどうか不明です。」
「アルメリア様ですよね、」

正式名称で呼ぶとは律儀ですねと言うルトラールに
いえいえとクスが言う。

「我々のお父様やお母様も、アルメリア様や
貴方様には大変お世話になっていますから。」
「おや、なっていた、とは言わないのですね?」
「ええ、だってこれからも、でしょう?」
「…おやおや、本当にお上手になりましたねえクス。」
「お褒め頂き光栄です。」

そうニコリ笑うルトラールに、クスも笑う。

「それにしても考えましたね、
敢えて雑草を選んだのでしょうか?」
「…いや、元々そうだったのでしょうね。」
「というと?」

サワアがいう言葉に、クスが反応する。
嬉しそうに笑って前を見て笑うメルの姿を見て、
昔のような姿を想い出し、
胸がチリッと痛んでも、其処を触らなくなった。

手はずっと、腰元に。
昔のように、前になんて置かない。

「あの子はずっと、其処しかみないので。」
「…貴方もね。」
「すいません。奪うつもりはないので。」
「寧ろ奪ってくれる方が楽なのでしょうね。」
「ルトラール様…」
「ま、その時は、お相手しますよ?弟よ。」
「っく、ええ、いつか、ね?」

そう黄緑色の目と紫が合う。
本当にとルトラールは前を向く。

「すくすく、のびのびと育つのですから。」

困った者ですね。

『皆さん本当にお世話になりました!!!』
「本当に買わなくていいの?」
『お金ないですし』
「だから買ってあげるってば。」
『代償と対価のふり幅が合わないでしょうって!!』

そうメルが叫ぶのに、別に構いませんよと店員が言う。

「余り流通出来ない不良品でよければ寧ろ持ってってくれた方が有難いです。」
『いやでもお〜〜〜確かに製品で絶対これ売れるのに
何で傷ついたこの野郎とかありますけどお。』
「なんか妙に前科あるみたいな言い方するわね……」
『でも本当に良いんですか?男に女に二言はないです?』
「ないですないです。」
「寧ろ端から端まで良く知っていると我々も驚きました。」

此方に住んで?いいえとメルは首を横に振る。

『私高知の小籠市に住んでいたもので、
嗚呼元々だと野意知町に居たんですが〜。』

いや〜田舎なもんでしてね。そう言ったメルに、メルさんとウイスが聞く。
はい?とメルは頭をかいていたまま身体を向けた。

「いまなんと」
『いやだから〜高知の小籠市ですってば。
市町村合併で無理矢理ぶち込まれたんですがね。
電化製品系は作っていましたので。』

よく基盤をぶち壊す名人で上司に嗚呼と言われるくらいには。
そう半泣きのメルに、そうですかと、手を下す。

「本当によく製品を作られていたと思うので、尚更ですよ。」
『え?』
「手付きが製造のソレと同じなんです。貴方のその動き。」

壊さないように動かしたりつついたりしてるの、分かりました?
そういった店員さんにメルは首を横に振った。

「本来こういうことをお願いするなんてもっとないことも?」
『あ…そ、それは〜〜〜』
「不思議ですよね、貴方の様な方なら猶更高く買って欲しいと思うべきですが。」

こういう小さなものも、嬉しそうに受け取ってくれると思いまして。
そう言って見せたのは、だ。

『…え、ま、って、どうして、これ。』
「昔の丁度今古い機種が残っていまして。」

そろそろ外に出そうと困っていたのです。
そう言って出したのは、炊飯器やらの機械一式だけでない。

「新しいですが、形が好きとお褒められておられて。」
『いやいやいや、正規品は貰えませんって!!!』
「いいから貰えるものは貰っておきましょうよ。」
『え、あちょっとブルマさん!?!?』
「駄目なら私も出しますし。」
『ああああ偽札駄目ぜったいいいいいい』

違います本物ですよ?そう言うウイスに
メルが違うそういう工場で出すものだから
と出した札束を綺麗に燃やして消し去る。

『はあ、はあ、はあ』
「…っふふ、きっと、貴方みたいな人だからなんでしょうね。」
『え?』
「誰かを思いやろうと必死になって
打ち込むその姿が姿勢が、
人を変えて世界を変えていくんでしょうね。」
『え、なんで』
「私の祖先は、貴方が咲かしたような、
華を持つ神様でしたから。」
「っ?!!?!?」

内緒ですよと笑う女性に、メルは目を丸めて見続ける。

『あの』
「ん?」
『そのひと、なんて、言ってたかわかります?』
「…メルさん」

帰りたいって、泣いてませんでしたか?

そう落ち込むメルに、そんなまさかと笑って言う。

「あの人は会えて本当に良かったって言っていました。」
『っ』
「お願いしてよかった。私の神様がもしもいるなら、伝えて欲しいと。」


”ありがとう”


そう言われて、言われていないのに、ぽろりと涙が零れ落ちる。


「貴方が居たから、私は選ばれ此処に来れた。
知らない場所でも、誰もが優しくしてくれた。
だからどうか、優しい世界が何時までも続けるように。
神が人になったとしても、何時までもと。」
『っ、て、てえいんざあああん』
「っふふふ、泣かせるつもりはなかったんですがねえ〜〜〜」

よしよしと叩く彼女に、
びえええと神を忘れさせる程の情けなさに、
ウイスやビルスはため息をついた。

「神様でなくたっていい。」
『うう、ぐずっ…ん?』
「人であっても、それでも願いは同じ。」
『…ええ、私もそう、思います。』

だから、人で在り続けるそう言うメルに、店員さんは笑った。


++++++++++

「それにしても良いんですか?」
「なにがです?」
「ああいうのを放置したらまずいから管轄しているのでは?」

ああいうの?

嗚呼とルトラールが声を上げた。

「あの店員さんですよね?処分ですか?」
「いえ、そういうのではなくてですね…」
「華神でも神から降りて人になった者達は大勢いるでしょう。
その星でひっそりと隠れて過ごすというのも怖かったでしょうが。」

いつ魔女になるかもわからない。
その孤独に耐えれるかも。

「魔女にさえならなければ、我々は放置していましたから。」
「…お優しいのですね、記憶すら放置ですか?」
「寧ろ残酷でしょう?」
「そうです?」
「だって記憶が残り続けながら放置されるのですよ?」
「…まあ」

そうですね、とウイスはルトラールが考えていた人を思い出す。
何時しかのある日に、あの大樹の下で、あの三人は、いやあの二人は。

絶えず笑って遊んで暮らしていたのだろう。

たった、千年の間だけ。

優しくも、残酷な時間だけ。

「サワアお兄様達の記憶を消さなかったのは、
メルさんが何時帰ってくるか分からなかったから、ですよね?」
「さあ?」
「忘れさせればフィズのような
緊急事態にも対応が出来ず、
彼女を本当に消し去りかねなかった。」

まぁもし仮に消されても、緊急装置として
廻廊が何かしらで発動させ、回したとでも。

そう言うウイスに、どうでしょうねえと答える。

「優しい時間は何時だって残酷ですから。」
「…そうですか。」
「ところで、そのフィズの件ですが。」
「はい?」
「例のレシピが持ち出されたとお聞きしました。」
「…あ」
「詳しい話をお聞きしても?」

墓穴を掘っていることに気付いても遅いというもの。
勿論後日色々弁明して、謝罪した。