君をわかった気でいる僕は




「ち、ちきゅ、う?いやいやいやいや、待って待って待って!!
他の宇宙の話をしているのよね!?ね、そうでしょう?!?」

ブルマの嫌な予感が、的中する。メルはサラッと言うのだ。

『いいや、大昔太古の昔にこの宇宙全ては24の宇宙があった。』
「メル様」
『別にいいでしょ、時効だろうし。』

続けると言ってメルは更々と紙を作り出して其処に描き続ける。
丸い星に、そのうねった形の、綺麗な輪郭ではなくても、確実に描く。

『今いる場所がAだとする。私が居た処は恐らくC』
「Bじゃないんだ。」
『Bは後で説明する。』

それでと線を引いて矢印を指していう。

『Aは我々の住む世界。
均衡がとれるか怪しい常なる力のある世界。
元々Cが崩壊していたけど、
何とか持ち直して、回復する時にね、
ちょっとその崩壊した穴がAに繋がって、
なんならその子が落っこちちゃって、ね。』

子供を描いて、話を続ける。

『子供が居ないとAは騒ぎ、
Cはすぐに気付いて連絡を取った。
だが予想以上に子供の力がなさ過ぎて、
このままでは迎えにいかねばいけない。
しかし別世界に移動するのは
少々未来を変える禁忌でしかない。』

ということで、とある結束が生まれた。

『子供が何時か大人になり、外にはばたく時。
Cに生きていた時間を想い出し、子供が連れ戻しに来たら
そのまま引き取って消えてくれて構わないと。』

Cの神様はAの神様に約束を付けた。

但し、それはあくまでも一時的なもの。
そうしたら一度生きていた
Cの人間の時間は空白はどうするというのだと。

だからとメルはコンと強めに叩く。

『忘れない様に、その場所に人ではない物を置こうと決めたのだ。』

華を、咲かせて。

『…それが華神の大元になるきっかけの話でもある。
ま、Cに移動した人間は多くもなければ少なくもないでしょう。』
「…そ、そんな、じゃあ華があれば、元の世界に戻れ」
『戻れない。戻りたくない、戻れないが正しいか。』
「メルちゃん…」
『記憶を知った状態で戻るのは、それは戻ってないに等しいのよ、ブルマ。』

メルは知っている、分かっているのだ。
その時間を想うのは、その時間を知った後だからで。
最初から願いを想うなんて、出来るわけがない。

理解をした、時間の後ばかりに、願いはくっついてくるのだから。

『華は願いは、生きていた場所の元で咲き誇る為の者。
願いを捨てる、願いを忘れるということは、生きる道を捨てるに等しい。』
「成程、だから華神は必ず華を咲かせるのですね。」

文字通り、別世界に生きていたことを忘れないために。
世界の均衡を、とにかく守る為だけに。
そう言ったサワアに、メルはこくりと頷いた。

『BはCと違い、更に別世界の形。』
「そう、なんでBとCを分けたの?」
『最果ての華神ら、と言っても貴方には分からないだろうけど。』

昔、この世界にまだ沢山の宇宙があったころねとメルが言う。

『華神らの中でも選ばれし12が出来上がると、称号を貰えていたのよ。』
「へぇ」
『その称号「最果て」に位置していた者達が言っていた土地名と、
メルトリア…まぁかつて私も生きていた時間軸でね、彼女達と話して
土地名が一致しなかったことがあってね。』
「だから別世界の者だと思ったわけですか。」

そういうことだ。

別宇宙とかそういうものはと言ったのはウイスだ。

「他の宇宙、BとCが同じ世界のものとは思わないのですか?」
『それも考えた。でも、願いに縋って、
叶えた後、元の場所に戻れる仕組みなんて
Cで作れば私は既に誰かの華神に出会って話をしている筈。』

なのに、何も無かった。

まぁこれから見ていくものだから、
憶測でしかない話ではあるのだが。

恐らく出来なかったのではない、
そもそも存在していなかったのが正しいことだろう。

あとそれに、一番興味がそそられるものがある。

そう

『貴方達、ブルマ。特に悟空やらの子達を
言い切るほうが楽っていうのがねぇ?』

ティーナ達は少なくとも分かっている感じはしなかった。
もし、もしもあの伝説級の誰もが知っている物語ならば
あんなに人数いれば一人や二人は話題が出ているだろう。

なのに一度もない上に、首を傾げる感じに、違和感を感じた。

『私はこの世界が作られた世界の人間。』

ドラゴンボール

そう言ったメルがにやりと笑ってブルマに言う。

『魔法の宝玉、願いの叶う世界に、ねえ?』

++++++++++

メルの目は、金色ではない。ただ、黒に染まっていた。
髪色も、真っ黒で、それは、まるで、日本人の様な姿。

『…どうやらお呼びなようか、それとも、理解をしたから権限を貰えただけか。』
「め、める、どうしたのその髪」
『…ま、後でソレは片付けるとして、だ。』

問題はこの研究ど〜〜〜〜〜ないしよ〜〜〜〜
と声を上げるメルに、周りも目を丸めた。

『あ〜〜〜〜〜私これ絶対1か0
どっちかでクソ猛勉強したんだろうな!!!!
知識の量が溢れ出ている時点で怖いんだよもう!!!!!
ああぁん!!!行きたくなぁい帰りたくなぁい!!!!』 

どっちもやああああと言うメルに、
ブルマは行かなきゃいいじゃないと笑っていうも

いやいやいずれにせよ吸い込まれる
くらいにいかねばならんのだとメルは言う。

『もうその吸い込み様は魔封破波だよ…!!!』
「あんた本当に色々知ってるのね!!
ねぇねぇ私未来どうなる!?」
「ブルマさん???」
『どの時間軸に居るかも知りませんし、
仮に言っても未来が分かる気しかしないので
んなこと言われてもいやで〜〜〜〜す。』 

私未来改変したくないもん。
そもそも私自体がイレギュラーというものだ。

「おや、貴方はこうなる未来も見えていたのでは?」
『いんや?私が、そもそも華神ら
全員が居なかった世界線しか見てないです。
んまぁ勿論、ザマスの件は知っていますが。』
「おや、そちらは知っているんですねぇ?」

そう目を細めるウイスに、ええとメルは目を見て言う。

『一応、神々が出てきた処からハマったもんでして…ねえ?』
「…成程」

メルは元々、神々の生まれ。
神々の話を見て、直ぐに察知したのだろう。

嗚呼、自分が居ない、その世界が描かれているのだと。

どれ程絶望したのだろうか、
どれ程帰りたいと望んだのだろうか。

落されたその片方の亡骸を抱いて、
堕ちてきた子供は、一体どれ程の悲しみを抱いたのか。

知らないのに、胸が痛くなるものだから、
きっと知ったら今の様に笑えないのだろう。

『ま、そんなところ。ってわけで、
恐らく私はガチで本当に一度
魂ごと消える可能性が高いです。』

後のこと、よろしく頼みますよ?
天使さんというメルに、勿論とサワアは答える。

「貴方がいずれ帰るその時まで、
私だけでなく皆もお待ちしています。」
『…っふふ、帰って来ないかもしれない癖して?』
「いいえ、必ず帰って来ると思っていますよ。」

貴方はツバメ。その子は太陽。

「ならば帰ってくるも同然。そうでしょう?」
『…っふふ、ほんと、貴方には勝てないなぁ。』
「勝たなくてよろしいのではないので?」
『ほんとそうね?』

さて、流石にこれ以上はとメルは途中で座っていた席を立つ。

『ブルマさん、本当に色々お世話になりました。』
「いやいや、なってもらっててもいいのよ!!」
『一度どうなるか分からないので、これくらいは。』
「メルちゃん……」

夕暮れ時、メルはブルマの家の前でゆっくりとお辞儀をして胸に手を当てた。

『嗚呼もう、大丈夫だってぇ』
「え?」
『貴方のこと、私はずっと忘れてなんて、ないのだから。』

ねぇと振り返ったメル、その先には

「っいつの間に!!」
『**…ま、音なんて混ぜれば誰も知らない分からない。』
「メル…」
『大丈夫、私はもうすぐ、貴方の元に戻る。』

そう言ってメルは左腕を後ろに置いて、深くお辞儀をして言う。

『だから、笑って。』

目を開けた彼女、その目は、クレヨンが少し剥がれ落ちる。
はらはらと落ちた、その目の色は、

「っ」

まっくろく、光など見えない、ものだった。

無理して笑っているのは明らかで、その表情になるということは

「…酷い」
「ブルマ」

そう言ったベジータに、ブルマはぐっとこらえる。
メルはお辞儀をした後、すっとその場に膝まづき、深く身体をたたむ。
まるで、その子が神様のようだ。いや、そうなのだろう。

彼女こそが、未来の華樹神ですら、崇拝だと敬う子供。
壊れて何もない、願いなど存在しない、憐れな一人の子供。

『きれい』

何処を見て綺麗だというのか。みすぼらしく、汚れた子供だ。
無理に取り繕う少女は、声すらも忘れて息を吸っても吐くだけだ。
心を覗こうにも、覗きたくもなくなるというもの。

恐らく、もう、

ウイスは首を横に振る。
メルがもし、彼女の感情と交換をしていたらば、
あの子供は、メルその者であり、かつて生きていたというもの。

そう、メルはそうなれば、死んでいるというのだ。

『いかなきゃね』
「今からですか?」
『ま』








「おやおや、そんな綺麗に育った状態で」





「っめ」
「逃げようだなんて、勿体ないじゃないですか。」
「っ!!!」

その身体、その姿を見た瞬間、サワアはメルを掴み距離を取り
ウイスは周りの者達を浮遊させ、薄い円の中に取り込んだ。

「っウイスさん!?」
「皆さんは其処から一歩も出ない様にして下さい。
なるべくお守りはしますが、逃げることを考えて。」
「俺達も加勢に」
「ならん」

そう言ったのはビルスだ

「奴はお前達がもう手を突っ込める域を超えている。」
「なに!?!?」
「ほんとかビルス様!!」
「ウイスが軽く捻りつぶされそうなもんだからな。」
「ビルス様の仰る通りです。正直私では手に負えません。」
「っなら猶更じゃない!!あそこにはメルちゃんとサワアさんも」
「大丈夫」

ウイスは少しだけ、ブルマに目を向けて微笑んだ。

「あの方たちはとてもお強いですから。」

なんなら、メルはもう、ウイスの上を行っているのだ。

「さて、お手並み拝見と行きましょうか。」

下を見たウイスの目には、メル達が見えていた。


++++++++++

一方メルはというと。

『っ』
「どいてもらえます?その子に用があるので。」
「どくわけないでしょう。」

ぐっとメルの身体を後ろに下げて言うサワア
メルの身体はカタカタと少し震えているのを感じ取り眉間にしわが寄る。
無理もない、メルトリアの時に目の前で大事な人達を殺されたに等しいのだ。

違う存在だとは言えど、その身体で見ていた時間。
トラウマになっても仕方がないというものだ。

「メル様」
『なに?』
「此処は何とかします。ですので1にお戻り下さい。」

今なら貴方は間違いなくそのまま戻れるはず。
そう言ったサワアに駄目と言うメルへ、喝を入れる。

「いいから早くおいきなさい!!!!」
『……っ、さ、わ、』
「…大丈夫、これでも天使は死にません。」

ね、と言ってサワアはトンとメルの肩を後ろに押して、前に杖を出して攻撃を防ぐ。

「早く!!!!」
『っ消滅したらただじゃおかないから!!!』
「ええ!!」

メルは走り、ウイスの元に手を伸ばそうとした時だった。
ぴたりと世界が止まる、その感覚に、覚えがあった。

『…わんちゃん?』

其処には、白黒の犬がしっぽを振ってハァハァと息を荒げていたではないか。
嬉しそうに、主人を見つけた様に、タッタッタと軽快に帰って来た。

撫でるメルに、更に嬉しさが勝ったのか、尻尾を振るう速度が上がるも

『え!?あっちょ、待って?!』
「っメル様!?」

時間が戻り、犬が走り出す方向にメルが動き出したではないか。
何時の間に犬がとは思ったが、帰って来いという声を無視して走る。
走る犬を追いかけるメルの元に、蔦が生えるも、
バンと音が入って倒れたメルに犬も止まる。

此方を向いて、まるで追いかけて来いと言わんばかりの顔で。

目を見つめてくれていた。

『っ』
「おいきなさい」
『コルン様…!!リキール様どうして!!!』
「少々嫌な予感がして、なっ!!!!」

気を撃ったリキールに、
ぱっぱと奴は華麗に交わしては撃ち落とす。

「はやく!!!」
『っありがとう!!ねぇ待って!!』

その犬は徐々に小さくなる。まるで子犬に、戻る様に。
毛の色も大きさも変わって、頬に見えた茶色は無くなり、
本当に白黒にしか見えなくなる。

急げ、急げ、急がなきゃ

彼を掴んで、抱きしめてやらなきゃ。

そんな気持ちが胸から溢れ出てくる。

「…ちゃんと掴んで帰って来るのよ?メルちゃん。」
「ブルマ?何をいって」
「…帰るんだよ、一度、ね?」
「ビルス様?」
「また、お待ちしておりますよ?華樹の子よ。」

その時、貴方が寂しがることのないように。

「我々は絶対に生きねばならないのでしょうからね。」


++++++++++

そう、走る、走る、たったか走る。

白いワンピース姿で、リボンもつけずに、
靴ズレ起きそうだなとか思っていた。

『まって!ねぇ、まってよ!!』

名前なんて思い出せない。だからなのだろう。
あの子犬の名前を、私は確かに言った。
母に急かされて、その名前の最初を付けて。
安直な、名前は、何時かのサワアのサワを思い出させる。

『ねぇ!パピ!!おいてかないで!!!』

その言葉に、犬は止まり、そのままジャンプする。
その大きな穴に、メルも飛び込んだ。

ばさりと飛ぶスカートを何とか片手で掴めるようにしていると

「メル!!!」
『ミラ!?フェルに待ってって君まさかシアージュ!?!?』
「久しぶり!色々話をしたいのは山々だが、話が吹っ飛んでな!!」

そう声を上げたのは、水色の髪の毛で目は赤い炎色を灯した者だった。
黄色い彼岸花を左上の髪に差し、左右の横髪を一つに束ね
まとめて降ろした下げみづら式の子。

後ろは下でお団子に左右でまとめており、
なんとも平安と現代を組み合わせたみたいな髪の毛が
重力で上にバタバタと揺らされており、
癖になった横髪が左右上に一房ずつ飛ばされている。

「とにかく君は今から1に行け!!その間我々がその手伝いをする!!!」
『ごめん皆!!』
「いいってもんよ!!これで少しでも貴方に恩返しができるというならね!!」

キンキンと金属音がする。外から入って来た
魔女達をメルから守ってくれているのだ。
メルは兎に角下に身体を落とすしかない。
この長い廻廊も、重力を考えれば
下に落ちるのもあっと言う間だろう。

「にしてもこんなに此処って長かったっけ!?」
「感情にも囚われているんだ!!長いと思えば余計に長くなる!!!」
「短くなあれ短くなあれ短くなあれ短くなあれ!!!!」
『っミラ!!!』

メルが気付いて手を伸ばしても遅く、
すぱっとミラの肩が切られ、そのまま上に上がる。

何人かがフォローに飛ぶも、
メルにはシアージュとフィズ、
フェルが囲み下に続いて落ち続ける。

「メルは気にせずにとにかく落ちる!!」
「じゃないといけるものもいけないからな!!!」
『…っうん!!!』
「大丈夫!私達は何度だって同じことを繰り返しても怒らないわ。」

そう言うフェルに、メルはポロリと涙を零した。
零れた涙は空に飛ぶ、其処に置いて行くように。

落ちた先で、涙は自分の元に、後から落ちてくるのだから。

『分かった!!』
「ま、そう簡単にやるわけないよねえ?」
「っやっぱ攻撃してくるんだよねぇ!?!?」

ビオランテという声に、にやりと下で笑う。
不味い、あの場所は一があると思っていると、バキンと嫌な音がした。

『〜〜〜〜〜!!!!』
「っ貴様あああああ!!!!!」

綺麗な額縁のガラスが、全て壊れてしまったのだ。
墨汁の中に、赤い血液の様な赤がぼたぼたと流れる。
それに続いて、メルも声を上げ、胸を鷲掴んだ


『あああああああああああ』
「っメル!?!?」
『ああっああああ、ああああああああ』

下に落ちたメルは、胸を掴み
片手は地面を掴んだり胸を掴んだりと忙しい。
そのバタバタと動くその姿をみて、やはりと答える。


「この廻廊自体が貴方の命に等しいというものね。なら話は早い。」
「っさせるか!!!」
「フェル!!!!フィズ!!!」
「今全力で回復してる!!!!でも!!!!」
「メル耐えて!!!!!」

あの中に入る術を消された。それどころか、
痛みが脳を埋め尽くし、それ以外考えられない。
叫び声しか出せないメルに、苛立ちを隠せなくなる。

まずい、このままじゃ本当にと思っていた時だった。

「ワンワン!!!うううう」
「嗚呼?なんだこいつは」
「キャイン」
(嗚呼お願い、止めて、どうか守らなくていい)

魔女がぱっと手を叩き、犬を飛ばす。
空を飛んだ犬は、べしゃりと地面に倒れた。
その姿を見て、メルは起き上がり、子犬を抱き上げる。

何も言わず、ただ、何かを言っている様に口を開ける。

(貴方は充分私を守ってくれた、私の心をあの子の空想を)
「っなにを」
(ごめんね、悪い子で。それでも、貴方が大好きで仕方がない)
「」
(私は充分なの、もう、大丈夫だから、心配しなくていいのよ?)


ねぇ、父様パピ


『かえろ?おうちに。』

そうボロボロのメルが、何とか子犬を抱っこして、起き上がる。
まるでそういつも抱きしめるように、息をするように動くのだから。

待てと言う魔女に、フェル達は攻撃を止めない。
ゆっくりと、足がふらつきながらも動く。

ひんやりとしていく犬を抱きしめ、死なないでとボロボロメルは涙を流す。
全くびくとも動かないのに、動いた感覚にばっと下を見つめて笑う。

『っふ、あ、ああ……!!』

目は、最期まで心配そうにも、愛おしそうにも彼女を見つめていた。
その目をそっと片手で閉じて前を向いた。
抱きしめたまま、その胸に願いを祈りを灯す。命を、光を、熱を帯びる。

向こう側に戻る時が来たのだ。

戻れ、戻れ、戻るのだ。

『かえる』

黒髪が光を帯びる。白く、黄金を、灯すのだ。

『ね、かえろ?パピ。』

貴方が落っことした、貴方の欠片の居る、世界に。

メルはその赤く滴る液体を感じつつ、その身を中に落とした。
不味いと言う周りに、魔女がにやりと笑う。


「もう、会えないわね?」


































へぶっと音がする。

「あ〜あ〜滅茶苦茶よんわ」
「そうおっしゃらないで下さい。メルさん物凄く泣いてますから。」

えぐえぐと声を出して泣くメルに、コニックらが慌てふためいていた。

「いやでもよくガラスも耐えているよなぁ」
「6番目の話だよね?」

そうそうと休憩入れましょうと言うコニックに
もう少しと駄々をこねだすメルを見つつ、
フォルスはフィズと共に話す。

「額縁ってさ、絵画を綺麗な時間を守るためのものなんだよ。」
「え、ええそれがどうしたんです?」
「そのガラスが壊れたら、中の時間も傷がついて、本来の時間を保てなくなる。」
「…そうなったら、入らない方が良いんです、よね?」

嗚呼勿論とフォルスは言い切る。

「万が一にでも入ったら、もうこの世界に戻ることはない。」








もう、二度と、出会えなくなる。