僕に向く百の愛を犠牲にしました
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「ああああああああああああああああああああああああ
やだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「ぜんばあああああああああああああああああああああ
ぼくおおおおいいっでがないでえええええええええ」
『あっはははは!!!大丈夫大丈夫!!!
置いてかない置いてかない!!!!』
「おもいっっっきり嘘吐いていますが……」
それから、ありがとうございましたという号令した子の声に会わせて
サックス隊が駆け寄ってきた。何なら一番弟子の子が泣いている。
おい楽器を置いた瞬間を見ていたなお前。分かってるぞ私には。
メルはその抱き着く彼女をガン無視するかのように
壇上から降りてくる中、サワア達と合流した。
可愛いと愛でられる彼等が背中合わせにして
周りに耐えているのをみつつも
こっちもこっちで滅茶苦茶お別れを惜しまれている。
あれまって私まさかの午後休みか???
ぶんぶんと振られる中、楽器を支えていた釣り紐である
ストラップを首に軽くかけたままなので、割と振るわれる。
あれこれこの子普通に当たって痛くない????大丈夫????
そう思っていたら痛いがそれもまた一瞬とか
軽くサワアが引いているのが見える。
嗚呼、うん、こういう子もいるんだよ。
凄いよね。人間ってさ。怖いでしょ。人間って。
「いやでもあの言葉ふかいわー」
『え?そう?』
「うんうん、人生10週はしている人の言葉だよあれ」
『うぐ』
そんなことはにゃいよーーーー
そう言うメルにまたまたーと皆が笑うが
それを本気で受け止めたのはメルと壇上に上げられ
公開処刑を受けた三人の天使だけである。
「でも千代木さん居なくなるのマジで困る。」
「うちらどうすればええん……」
『大丈夫大丈夫、どうせ一人で生きていかねばならないんだから。』
「……じゃ、行きましょう。」
そう手を伸ばすサワアに、目を丸くしたメルだったが
もうちょっと、とホールに一人だけにさせて欲しいと言ったメルに
それならと彼女達は先にご飯を食べに行った。
『よし、じゃあお前達も和えられてきなさい!』
「え!?!?!?」
『白良浜さ〜〜〜ん!!!上野さんいる〜〜〜?!?』
「んん!!!ふぬうかふうんんん!!!」
「いや貴方もですか。」
貴方もご飯口に入れたまま動きあっちょ、まっこら!何処を触っているんですか!!!
おやめなさいと焦るコルンに、真似凄いね?と言われてううんと答えてしまった私。
『ガチ一人なりたいから、弟たちの面倒を少々してほしいんだわ』
「嗚呼そういうことなら合点承知の助」
「嗚呼成程、此処からですか…」
「納得いきますねぇ〜〜〜」
「ん???どうかしたの????」
「いえいえなんでも、では…僕たちは此処に残るので
行ってらっしゃい?お姉ちゃん」
『〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!』
「えっ待って都佑がガチ照れしとる。」
「え!!!!!!!!どこ!!!!!!!!!」
『いやうるせぇなこいつらふぐうっ!!!!!!!』
あああああと突っ込んできた彼女にメルが上に唾を飛ばす。
ぶんぶんと肩を揺らしている中、調子に乗る子達がわらわらと。
「止めて下さい!死ぬのはまだ早いです!!!」
『いや死なないよ…大丈夫だって〜君らの音と一緒に演奏これからもしたいし。』
「……」
『へ?あ、あれ?どうしたの?私なんか変なこといっ』
「もうだめ、救急車欲しい」
『え』
「大丈夫ですか!!!!こっこれは!!!!」
「もうだめですね、死にましたこれは。」
「いや死んでないでしょうがどうかんがえても。」
お前らの目は節穴かと、滅茶苦茶引いた顔で見るコルンに、何人かは苦笑いです。
『いやいや大丈夫だってば。まだ死ねないというか、その…』
「え?待って?その顔恋してる顔しとる」
『へ!??!!??!!』
「誰だこの超絶ピュアピュアストレートド
ストライクゾーンバッターゾッコンの
魂すらも浄化しそうな天使みたいな
天使の生まれした子の心を射抜いた奴は誰だあああああ」
「「「(お前/貴方ですか、彼女の言語力が著しい原因は!!!!)」」」
と言うかサラッとそこそこ的を得ている感じが
人間でも本能と言うか、何と言うか、感覚は怖いと思いました。
「ええ千代木先輩僕と結婚してぇ……」
「それは聞き捨てならない話ですねえ」
『へ!??!ちょ、さっ』
「この人は僕がずっとお慕いしているというのに。」
『!??!!??!?!?!?!?!?!?!』
「………」
あれ?というサワアに、メルは顔を真っ赤にして、その場にしゃがみこんでしまった。
どうしましたというサワアに、周りが少し距離を取って何人かが顔に手を当てた。
「う゛っ!!!!!!!!!!」
「ちょっと誰か救急車呼んで!!!!!」
「ああもういっそのこと救急車が来い!!!!!」
「神父何処だ神父ごらぁあああ!!!」
「私が神父だ!!!!!」
「式場式場式場式場!!!!!!!」
「もう式場きてぇ…無理辛い好き死ぬ」
「たのむ、死んではダメだぁ!!!」
「もうこんなの死ぬしかないじゃない!!!!!」
「ごめんね〜いつもの発作みたいなものだからね〜〜〜」
「は、はあ……」
気にしなくていいからね〜そうのほほんと
対応してくれる上野さんに対して、
はぁとコルンやウイスらも頷く。
「お姉ちゃんが居なくなるの凄く寂しいのよ、皆。」
「…慕われていることが充分に分かります。」
「良い友を持って羨ましいですね。」
「ええ」
「ほんとはね、君らくらいの頃、
あの子が言ったように目が死んでたんだよ。」
「え?」
お姉ちゃんならぬ、メルがなぜか和えられている中、その上野と言う子は言う。
「お母さんに捨てられちゃったらどうしたらいいの?
って聞いて来た時はペン落っことしてしまったわ。」
「…すいません、姉が失礼な事を聞いて。」
「いやいや、寧ろ嬉しかった。とんでもなく、嬉しかったのよ?」
「え?」
「だってあの子、一人で全部抱え込みたくなる感じじゃない?」
君ら三人もいるなら猶更なのよねぇ、きっと。
そう微笑む彼女に、サワアらはきょとんとしていた。
「あんな真面目で何処までもその人らしさを見つめて
触れてくれる可愛らしい子が、
私に小さなお願いではなくて、頼って来てくれたんだから
……それだけでも、私は嬉しくて。
涙がちょっぴりでちゃったんだもの。」
「…本当に、良い人なんですね、貴方も。」
「いやいや。勉強を沢山して、人をちゃんと見ようとするその姿勢は誰もが分かっていたからね。」
だから同時に、恋をして、普通に触れられた。
それが、自分達の力にもなったのだから、
どうか胸を張って、生きていて欲しいというのだ。
一人一人が今この場に居る瞬間すらも。
あんな殺し文句、一体何処で培ってきたのかこっちが知りたいと彼女は肩を下ろしながら言うのだ。
「普通に何よりも遠くかけ離れた子だとは思っていた。
努力しても報われず、何をしても、誰もが得られる愛情を。
…あの子は貴方達の時間から、選択肢すらも奪われてしまったのだから。」
「上野さん……」
「大丈夫。もしもの時があれば、私達も力になるわ。」
「そうそう!音って、人間って不思議なんだよ〜?」
「嗚呼あの子のことは気にしないでもろて。」
「なんでかな?!?!?!??!」
そう周りが笑う中、じゃあ解散と言いつつも、その子がぼそりという言葉を、サワアらは聞き逃さなかった。
「何処に居ても何をして居ても、ピンチの時は何時だってその子の味方になるんだから。」
「…え?」
「ささ!それにしてもお名前は〜〜!?」
「え?!あ、ちょ」
『ほらほら〜お名前言えるかなぁ????』
メル?!?!?そう思っても背中を押されて逃げ場がなく、少々照れくさくも仕方がない。
此処は腹をくくるしかないかと思い、先に前に出たのはサワアだった。
「ほ、星野、
「へー千代木じゃないんだ」
『嗚呼一応色々家庭環境あってね、うちのお父さんが引き受ける手筈になる予定なんだ。』
「嗚呼もう分かった察する。」
「色々、聞きたいこととかないんですか?」
「え〜〜???子供はそんなこと考えなくていいのよ。」
「いやどう見ても貴方方全員子供では。」
そう流石にコルンが突っ込むのにいやいや〜と手を横に振る彼女ら。
「貴方くらいの歳ならば。前を向いて無邪気に笑って。
お姉ちゃんの愛に甘えるくらいが丁度いいのよ?」
「そうそう、無理に背伸びして話さなくたって大丈夫なの。」
「(嗚呼成程、彼女の過去を知っている者達が多すぎるのか、此処は。)」
メルがどれくらいからその部活とやらをしているかは分からないが
11年もこの場所に暮らしているその根強い人々の信頼は強すぎた。
本当のことを言わずとしても、話を逸らしてくれるように。
彼女は、こうなるのを、全て、見越してしていたとでもいうのだろうか?
それは、どれ程の、時間を、心を、殺したとでもーーーいや、
「(気にしない方が得、と言う事でしょうか。)
ほらお前達も自己紹介くらいしなさい。」
「っですが」
「星野
「ウイス?!?!?!?!?」
「うい?」
『さっき自己紹介した時の衣装の名前だよ〜』
そうメルが咄嗟にフォローを入れるので、
何とかその場が和んで笑いで終わるが、
これ、普通に彼女が居ないと詰んでいた話ではと、
コルンが気付きそっとメルを見つめると
彼女が軽くウインクしてきた。
嗚呼もう、すいません。
「ほ、星野、
その……姉が何時も世話になっております。」
「うっっっわ礼儀正しすぎ」
「絶対都佑の生まれ変わりでしょこのクソ真面目っ子。」
『待って普通に性別違うし、そもそも私は其処迄真面目じゃない。』
「「「「「「いやそれはない」」」」」」
『なんで息が合うのかなぁ?!?!?!?!?!?』
焦るメルに対していやさぁ?と笑う。
「だ〜って小さい頃から見てる組からするとバレバレだもん!」
「そうそう、まるでこうしないと駄目みたいにするんだから。
…ほんと、寂しくなるなあ。」
『皆…大丈夫、私は居なくならないよ?何処に行っても何をしていても。そうだ!ほら、お月様も太陽もあるじゃない?』
あの光がある時、私も見ているから。そう言う彼女に、月は良いけど太陽はダメでしょと言われてそりゃそうでしたというメルの声で場が和んだ。
「それにしても家ではなんて呼ばれてるの?」
「え!?!?あ、いや、それは」
『こっちはゆうちゃんか、ゆいちゃん。こっちはさくちゃん。
そいでこっちはりくくんか、りっくんだよ!!』
「きゃ〜〜〜〜かわいいいいいい」
「あっちょ!!」
『そいじゃ、後よろしくね!!』
「はーーーい!!!」
ほらお姉ちゃん行ってらっしゃいは!という声に、行ってらっしゃいと少し照れくさそうに手を振る彼らに
メルは目を丸めた後、うんとにっこり笑顔でホールへと戻って行った。
「…ほんと、呆れちゃうくらいに笑顔見せつけちゃって。」
「まぁまぁまぁ、いいんじゃないんですか?あんな顔最後に見られただけでも。」
「え?どういうことですか?」
「気付いてないとは言わせないよ?弟達諸君。」
君ら、あの子と付いていくつもりでしょ。という彼女らに、嗚呼引っ越しかと思っていた。
「あの子は寂しいとか悲しいとか相手に感じて欲しくないって思う子だからね。」
「惜しんで欲しいって普通思うんだけどね?
きっと私達に言わなかったのも
お父さんが色々汲んでくれたんでしょうよ。」
だって、最初から別れを告げられるのは、皆辛いから。
そう寂しそうに言う彼女に、あのと声を掛ける。
「きっと、帰って来ると思います。」
「…お兄様」
「いつか、きっと。貴方達の元に。」
「…!うん、ありがとう。」
嘘でも、その言葉だけで、私達は救われるよ。
そう言って彼女はそっと、サワアを優しく抱きしめる。
トントンとリズムよく叩くそのリズムは、
何時しかメルがしていた音によく似ていて。
「狡いですねぇ、ほんと。」
「ん?なにが?」
「いえなにも。それよりも、此方は?」
「おっと、食べる食べちゃう???」
「ああいや、何かと思いまして。」
料理当番制でしているのでとウイスが入ったことで
嗚呼成程と周りが偉いねーコールに入る。
こっちは作ってないけど、と料理の話に
いやコンビニ弁当組はちょっとと誰かがぶーたれる。
「いやにしてもさ、顧問あれ、絶対都佑のこと買ったよね。」
「え?」
「あ〜分かる。確か植物のなんか受賞してたよね?」
「課題曲も天使なのはイマイチ掴めないけど。」
それから少し自分達の話題からソレ、
各々がご飯を食べながら円になって話をし始める。
サワアやウイス、コルンらは
何故か流れで、別々の円に入って会話を聞くことになった。
「いや普通に植物って太陽無いと死んじゃうじゃん?
確か花って太陽がある時は咲いて、無い時は閉じてるとか。」
「んっ、そうそう。きっとさ、顧問こういうんでしょ?」
「え?」
「”例え雲でその太陽が隠れていても、何時かきっと光は差す。
枯れず絶えず、野草の様に強く居続ければ。幸せになれるから”」
「要は諦めるなってことだよね。」
「皆にも言われてるけど、絶対あの子だけ強いでしょ。」
買ってるよねーほんとねーと笑う彼女らに、
いやだとか思わないのですか?とコルンは言う。
「自分らを見て貰えなくてつらいとかそんなことは」
「…そうだね、辛い時は確かにあったけどさ。
あの子、本当に花みたいなんだよ。」
「え」
「太陽ばかり追いかけて、他を見ない。
そう思っていたのに、いつの間にか
周りをみていたことに気付いた。」
まるで花の様に、野草の様に。
足元まで、いつの間にか浸食していたという。
「努力が報われないことに、何よりも安心した顔した面した時は腹立ったけどね。」
「…それは同感ですね。」
「でしょ〜〜!?ほらほら、ご飯食べな?」
「あ、いや、流石にそれは」
「これ誰が作ったの?滅茶苦茶愛妻弁当じゃん。」
「兄が作りました。」
「え゛君長男じゃないの。」
「ええ、私は次男ですよ。」
強ち間違ってはいない。嘘はついていないのだ。
コルンはパクパクとサワアが作ってくれたご飯を食べる。
そう言えば彼女は食べる気配が一切なかったが、どうしているのだろうか?
「知ってる?食べ物にも花言葉があるんだよ?」
「…んく、そうなのですか?」
此処は知っているとはいいがたい。コルンは知らぬふりをしてみる。
それが上手くいったのか、はたまた自分が忘れて居たのか。
とんでもないことを言い出して顔を変えてしまうのだ。
「ゴボウは人格者、用心。大根は適応力、潔白。
タケノコは節度、節操。」
「全部それで検索しているではないですか……」
「あはは!!あ、さやいんげんとかもあるよ?」
意味は、と言って笑っていた顔が真顔に変わる。
どうしたんです?と言ったコルンに、いやと言葉が詰まる。
「…何時までも続く楽しみ、約束。」
「っ!」
「ショウガは、豊かな心、あなたを信頼します。
白菜は、固い約束。ブロッコリーは小さな幸せ。
ネギは微笑み、挫けない心、笑顔、愛嬌。」
そして
「人参は、幼い夢。って、意味があるんだって?」
「…メニューは兄ではなく、姉が言ってたので。」
「だろうねぇ〜、こんな遠回しな愛情表現、なっっかなかないよ。」
「これ素でやってたらさ、
マジで咲久君と結婚した方が良いかもね。」
「え?な、何故そうお思いに?」
「いやだって、目が一瞬恋したみたいに見えたもの。」
「っ!!!」
「でもきっと、あの子の事だから手折るんだろうねぇ。」
そう彼女はサンドウィッチとやらを見つめながら話す。
「あの子は何処までも一人で居ようとするんだから。」
「ね、まだ叶えられなくてもいいからさ、お願いしてもいい?」
「なんでしょう?私に叶えられない願いなどあるとでも?」
「おお強気!…あの子の、都佑のこと。頼みました。」
「っ!そんな、頭をあげて下さい!!」
いやと彼女は頭を下げたままいう。
「都佑はその名前の通り、誰かを助けに自分のことを蔑ろにします。
もう呪われていると思った方がいっそのこと楽になるくらいには。」
「…上野、さん。」
「私は見てやれない。あの子の心の中からじゃないと、言えないから。
だから、弟さんである貴方に、この願いを託しても構いませんか?」
願わくば、彼女が日向で。太陽の下、綺麗な華を咲かせ続ける時間すらも。
そう言う彼女に、言われずとも、とコルンは箸をおいて胸に手を当てて言う。
「このコルン、願いを聞き受けましょう。」
「…うわ、本当にコルンみたい。」
「っ!?!?!?い、いいいいいやそんなことは」
「ま、その感じみたら大丈夫そうだね。」
ね?
「エフェメラル」
「っ!?!?貴方何故その言葉を」
「うちらの愛称みたいなもんだよ。」
『…もう、弟達にそんな言葉を覚えさせるとは、
悪い子だねぇ?アルトリアよ。』
「いやいや……君程じゃあないが?」
ニヤリと笑う二人に、笑う。
「嗚呼そうそう、君らにはまだ早かったが、
実は私も引っ越しが決まっていてね。」
「え?!!??!!?」
「この際だから言うけど、実はもう出る場所が決まってさ。」
「どこ!?!?!」
「ヨーロッパ」
『よ!??!?!?!』
マジでという声に、ええと答える。上野。
「ヨーロッパの何処!!!!!」
「ん〜確かプラハの大学だったかな。」
「うっわ海外留学つよ……」
「その関係で少し早めに出ることになっちゃってね。」
向こうと交渉したんだけど、
一応夏休み終わったら、もう。
という彼女に、寂しくなるねぇと周りが言う。
「そりゃ三年生なんだもの。それぞれの道に進む者だしね。」
「…そうなんですか?」
『そうだよ?高校三年生は、別れの時間だ。』
だからこそ、その花のように、強く在れというんだろうがな。
『ま、君には一番会いそうだがな?私も後々そっち行くし。』
「っ!!!!」
「え!?!?そうなの!??!?!?」
『嗚呼!知り合いのツテでね、其処にも行く予定が決まってたのすっかり忘れてた。』
「いや弟達どうするの」
『連れていくか、父親に投げつける。』
「なっなげ」
「いやいや、物じゃないんだから。」
そう引かれる周りにまぁまぁと、メルはケラケラ笑う。
ご飯も食べてそうだし、そろそろという彼女に、ちょっと待ってと声がかかる。
「もう少しだけ、居てくれませんか?」
「せめて昼休みが終わるその時まで。」
『…わかった。』
そう言う彼女に、何処か不思議と、違う感じがする。
気のせい、だと思いたいが…だが、それは、とちらりコルンはサワアの方をみた。
その目ですぐに悟った。嗚呼、あの瞬間に、貴方は、見つけてきたというのですか。
陽だまりの中ではなく、あの明かりを消したら何も見えなくなりそうな、暗闇の真ん中に。
スポットライトを照らして、その光だけを望むと言わんばかりの力を。
「…なら、此処で暫く居ても大丈夫でしょうね。」
束の間の休息は、もう終わるのだから。