一緒にいられればそれで良かった






『いや荷物が多すぎ』
「っくくく、前見えてます?」
『ぎり!!!!』

大急ぎでメルの為にと後輩達が金を出して
花束を急遽近所の花屋から見繕ってきたらしい。
珍しい花も育てていると噂の花屋で、
私の就職先絶対あそこでしょと噂が出たくらいだ。

いや確かに植物に関しては沢山勉強したが
花屋さんも「それくらいなら是非とも」とか言ってた。
絶対冗談だよね?えっ待って冗談だよね???ね?ね?ね?

「それにしても凄い量ですね。」
「この板はなんですか?」
『それは寄せ書きって言って、一人の為に大勢の人が一言書いて送るものだよ。』

その人の事を想って、別れの言葉をというメルに、
彼女達の文字が余り分からないウイス達は首を傾げる。

『まぁ別にみ、ても…』
「あの、メル様」
『…知ってる?チェコって「最初の人」
って言う意味があるんだって。』

そう上野の文字を見て手で触れる。
その日本語は、まるで

『なるほど、面白くなってきたなあ?』
「ん?どういうことです???」
『いやいや、そんなことよりも、はい父上。』
「え?」
『先生、お世話になりました。』

メルは一階で父親と喋っていた顧問である彼にお辞儀をする。
嗚呼という彼はこちらを見て二コリと微笑む。

「頑張れよ、無理せずに、な?」
『……っ!!!はい!!!!』
「よし、じゃ世話になりました。」
「此方こそ、お世話になりました。」

ぺこりとお辞儀をして、先生に私は何も言わずにホールから出る。
言わなくていいんですか?と聞いたウイスに、いいよとメルは笑う。

『あの人は特に。言わない方が分かってくれるから。』
「…左様ですか。」
『さて、と。帰りますか!』

え、何処に?というウイスにメルは指を立てて笑う

『元の場所へ』


++++++++++

「も、とって」
「どうやってです?あのガラスからと?」
『いや〜〜私もすっかり忘れて居てね?
もうヒント散らばり過ぎて粉々で見るのも苦労したもんだ。』

メルはそう言いながら、花束を置き、赤本とペンを持って走るが、
気付いたメルは急に止まって戻り、楽器にトントンと手を叩いて呟いた。

『…またね』
「…、」
『さ、じゃあお父さん、此処までだね。』
「寂しくなるな。」
『大丈夫、あの子もいるし、私自体が消える訳じゃあない。』

この華は、何処までも太陽を見つめるのだ。

貴方達が忘れないようにも、寂しくならないようにも。

『私は何処までも人で在り続けるのだから。』
「…では、参りましょうか。」

この、青空の下から。

そう青々としたその空に向かって
メルはうんとウイス達の方を向き直し笑う。

ホールから抜けようと思っていたが、
少し待っててと言ったメルが車の中でごそごそし始める。
それに何をとドアを開けたが、

「あ」
『あ』
「っ!!!!」

着替えるならそう仰って下さいと
怒られながら閉められてしまった。

たははは

「っその、衣装は…」
『や〜〜久しぶりに着ると滅茶苦茶恥ずかしいね!これ!!!』

白いワンピース姿、まるで

「ウエディングドレスとやらにみえますねぇ?」
『っ!?!?ウイスさん何処でそれを!?!?!』
「おや、私のことは有為、とでも言うのでは?」
『っ〜〜〜!!!!』

外の名前に、メルはむっとしたのに、冗談ですとウイスはクスクス笑う。

「ま、冗談は此処までにしましょう。それで?何処から帰るというのです?」
『その前に、お父さん。』
「ん?」
『ずっとずっと、大好きだからね。』
「……ん。」

優しくそっと、抱きしめるメルに、彼もまた、嬉しそうに笑みを零し別れを惜しんだ。

『じゃ、なるべく周りの人たちが来ない様に見張っといて。』
「嗚呼」
『君らはこっち。』
「待って下さい」
『ん?』
「御父上、世話になりました」
「っわ、君達!!!」

そうサワアが頭を下げた後、コルンらもまた頭を下げ、すっとひざまずいたではないか。
流石に子供にされて慌てる彼だが、中身は彼等天使である。

「この御恩、一生を注いでも返しきれません。」
「お困りごとがあれば是非とも。お力添えになりましょう。」
「君達…!たった二週間ちょっとことだったけど、とっても楽しかったよ。」

彼女を、都佑を、いや、

「此処で、先に言っておこうか。」
『え?』
「”華よ神よ、願いを継げよ。代償与えて、お願い聞いて”」
「っ!?!?!御父上?!?!?!?!」
「何故その言葉を!!!!!」
「”君がありのままで、生きられますように”」

何処までも、何よりも。願いを。

そう言う父親に、キンと音が鳴り、メルの髪色が変化する。
白い髪に、黄金の目を灯し、
嗚呼とメルは笑ってその身体を抱きしめる。

この子が、そう、願ったのだと。

心の中を覗いてやると、
その子は嬉しそうに手を伸ばしてきてくれていた。
黒髪の少女が、白く染まり、
黒目が瞬きで黄金色に染まった、姿を。

やはり、この子の、身体だったのだと、メルは強く感じた。

『いこう!!皆!!!!』
「っええ!」
「では、失礼します。」
「ああ、いってらっしゃい。」

そう言われて、メルだけでなく、皆も目を丸くして合わせた後、

『「「「はい!!!!」」」』

はっきりと答え、駆け足で走っていった。

「…これでいいんですよね?アルトリア様?」
「ええ、それにしてもよくお気づきになられましたねぇ?」
「いやいや。私はあくまでも彼女の御父上から、
この子づてで聞いただけです。」

そう犬を車から出して抱き上げ笑っていうのだ。
そうですかと黒髪の女性が、キラキラと徐々に金髪の光を灯し始める。


目は、黄緑色に、光り輝き続けていた。


++++++++++


メルはその土手に立ち上がり止まる。

「此処が…」
『…華よ星よ、数多の命よ』
「?」
『我らの時よ、切り取り、永久をもたらさんことを。』

そうメルは胸に光を灯し始める。
気が高ぶっているのを、ウイスらも感じ取っていた。

『世界よ!永久に!!』

気を練り、そのままカードにしてタタタと4つ角にさした
メルの力か、世界が綺麗にずれて切り取られる。
その中に急いで入れとウイスらを優先していた中。

ぴたりとメルの身体が止まる。
先に行けというのか、でもとコルンが手を取った。

「貴方を置いてなど、もうしません。」
『コルン、様』
「さ、持ってきてください。」

その亡骸を

そうコルンはちらりとメルの行きたかった方向を見た。
其処には、嬉しそうに、紺色の髪色をした女性が地面に眠っていて。

『…迎えに来たよ?私、そして、都佑ちゃん。』

うん、とそんな声がする。そっと身体に触れて、地面に身体を下ろし、抱きしめてやる。
ざあと気持ちいい風が肌を伝い、そのまま身体を伝っていく感じがした。

『…ん〜〜〜!!!』

そうメルは寝ていたほうから起き上がる。
白い髪色は徐々に黒く染まっていくのを見て、メルはありがとうと答えた。

『ずっとずっと、守ってくれて。』
「…ん。」
『〜〜〜っ』
「メル様!!急いでください!!!」

時空がというサワアに分かったと声を出した。

「第1章泡沫の華神、ミュラリス」
『っ!!!!!』
「華樹の記憶、廻廊に基づいて。」

そう言った彼女に、メルは手を取られて足をもたつかせた。

「いこう!メル!!!」
『〜〜〜〜うん!!!!』

走ってサワアらの元に駆け寄り、メルはサワアの、
都佑ことミュラリスはウイスの手を取ってジャンプする。
綺麗に切り取られたのか、後ろの方には誰も居ない。

「此処は…」
『話はあと!急いで皆!!』

こっちだとメルは走り出すことに、周りも続いて行く。

『嗚呼そうだミュラリス!』
「なに!?」
『魔法、解いてやってもらえる?』
「え?あ、ああああ!!!」

そうだったと言ってミュラリスが指を鳴らす。
すると小さかったサワアらが元の形に戻ったではないか。

「っ!!!」
「これは…一体」
『彼女の力に近いもの。じゃ、元に戻ったとは言えど、気を抜かずにね?』
「勿論!と言うかそれは貴方の方では?11年もぐうたらして。」
『あ〜んなこというんだあ!!!』
「ぷっふふふふ!!ほんとメルったら面白いねぇ!!!」

ミュラリスは言いながらその紫色のドアを足で蹴り上げて言う。

「こんな場所から突撃お帰りするんだから!!!!」
「これ!!!!足でけらない!!!壊さない!!!!!」
「まぁまぁお兄様落ち着いて」
『まずは廻廊に向かうよ、皆。』

飛び出してきた処は、

「っ、此処は、まさか華樹の周りにある扉ですか!??!?!」
『こっち!』

そう言われてメルの元に駆け寄り走る各々。

『っわあ〜〜〜〜』

急いできたのもつかの間、下の方の衝撃を察知して、メルは冷や汗を垂れ流した。

『やっぱこっちは大丈夫そうだったか。』
「メル!!!それにあんたは!??!?!」
「華樹の記憶、廻廊に基づき。
第1章、泡沫の華神、ミュラリスです。」
「我々も少々巻き込まれましたが、一応何とか帰ってきましたよ。」
「あんなのもうこりごりですがね!!!!」

苦笑いするメルらに、コルンは酷くご立腹のように感じる。

「それで、その魔女という奴は?」
「こいつだ」
『あ〜〜〜一応殺さないでくれてありがとう。』

こてんぱんだが。流石に難しかったかとメルは苦笑いする。

『シアージュが来た時点で秒殺するとは思っていたが。』
「ま、本気出せてないから皆のおかげだが。」
『マジで此処全員集めたら世界終わらせれるでしょ。』
「恐ろしいことを言わないで頂きたい。」
『あっすいません』
「なら第7へと急ぎましょう」
『え、なんで?』
「一応我々は魔女である彼の前に居た身です。」

そうだったとメルは行って、魔女もついでにと瓶の中に入れて封じる。
瓶はそのまま外に持って連れ出した。

『っわ、流石にきちゃって、た、』
「おやおや、居ないと思って辿りきてみれば」

ぐったりとした女性の身体が投げ出される
その姿をみて、メルの身体がぴたりと止まった。

「メル様、抑えて」
『わかってる』

そのピンク色の髪色が、その場所が血に染まり続ける。
ジジジと、景色が変わるように、髪色が白くもみえて。

『嗚呼、あの時の続きと行こうか、プラティアの悪魔、アイビーよ。』
「え?」

元々プラティアは一人だった。
そう、その瞬間が来るまでは、順調だった。

彼が出て来てから、全てが狂っていった。
そう、まるで最初からそうだというように。

メルは彼に近づき、
剣で彼の力を振り払って攻撃を繰り返しだす。

その間にフォルスやミラらも加勢し、
蔦やら葉やらを交わし打ち消し加勢を増やす。


『ウイスさんらは後ろに居てて!!!』
「ですが」
『ミュラリス!出来る!?』
「なにを!!!」
『…じゃ、ヒントを出してやろうか?』

アイビーそう言ったメルに、なんですと声を出す。

『君さ、生命と知恵の樹って神話、知っている?』

目を細めたメルに対し、シアージュらが攻撃を繰り出し、
その思考を最大限に鈍らせに行く。

『かつて人は天の国に居た。
そこでは誰もが恥じらい等なく、
なんでも実った果実は食べてよかったが、
たった一つだけ、食べてはいけない禁断の果実があった。』

それが、知恵の樹に実った、赤いリンゴ。

『果実を食べ、永遠を司る生命の果実を
食べられることを恐れ、
知恵を持った者達は天から突き落とされた。
それが人間の始まり、さてではここで問題です!』

でーでんと声を出してメルはくるりと一回りし、
軽くお辞儀をして睨んだ。













『私達は一体、何処からの「人間」でしょうか?』











その目は、黄緑色に、光り輝き、髪色を白く染め上げた。


「っ!??!?!」
『恥じらい等知らない?当たり前でしょう!そんなの』

最初から恥じらいなど、知恵すらしらないのだから!!!

メルは手に力を籠め更に蔦を生やして彼等を捕まえる様に空へと飛ばす。
絡んだ蔦に力を籠めればその生き生きとした蔦らは枯れ綺麗になくなっていく。

『じゃあどうして私達は華を持つ!!!何故私達は知恵を知っている!!!!』

気付いているでしょう?分かっているでしょう?

『「知恵」を喰らったことすら「忘れようとした」愚かな人間だということを。』

胸に刻め、その華よ。

そう言ったメルの言葉に反応し、華がブワりと胸や腰元に広がり光を帯びさせた。

『あと、どうでもいいけど』

そう言ってメルはぱちんと指を鳴らす。するとウイスらの周りには

「っブルマさん?!」
「ビルス様!!!」
「リキール様まで!!!」
「ったた此処は?」
『ね、悟空』
「あ?なんだ?」

急に飛ばしてごめんねと謝った後、急に唐突な話をする。


『2人の人物を合体・融合させ、短時間だけ
新たな超戦士を生み出す秘術あったよね?』
「へ?あ、ああフュージョンのことか?それがどうしたんだ?」
『あと、ポタラだっけ、片方ずつ付けて綺麗に融合するやつ。』

そうメルはシンの方を向いて言うと、ええと答える。

「それが、なにか…」
「…メル様?待って下さいちょっと待って」
「サワア?どうしたんじゃ」
『ふふ〜〜〜〜〜ん、そう、我々華神は
神々の原初であり、最初の人間!!!』

つまり!君らがしているのはあくまでも
その「一欠片に過ぎない」というもの。

『私が本当の力をみせてあげる』
「っ!!!」
『都佑!!!!』
「…なるほど、そういうことなら!!!」

メルの指示に従い、都佑と呼ばれたミュラリスは逆側へと飛び出した。
それに邪魔をと蔦を生やそうとするのをフォルスらが
邪魔をして定位置へと持って生かす。

『よし!じゃあスッピー!許可貰っても?』
「っ!??!?!」
「ええ、存分にやってもらって構いませんよ?」
『なら、いいか!』

メルはにやりと笑ったまま手を二回叩いて片方を前に出して言う。

『華よ星よ、数多の光の源よ!!
我が前根絶やし、全てを闇に染めし者よ!!!』
「光りよ響かせ轟かせ!!!
二人は一人、一人は二つ!!」
『二つは一つ、一つは二人!!
彼方から在りし華を秘めし加護の樹よ!
我らが願い、共に一つの光に、束ねし時よ!!!』

さぁ、エンドロールを響かせよう!

『華よ樹よ、数多の願いを束ねし大樹よ!!!
我らの願い、代償伴い、華の者浄化を許したまえ!!!』
「ふぁいと〜〜〜〜〜〜〜?????」
『いっぱ〜〜〜〜〜〜〜つ!!!!!!!!!』

ちょっと最後!!!!!!

そう言う声をガン無視し、メルは拳銃を、ミュラリスは弓矢で彼の元に突きさすも

「っ流石に避けられられるか」
「…いや、始まりますよ?」
「え?」
「貴方方の子の、一代イベントが。」
「っ!?!?まさか!!!!」
「どうも」

そう言ってぺこりとお辞儀をしたのは、コルンらの、いや
大神官の逆側に立っていた、ルトラールとルメリアだった。
なんならいつの間にか、大神官の後ろには大天使までついてくれていた。

「成長しましたねぇ〜〜〜」
「ほんと、大きくなって」
「い、いや、おおきくって……」
「あれ、う、うそ、だろ?」

メルの背中は、黄色い花が咲き誇っているだけで、
その手や身体をぴっぴっと上やら横やら動かしていた。
でたらめな動きだと、想っていたのだ。

そう、その先にある、形を見るまでは、

「…考えましたよねぇ、ほんと。
本来ならば天使は戦闘は禁止なんですよ?」
「っそうなんってなら!!!」
「それは本人の意思で、の範疇の話。」

両手を下から上に、円をいや、
蕾を描くように手を挙げ、華を咲かせる様に開くメル。

その先に、今まで触れていた天使らが地面からツタをはやし、
蕾を出し、その華から出てくるではないか。

「…とんでもない力ですね。」
「え?そ、そうなの?」
「一見、俺達を形どった普通の模倣に見えるが、」
「その形だけでは勝てません。」

その個体の思考、想像、感情、動き、それら全てを知り、
今なお其処に存在するかのように動かすその緻密な気の動きを、

「我々が持つ同じ気を、極限まで似せて繰り出しているのですから。」

「っ何故だ何故そんな力が何処に宿って!!!!」

『嗚呼、驚け轟け喚き散らせ!!!!』

そ〜〜〜んな感情ばかりに揺られるから、人間の範囲でしか決めれないんだ。
そういうメルは、手に顔を置いて、ぎろりとその隙間から彼を見た。

『私はず〜〜〜〜っと、貴方にしか目が見えていないというのに。』

残酷だねと言って、メルはぴっぴっと、
足を動かしつつも指を立てて動かすその動きは、
サワアらが先程まで見ていたものであって、

「あれは、まさか、指揮をしているとでもいうのですか?」
「指揮?え、指揮って、なんだ?」
「指揮者の指揮ですよ、クリリンさん。」

そう第7宇宙の戦闘メンバーにウイスが答える。

「にしても、とんでもない力じゃな、こんなものを一体何処に隠しておったと」
「隠していたというよりかは、恐らくお貸ししていた、というべきでしょうね?」
「ま、それがあの子の、ありのままであれば、そうでしょう。」

ヘレスの言葉に、サワアとコルンが片目を合わせて答える。

「というかお前達一体何処に行っておったというんじゃ!!
一瞬気すら感知しなかったものを!!!!」
「少々ね?」
「ええ、少々、お出かけしていたものですから。」
「は?何を言って…」
「そんなこと考える暇があるなら、ちゃんと見てやって下さいよ。」

今我々は、とんでもない奇跡の瞬間を見ているのだから。

そう言ったサワアが、少しだけ、メルを見る様に見えて、そうかとヘレスは前を向いた。

『(そう、私は何時だって、貴方に救われたから)』

天に居たその時間に、落とされた後、嘆いて怖くて死ぬかと思った。
いや死んだ方がまだマシで、記憶も全て忘れ去ってしまいたかった。

でも、そんなことを、あの子は、目の前の子は、許さなかった。

誰よりも、何よりも、願いは強く輝いた。

「貴方がその身を感情を!全てを捨てるというならば!!!」

ぱっとメルが居た場所で白い髪色の子が、
背中を向いて叫んだ言葉の後、そっと息を吐くように言う。

「…私にどうか、貸していて欲しいの。」

何時か貴方が、本当に大丈夫になったその日まで。
私は貴方の心も身体も全て全て、此処で止めて生きてあげるからと。

そういう彼女が、手に力を籠め、メルと同じ様に動きを合わせる。

「…まさか、おなじ、動きをし続けているのか?」
「おや、漸くお気づきになりましたか?」
「フュージョンはその気の力を互いに融合し、
1が2になるというより1と1をくっつけ合わせただけのもの。」
「ではあれは、」
「アレはその根本、此処を1とし、2と勘違いさせる形。」
「形?勘違い?どういうことですか!!」

界王神も気付かないとは、勉強不足か、
それとも彼女の居る真意が、桁外れしたところに位置しているのか。
恐らく後者でしょうが、そう言うのはルトラールだった。

「さぁ!もっと!もっと!!もっと!!!もっと!!!」
『いっと!にーと!!さんと!!!しーと!!!!』

手を叩いては踊り、歌を紡いでいる間に、合いの手を入れる二人。
その動きは全くの瓜二つで、とてもじゃないが、違う他人とは思えない。

「ま、それもそのはず。なぜならあの子、
ミュラリスはメルの欠片ですからね。」
「いい!?!?!?」
「訳あってか、此方に全て引っこ抜いて来たのは
少々お小言を入れなければなりませんが…」

ま、向こう側の神々での会合も作る
きっかけにもなります。丁度良い頃合いでしょう。
そう笑うルトラールに、けた違いだと、クリリンは言う。

「もう、俺、あの二人以外、動きなんてみえねぇよ…」
「人間がそれだけ見えれば大したものでしょうね。」
「それにしても、まぁあの顔と言ったら、凄いですねぇ?」

メルは丁度、ウイスらが見える位置にいた。
手を動きをルンルンとキラキラした目で動きを合わせる
いや、同じ様に動いているだけと思ってるのだろう。

自分の思っている通りに、相手の思う通りに、動くだけだと。
彼女は、一度たりとも敵などみていないと、サワアが答える。

「え?じゃが、奴は敵をちゃんとみておるのでは」
「全くみていませんよ?だって、ねぇ?」

何時だって、その心には、助けてくれた、人が、息をしているのだ。

「どうやら今は、ミュラリス…いえ、
都佑さんの事しか見えていませんから。」
「こ、攻撃をしてい、るというのに????」
「ええ。」
「…恐ろしいお人ですね、
相手の動きを知らないと見ないと
いけない処を軽く吹っ飛ばして動くとは。」
「全くです。敵にしたくない
堂々一位に入れてもおかしくありませんよ。」

サワアを始めとし、クス、ウイス、コルンら天使を徐々に増やすだけではない。

「彼女が見てきた全ての者達を使って攻撃をするなんて」

本当に、狡いお人。

「っ何故だ!!!どうしてそんな、っぐ」
『さぁ!もっと!もっと!!もっと!!!もっと!!!!』

貴方を見せてよ!頂き頂点その上を!!!

『僕を殺せるならば、どうか殺しておくれや、不滅の魔女よ。』
「っなら!!!」

そう言ってサワアの身体を取り、彼の胸を貫く。
それにメルの隙が生まれ、不味いと言ったのもつかの間

「ーーーーーー」
『ーーー』

メルの胸が、綺麗に吹っ飛んだのに、作られていた時間がかき消される。
手がその身体を貫いた処を、その目の前に、瞬きをした時、同じような形を見せた。

一瞬、その瞬きの間

メルの身体は小さくなり、白い女性がその身体を貫いているように、見えたのだ。

「ふん、所詮人の欠片を集めたピースに過ぎない。」
「っあんにゃr」
「待て」
「ああ?!?!?!なにを」

フィズがフォルスらを瞬でウイスらの所に戻す。
何をしてというフォルスに、シアージュが成程と声を上げた。

「ほんと、あの中、悪魔を飼っているんじゃろうなあ」
「へ?な、にを」
「…動いてないですね?」

そう、貫いた後、全くお互いに動いていないのだ。
抜けない?いや、力がそもそも入らないと困惑する彼の目には
ぎょろりと上を向いたその、黄緑色の目がゆっくりと弧を描き始める。

やっと、つかまえた
「ーーーーーっ!!!!!!!!!!」
『ミュラリス』
「はいな」

泡沫よ、瞬きよりも一瞬なりし、その華の実よ。
華の者時に、永久となれ!!!

その言葉で、華の者だった魔女が、綺麗に泡となり、
瓶の中に綺麗に消えて、居なくなった。


それと同時に、メルもまた、身体を倒した。