突拍子もない願いだとは




それから、サワアの顔も元に戻って見える。
記憶も元通りになり、0番目から今まで全てを知る。

次の日


『(いやほんっっっっとにきつい)』

これ絶対笑ってるあああくそおおおお。
そうメルはイライラしていた。

そう、全て。0の、あの時間までも。

「メル?」
『っ!!!!』
「……ほぉ?」

あっバレるのは勘弁してほしい。
メルは昨日の今日で流石に意識してしまった。
嬉しそうに笑って華を渡した想い人が目の前に居るのだ。

小さい頃だからうんうんそうそう。

「僕はずっと待っていたのに?」
『っ』
「迎えに来てあげても、この手を取ってくれないんですか?」
『……ま、だ、おわ、って、ない、からその。』

逃げようとしたメルのまえに立ちはだかった後、
壁に肘をついて下を見てくるサワア。

私知ってるこれ壁ドン!!
どんどんしてるこの人!!!どん!!!!!

「じゃあ、終われば手を取ってくれるんですよね?」
『へ?』
「おや、今更逃げられるとでも思っているんです?」
『あっちょ、サワア!?』
「はい…貴方のサワアですよ?エフェメラル?」
『〜〜〜〜〜っ!やあ』
「っ!ふふ」

腰を掴んで軽く抱きしめてやると、
胸の中で可愛らしい声に笑ってそっと頭にキスを落とす。
本当は何処までも堪能していたいが、旅の途中であるのは知っている。

それにまだ、彼女はいろんなところに出会っていない。

『もう、いじわる。』
「…本気で意地悪してあげましょうか?」
『〜〜〜!!やだ!!!』
「っぷはははははは!!!!!」

あーほんとうにもう、エフェメラルなんですねぇと笑うサワアに軽く叩いてやる。

「も〜怒らないで下さいよ〜!」
『ふんっ!!!』
「はいはい、いちゃつくのはいいけど、朝ごはん。」
『いちゃついてない!こいつ!!こっち!!!』
「あ〜…誘ったのは貴方なんですがねぇ。」

++++++++++

朝食を食べる各々に、全員此処に居るのかと思うとビビるが。
まぁ良いかと思っているとそれでとリサが聞く。

「お前これからどうするんだ。」
『あ?どうするって』
「旅殆ど終わったみたいなもんだろ」
『だから一応カランコエの所行くんだって。』
「戦うとかなんとかいってただろ?」
『あ、ごめんそれうちらの話。』
「うちら?あたしらか?」
「違いますよリサ様。メル様対我々です。」
「は!??!?!?!」

一応ねぇしない訳にもいかない。けじめはしといてなんぼだ。それにい?

『私なんぞの者の願いを見て此処に居る者だぁれも分からなかった騙されたんでしょお?』

さぞかし頭が悪い子らなのねぇ?

ニヤリと言うメルに、煽らないと叩かれる。

いたい!

「まったく。勝算がなさそうにしか見えませんが?
昔と今では随分違いますよ?」
『あ〜まぁ為せば成る何事も。』
「行き当たりばったりですか……もう。
本当に変わらないんですね貴方って人は。」
『だ〜って止めちゃってたんだもん。』

お約束守ってね?
はぁ……また今度。
はぁい成立

そう笑って片手を出したサワアにメルが勢いよく手を叩いた。
片手はグーにして嬉しそうにタッチしている。

「貴方本体に戻らないんですか?」
『ん?嗚呼それもしないとねぇ。今はするつもり無いけど、というか、あれ栓になってそうで怖いんだわ。』
「栓?いやいや、そんな風呂の栓じゃないんだから。」
「…あながち間違っていないかもしれませんね。」
「え?うそ。」
「確か、メルさんが願った場所はあの華樹の樹の下でしょう?」
『その通り。』

そして、その願いが飛ばされている処は、大体中をくりぬけば中央に位置する場所。

「あの中央に身体を置いて、栓をしていたとでも?」
『そうだとしたら?君らどうする?』
「いやどうにもこうにも、貴方策士過ぎません?」
「普通に口調ただした方がずっとマシでしょうに。」
『や〜〜〜!!無理無理!!直さん方が騙せるもん!!!』
「どうして騙す気の方でいるんですか!!!」

大体ねぇと思ってふと、あれとコルンが止まる。

「待って下さいメル様私も少々気になることが。」
『私もスピスさんや気になることが。』
「おや?私は貴方が言ってくれたことをその通りにしたまでですよ?」

わあと言うメルに、コルンが席に座ってわなわな震えている。

『わ〜こるーん!おねぇちゃんだよ☆』
「アホなことを抜かさないで下さい!!」

貴方みたいな姉がいてたまりますか!!!
え〜?つれないなぁ〜〜!

「ま、どっちにせよ家族みたいなものですし。いんじゃないです?」
『え?なんで?』
「あら、気付かれてないのですか?人間なのに。」
『む!』
「…めるう?よ〜〜〜く考えてごらん?」
『…よ〜くかんがえよ〜?』

それはしらない。

「人間の家系図ほらほら。」
『ええ?んん〜〜』
「付き合ったりとかしたらどうするんだっけ」
『ええ?場合によったらそりゃ結婚とかするんじゃないの?』
「うんうん。そうだねえ?結婚したらどうなる?」
『え?子供出来る方?死ぬ方?』
「なんでお前はそうピンキリなんだ。」

そうビルスが呆れるのに、えええとメルがウなる。

『ん〜〜〜けっこお?あ。家族増える。』
「どこの」
『あれあれ、おじさんとか義理のあれ。』
「正解ほらそれ」
『それ?どれこれ?』
「そうそう。」
『…………。〜〜〜〜〜!!?!?!??!?!!?』

あーやっときづいたー。そう笑うリサに、
メルの顔が真っ赤になって飛び跳ねて壁に隠れて縮こまった。
何なら出てこないので逃げたかもしれない。

「小さな願いが徐々に叶うから、耐えれる者なら耐えてみろ。
っていうのがあの方のお告げでしょうねぇ。」
「お父様、お気づきだったんですか…?」
「ええ。まぁメルさんなら別に構いませんから。」
「あれ程可愛がってもらえていたらそりゃあねえ。」

なにせクスらすらその姿は見たことが無かったもの。
それをメルは最初にみたに等しいのだ。
あのご満悦の姿といったらたまったもんじゃないだろう。

「私もあの子をきちんと見れていませんでしたので。同罪ですから。」
「お父様……」
「輪が一つになったのはそのせいですか?」

華樹の神に会った時は、
その一つは模倣だったことくらい、リサらも気付いていたのだ。
その言葉にええと大神官は快く答えた。

「全王様からおしかりを頂きましてね。
流石にあの方の前で一つだと申し訳ないので。」

ネクタイ締めてない感じかなぁ。
それと似たような感覚ですね。

いやいっしょだめだろとメルはぼやく。
反対側の、中庭から身体を軽く腕で
乗り上げてその話を聞いていたのだ。
今大神官の真正面に居る。

『まったく、後半になればどんどんきつくなるも〜やだ。』
「ではやめますか?旅。」
『やめる訳がないでしょうが。ねぇ〜すぴすさあ〜かわって〜』
「っふふ、代わって欲しくない癖に。狡いですねえ?」
『へへへ!!!』
「…メル様がどうしてあれ程まで親しいのかわかりました。」
「ええ全く。」

あんなに最初から懐かれたら、そりゃ誰でも許すものだ。
天使らも彼女の純粋無垢さには呆れてため息を吐いた。

『よっと!そいで?あとなんだ?アルトリア!』
「はあい。一応ある程度は分かったけど全部は無理。」
『じゃあそれもだな。一応コンパスを今日には探しに行く。』
「選びます?今なら選り取り見取りですよ?」
『っははは、ええ〜〜スピスさんそんなこと言っちゃう?』
「おや、そんなかしこまらずとも…前のようにすぴ、
だなんて言ってくれても構わないんですよ?」

ニコリと笑う大神官に、メルが今度は
びくりと反応し流石にそれはともじもじする。

「っふふ、冗談です。」
『まあ、今までの人達はとりあえず弾いて……あの人達何処です?』
「嗚呼第9ですか?」
『どうしようクラシックしかでてこない。』

運命じゃないんだけどなあ。ある意味この流れ運命だけど。違うそうじゃない。
何を言ってるのか分からない面々に、大神官ならぬスピスはクスクスと笑う。
















「では、頼みましたよ。我々はこれにて。」
『ばいちゃー』

ぺこりとお辞儀をし、大神官と各々神々は消え去る。
残ったのは第8、第9、第2の面子と、メルら旅の面々のみだ。

『あれ?コルン様帰らないんです?』
「いえ、貴方に少々用事が。」



「名づけしてくれたそうですね。」
『うん』
「意味がおありでしょう?」

それで二人きりとはそう言うメルにそりゃそうですとコルンは言う。

「貴方のことですし、どうせ二人きりじゃないと言ってくれないかと思いまして。」

あとついでに今聞かないと
ずっとはぐらかされそうなんでね。
あはは、有り得る。

「それで?どんな意味をお付けになられたんですか?」

この私に。

そう言う彼に、あんまり、いいことじゃないかもよ?と言うメルにどうぞと答える。

『…コルは、ラテン語で「心、心臓」って意味なの。』
「ええ」
『ルンってね、「風」って意味があって…その。』
「…ゆっくりで構いませんよ。」

此処には誰もいませんから。誰も急かしません。
そう笑うコルンに、メルは足をぷらぷらとさせる。
照れ隠しなのだろう、何時も声が大きかったり、動く姿はいない。

まるで、あの庭で遊んでいた、小さな子と同じ様な姿にもみえる。
その時間がゆっくりと、動き出したかのようにも。
そう、その時間が、確かに、あったのだろう。


自分の事を、姉だと、血の繋がってもいない、彼女が。
名を付けてくれた自分が、手と手を取る日が。
何時か、在ったかもしれない。その、草原のど真ん中で。

華樹の生えた、大きくも小さな箱庭の中で。
兄のように、同じ様に、手を差し伸べてくれたのだろう。

はじめまして、そう、笑って言って。
沢山の愛を、教えるつもりで。
その身を、奈落に落とし、
翼を己で引き千切ってまでして、願いを捧げに落ちたのだ。


…一応言っておくが、我々二人の仲は
兄であるルトラールの子がエフェメラル
弟であるスピスの子がコルンら天使。

その為、正確には多少繋がっていはするだろうが、
言う程人間程の血の濃さはないもの。

その為ほぼほぼ他人と言ってもおかしくないのに。
貴方はそれでも、自分が生まれてくるのを、
心から待ってくれていたのだから。

ほんとうに、もどってきてくれたのが、きせきなのに。


『…沢山考えてたの。』
「ええ、そんな感じがします。」
『小麦とか麦はね?「富」「裕福」
「希望」「繁栄」って意味があるの。』


そもそもコルンってお酒なんだよ?
ほぉ、そうなんですか?


そうなのと笑うメルはそれでねと幼稚な声で話す。
きっとその声が彼女本来の魂からの、声であって。
やっと、戻って来てくれたのだろうなと思えば、
少し心がくすぐったくなった。


『蕎麦には「懐かしい思い出」
「喜びも悲しみもあなたを救う」
「幸福」って意味があって。』
「っ」


……何時か、貴方は、天使で在りながらも
人の喜びや悲しみ、怒りなどの感情を経験するだろう。


その時、貴方が確かに培った時間は想いは、何時しか
懐かしい思い出となり、貴方を助ける光になる。

その光が富とも、光ともなり、
貴方を救う一筋になるから。


だからその光を、心臓として、そう、


『どんなことがあっても、心を大事に出来る、
そんな優しくて、強い天使さんになりますようにって。』
「……っ」
『なってくれた?』
「…どう、みえます?」
『なってくれた。』

そうおもうな。そう笑うメルに、
優しいですねとメルの涙をそっと拭ってやる。

「私にはもったいなさ過ぎる言葉ですよ。」
『そう?』
「ええ。」
『そうかなぁ、私はそんなこと思わないけどなあ。』
「そうです?」
『うん!』

えへへと照れくさそうに笑う彼女にクスリと笑ってしまう。
何時までもずっと、永久を望んだ彼女が、
どうか永久に生きれるようになってしまえばいい。

いや

「手など抜くつもりはありません」
『コルン?』
「貴方に。風が吹くように。
その背後を捕らえて差し上げましょう。」
『触れられ無くなれるのに?』
「さあ?優しい貴方はきっと、捕まえられてくれるでしょう?」


花冠を交換する願いを忘れないように、
その額縁にまで飾るように願い落とすなんて。


「そんな天使想いの人間が、
天使の小さな願いを聞き入れない訳もない。」
『…むぅ、ずるい!!こるんずるい!!!』
「っふふふふ、狡くなどありませんよ!
貴方の方がよっっぽど狡いというのに!」

あ〜わらった〜!?
これしき笑う範疇にないですよ。

そう笑う二人に、仲良しですねぇと声を掛ける。

「…ええ。」
「妬けちゃいます?」
「そりゃどうでしょう?どうみえます?」
「ん〜半分半分。」
「おや、大正解。」
「あらら」

そりゃ困ったねえとアルトリアはサワアと
こっそりメルとコルンの話を聞きながら話す。

「ありがとうございました」
「え?」
「貴方に沢山守られ、仰られた言葉を綺麗に守れなかった。」
「サワア…」
「ですがアンダルシア様が仰った言葉は、ちゃんと守りましたよ?」

ーっねぇ、エフェメラル

「手をちゃんと。とって、しがみ付いて差し上げましたので。」
「…ほんと、君ら本当に素直に育ったよねぇ?」
「ふふふ、貴方方のご教授の賜物というところで。」
「褒めてもでないよ。」
「おやおや」
『あ〜二人して悪い子だあ』
「あららばれちゃった」
「どう考えてもバレバレでしょうが。」

全く、そういうコルンにどうでした?とサワアが聞く。

「お姉ちゃんからのお言葉は」
「っお兄様!?!?」
「っくくく」
「狡いですよ。」
「え?」
「身に余り過ぎて、お返しに困りました。」
「…きっと、受け入れてくれると思いますよ?」
「そうですかねえ?」
「ええ、心優しい彼女ならきっと。」

天使想いの、人間と天使の間に産まれた子供ならば。

「…猶更頑張らねばなりませんねえ?お兄様?」
「ええ、そりゃあねぇ?」

ちらりと互いに目だけを合わせて笑う二人に
二人して狡いと飛び込むメルに、二人して受け止める。

「これあぶないでしょう!!転んだらどうするんです!!」
『だって〜転んだらいたいだけでしょ?』
「そういうのではなくてですね?!!?」
「っふふふふメルったらもう〜〜」

ほんと、意味分かってるの?

『うん。だってねぇ?自慢の弟を育ててたので。』
「…メル様貴方まさか」
『ねえ?』

りく

そうぼそりと耳で言う彼女の言葉に、メル様!?!と叫ぶ彼にメルは逃げる。

「…サワア」
「なんです?」
「メルを、あの子を、頼みます。」

ぺこりと廊下でお辞儀をするアルトリアに、追いかけるのも忘れたコルンがその姿を見る。

「勿論私も見ますけど、きっと誰よりも何よりも傍で見てくれたのは貴方の方だから。」

きっと、貴方があの子の手を取ってくれると思って。
あの、草原のど真ん中で手を取ってくれたあの子のように。

「…ええ、今度は私が。あの子の手を取ってきます。」
「っ!!!…おねがいね?」
「勿論」
「では私はこれで。」

そう言ってコルンはメルにも別れを告げ、さらりと消えて居なくなった。
さて、と、買い物買い物とメルは着替えていた衣装と一緒に声を掛けられる。

「メル様」
『あモヒイト、様?であってる?』
「ええ。此方をお忘れですよ。」
『あ!私の鞄!!』

ありがとうございますそうペコリお辞儀をするメルに
いえいえと彼は言う。

『あ』
「ん?どうされました?」
『ねぇ、モヒイト様これしりません?』

そう言えば私これ知らないんですよ。本気で仰ってます?

『なんかわからなくて。』
「…私は知りませんねえ?」
『え?』
「…モヒイトさん?」
「っくく、すいません。」

そう後ろに居てくれたサワアにあのとメルは聞く。

『このお華、知ってる?』
「…しっています。」

でも

「今はお伝え出来ません。」
『え?!?!なんで?!?!?!』
「向こうに行ったときにでも、ね?」
『…ないしょ?』
「ええ。そんな可愛らしい声で言っても駄目ですよ。」
『可愛く言ってないもん。』

折角顔も名前も全部思い出したのに。
自分の華の名前を忘れるなんて。

お華が可哀想としょげるメルに、大丈夫とサワアは答える。

「何処に居ても一緒。ね?」
『……ん。』

お揃いそうメルは鞄を持ってサワアの持つ自分の華を合わせるように見せ合い二人して笑う。

「ほんと、あてられそうですねぇ〜〜」
「すいません」
「いえいえ。」
「もうあいつら二人旅させた方がいいんじゃないのか?」
「それはやめた方が良いと思うが?」
「なんでだ?」
「アタシ達の勝率ガクッと落ちることになるぞ。」

そうしたらどうなるというロウに、アルトリアがフォローを入れる。

「エフェメラル様は12もの時間の中で
大事に想われる方の力を束ね
それを魔術や気に変換して攻撃する方ですよ?
貴方方も枠の中にがっつり入っているので、
あの子の事を今のうちに知って確認しとかないと、
後が苦しいのはこちらと言う事です。」

「アルトリア様の仰る通りです。
そのようなことも分からないとは。
はぁーーーーー」
「っう、煩いわ、わかってたわ!!!」

しかもこんなに丁寧に、甘やかさないで貰っていいです?
そういうモヒイトにいやアルトリアもっとやれと言ったのはメルだった。

「はい?正気ですかメル様。」
『モヒイト様こそ正気です?それが甘やかしですよ?』
「いや何処をどう見ても甘やかしじゃないだろう。」
『はーーーーーーーーこれだからお前ら全員
私に勝てなくていいんじゃない????』

マジでわからないの?本気?おまえなぁと怒る
界王神ロウにまぁまぁと破壊神シドラがなだめる。

『だから、ずぶっずぶに甘やかして、もうそれしかないくらいにしとくんだよ。』

そっちの方が地獄なの、知らないんだあ。
そう笑うメルに、何をと言ったロウがぴたりと止まった。

『あまぁい蜜を、すするだけすすった後。
ソレは生きていける?ソレは息を吸える?』
「…お前まさか、自分を痛めつけていたのは、耐える為に?」
『ふふ〜ん。逆なんだけどねえ?私凄く自分に甘いから。』

甘く甘く見積もって、そして地獄に突き落とす。
奈落に落ちながら、翼を捥いだ、あの感覚を。
何度も何度も何度も、何処に行っても繰り返して。

『その身に余る程の痛みを、魂に刻み込んだのだから。』
「…っ」
「末恐ろしいですね。」
『へへ。ま、それも定期的にさせて欲しいけど』
「ん?…させるつもりは更々ありませんが?」

むしろ

「ドロドロに溶けて、飛ぶことすら忘れるくらいにしてあげてもいいんですよ?」
『いや、その前に翼なんぞないし。』
「もどせますよ?戻しましょうか?」
『え?いやでも』
「何でしたら紐も戻せますよ?」

何処に落ちてました?さあ?そう言う彼に、
メルはきっと探してくれたんだろうなあとおもって、ふと感じた。

『(あれ?なら、この人どうして私の翼ってわかったんだろう?)』
「…死んだかと思ってたんですよ。ほんの一瞬くらいは。」
『サワア?』
「もうすぐで、貴方は帰って来てくれるんですよね?エフェメラル。」
『さあ、どうだか?』

おや狡い。いえいえ。