僕たちの果て




というわけでだ

前回のあらすじ

第一回天使と悪魔と人間の、
壮大な色付き鬼ごっこが執り行われることになった。
改めてルールを簡単にご説明。


赤:魔女
青:華樹
黄:天使

狙う者:魔女は天使。天使は華樹。

勝ち
華樹の者達はメルを土地に入れること。
天使はメルを捕まえ30分間拘束。
魔女はメルを土地に入れ尚且つ天使を全員拘束すること。

補足
魔女は別世界に移動は不可能
天使は別世界に移動は可能で、華神らと合流可能。
華樹の者達は何処にでも自在に行くことを約束。

決して人を殺してはいけない。




『ごめ〜〜〜んちょっとたすけてちんちくりん!!!』
「どあほ!!何とんでもないことに皆を巻き込んで
お前はお前はお前はお前は〜〜〜〜〜!!!!!!!!」

きゃーと笑うメルは首を締め上げられているのに笑っている。
締め上げているのは主にフォルスである。

「でも、メル貴方正気なの?
あんな負け戦なんてきついでしょ。
私達が幾ら力もあるっていっても
一瞬しか咲かせていない者達の集まりよ?」

「対して熟練の力を持った魔女や悪魔。
そして天使らをどうやってくりぬけていく。」

『一応魔女は等価交換を条件として
味方に付いてくれている。問題は天使。』

やーーーーあの目ときたら、まぁまぁまぁまぁ!!!!!

『絶対捕まえるって顔された。寧ろ私そっちが怖い。』
「間違いなくサワア様を中心に進めるでしょうね。擬態は?」
『出来るしソレも使う。そこらへん緻密に動いたので。』
「成程、ある程度の隙すらも可能だと。」
『じゃ改めて、皆の力を纏めるか。』

泡沫の華神ミュラリス
記憶やら時間に存在する儚い物を操ることが可能。

奇跡の華神ミラ
緊急的でかつ不可能な状況下を可能にさせること。遠距離型。

都忘の華神メルトリア
感情を操り忘れらせることが可能。同時に華の力を駆使出来る。

炎獄の華神フォルス
擬態及び偽造のプロ者。近距離型で火炎を得意とする力を持つ。

天使の華神フィズ
天使らの思考回路及び攻撃やら全てを理解する者。中立。

狩人の華神シアージュ
黒魔術攻撃系特化型。基本近距離だが遠距離もまぁまぁ出来る。
得意分野は風と水と炎。雷や回復魔法は苦手としている。

希望の華神ミシュメール
一時的に感情を止める作用を持つ。感情を増幅させることも可能。

回復の華神フェル・クライネ
回復特化型。得意分野その他は樹木、光の計三種構成。

星風の華神エル・ノルテ
封印や止めたものを溶かしたり、時飛ばしの様な時間を操ることが可能。

目守りの華神ピナクル
護りだけでなく防御として攻撃も可能。ただし防御の範疇のみである。

正義の華神メリア
悪だと判断したら攻撃していくことが可能。物理特化型。

再開の華神リサ
魂と肉体をくっつける特殊な力を持つ者。止めた物を動かすことも可能。


『とまぁこんな感じだが。』
「いや色々突っ込みたいことある。けど、
とりあえずメリア貴方物理特化だったの!?!!?」
「まぁ余り攻撃していないけど、大神官様と特訓してたし。」
『うわ、お墨付きキタコレ。』
「でも相手大神官様居ますよ我らが主よ。」
『うわ、絶望的キタコレ。』
「わらっとる。」

笑える状態じゃないのに、笑っておるんかこいつは。

「そいで、相手は?」
『今書いてる。というかふっふっふ、ミュラリスさん?』
「はぁい此処に。」

ばっと広げたその用紙にはだ。

「っな!!?!?こ、これは!!!!」
「うちらは全員彼等の記憶を理解している者。」
「破壊神と天使の情報えぐ。」

といっても簡易的なもの。

イワン
苛烈な激情を持つ者

ヘレス
美意識が高く、愛を求める者。醜いものが苦手。

モスコ
電気音で意志を伝える。本体は機械の中に居る。

チトラ
悪巧みを持ち、ビルスに対して対抗心を持つ。

アラク
最低限の破壊で可能性を広げる者。検証者。

シャンパ
美味い物に目が無いビルスの片割れ兄弟。

ビルス
バランスを保つ者。シャンパの片割れ兄弟。

リキール
計画の不備を認めない者。

シドラ
軟弱で優柔不断な者。

ラムーシ
慕う者は愛情を。それ以外は破壊を。少々怠惰な者。

ベルモッド
悪を許さず正義を振りかざす者。

ジーン
無慈悲だが差別なく執り行う破壊者の者。


『これが破壊神。はいメインディッシュの天使です。』


アワモ
察知能力が高い天使

サワア
今回の要注意人物天使その1。マッチョな肉体が苦手な性格。知的なことが好き。

カンパーリ
モスコの言葉を理解し、翻訳する天使。

コニック
有能で洞察力に優れている天使。

クカテル
破壊神らを見守り、まだ見ぬ知識を追い求める天使。

ヴァドス
ウイスの姉。力は未知数の天使。

ウイス
今回の要注意人物天使その3。冷静で公平にことを動かす天使。頭が切れる。

コルン
今回の要注意人物天使その2。自己主張が強い。頭も切れる上に行動も早い。

モヒイト
知的な天才児タイプの天使。

クス
正義と悪のぶつかり合いが好きな天使。

マルカリータ
喋り方が個性的な天使。未知数。

マティーヌ
未知数。


「いや未知数多すぎい。」
『正直出る回数が少なすぎて、
情報的にもきっついから、来たら先に潰させたい方。』
「それは魔女に伝えるべきでは?」
『後10分で行く。秒で飛ぶ。今何分。』
「10分過ぎ。」
『じゃ私とアルトリアの説明を。』

はぁいと笑って手を振るアルトリア。


「改めまして。切望の華神を務めていました原初の華神アルトリアです。
今回はお告げ、且つフォローとして付きまといます。」
「はあ」
『彼女の力が入れば結構有利になる。』
「何故だ?物理特化でも魔術特化でもなさそうだが。」
『華神は願いが力の源。これでわかる?』
「…マジで言ってる???まさか」

そう、願いを強く願えば願う程、その威力が膨大になる。

『縋りたくなる程の深い感情を持った者に触れればどうなる?』
「理すらも消し飛びそう」
「あはは、流石にその前に私の血肉が吹っ飛ぶわ!」
「サラッと怖いこと言わないで?!?!??!」
『そいでこの僕、エフェメラル。ねぇ、永遠の反対ってなぁに?』
「そりゃ一瞬、だ、けど。」

ニヤリとメルが笑う。

『額縁に、一瞬を飾る者。華樹に選ばれし、この理を書き換えられる存在。』

それがこの私。

『フォーエバーの真逆に位置する存在だよ。』
「…恐れ入ったわ、ほんと。」
「それで?作戦は?」
『もう超簡単。絶対にサワアを私に近づけさせない。以上。』

え。それだけ???

「まじでいってる?!?!?!
うそでしょ!?!!?!?!
馬鹿なの?!??!?!?!
ねぇあんたほんとばか!??!?!?!!?」
『はっはっはーーー各々でかんがえい!!!』
「うちの大将絶望的。」
『あ、一応言うけどお前ら助けた奴らに
恩を仇で返される覚悟しときなよ。特にフェル。』
「え?わ、わたし?!」
『恐らくコルンやリキールがついてくる。
ミシュメールはビルスとウイスが。』
「了解。備えとく。」
『サワアは私を狙うか、逆に敢えて狙わないかの二択。
後者なら嫌だがそうする可能性が高い。』
「というと?」

そう、これは作戦の読み合い合戦でもあるのだ。
メルはにやりと笑って言う。
口に手を当てて、誰にも分らないように。

『サワアは最後まで姿を現さない可能性が高い。』
「隙を取って捕まえると?」
『捕まったらもう私を殺す覚悟で殺意剥き出しに攻撃して。』
「了解。死なないよな?」
『死ぬって言っても死なんわ。想いが強ければ死なないし、
そもそも私はサワアが守ってくれて隙見て逃げるだろうし。』
「隙を見て逃げるって、あんたとんでもない女だよ。」

というかだ。

『正直怖いのはヴァドスとモヒイトこの二人。』
「っと意外だな。コルンやウイスではないのか。」
「それ言ったらクスらもだよ?」
『この二人が頭絶対切れるんだよ。コルン&モヒイト。
ヴァドス&ウイスなら第一警報発令していいよ。』
「何その津波警報みたいな言い方。」
『ま、一度は捕まるけどね。』
「え゛」
『ちょっと試したいこともあるから。』

それにこれが終わればどちらにせよ私は何処かに辿り着くというもの。
もう悔いが無いように走り出したら止まらないでいかねばならないのだ。

優しく残酷な場所が、天使らの居る位置にある。
じっと見つめるメルに気付いたのか、天使らが此方を見る。
その目が、何処か此方以外を見ている気もして、笑えてしまった。

『ちょっと視察してくる。』
「えっちょあ!!」

ビュンと音を立てて空から出てきた者に、おや?と声を上げる。

「敵情視察で?」
『そんなかんじ。どう?話し終わった?』
「この人数で終わるとお思いで?」
『いやお前ら全員たっぐ組んだらこの世の終わりだからな????』

いやもう私自信もって言える。くそつよいぞこの面子。

『作戦こっち出来たというのもあるが、時間足りないなら追加出せるよ。』
「おやおや、そんなことをしていいので?本気でいくのを分かっておいででないと。」
『私の感情を一人も分からなかったお前らに勝ち目があるとは思えないがなぁ???』

ニヤリと笑い、手を胸に当てて言う。
さぁ、怒れ、狂え、血肉を湧き立たせろ。
その怒りに目が眩み、全てが落ちたその瞬間。

お前達は私にどんな顔をしてくれるというの?

『神が人に負けないわけないよ、なぁ???』
「ええ。どうか、お覚悟を。」
『じゃ、はい手出して。』
「…全く、貴方本当に敵だと思っています?」

互いに尊重を。メルはサワアに手を出させ、その手に勢いよくハイタッチをした。
よしと言い切ったメルがコルンとモヒイトの間に向かって走りだした。

『おーい、魔女達全員作戦できたー!??!』

そう言って走り出した彼女の背中を見て、ひとりがぼやく。

「あいつ、本気で俺達に勝てると思ってるのか?」
「ま、あの感じ間違いなく舐めていますね。」
「叩き落せばいいだろう?」
「翼をもいでか?」
「燃やしてもいいだろうがねえ?」
「皆さん、よろしいですね?これは我々神々の試練でもあります。」

負ければ我々の世界が消滅すると言っても過言ではないでしょう。
そう言った大神官に、ええとサワアが答える。

「勝ちに行かせて貰います。」
「そうしてもらえると助かります。私は部外者なので。」
「おや、そうなんですか?てっきり貴方も入られるかと。」
「こいつは僕らの管轄に近いからね。除外しないとあいつが死ぬ。」

そう言って来たのは、アニュラスだ。
跪きそうになった者達に立てと言って立たせる。

「ですが」
「いいから。それより、お前達本当にいいのか?」
「え、な、何故です?」
「あいつは曲がりなりにも華樹に選ばれし者。
その想像力は理解を凌駕する所に位置する者。
その身体を手を魂よりも深い所に居る一人子を、手に取れると?」


「ええ、取れますよ?」


「っ!」
「”僕”が取らずして、一体誰が取るというのでしょうか?」
「…ほんと、お前ら面白いよなあ?」
「え?」
「天使の子が、天使に選ばれた子に恋をした。なんてね。」
「っ!!!あ、アニュラス様!?!?!?」
「っふふふ、お前に呼ばれるのはなんだかこっぱずかしいなぁ!」

なんでだろうな。

「いや、そんな、まさか、な?」
「え?」
「まぁいい、お前達力の使い方を教える。試しに…嗚呼エフェメラル!!」
『はいさっなんでっしょおい!!!』
「うわっびっくりしたああ!!!!」

私もびっくりしたわと急に呼ばれて飛び出て驚くメルに
アニュラスがごめんと声を変えた。

「天使全員の名前教えて♡」
『だあああああああっ!!!!!!!』

あんたねぇと空からボトリと落ちたメルが笑いながら突っ込む
いやあと照れくさそうに言う彼に、こっちからと指を指す。


『アワモ、カンパーリ、コニック、クカテル、ヴァドス
ウイス、コルン、モヒイト、クス、マルカリータ、マティーヌ。
そいで要注意人物天使のサワアです。以上おしまい!!!!』
「ぶっくくくく、よう、ちゅういじんぶつ、って」
「おやおや、危険視されましたねぇ?」
『んなこと言ったらお前ら同罪だからな?』
「おや?我々もですか?それはそれは、何故でしょうねぇ?」

ニヤリと笑うコルンに、メルもにやけが止まらなくなる。
何時だってそうだ、私は何時だって、怖い時は笑ってしまう。
嗚呼楽しいと変換させてしまうのだ。そうやって返すのだ。

理に、その感情を、還すというのに。

『まぁ大体やりたいことは分かった。そいで?私が選んでいいの?生贄』
「いいですよ」
『じゃあ悪意を込めて、それゆけコルン!!!』
「なんで私なんですか!!!ちょ、押さないで下さい!!!!」
『はっはっはーーーお前絶対私の邪魔しかしないって思ったから。』
「どう考えても貴方が決めたルールが問題なんでしょうが!!!!」

笑うメルに、仕方がなく前に出てくれるコルン。
悪意を持ってというのを強調するのはなんでだろうか。

「じゃ、コルンと言ったか。よろしくな。」
「っ、はい。ご教授お願い致します。」
「おお。エフェメラルお前凄いな。」
『でしょ〜〜〜〜???貴方が好きそうだなぁって、ねえ?』

コルンの頭の上に顎を乗せて笑うメルに、ニヤリとアニュラスは笑う。

「さ、続きだ。コルンと言ったな?お前その手で首に触れてみろ。」
「こう、でしょうか?」
『嗚呼違う違う、中指と親指でやるの。…そう』


こうやって

メルは笑いながら浮遊してコルンの前で首を絞める。
両手の親指と中指で首に指を当て、
まるで左右から引いて首を斬る様に、
左手は左へ右手は右へ横に切る。

『この間に別世界の形を思い浮かべる。』
「ですが、我々一度しか行ったことが無いのでは?」
「嗚呼其処は違うエリアだ。お前達は行ったこと無い。」
「え、本当ですか?エフェメラル様」
『嗚呼勿論。まぁCには行きづらいからな。』
「勿論その時の人間らの記憶は抹消する予定だ。」

この華樹の養分としてね。そう言う彼に、嗚呼と納得がいく。
一応無料でこのゲームを買って出てくれたわけではないのだ。

「神々への説明はあいつが執り行っているから、帰ってきた時が合図。」
『話を戻すが、行きたいところに飛ぶときはこうするの。』


目を閉じて、耳を塞いで、この首絞めて。
閉じた暗闇の更に向こうへ、願いが救われる、その未開拓地へ。
手を差し伸べ掴み振り下ろす。


『そうすればこんなふうに飛べる』
「っな。こ、ここは!!!!」
『上空大体500m地点。割と寒いが、
暗いしバレないバレたとしても
三日間から先の記憶は全て華樹の養分になる。』
「成程、存分に動いていいということですね?」
『人間がバレたら恐らく何かしらのイベントとして出るだろうし。』

まぁ其処はどうでも良い。

『アレに似た世界がもう一つある。そこがCの場所。』
「メル様はそちらにもいかれていたと?」
『…と、いうか、ね?』
「この子は何処にも行ける。何処でも手を伸ばして振り下ろした幼子。」

そうアニュラスはメルの胸を抱きしめる様に背中から手を伸ばす。

「廻廊にも存在した時間軸に、この子は生きていたのだから。」
『…そりゃあ、ねぇ?』
「…成程、自在に移動が可能な時点で動けると。」
「ですが時間の流れが変わるのでは?」
「嗚呼そこら辺は統一する。」
「へ?あ、いえ、と、え?」
「華樹は感情が養分だからなぁ?不安絶望幸福希望全ての感情が源。
蓄えたらその分の時間操作など造作もない。」

まぁ勿論時間の早い遅いは後で調整する。
其処ら辺はフォローすると彼は言うのだ。

「そうまでして、我々を、どうしてそうするのですか?」
「この子があんまりにも健気だからっていうのが一点。」
『いや複数あるんかい。あと健気ちゃうわ。』
「はーーーーー」
『なんで他の人がため息吐くの?!?!!??!』

いや貴方のその幼稚な考えにため息が。
そう各々が頷くのに、あのねぇとメルが笑いつつも突っ込みを入れた。

『あんたらそんな一緒にいてないでしょうが!!!』
「おや、いましたよ?」
『へ!!?!?いつどこ!?!?!?』
「貴方の旅路に。一瞬のひと時だけ。」

それでは、駄目でしょうか?
そう言うコニックにうわあとメルは言う。

『いたねぇ』
「でしょう?」
『あ〜〜〜上手いこという天使おるのいやだ〜〜〜』
「っくくく、お褒めの言葉ありがたく存じます。」

頭を抱えて上に上げるメルに、クツクツと喉で笑うコニック。

「マジで勝ちにいかないと、普通に君死ぬからね?」
『え?うん、分かってるよ???』
「え、そうなんですか?」
「この流れ、君らが勝っても負けてもメルは死なないが位置が違うからね。」

その分の器量も相応に。

「舐めてかかると死ぬよ?」
『別に死ねばいいじゃん。』

この感情が死ねる場所を追い求めてやまないのだ。

『この感情を殺せる者がいるならどうか前に突き出してごらん?』

殺されるつもりなどさらさらないのだ。
目を細めるメルに、覚悟はあるようだとアニュラスは笑う。

「じゃあ、三十分が経った。」

メンバーを集めると言った彼に、各々が戻ってくる。

「魔女らは?」
「一応情報提示を。」
「よかろう。」
「初めましてと言うべきか。僕の名前はアイビー。」

以後よろしく。そうお辞儀をする彼。

第4不滅の悪魔:アイビー
華神の中で唯一の男性。かつ草を生やす者。
威力はプラティアの次程。


『アイビーお前力を言っても?』
「別に構いませんよ?君が僕らの主になるのならば」
『ひっ』
「そんな逃げなくてもいいじゃないですかぁ…ねぇ?」

怖いわ普通に怖いんじゃお前が!!!!
いやいや〜またまた〜とけらけら笑う彼。

「へぇ?泣き虫小僧がこんな大きくなったのか」
「貴方に負ける程の実力はもうないのです。」

メルがそれ以上いかないように、
ぐっと彼女の腕を引っ張って背中に回す。
じっと睨む彼に、ニヤリと口に笑みが零れ落ちる。

「君は知っているだろうが、僕の力は主に
壁等を伝う様に、設置する面からの攻撃だ。
捕獲及び補給(生命を吸い上げたり)することも可能。」


愛を誓う誓約を掲げ、強制的に結ばせる世界を作る。
悪いことは言わないので、彼に気付いたらすぐに逃げることを知らす。
対話等無用。会えば死ぬと思っていいレベル。

因みに男性女性全く関係なしに愛を口説く。
加えてベタベタ触れてくるので、
メルですら苦手意識を持たれるレベルである。


「にしても残念だなあ〜君の方が上だとは。」
『…殺して欲しいの?』
「メル様!いけません!!」

動くメルを後ろから肩を掴んで抑えるコルンに、嗚呼と声が上がる。

「僕は何時だって待ち望んでいるよ?エフェメラル。」
『…大丈夫、忘れた頃にそっとその胸を抉ってあげる。』

私が狂った様に。

『お前は一体どんな狂い方をする?』
「っくくくく、華を持てば似るとは聞くが、
面白いくらいに成長したなぁ?エフェメラル。」
『絶対私お前に似てるって思いたくない。』 
「あらやだ。でも笑い方似てるわよ?」
『え゛え゛や゛た゛』
「まあまあ!今回は味方だから、ねぇ?」
「っ…!!!」
『あれ?まさかこれあの星死亡フラグ立った???』
「そう思うならばこれ以上彼らを煽らないで下さい。」

えへぇ!だって〜〜〜!!


『次は、カレンデュラおいで』
「第8悲嘆の魔女:カレンデュラです、以後よろしく。」

カレンデュラ

魔女の中で一番落ち着いている者。
気付いたら魔女になっていた者。
彼女すら分からないので知りたくて
この世界をひたすら彷徨い続けている。

一見害がなさそうに見えるが、
彼女の範囲に入れば気のコントロールが出来ず
天使ですら不安定にさせてくる。
加えて無意識で範囲も時々で変わる為
厄介極まりない敵である。


『ちなみにこれでも一応6魔女の中で上から3番目ね。』
「はて、最悪の6魔女では、一人どころか二人欠けているように見えますが。」
『…お前ら、まだ悪だくみしてる?確か全員で悪魔と魔女は六名ずつだが。』
「ほお!あの時は6人しかいなかったのに、一体いつお気づきに?」
『今なう。』

ありゃりゃとずっこける何人かに、いやあと笑う。

「彼女らは今回不参加だそうです。特に悪魔は意志が弱くてね。」
『ほんとにぃ?軽くうちの破壊神らレベル超える癖して良く言うわ。』
「いい!??!」
「その人数だと我々の方が戦術的にも妥当と判断しました。何か問題でも?」
『いいや。全く。』
「ならいいでしょう?」
『こっちがビオランテ』
「第5喪失叶わぬ魔女:ビオランテです。」


悲しみを司る魔女。
朝の時間最も効果を発揮する為、注意。
確定名指しで攻撃を繰り出す上に
確実に攻撃が当たるので避けれない。

特定の人間又は天使らの気を狂わせ落とす者。
華神達は力を吸われ立つことすら出来ない。
彼女に触れられると魔女になる為、注意。

因みに6魔女で上から4番目の強さ。



『そいでこいつが』
「第6気高い魔女:サキョワ」



気高い元華神の魔女。
男勝りな女性だが割と声も低いので間違えられ易い。
呪い系を得意とす、その悪意さ故からか
又はその才能故か、一度掛けると解けない
呪いのプロで術者で神様とも謳われる程。

加護天使やあの大神官ですら警戒する魔女.1。
滅茶苦茶頭が切れる上に行動が早いので、
先に手を回されると厄介な魔女でもある。


「久しぶりだな、青い子よ。」
「…貴方には二度と出会いたくなかったですがね。」
「そう言うな。それにしても面白い形を取ったなあ?」

あのへたりと倒れ込んでいた子供が欠片が
まぁなんという成長だろうかと笑うサキョワに
大神官の目がすっと細まっていく。

『サキョワ』
「失礼。主の事になれば手を上げるしかない。」
『にしてもやけに律儀じゃない。アンタら本当にプラティアの事が好きなのねぇ。』
「そりゃ当然。我らの主。救いの救世主というもの。」
『…成程。貴方達のソティラス、か。そりゃしゃーないか。』

そてぃ?そういう者を無視してメルはじゃあと振り返る。


『そいで最後』
「第7歩く魔女:モネア」

哀しみを纏い続ける魔女。
アネモネ全種類を身体に咲かせる元異種華神。
色・種類を複数咲かせるのは力にも比例される。
結構油断出来なくて、本気出せばプラティアレベルまで
上げようと思えば上がってくるから困る。

歩くだけでその周囲に居る人達の暗い過去を呼び覚まし
その勢いで魔女に陥れる為、異名「歩く魔女」がつけられた。
6魔女の中で1番魔女に変えた経歴を持つ。

「君は私の様な存在だと思っていたのに…違ってたのね。」
『モネア…違わないよ?大丈夫。』

私は憂いも哀しみも、全部愛おしくてたまらずに捨てきれないのだから。
どうしようもなく、その痛みを知って続けるこの私が
一体どうして、哀しみを捨て去らねばならないというのだろうか?

『私は何度だって其処しか見ない。』
「…ならいいよ。我らの主。」
『とりあえずさ、廻廊もだけど、主っていうのやめない???』

なんかこっぱずかしいんだけど。

「別にいいんじゃない?華樹の神の更に上に選ばれてるんだから。」
「主と言って大差ないというもの。」
「産みの親に等しいものです。」
『どうして君らがタッグを組むかなぁ〜〜〜〜』

滅茶苦茶仲良くてこれからも是非とも末永くしてほしいわ。

「そうするなら、どうか其処に踏み入れることですねぇ?」
『…勿論そうするけど、ま、こいつらが許してくれたらね?』

メルは現在天使に囲まれているのだ。
いやぁ〜〜つらいんだあこれが。

以上が魔女ら6のうちの5人である。
正確には、魔女4人、悪魔1人の計5人といったところか。


『はい此処から質問タイム始まります〜誰か気になる人いたら手〜あ〜〜げて。』
「では一つよろしいでしょうか。」
『はいどうぞコルン様』
「彼女らは我々の力が効かないとかなんとかありませんでしたか?」
「それに関しては効果を互いに使える様にしております。」
「成程、でしたら構いません。殺さず、という点さえ守ればいいのですよね?」
「ええ。」

そういうアニュラスに、コルンは頷いて納得したようだ。

「なら私も。」
『およ?リサどうしたの。』
「お前魔女対策と悪魔対策のソレはどうしたんだ。効果は?」
「嗚呼そのエメラルドでしたら触ろうと思えば触れますよ?」
『えっあっちょ』

ゆらりと入って来たアイビーに、驚いてメルは思わず
コルンの方に両手を上げるように服を掴んで下がる。
それにコルンも気付きメルを抱きしめて下がろうとした時だった。

バチンという音に対して、音が鳴る。

『っあ』
「ふむ、流石に難しいですねえ。
多少の痛みは出ますが、外せばどうとでもない。」

ピッとエメラルドだけを切り取り、その下に落とす。
ゾッとする。確かにこいつの腕の中で私寝てたのか。
何も考えずに、ただ、その身を委ねて?

「理解してもらえたようで何より。」
『っ』
「アイビー」
「はいはい。これ以上煽らない煽らない。」

両手を上げて彼は引く。今度こそウイスらが手を出しそうになっていたのだ。
少しカタカタと震えるのに、コルンが気付く。
0番目を知るのだ。その胸に抱いたトラウマが消えることなど無いに等しい。

「…では、皆さん何もなさそうですし、開催します。」



この煉獄からの、脱走劇を。