ぞっとする










「は?」

その目が驚くそれにメルは続けて答えた。

『お前は私が呪われたコレを壊して引き換えにお前は記憶を失う。
でもそうしたら二代目と同じ繰り返しだよ?ねぇそんなのやだよ?』
「エフェメラル、待って下さい貴方何を言って」
『折角三代目で戻って来たのに、反対になっちゃうの嫌なの?』

私が悪魔になって、悪魔に支配されたその感情を知って欲しくないから。
そう言うメルに、手を取っていたサワアの手が身体が止まる。

「……待って下さい、待って、ちょ、ちょっとまって」
『いやだまてない』
「貴方何処まで知ってるんですか」

ニコリ微笑む彼女の心が読めない。

下手したら全部知っている可能性だってあるだろう。

「というか二代目ってなんですか。何を知ってるんですか。」
『しらないよ?なぁーんにも。』
「嘘を付かないで下さい。」
『ねぇ、エテくん。』
「え、ふぇめら」
『花冠、交換したかったね?』

そう笑って泣くメルが透過する。
って駄目だとサワアは叫ぶ。
後ろに下がっただけで、ジワリと身体を戻す。
そのまま帰ることが出来ただろうに、それをしないということは。

『ねぇ知ってる?今日はハロウィンイベントなの。』
「何言ってるんですか。危ないから此方に来てください。」
「貴方空飛べるんですか?」
『悪霊を追い払う行事なんだけど、
サウィンって名前だったんだよ?この場所ではこういうの。』

夏の終わり

『季節も終わる!それは時間も、貴方と居た、あの場所も!』
「っメル!!!」

ふわりとビルから飛び降りる。

ここは驚くことに10階だてなので時間は在る。
手が伸ばされて取れなかったサワアがこっちに飛んでくる。
取らせるつもりは、最初から無かったのよ。

ごめんねと言ってメルは翼をはばたかせ、
勢いよく左に舵を切って下から上に飛行する。
うわああと周りが騒がしい中、メルは兎に角飛び続けた。



花冠なんて、望まなければ良かったのだ。
黄金色の月を横目に空を高く飛んで彼から逃げ続ける。
夜風が気持ちよくて、何処までもいけそうで。

でも、何処にもいけないのだ。

嗚呼、私はあの時、貴方に会わなければ良かった。

そうしたら、貴方がこんな苦しそうな顔をすることなんてなかったのに。


「エフェメラル、なんで黙ってたんですか」
『なんにもしらないよ』
「嘘を仰らないで下さい。その名前は僕が誰か分かっているのでは?」

本当、本当だよ?

『なんにもしらないから、つらいんだよ?』
「っ」

貴方が真っ黒い人で、私がそう呼んでいたから言っただけ。
何かを言って庇っているのはわかるのに、全部分からない。

ただ、その花冠ばかりに、物語が切り替わっていく。

恐らく到着地点では、二代目の時も理解するだろう。
本当の全てが、其処に眠っているのだとしたら。
私は死ぬ気で走り続けなければいけない。

だって貴方の手を取れば私は知らないまま。
貴方は知ったままで私の事を触れてくれるでしょう?
その痛みを絶望を全てを抱え込んでいく。

私が二代目でした時のような、感情を。
全ては知らないが、恐らくそれは酷すぎるものだろう。


『ごめんね?手を伸ばしちゃって。』
「…っエフェメラル」
『触れなければっ』


貴方は痛みを知らずに済んだのに。

「僕は、貴方に出会って救われた。」
『…サワア?』
「何処に居ても、貴方に会って、その時間に触れられたというならば。」

それは、本当に喜ばしいことであって。

「貴方が変えれば恐らくこの形は消え失せます。貴方も気付いているでしょう?」
『…同時に貴方は記憶を失い、私が持つというのも?』
「勿論」

だから止めているのです。

『…はぁ、互いに、か。』
「メル」
『(ま、流石に囲まれたか)』

背後にはコルン、左右にウイスとモヒイトが浮遊して此方を見ている。


「エフェメラル様」
『…』
「通常の気を保ち、その身を浮かすことを余りなさらないのは
天に上るその時間、いや天に居た時間を
想い出させないようにしたいだけでは?」
『…正解。余り長く居ると全部思い出すからね。』
「では私とお相手した時は?」
『ありゃ忘れてるだけだけ!!流石に両手は要らないよ。』

もう、ね?

そう言うメルに、そうですかとウイスは目を閉じてうっすら笑い答えた。

『(さあ、どうするか)』
「時間稼ぎをしても無駄ですよ?エフェメラル様」
「流石にこの人数で負ける気はしませんがね。」
『んーーー時間オーバーだと誰がかつっけ』
「我々天使だとお聞きしております。」
『そっ、か。』

メルは左の三つ編みを手に取りくるくると回す。

『逆に聞くけどさ、どうして皆私の願い叶えさせないの?』
「…はぁ。メル様?貴方理を書き換えるなんて
とんでもないことを言いますが、
本来そんな気を持っていれば肉体を維持することは不可能です。」
「幻影とまでならまだしも、ソレを維持は無理でしょうし
なんなら世界が宇宙がどうなるかも未知数の者。」
『なるほど、未知過ぎて先手を打つからとめると。』
「そういうことです。」
『時に皆さん。私の名前知ってますよね?』
「え?え、ええ、それがなにか?」
『日本名。』

ニヤリと笑い、ウイスの方を向きつつ、
コルンの方を上半身だけ向かせて笑い言う。

『いえる?』
「…都佑、でしたか?」
『この地方は方言というものがありましてね?
見ているという言葉は一体どういうのでしょうか?』
「みている?」
「ソレが何かの答えに?」
『なるよ。』

なっているのだよ。

「みゆう」
「え?」
「見ていることの方言です。みゆうと言うのでしょう?」

私は、見ている。

それは、一体、何処を?

ニヤリと笑ったメルが瞬で消える。
下かと言ったコルンに続いてサワア、ウイス、モヒイトも下に飛ぶ。
くるくると回りつつ彼らの攻撃を避けて避けて避けまくる。

落ちる寸前で地面から飛び上がり彼らの動きを避ける。
流石に4人からの攻撃を綺麗に避けれる訳もない。
半透明の状態でそのままとにかく彼等から視界を切れる位置に持っていこうとするも
本当に均等の感覚でピッタリくっついて離れないんだから飛ぶ以外のメリットが無い。

「はやくとんでしまえばいいのではっ!!?」
『っと、だれがするか!!!』
「出来るのにしないのではなく、できないのでは?」

図星ですねそう言って上から手刀を入れたウイスを避けた時だった。

『っば』
「っふ、捕まえた」

横に避けたメルが透過を外した瞬間、モヒイトの腕に捕まった。
手を使われると困ると思った彼はメルの両手を後ろに持っていき空中で捕らえる。

「この人何か囲むものないです?」
「鳥かごみたいなのです?」
『私鳥じゃないが?!?!?
何その逃げ出した鳥を入れるみたいな感じのノリ!!!』
「いやほぼほぼその通りでしょうが。」
「おとなしくしてくれませんしねぇ〜〜?」
『誰がするか』

こっちとて命を懸けての戦いでもあるのだ。

「そんなに忘れるのが嫌ですか?」
『いやだよ』
「楽になれるのに?」
『痛みも苦痛もそれは縋りその記憶を大事にする証拠』

何度も何度も繰り返してみてきて、分かったのだ。

『忘れないと思うその力こそが、強さである証。』
「ならソレを撃ち落として差し上げましょうか。」
『それならどうか、嫌いだと突き放せばいい』

出来るわけがない、いやしたくないか。

『すれば私が魔女に悪魔になるのが嫌なんだろう???』

なっても戻ってくる状態ではある。
間違いなく戻って来れるが、
その間の周囲にかかる負担がでかすぎるだろう。

独りぼっちのまま、その地に足を下ろし、天を見つめる自分が見えた。
彼等に映す様に考えると、後ろで掴んでるモヒイトの手の力がぶれる。

動くと勿論ぐっと押さえつけられるが。
まぁ流石にコレの隙は無理か。


「…魔女になりたくてもなれない、悪魔になれないの間違いでは?」
「大方貴方の線はサワアお兄様が消滅するか否かのところでしょう。」
『違うと言えば?』
「在り得ませんね。その顔を見ればすぐにわかります。」

ほら、そうやって顔が変わる。

「見て居れば大体貴方が何を考えているかくらい
わかるというもの。…勝負ありましたね。」

あと10分そう言うコルンが砂時計を出す。
それにぎょっとしたメルが身体を動かすのに、力が入る。

「…モヒイトさん」
「わかりました」
『ん?あっちょっ!??!?!?』
「先程10分間それで拘束出来ましたし。」
『〜〜〜〜!!!』
「大丈夫ですよ、エフェメラル。」

貴方の苦しみは、本来僕が司るものだったもの。
早く僕に返して下さいという彼に、嫌だとメルは感じた。

ならどうしてそんな悲しい顔をするの。
それは一緒に居られないと理解した顔だ。
貴方は私を忘れて置いて行く。

いや違う、私も忘れて無かったことにするつもりだ。
そんなことさせるつもりはない。
私がするならまだしも、お前がしてはいやなのだ。

とんでもない暴論ではあるだろうが、そんなのどうでもいい。
ぎりっと歯を食いしばって目を閉じる。
落ちた涙が下へといく。嗚呼と声が上がる。

『だあいすき』
「へ?あっ?!!??!」
「っモヒイトさんっぐ」

メルは声を出し、その者達の模倣を作ってその隙に空を飛ぶ。
逃がすかとモヒイトらも攻撃を交わしつつメルの後を追う。
流石にとコニックが入ってメルへ攻撃をし

「っ?!!?!?」
『もっと』

するりと空中で避けて走り出したではないか。
空中で走るなんてそんな芸当多分彼女しか出来ない。
走れ走れ、もっともっと、走り続けて。

あっとメルが言って振り返ったのに、天使らが止まる。


『言い忘れてたよねぇ皆!!!』
「っ急になんで」
『今さ、私皆と同じだよね!』

天使!

それは、何時しか彼女が言っていたことで。
天使の日に生まれたから、天使だと。
でも、天使ではなくて、人間で。

だから良い子にいれば、いつかきっと、天使になれると。
そんな日など在り得ないのに。そう、だって彼女は最初から

「天使だったのに、今更何をバカバカしい…」
「サワアお兄様」
「すいませんコニックさん連絡を」
「わかりました」
「我々は元の場所に戻りましょう」
「ええ」

すっと消えて居なくなった彼女に、天使らも消えていなくなる。


++++++++++

ダンと音を立てておりたつメルの息はあらい。
全身の力をフルに使ってきたのだ。
飲み物飲んで、取り合えず休憩をとっていた。

「にしても君本当に面白いね。理になりなよ。」
『っや、な、るよ、ていだけど?』

というか、そういうつもりだろうに。

仮にプラティアが出て私を乗っ取ったとしても
お前は気に喰わなくて消し去るだろうし

サワアらが望む場所に私が行ったとしても
お前は私を取りに迎えに来る癖して

一体どの面下げてそう笑えるんだか。

「君は選ばれているのだから、僕のものだよ?エフェメラル。」
『わ、たしは、だれのものでもない』

私は私だけを、見ているのだ。

そう、いまは。

今だけは、私が私の者になっている。

「…強情だねぇ。どこに?」
『一度C』
「おやBに戻らないの?」
『コニックがいるでしょうが』
「…流石にばれたか」

メルは気付いていた、彼が此方の敵になっていることに。
こっちが一応有利になりつつあるからだ。
恐らく私が空を飛べば飛ぶ程Aの世界で私の地点が移動している感じがする。
だってあの速度で全速力で沖縄から北海道まで移動しようとしたんだから。

そりゃあある程度の距離は飛んでいて文句ないだろう。

「君の言う通り、君が空を何処かで
飛べば飛ぶほど目的地に近づくようにしている。
道に迷わない様にペンダントも綺麗に戻してね。」

エメラルドが光り輝き、その意志を持つかのように、点滅する。

「調停を印す意志は何処にも行けない」
『…出る』
「どーぞ」

メルはバッと衣服を着換え、空を飛ぶ
とにかく飛行を続け、空を飛びまくるしかない。

まあそういうと大体来るのが天使らである。

女性陣


「お待ちなさい!!!」
『だぁれがまつか!!!』
「っあの子本当に飛び方知らなかったのですますの!?!?」
「飛び方を見ていなかったというお兄様の勘は当たってましたね!!」

メルの速度は最早クスらでは追い付かない程に威力が増していたのだ。
とにかく飛んで飛んで彼女らの動きをすり抜けながら移動する。


此処の季節は


『ひどいな』





それは桜が散った季節。
まるで、答えを教えてくれるかのようにしている。

始まっていた、その季節は、終わりを迎える。
セミの音なんて知らない。あの人の手など忘れた。
それでいい。それでいい。それでいい。それじゃないと、いけない。


『…分かってる、分かってるよ!私!!!』

何時だって、私はその先しかみない。
メルは力を込めて目の前に来ていたカンパーリに杖で相手をする。


「っ!!!やるきに、なったようで!!」
『っはあああ!!!』

突き落とせるわけもなく、弾かれてから攻撃を見て身体を透過する。
時間制限があるのを彼らは知っている。
そこをついても、無意味だから。

ふと思い出したメルは急ブレーキをかけて逆方向に飛び出した。

「っ?!!?なにを」
『(もしも、もしも)』

いやそんなはずない。後悔などしたくない。
でもとメルは一つの場所に飛んでいく。

ばさりと翼をはばたかせて地面に降り立つ。
嗚呼と少しやつれたような彼に、胸が痛くなった。


「お迎えがきたよ、パピ」
『……っ!!!!!』

嫌な予感はしていた。
だからこっちに来たというのに、もう、遅かったか。
見たくないと警告が鳴り響く、でも見なければいけない。
そっと彼の身体が避けられてその姿を見て胸が空く。

くたりと息を引き取っている犬が寝ている。

ずっと一緒に居てくれた君を置いて、私は走ってて。
君の死ぬ瞬間すらも、置いてけぼりにした私が、
笑って生きるなんてしてはいけない気がして。

『っふ、ああ、ああああっあああああああああああ』

連れて帰りたいのに連れて帰りたくない。
君は此処で魂を飛ばして、新しい命にならねばならない。
だからお別れをしなければいけないのだ。

出会いが在れば別れがある。
貴方の時間を、私は忘れたくないのだ。
彼等が勝てば、君との時間も恐らく消えて無くなってしまう。

アルトリア様は言っていたのだ。



廻廊をしたことはあるだろうが、忘れたのだと。



それはつまり、この時間全てが消えて無くなってしまうということで。
でも元々全てを渡す前提で華の時間を守る予定だった。
嗚呼でも、こんなにも、こんなにも愛おしくなるとは思っていなかった。

壮大な誤算である。

愚かな小さな私は、なんという願いを出してしまったのだろうか?


そう、だから、これは、約束


『っふ、え、ねえ、ぱぴ?あの、っふ、あのね?わた、わたし、ね?』

綺麗なお洋服を着ているの。
ほらみて、貴方と同じ白い色だよ?
そう言うメルに、空からそっと彼女の言葉を別れを聴いている天使ら。

彼女の大事な者にまで傷付かせる訳にもいかないのだ。
例え時間が戻ると、我々の姿を忘れてしまうとはいえど、
流石にそんな無慈悲なことをするつもり等、さらさらなくて。

『ほら、おおきなつばさ、もらったんだ!てんしに、っふ、なれ、たんだよ?』

なれるのだ、もうすぐすれば、正確には天使ですらなくなるのだが。
貴方の魂を自由に動かせる神様になれるのに、この胸は空いたままだ。
君が生きて笑って暮らして生きていれば良かった。
其処に、私も生きていれば、それでよかった。

なのに、それを放棄した私は愚かな者で。

天使の言う通りにすれば、罰を拭えることが出来るだろうか?
いや、そうしたら次の理がどうなるか分からない。
いずれにせよ真相は一つしか残されていないのだ。

メルはぐっと涙を堪えて彼に言う。

『ねぇ、パピ?楽しかった?』

嬉しかった?一緒にいたあの時間だけでも。
サワア達が来てくれた時間でも、君は笑ってくれた?
大好きな大好きな、父様の名前が入った君が好きなんじゃなくて。

『あえて、よかった』

君自体ひっくるめて、だぁいすきだったのだ。

そっと抱きしめる。
腐敗臭で更に涙が吐き気と同時に出てくる。
ゆっくりと固まった身体を下ろしてやる。

いかなければいけない。
君が助けてくれた分、私も助けたいのだ。
置いてくなんてしたくない。

嗚呼そうだ、置いて行きたくないのだ。
もう、誰も彼もを、おいて行かない。


『おとうさん』
「っ」
『ありがとう、育ててくれて』

メルと声が聞こえてふわりとメルは消えた。
流石に逃げられましたねとカンパーリが言うとマティーヌが連絡を取る。

「嬉しそうでしたね」
「…ええ、とても、嬉しそうに笑ってました。」

おとうさんと言われた人が此方を向くので、気付いたカンパーリは先に降りる。
徐々にクスらも降りて彼の元に来た。

「すいません、騒がしくしてしまって」
「いえ、こいつも凄く喜んでいることでしょう。」
「…ええ、そりゃあもう、とんでもなく。」

カンパーリらは天使。魂の姿など普通に見えるというもの。
その犬は嬉しそうにメルに抱きしめられて、ただただ一つだけを望んでいた。


「…君が笑っていればそれだけでいい。会いに来てくれてありがとう。」
「っ」
「そう彼は言っています。」

だからどうか、大丈夫だと。

「っふふふ、困りましたね?」
「ええ」
「何かまだ言って?」
「…エフェメラル様を泣かせたら
地獄の果てまで追いかけて
噛みついてやるって脅されていまして。」
「パピ〜〜〜〜〜〜?????????」

あの子達の妹達になに喧嘩売ってという彼に、
あのとクスが聞く

「あのこたち、って、まさか」
「…二週間くらい、君らのような
白い髪の毛の紫色の目をした子が三人来てね?」
「っ!!!!」
「メルは嬉しそうに目を輝かせて
相手をしてあげていたから。違ってた?」
「いえ、あって、ますが…」
「ごめんね、あの子が君らに迷惑をかけて。」
「っ顔をお上げください!!!!」

頭を下げる彼に、そんなことはさせるつもりなどない。
上げた彼の目は嬉しそうに目に光を灯し始める。
嗚呼と、クスは分かったのだ。

メルが何をしていたのか。
そして、メルがどうして其処を見て走るのか。
ようやく天使である彼女は分かった。

「あの子は、寂しがり屋だから。」

人の悲しみに、寄り添おうとする子だから。
だからきっと誰かの悲しみを救おうと懸命に走って
その間に誰かを傷つけていやしないかと。

心配でと言うのだ。

「安心して下さい。あの子は、いえ、あの方はそんなことをしていません。」
「っですが」
「弟達を、エフェメラルを、貴方のお子を、守って下さりありがとうございました。」
「っ!ねえさま!?!?!?」
「…また、遊びに来てもいいですか?」

きっと、それが一番の、貴方が喜ぶことだろうから。
そう思ったクスが言う言葉に、目が一瞬だけ輝いた。

嗚呼、そうやって、貴方は似せるいや、灯火していくのだ。
くべてくべて、大きな炎を絶やさずに。

「ええ!!」

待っていると、笑ってくれて。