論理は捨てろ、心で動け
それから数日後、無事に復活しました。
いやーーーご迷惑おかけしました。
そう頭を下げるメルに、いえいえと見に来てくれていた
コニックさんとモヒイトさんに礼を言う。
「我々は何もしていませんから。」
『いやいや、お兄さん方居なかったら私詰んでたし。』
「っくくく、そうですかねえ?」
いやほんとだよ?!?!?!?!
メルは華樹のあった草原に足を置いて彼らにお礼を言っていたところだ。
あれから声も出る様になり、軽くではあるが歩けるようになった。
今日も軽くこの華樹の周りを歩いて運動をしている。
もう少しハードにした方が良いとは思ったが、
余り急かして身体が壊れるよりかは確実性がいいだろう。
「いやにしても本当に帰って来られるとは有り難い限りです。」
「そうですね、お兄様も一時期本当に帰って来ないかと焦りましたし。」
『…ま、呪いは酷かったからねぇ。』
流石に殺そうかと思った。彼にかけられていた呪いに触れて、一瞬悪魔が降りてきた気分だった。
どう痛めつけよう、どうしてくれよう、このお人を、侮辱よりも残酷に痛めつけて。
それでも私を守って大丈夫だと言ってくれたその魂を、殺すよりも酷く締め上げていて。
『控えめに言って悪魔になって
この世の全てを灰にしてしまおうかと思った。』
「頼みますからおやめくださいね????」
『大丈夫しないしない。今はしない。』
「今は???する気はあるんですね????」
『そうしなくても全員掟破るつもりだったんでしょう?』
あの子が呪われ、やっと天使になれた子が、地に落ちるようならば。
そう言ったメルに、二人の目がすっと細まったのに、メルはにやりと笑う。
草原は気持ちよく、地面はふかふか。軽く走っても足は切れないだろう。
裸足で後ろに手を持って行って手遊びをしつつ
メルはゆっくりと歩いていく。
その両隣で天使らは同じ速度で歩いてくれる。
本当に優しいんだから。
『流石にそれはと見かねたスッピーも今回は無かったことにさせてくれたし。』
「異例中の異例でしたからね。」
「でもメル様何故彼の記憶を消し去らなかったのですか?」
『…欲張っちゃったんだよ。』
ほんとね、狡いんだあ。君たちはどこまでも。
『この上で、大好きなみんなと一緒に、何処までも笑えられたらって。』
「…そうですか。それはそれは。」
「ある意味欲がないというのですがねぇ〜。本当にうちの界王神と交代しません?」
『っははは、無理無理!転生しても無理だよ〜!』
あの場所になんて相応しくない。
彼は其処だから生きるというものだ。
それにね?私好きだよ?ロウとか特に。
「おや、何故です?あんな愚弄する奴を守るなど何処にもないとは思いますが。」
『お兄さん一応天使なんだよね?ねぇそこの管轄内の人間だよね???』
「だからこそですよ。良い所どころか悪い所しかでませんので。」
『…それがいいのになあ。』
人間らしくて、私は大好きなのだ。
「不躾だとは思いますが、メル様。
貴方は人間に二度も殺されておられるはず。
なのに何故其処迄して人間を想うのですか?」
『だって人間は不完全だもの。間に位置する者。』
私はね、何よりも愛おしいの。
『あの子が産まれる、その間と思えば。それだけで涙が出てきちゃう。』
「…泣かないで下さい。我々彼に殺されてしまいますから。」
『へへ!死なないのに?』
「ええ、死なないのに。」
儚い時間と永久の時間。
天使の時間と悪魔の時間。
その狭間に位置する人間、中間。
その線が繋がれば、それだけでいい。
何度も何度も何度も何度も望んだ時間。
『人間になれても、願いなどかないっこしない』
「…エフェメラル様」
『自分から走って掴んでようやく手に入れたんだ。』
誰にも奪わせるつもり等サラサラないというもの。
私は誰もを見捨てない人間であり続けるのだ。
『私は貴方を見捨てるつもりはない。』
華はそう言って、輝き続けてくれるのだから。
メルは紺色の髪の毛をそっとつまみクスリと笑った。
『ん〜にしても流石に身長くらいは伸ばしたいけど〜!』
「っくくく、欲がないですねえ?」
『寧ろ君らの欲があるってどこのライン???』
「そりゃあ人間らでいうと大金持ちになりたいだの
好きな相手と結ばれたいだのなんだの思うんじゃないんですか?」
「世界を牛耳るとか、嫌いな奴を殺したいだの浅はかな考えとか。」
『可哀想だね?なんか。』
「へ?か、可哀想ですか?」
欲があることが?
『だってそれ満たされた後どうするの?
其処に空いていたとかなって絶望しない?』
「…いやそれは」
『願い等叶えられないのを分かって願うなんて
一番愚かで浅はかで、愛おしいと思わないのかなぁ?』
嗚呼だから人間が可愛らしいと思うのだ。
儚い一瞬を永遠を想う欲深い彼等こそが、
生き続けるに相応しい生命体だと思うのに。
「…ある意味欲深すぎて底知れないのですよね。」
「そうですね。」
『えっなになになになに何気付いたの。』
「いいえなんでも。
それより今日のお食事はどうされるので?」
『あれさ言っていい?流石に
メニューを選択肢にしてきたのは笑った。』
そう、ウイス&サワアのコンビが光って笑う。
どうせ一つにしたら食べるか食べないかの二択になるから
気分で変えれる様にと一食ずつ3種類で選べるようにさせてきたのだ。
AなのかBなのかCなのかという絶妙過ぎる選択肢にメルは毎回頭を悩ませていた。
『でも私一人で食べれる様になったのに、皆どうして帰らないのかなぁ。』
「帰らないのではなく心配過ぎて帰りたくないの間違いですよ。エフェメラル様。」
「貴方本当に嘘を付くのが綺麗過ぎて分からないんです。」
記憶すら書き換えてくるんだから溜まったものではない。
流石に気を練り込んで食事を摂ったと誤魔化してたのを
アワモに気付かれてしまったのは最終的に笑うしかなかった。
いやぁコルンとタッグ組んで秒でサワアとウイス来た時は笑ったもん。
ちゃんと正座して反省しましたよ?
まぁ一緒に食事取らされる羽目になったのは
自業自得というものです。はい。すいません。
「あの時の事ならば気になさらずに。」
『そうはいってもねぇ』
コニックとは特に食事がとりづらい。
一番目の時間を想い出して、軽くパニックになったのだ。
綺麗に飲み込めなくて、その擬態が剥がれた処を見られてしまっている。
本当に醜態を見せてしまっていて、申し訳ないのだ。
「それ程貴方が努力をして、
今此処に生きているのです。
寧ろ有難いくらいですので。ね?」
『うう…好きな食べ物ある?』
「っふふふ、貴方がお好きとあらばなんでも。」
『ああ狡い!!!酷い!!!!悪魔!!!!』
「っふふ、もしかしたら我々も悪魔、だったのかもしれませんね?」
『え?』
「忌みされていたのは一人でなければ?」
それは、何時しかの時間。何処かの場所。
もし、もしも、彼らも同じ様に暮らしていたら?
それは本当に、奇跡的な再会というものでもあって。
『私ね悪魔さんのお友達とお話したかったの。』
「え?」
『悪魔さん昔は仲よくしてくれてた子が沢山いたんだって。ねぇ知ってる?』
全部で11人だったんだよ?
そう言ったメルに、モヒイトは皿を落っことした。
幸い割れなかったのはコニックが掬い取ったからで。
失礼と言ったモヒイトにコニックがいえいえと答えて返す。
『不思議だね。』
「ソレが本当なら奇跡的な再会ということですよ。」
『だから本当だったら嬉しいなって思ってたの。』
「…ほんと、貴方は何処までも欲張りなのですね。」
そう、欲張りなのだ。
『私も料理手伝う!』
「いやいや、流石にそれは」
「おや、此方にいらっしゃいましたか。」
『わあクカテルさんにマティーヌさんだ!
いらっしゃい!こんにちわ!!おかえり!!!』
「っくく、ごきげんよう、エフェメラル様。お元気そうで何よりです。」
「ほら、そんなに飛び跳ねると怪我されます。」
大丈夫とメルがマティーヌの忠告を無視しているとゴンとぶち当てる。
痛すぎて身体を落とすメルに、慌てるマティーヌ。
「全くもう、おっちょこちょいは
本当に変わらないんですね、貴方という子は。」
『ああああさわああああああああああ』
「ああはいはい、痛みは消しませんから。」
見つけた途端タックルするメルに、トントンとサワアはメルの背中を叩く。
にしても天使が一人二人三人四人と増えるのにメルが首を傾げていた。
「前に皆でお食事をと仰られていたのを思い出しまして。
大神官様にご相談したら是非ともと仰ってくれましてね。」
『えっ今日皆とご飯食べれるの…?!?!!?』
「ええ。」
『わ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!』
凄い凄いやったやった!そうサワアの両腕を
軽く掴んでその場でぴょんぴょんと飛び跳ねるメルに
喜ばれて微笑ましく天使らはクスリと笑っていた。
「本当に可愛らしいですますわ〜〜〜」
「全くですね。天使の鏡とは彼女の事を指す言葉でしょう。」
『すっぴーくる?すっぴーどこ?』
「此方に」
『きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜』
そうさらっと出てきた大神官にアイドルを見つけたオタクみたいに悲鳴を上げるメル。
両手を前に出して手だけをぶるぶる振っている彼女に、そこまでするかと思う者達もいる。
『ねぇねぇ、すっぴー一ついい?』
「なんですか?」
『昔みたいに、そのえっと…』
「…今日だけですよ?」
そう言った大神官が元の姿でもある形に戻る。
両手を広げた彼に、メルは急いで彼の身体に飛びついてくるりと身体を回す。
彼の両腕を取ってこっちこっちと席につかせ、その上にちょこんと乗り上げた。
むふっと鼻息を荒く立てて自慢げに目を輝かせている。
見た目は成人女性なのに、何処か子供に見えるのは不思議で。
『すっぴーのお膝!!!…っ』
「どうしました?」
『いや、皆座りたいかなって。』
「〜〜〜〜!?!??!」
「っふふふ、流石にご遠慮したいそうですよ?」
『そう?』
流石にそれはやめて欲しいと全員が思った声に、クスクスと大神官は笑っている。
嗚呼もう本当に、可愛らしいのだと。大神官はにこやかに微笑んだ。
では食事をという合図に、頂きますと手を合わせて笑う。
その開始と同時にメルはスプーンを指さす。
『スッピーはいはいはいはい、あーん!!!』
「はいはい。」
『ん〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!』
「ご満悦そうで何よりですね。」
「ええ」
『はいスッピーあーん!!!』
「!??!?!?!?」
「流石に…嗚呼わかりましたわかりましたから。」
子供達の前でと思う大神官だったが、流石に泣きそうになるような顔を見ては、こっちに揺らぐ。
大神官は口を開けてなるべく周りの視線を視界だけでもと消していた目を開いた。
「…美味しいですね。」
『でしょでしょでしょでしょ!?!??!?!
人から貰うご飯も美味しいんだよ?知ってた?』
「…いいえ、貴方から以外一度もしていませんし。」
「昔からやらさせてたんですか…!??!」
「ええ、昔から何故か懐かれてしまってですね。
ぐずってる時にやるとぴたりと止まってから時々こうして。」
嗚呼それは、本当に、もう親の愛情を注ぐ以外何物でもないだろう。
メルは昔と同じように出来て、現在大神官の膝の上でご満悦状態。
なんなら頬に手を当ててスプーン片手に首を横に振って悶えていた。
『(うまい!!!美味しい!!!最高!!!やったぜ!!!)』
「ふふ、それは良かったですねえ。」
それにしても、だ。
『ねぇ、大神官様』
「おやなんです?そんな改まって。」
『いや、皆とこうやって食事取ったことあります?』
「…正直初めてですね。」
「なんでしたら我々は天使。食事をとらずとも良いですから。」
「考えつきもしませんよ。」
『わあひょっとしてえらいことしてる私。』
「ひょっとしなくてもそうですよ…
ましてや大神官様のお膝の上など…」
「おや、座りたいなら座っても構いませんよ?」
「お父様?!?!?!?!!?」
「冗談ですよ」
冗談に聞こえないから怖いんだが。
「いやにしても、本当に美味しいですね。地球とやらの食文化ですか?」
「ええ。別世界のBやCも同じ物があるそうでして。」
「嗚呼だから華神らの食事も貴方らの惑星に似た食文化だったと。」
特にそのアストランティア、華神らが眠りし星の中は特にそうだという。
前にアンダルシアが一度出向いていてその話をちょろっと聞いていたコルンらがぼやく。
「これ以外にも沢山あるんですがねぇ。そういえばメルさん。
カップラーメンなどというお食事はとられないので?」
『ん?嗚呼アレ?一応食えるけど、君らが第一にしてるのってさ
私も含めてだけど綺麗な栄養素を定期的に摂取するってことでしょ?』
「ええ」
『添加物というか、栄養素に満たない
胃だけを満たすだけの食品部類だからね。
どうしようもなく腹が減ったけど、
作る手間を省いて今だけ満たすってだけにしてる。』
君らが来ない時とかに一度二度くらいならという彼女に
そういう使い方をして食べるのかと少し驚いた。
『一番は果実とかこう実った物を直接摂取するのが良いからね。
まぁ具なしスパゲティとかポン酢ご飯とかケチャマヨご飯らは
今食べる程でもないくらいには満たされているし、
というか食わせる感じが見受けられないから困るくらいだが。』
「なんですその、けちゃうんたらは」
「食べたいなら言ってくれればお作りしたのに。」
『いいの。アレは一人で食べるからこそ意味がある。』
薄暗い部屋の隅で。叫び声に怯えながら。
ただただ帰って来る前に胃に流し込むだけの作業。
帰りを待っても無意味だというのに。愛情などないのに。
生きる為には最低限の物を押し込まなければいけない。
首が締まるかのように、胸が締め付けられて。
何時かを想像しながら妄想の中だけで食事を共にする時間。
目を閉じれば誰にだって会ってどんなことも美味しくなる。
口の中はほんの少ししょっぱくなって
美味しいとは程遠い味ではあるが。
それが愛おしくなるくらいには、長く居座っていたのだ。
隠して隠して、バレてはしかりつけられる毎日を。
繰り返して繰り返して、目を耳をその首を心臓を、
締め上げて眠りにつく毎日。
狂ってしまって、もう、それが辛いなんて思えなくて。
ただそこには狂った愛おしさだけが残されているだけ。
優しくて残酷で、こんな満たされた食事なんて
貰ってはどうしようもないというのに。
傍に居て欲しい。食べて欲しい。笑って欲しい。
見て、触れて、笑って、笑って、笑って、笑って。
その時間、一瞬を、その目で、眼で、私だけを、見つめて。
笑って、触れて、いいねと、想って縋って欲しくて。
そんなことはなくて、在り得ない、遠く離れた、空想理論。
その額縁だけを、愛おしく見つめるだけの、機械的作業。
嗚呼なんて素晴らしく綺麗な時間なのだろうか。
嗚呼なんて滑稽で、滑稽で、滑稽で、愚かな者だろうか。
残酷なことに、そんな時間なんて
何処を探しても在り得ないというのに。
存在しない場所だけを、
追い求めて縋る私は、愚かで滑稽な、元天使。
翼を千切って、落ちた。
人間にもなれない天使だったのだから。
そんなところでふと思い出す。
そういえば今は天使らと食事をしていて。
その天使らは私の思考が読めるもので。
おっっっっっと
『…失礼』
「いえ、なんにもみていませんよ?」
貴方らの反応見たら一目瞭然です。
嗚呼ごめんて。発作的なものなんだって。
あ〜やった。ほんと。ほんとごめん。
記憶に残るには些か強すぎるその記憶達だが。
どうしようもなく愛おしくて忘れたくなんてない。
だからと言って其処に縋るのは彼らにとって失礼に値するというもの。
「ねえ?皆さん」
「ええ」
『…ま、いいけど。』
どうせアレは変わらない。いや変えたくないのだ。
狂ってしまって、純粋な人など、此処には存在しない。
辛さが快楽に、苦しさが愛おしさに変わってしまった。
何処にもいけない、翼を持った天使の居る場所は、此処しかない。
この閉鎖された、大きな大きな、檻の中の楽園に。
ぽつんと一人で、息をし続けるしかないというのに。
なのにこの人達はそんなことをさせてくれない。
華樹の樹は、華樹神の感情で育っていくというもの。
一体私が育てる樹木はどんなものなのだろうか?
そしてその華樹に実る果実は、あの日の様な赤い果実を実らせるのだろうか?
実らせた時、また、同じことの繰り返しを
「メル」
『っ』
「ほら、手が止まっていますよ?」
『嗚呼、うん。』
今は、そう、今だけは。
どうか、お願い。神様、華樹様、稲穂様!!
ん?稲穂???
『あれ、なんで稲穂が』
「エフェメラル」
「っ!?!?アニュラス様!?!」
「駄目だよ」
『…そっか。』
それが、この底にある場所なのか。
稲穂それは実った時は黄金の草花を咲かせる場所。
実った先には、何もない。
エンドロールの向こう側。
其処が終着点で、最果ての向こうにある、終焉地点。
いいよ。大丈夫。
『私は全部ひっくるめるから。会合、よろしくね?』
「はぁ…了解。」
瞬で消えた彼にどっと天使らの張りつめた気が飽和する。
いや本当に急にくるんだからビビるだろうに。
食事は終わり、ふと思い出したようにマルカリータが声を掛けた。
「メル様」
『はいはいなんでしょう。』
「サワアお兄様とはあのようにお食べに?」
『あーんしあいっこ?してた気がする。』
「してましたねえ。エフェメラル、ソレはこっちです。」
『ああはいどうも。』
食事後、キッチン前の食卓から奥に入った一室にて、
神々の遊びにしては少々おままごと程度の事をしていた。
ナインタイルというもので、
基本ルールは、それぞれの手元にある、
9枚のタイルを自由に動かしたりひっくり返したりして、
誰よりも早くお題どおりに並べるだけの簡単なものである。
説明をして力を抜いて遊ぼうとしたメルに
ついでだからと二人一組で練習していたのだ。
現在そのカードを並べていて、
サワアの指示もありつつてきぱき動いてた時。
急に声を掛けられてそっちの方に話が止まる。
サワアにそっと物を渡して話を続けた。
「食べない時は本当に食べませんでしたから。
美味しいって演技したら食いついたりしてましたよね。」
『口にあるの食べようとしたのは流石に笑った。』
「?!?!!?!?!」
「エフェメラル??????」
『えっ待って墓穴掘った???待って待って待って待って。』
「色々墓穴は掘り過ぎてるんですがねぇ〜〜〜。」
面白そうなものには天使らも食いつくというもの。
食器を片付けた天使らもその場に入って話の話題に参加してきた。
「口にあるものすら食おうとしてたんですか???」
『子供のよくある奴だよ。
飲み込んでないから口開けてそれ取るっていう。』
「いやよくあってたまりますか。」
あれそうだろうか?????あるとおもうんだが??????
『華神らにも聞いたら絶対誰かしらは分かってくれそうだけどねえ。』
「そういえば、Bに居たあの子らも参加するのですか?会合とやらに。」
『一応全員集合させるつもり。嗚呼言っとくけどお前らも強制参加な。』
「えっ!?!?!?!?」
『そりゃそうでしょ。こんなに華樹神らに近しいんだもん。いいよねスッピー。』
「ええ構いませんよ?お勉強にもなりますから。」
そういうことだ。
『日時はちゃんと伝えるから安心して。』
「いや安心できる気配がないのですが…」
「ゲームを開催した所に向かうということですますの?」
『あそこみたいな場所違う。も〜〜〜っともっと、ひどおいところ。』
其処は残酷、全てが知れる、歪な場所。
『君らが壊れないか私は心配だけどねえ?』
「…おやおや、あんなことをしておいて我々を甘くみておいでで?」
『まあ、流石に全員で本気になってかかられたら私太刀打ちできませんから。』
だが、それに耐えれるかは別というもの。
精神面は案外脆く、絶えれるのにも限度がある。
筋肉の様に鍛えてすぐに力に等なれるわけがない。
下手したら壊れた後に気付いたとかありそうで。
まぁ、そうしないようにはするが。
『破壊神らは流石に区切るからね。そこはご安心を。』
今生きている時間の肉体から離すのは少々酷。
あの面々であれば絶対いけるが、私が心配なのだ。
いやー本当は自慢したいくらいなんだがなあ。
今回の会合は其処がメインじゃないから良い。
『ま、其処ら辺は後で後で。ハイハイ、カードゲームしよしよ。』
大丈夫大丈夫。これは終わった物語。
そう、私は想っていた。
これがすべての幕開けだったのだと。
歯車が漸く噛み合って、ガチャンと合図を鳴らした。
音だけで、振り返る。
「メル?どうしました?」
『…いや、今音がしたような?』
気のせいか。そう言ってメルはカードの方を向いた。
メル以外の者がちらりと一斉にその場を見た。
其処には誰も居ないのに、何処かいたようなそんな気配がして。
「(気のせいなら、いいんですが)」