「夏祭りかぁ・・・。行く人居ない・・・!!」
私は頭を抱えた。うっそ〜〜〜!!
いや、ね??エマちゃんやヒナちゃんはねぇ・・・無理だし?それに佐野君は嫌。かといって他に誰がいるの!?!?
あ〜・・・流石に夏祭りボッチで回るのもボッチでマイホームステイも嫌だよ・・・。
私はどうすればいいのかしら??()
もういいや、一人で良いや。ひとりで行こう。
なんてのが数日前だったりする。そして、本当にひとりでお祭り来ちゃってるのが私だったりする。
あてもなくお祭りをただただ回ってる私に対して串焼きのおじさんが声を掛けた。
「おじょーちゃんひとりかい?」
「・・・彼氏、欲しいです。」
恨めしそうな私に対してガハハと愉快に笑うおじさん
「そう言ってうちは出来ねぇもんだ。」
何言ってんだ、ハゲ。出来るもん!!!今すぐできるもん!!!!
「おーおー。拗ねるんじゃねぇって。詫びにしちゃしょぼいが、串焼き、いるか?」
「・・・いります・・・彼氏も欲しいです。」
「残念だが俺にはばあさんがいるもんでな。」
お前じゃないよ・・・、なんていう気力はなかった。
「はいよ、串焼き。楽しんで来いよ、おじょーちゃん。」
「ありがと、おじさん。」
渡された串焼きを片手にまた私は歩き出した。これ食べたら次はりんご飴食べよう、あぁ、そうしよう。
少し歩けばりんご飴の看板が見える。大行列だ。この間に串焼き食べちゃお。
・・・前の人たちカップルだぁ、爆ぜねぇかなぁ。
「ねぇねぇ。まーくん、さっき広場で暴れてた不良りあたんこわ〜い❤まーくんぎゅーして❤」
「りあたんを怖がらせるだなんてメビウスと東卍の奴らは酷いなぁ!まーくんがぎゅーしてやるからな、りあたん❤」
リア充ばせろぉぉぉぉぉ!!!!!怖がってねぇだろ、いちゃつきたいだけだろ!!!!!!!
・・・え、てか東卍って・・・・。それ、ヤバくない!?!?
抗争が始まってるって・・・武蔵野神社の広場・・・急げば五分で行ける。
私は並んでいた列から抜け、周りの人混みをかき回して広場へと向かう。
「おじょーちゃん!?そっちの広場は今あぶねーよ!!」
あ、さっきのおじさん!
「・・・だいじょーぶ!友達助けに行くだけだから!!串焼き美味しかったよ、ありがと!!」
私は無我夢中で走り出した。
「なんだい、彼氏なんかいらねぇじゃねぇか、おじょーちゃんよ。」
◆
「はぁ・・・はぁ・・・、」
自分の体力舐めてたぁぁぁあ、二分持たないうちに息が荒くなる私。これからはちゃんと運動しよ・・・。そうだ、裏道使えば人も少ないし早く行ける!!自分の体を横へと反転させ裏道を走って行く。あと20mも走れば広場に・・・あれ、
「どうしてここに!?」
エマちゃんとヒナちゃん1!
「(名前)さん!じ、実はドラケンが今ナイフで刺されちゃって・・・!!」
「それで・・・タケミチ君とドラケン君と、今戦ってるんです・・・!!」
「あ、あとタケミっちの友達も!!」
え、ヤバくない??ナイフ?ナイフだよね?この歳でもう殺人未遂やっちゃう人居んの??
・・・でまぁ、そんなわけで二人は警察と救急車呼ぼうとしてんのね。
「そこの道。そこの先少し行けば交番あるから。私は龍宮寺君達の所行ってるね。大丈夫。アイツらそんな簡単に死なないって、私も付いてるから!」
二人を安心させるよう、私は優しく笑った。絶対、大丈夫だよ。
「・・・今すぐ呼んでくるから、ウチ!!」
私は道を急いで走った。無い体力を振り絞った。リュック持って来てよかったぁぁ。まぁ、誰とも行く気が無くておしゃれしないでいつもの格好だったのが不幸中の幸いだな。
あ、見えてきた・・・!
戦う花垣君のお友達。取り敢えず、龍宮寺君だけは応急処置やらないと・・・。
「助けに来たよ、お前ら。」
「櫻野さん!!!!」
「龍宮寺君!!君が居なくなったら私に佐野君どうしろってんのよ!!!・・・ほら、さっさと手当てさせろやゴラ!!」
「うるせぇ・・・。」
リュックの中から救急セットを取り出す。どのくらい深く刺されてるかによるな・・・傷口を見る。三〜四センチくらいかな、結構深い・・・。そんなんで歩き回るとか馬鹿なの??
消毒を取り出し傷口にぶっかける。そして、包帯にも消毒を付けて包帯ぐるぐる巻きにする。
あくまでも応急処置、本当にあくまでも。上から何重もの包帯を被せる私。
「終わったよ。見た感じ臓器はやられてないと思う。でも重症なのには変わりないからね。」
手当てが終わったと同時になりだすサイレン。なんとかエマちゃんとヒナちゃんがやってくれたようだ。
「タケミチ君、救急車来たよ!」
「警察も!」
逃げ出す不良。
ふぅ、なんとか勝ったみたいだ、私たち。