閑話休題

「へーえ、海堂誘えたの。よかったじゃん」
「ええ、まあ」
「不服そうだね」
「桃城と二人で来るって言ってたので」
「まだ友達止まり、って感じ」
「そうですね」
私の話を聞いた先輩は、黒いカーディガンの袖に通した腕をわざとらしく組んだ。
「ま、でも来ることには変わりないんだから、いいんじゃない?」
「そうですねえ。どの道今回の役をこなせば演劇部内で役者として顔が立つようになりますし。頑張らないとですね」
「お前ってそういうとこあるよね」
「何のことですかね」
先輩は一つため息を吐く。私はそのまま雑談をしようと思ったが、突然クラスメイトに引きずられてどこかへ連れて行かれてしまった。きっと彼女も部活で忙しいのだろう。おそらくだが。八割別件だと思うが。

トップページへ