ごちゃ倉庫

09/05

◎腐女子の弟。お姉ちゃんの陰謀@

2011-7-1 10:38

腐女子の弟。お姉ちゃんの陰謀@

タラシ×強気。



手に入れられないものはなかったし、これといって欲しいと思う事もなかった。


君に、出会うまでは。
君を欲しいと思うまでは。



「…ごめんね。君はとても魅力的だけど…僕は優柔不断だから。君みたいな人を僕一人が縛る権利なんてないと思うんだ。だから…」

ひどくすまなそうな顔をして、彼女を見据える。

彼女は眉をよせ、僕の言葉を不安な顔をしながら待つ。


「だから、別れよう」

そう言った途端、彼女は目から滝のようにダラダラと涙を零した。

まるで、なにかのドラマみたいに、うわっ、と溢れる涙。

馬鹿みたい、とどこか一戦を引いて見ている僕は悪い男なのだろうか。

泣き顔にくらっとくる男もいるらしいし、涙は女の武器とも言われるけど…僕からしたら鬱陶しいだけだ。

不快指数がムクムクと上がりそうになるのをなんとか留め、笑みを作る。


こういう女々しい女は早く切るに限る。
それが今までで学習した事だ。

最近束縛キツクなってきたしね。

僕を自分のものみたいに扱いするようになったんだ。
一度寝たくらいで。
この程度の女、僕の周りにははいてでもいるのに。
こういう女が1番面倒だ。


「ごめんね」
「いいの、私、あなたが浮気していても。私信じているから…だから」

彼女は必死に言い募り、僕を引き止める。

ああ〜、面倒だな。

僕は君が好きじゃないって言っているのに。

この女、身体は極上だけど、少し頭がお花畑なんだよな。
自分本意っていうか。


いまだってきっと、悲劇のヒロインに浸り、僕を引き止めている筈だ。

まったく。


「ごめんね…僕なんかより君にはきっといい人が見つかる」
「…でも…」
「早くこんな悪い男なんて忘れて…もっと楽しい恋をしなよ」


なんて、心にもない事を言ってみる。
どこの三文芝居だろう。
自分で自分の言葉に呆れる。


しかしオツムの軽い彼女は僕の演技に騙されて、別れに承諾してくれた。


ほんと、簡単な女だ。


僕が勘定持つから別れが辛くなるからここで別れよう、と言うと、彼女は承諾し席をたつ。

離れがたいのか、しばらくじっと僕を見つめ…


「また…連絡ちょうだいね…」

と言った。

「わかった…また…」


もう会うこともないけれど。

僕がニッコリと微笑むと、彼女は安堵し、肩を下げて、僕に背をむけ店の外へと消えた。


「ふぅ…」

ため息を一つ。
ほんと、面倒な女だった。
今年になって、何度こうやって別れただろう。

ひぃふぅみぃ…と指を折って数え…ちょうど片手いっぱい折ったところで虚しくなって辞めた。

僕っていう人間は、常に女がいて、いつも軽い恋愛ばかりしている。

自分でも虚しいな…ってちゃんと理解しているけれど。


ーピルルル
ポッケに入れた、携帯電話が震える。

「…?…まゆこ…?」

ポッケを漁り携帯を取り出して着信画面を見ると、先週逆ナンしてきた、女の名前が印されていた。


そういえば、携帯取られて、赤外線通信やられたんだっけ。

結構気が強そうな、頭も良さそうな女だった。

今日の女と違って。


「もしもし?」
「…あ、俊一?あたし」
「あぁ…」

あたしって誰だよ…。
そういう間柄じゃないだろ…。でもそとづらのいい僕はそんな事おくびにも出さない。


「まゆこ?」
「うん。あのね、いきなりなんだけど、あたしと付き合わない?ごめんね、いきなりで…」

ほんと、いきなり。
僕らが出会ったのもついこの間だし、まだ数回しかあってないのに。
まぁ、でも…


2011-7-7 19:25

腐女子の弟。お姉ちゃんの陰謀A



「俊一?」
「…いいよ」
「ほんと!」
「うん、今、フリーだからね。
まゆこかわいいし…」

そう、誰かと付き合うなんてただの暇つぶしだから、さ…。

「付き合うよ、うん。これから宜しくね。」
「う、うん!まさかOKもらえると思わなかったからめっちゃ嬉しい!ありがとうね」
「そんな大袈裟だなぁ…」

いつまで付き合えるかわからないのに。

今回はどれくらいもつかな。
また記録を伸ばしてしまうかもな…。


「じゃあね、えっと…好きだよ、俊一。俊一は…?」
「…うぅん、まだよくまゆこの事知らないけど…でもきっと好きになると思うよ。って答えじゃ、駄目?」
「…い、いいよ…、もう口が上手いんだから。これから宜しくね」
「うん、宜しく…」

顔もよく覚えていない女と付き合う僕は…下半身軽いと詰られるだろうか…。


「ふぅ…」
携帯を切り、髪をかきあげ視線を宙へとやる。

なにか、楽しい事ないかな…。

なにか物足りないんだ。

いつも、いつも。

金も女も就職も満ち足りているハズなのに。


「最悪だな…お前」

固い、嫌悪混じった男の声。ふと振り返ると…そこにはほっそりとした身体の、ややつりめの勝ち気っぽい瞳をした男の子。どうやらウエイターらしい。この店の制服をきていた。


「君は…」

僕がなにかをいうまでに、その少年は身を翻し、店の奥へと消えていった。

嫌悪混じった、あの眼差し。睨みつけた、あの瞳。

なぜだか、一瞬の事だったのに、彼の存在は、僕の心に深く染み付いた。

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百万回の愛してるを君に