君が泣くなら僕が傘を(3/4)
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「ねえ、どこいくんだよ」
勢いで店を出てきて駅に向かって歩いていると背後から声がした。もしかしたら彼女が追いかけてきたのかと期待したのも束の間、その声の主が今いちばん会いたくない相手であったことにゲンナリする。俺は立ち止まることも振り返ることもせずに、歩みを進める。
「なんでテメェが追っかけてくんだよ」
「俺の店であんなことされたら業務妨害だから」
「あー、そーかよ悪かったな。出てけって言われたんだ、言われた通りに出てきただけだろ」
「名前さんのこと、どーすんの」
「知らねーよ、お前がどーにかしろよ」
もはや売り言葉に買い言葉的なノリで言い返すと、いつの間にか距離を縮められていたらしく、後ろから腕を引っ張られてしまい予期せぬ展開に俺は反射的に足を止めた。向こうの足も止まった気配を感じているとすぐにするりと掴まれた腕が離れていく。
「なあ、それ本気で言ってんのか」
「……」
「アンタ名前さんのこと今度こそ幸せにするって救うって前に自分で言ったろ。あれ嘘だったの」
「お前、さっきの話聞いてたか?名前までお前がいいって言ったんだぞ?」
「……」
「俺がお前だったら嬉しいよ。口開けば全員から文句なしにヨイショされて、推薦されてよ」
「……」
「そういや高校ン頃からずっとだもんな、お前らのその、よくわかんねー関係性はよ」
「今それ蒸し返すの」
背中に奴の冷たい声が、容赦なく突き刺さる。俺は眉間に皺を寄せて、奥歯をギリと噛んでから投げやりに言う。
「だいたいよ、お前もどっかで俺のこと笑ってたんだろ?」
「はい? 何言ってんの」
「じゃあ何で名前と抱き合ってたんだよっ!」
勢いよく振り返って強い口調で言葉を浴びせると相手は目を見開き珍しく驚いたような顔をしていた。そして目を伏せて、小さく溜め息を吐く。
あの日、静岡合宿から帰ってきて、俺を庇って階段から足を滑らせた生徒を病院まで送ったあと遅い時間に、車で帰宅した。いつもとは違う道を通ったのがきっと、運の尽きだったのだろう。
車通りの少ない道。そこに珍しい型の車が一台路肩にハザードもつけずに停まっているのが目に入ったのだ。この辺では、その車種を乗り回しているのはこの、水戸くらいなもんだった。
スピードを落としてすれ違い様に見たその車内の中の人物がよく知った人物だったことにひどく動揺した。しかも抱き合っていたように見えた。もちろん見間違いであってほしいと願った。仮にあの日見た光景が真実ならば、彼女本人の口から直接あの日の真相を聞きたかった。でももう充分だ。いまさっき見せた水戸の表情が物語っていたからだ。あの日の出来事が、真実だったのだと。
「お前だって自分で前に言ってただろーが。あの車に人は乗せるつもりねーとか、なんとかって」
「……」
「社用車使えよ、あんだろ?あの車以外になんぼでも。なんで、自分の大事な車に乗せんだよ」
「……」
「その、愛車ン中で……見てたんだぞ、俺」
「あれは、違うって」
「何も違うくねーだろ、もう誰も俺のことなんて必要としてねえよ」
俺はまた水戸に背を向けガキみたいに投げやりに吐き捨てる。ほんと、こんなのまるで思春期の中坊のような返しだと自分でも思った。背後から皮肉にも「んなことないって」というフォローと共に、小さな溜め息が聞こえてきた。
「水戸、お前に俺の気持ちがわかるか」
「……」
「わからねーよな……」
俺は自嘲するように呟き、また駅へと足を進めた。追いかけてこられたらどうしようかと思っていた不安もすぐに消えた。なぜならば水戸が追いかけてくる足音はもう聞こえてこなかったから。
*
彼が店を出ていって私も言い過ぎてしまったと反省し、すぐに後を追った。しかし、お店を出た先で彼がこちらを向く事なく早歩きで帰っていく姿を見て、私なんかが追いかけるべきではないのかもしれないと思い立ち追いかける足を止めた。
私はそのまま、海の方へと向かった。しばらく海を眺めていると、ふと真横に人影が立った事に気が付いた。相手が咥えた紙タバコに火をつけ、私と同じように海を眺める姿が、目の端に映る。
「みっちーのこと追いかけなかったの?」
優しげな声色で、そう問いかけられる。相手は言わずもがな、水戸くんだった。隣で、こくんと頷いた私。彼は、フゥーと長く細い煙を真っ黒な夜空に吐き出す。
「ほら、ちゃんと言わないからこうなっちゃったでしょー?だから、言ったの?って聞いたのに」
「わかってる……ごめんなさい」
「んーん。俺の方こそごめんなーほんとは俺からみっちーに直接言うつもりだったんだけどね」
「え?」
「どーせ名前さん気遣って言えないだろうって思ってたから。でも出しゃばりすぎかなって何か、俺が遠慮しちゃっててさ」
「……」
「やっぱ、彼女お借りしますって俺からちゃんと言うべきだった、ごめんね」
まただ。水戸くんは、ちっとも悪くないのに。私は、心底申し訳なさそうに俯いた。すると彼はふっと軽く笑ってから、もう一度タバコを吸う。チラッと横目で見ればジリジリとタバコの先端が赤く燃えていくのが見えた。私はぽつりぽつりと話し出す。
「水戸くんのプライベートなことだし、ベラベラ話せないかなって思って」
「うん」
「ほんとは誘われたときから何かあるとは思ってたの。だって変だもん、二人で出かけるなんて」
「そーね」
「だから、なおさら言えなかった」
「……そっか」
彼の吐いた煙が夜空に消えていく。それを何となく見送っていると彼も煙の行く末を見ているのに気がついて、その後、不意に彼と目が合った。
「優しいよな、名前さんは」
「……、」
「ありがとね、名前さん。」
「……。」
その柔らかく笑った顔を見ていたらどうしてもあの日のことを言わずにはいられなかった。私は小さく深呼吸をして、一生懸命に言葉を繋げる。
「あの日——あの、ドライブに行った日ね……。実は私、起きてたの。水戸くんの、車の中で」
「うん」
「夢かなって思ったんだけど、水戸くんあの日、何と戦ってたの……?」
「……」
「私、水戸くんが死んじゃうんじゃないかって、そう思ったら、怖くて……」
「……」
「私、夢だと思いたくて、それで——」
「死神」
「え?」
思わず勢いよく彼の方を見た。しかし彼は特に反応を示さずにずっと正面の海を眺めているだけだった。聞き間違いかと思い、再度聞き直そうと「えっと……」と言った私を遮って、彼が言う。
「なんて。いや、あそこめちゃくちゃ蚊がいてさ大人気なく水ぶっかけちゃっただけですよー?」
「……」
「見てたのねー、ハハ……なんか恥ずかしいな」
「……よかった」
「ん?」
「死神……退治したんだよね、あの瞬間に」
「……」
「……水戸くん、生きててくれて、よかったよ。ほんと、よかった……」
「……。」
水戸くんが私の方を見て、目を細めた。あっ、って。何となく今また一線を引かれた気がした。また余計なことを言ってしまったかもしれないと後悔していると、彼は私から視線を外して再度、遠く、海の先の方を見た。
「名前さん、覚えてる?」
吸い終わった煙草の吸い殻を地面に落として、足の裏で踏みつけながら彼はそう問う。私は首を傾げて「なに?」と聞き返す。
「高校の頃にさ、一緒に学校帰りにバッティングセンター行ったときのこと」
「あ、ああ……行ったねぇ、そういえば」
「あのとき俺が言った言葉、覚えてる?」
「え……?」
私は不意に水戸くんを見た。彼はまたポケットから煙草の箱を取り出し器用に一本だけ抜いて、それを口に軽く咥えて、ライターで火をつけた。
「もし、みっちーが怒ったら、俺が怒り返すから安心してって話」
「……」
「名前さんが怒らねーから俺が怒るよって」
「うん……覚えてるよ」
「こないだの件、俺からみっちーに伝えさせて」
「え、でも……」
「だから、名前さんは安心しな?」
私はそのとき思い出した。幼い頃に寿が夢中になってテレビの前に張り付いて見ていた戦隊物の赤い色の仮面を被った、あのヒーローのことを。『君は安心しな、あとは俺にぜんぶ任せて』そう言って非現実的な禍々しい世界に飛び込んでいく姿を。テレビでも雑誌でも友人達も行き交う人々も、みんな同じように言っていた。『王子様も、正義の味方もこの世にはいないのよ』と。でも、いたよ。私の側にはいつだって正真正銘の正義の味方がいたのだ。
水戸くんを見上げると、彼も上を向いていた。空は漆黒の闇に包まれている。彼はその空の色と同じ黒い瞳に、何を映していたのだろうか。
人という生き物は不思議なもので、身近にいる大切にするべき人を蔑ろにして心の距離を作る。
そしてなぜだか、関係性の薄い人の方を大切にしようとする傾向がある。きっと、そっちの方が容易だからだろう。深く考えることもなく真剣に向き合う必要もないから。関係性の薄い人は例え去っていっても、悲しくならないから。
いつでも会える人は、いつまでも会える人ではない。私は改めて側にいる大切な人を一番大切にしたいと、そう思った。
*
結局あの最悪な飲み会のあと、アパートに帰宅してから眠れぬ夜をすごした。何日経ったのかはわからない。『水戸くんがいいよ』と衝撃発言を伝えられた俺は彼女からの連絡を避け続けながらいつもと変わらぬ日々を送っている。
今日も生徒たちに付きまとわれながら放課後の廊下を歩いていた。部活が開始する前に、なんとなく外を散歩してみたくなったので校舎の見回りが終わった後、その足で俺は外に出た。
「みっちーさよーならー」と楽しげに校門に向かっていく生徒に手を振りながら校外を適当に歩いていると、目の前に、見覚えのあるシルエットが見えて、思わず俺は足を止めて目を細める。
「変わんないねー、ここ」
「……」
「みっちー」
「……」
「なんで名前さんに連絡返してやんねーの?」
俺は奴と向き合った状態で数秒固まりくるりと踵を返して相手に背を向け来た道を戻っていく。しかし相手は俺と距離を取りつつも、俺のあとをついてくる。
「メールも見ただろ?もういい加減、仲直りしてやったら?」
「何しに来た。もうほっとけよ、俺のことは俺が考えるからよ」
そう吐き捨てて歩みを止めず体育館に向かって行くと相手が俺の背後で足を止めた気配がして、反射的に俺も歩みを止めてしまった。背を向けたままの俺に相手が言葉を投げて寄越す。
「名前さんに付き添いを頼んだのは、ちゃんと理由があるんだよ」
「……」
「俺さ、ちょっと家庭が複雑で。妹に久しぶりに会うから何を買って行ったらいいのかわからなくて、名前さんに頼んだんだ」
「……」
「そんでさ、妹に会うのも付き合ってもらった」
「……それ、名前がお前に提案したのか?会うのも、付き添うって」
俺の確信めいた問いに対し、背を向けていても奴が、言葉に詰まったのがわかった。俺は小さく舌打ちをしつつも、冷静に相手の返事を待つ。
「いや……俺から頼んだよ。」
一気に頭がクリアになった。わかっていたことだったのに、答えなんて。きっと、アイツが提案しようが、コイツから提案しようが、水戸は必ず「俺が頼んだ」と罪を被る事くらい検討がついていた。それが、死ぬほど悔しかった。アイツは、俺の幼馴染の彼女はずっとコイツと出会ってからコイツに守られて生きている。それは抗いようのない事実だった。
「はっ、何で先に俺に話さねぇんだろうな。電話じゃなくても、メールでだって伝えられんだろ」
「……」
「俺は生徒を怪我させてパニックになって、声が聞きたかったんだぜ?名前の。」
「……」
「何度かけても出ねぇ。そりゃそーだよな水戸、お前と隠れて会ってたんだからな」
そう言って振り返った先、水戸は気まずそうに顔を曇らせていた。いつも飄々としている奴が、こうも簡単に戸惑っている様を見て、本来ならば喜ぶべきなのだろうが、なんせ原因がアイツだ。こんなんで言い負かして困らせたとて、俺は嬉しくも何ともない。もうお互い高校生ではないのにあの頃と変わらぬリーゼント姿のそのナリになんとも言えぬ複雑な感情が芽生える。俺は長い溜め息を一つ吐いてから、自分に言い聞かせるように話し出した。
「いつもそーだよ、俺にはなんにも話さねぇで。俺にだって名前を想う気持ちはあるんだぜ?」
「……うん」
「でも、だーれも俺の気持ち聞かねぇだろ。俺はそれでも向き合おうとして頑張って、頑張って」
「……」
「それでも受け入れてもらえねえ。ガキの頃からそーだよ、勉強もバスケも100点取れって」
「……」
「親父、うるせーヤツだったんだよ実は。だから怪我したとき、あの環境を飛び出したんだ」
「……」
「んでもう一度頑張って100点取ろうとしたけど結局全部失って、またここに戻ってきちまった」
俺は不意に湘北高校の古びた校舎を見上げた。自分でももはや何を言っているのかさっぱり理解できなくなっていた。本音なのか嘘なのか、建前なのか言い訳なのかもわからない。
俺は水戸に何を伝えたかったのか。今さら高校時代の苦労話か?それとも、俺だって家庭で色々あったと伝えたかったのか。それとも大学の時に出会って婚約までした、あの彼女のことか。それとも、最愛の幼馴染のことなのか——。
「笑っちまうだろ?いつもそうなんだよ。あーあ俺の人生っていったい、なんなんだろうな」
「……」
「水戸、お前はいいよなァ、いっつもみんなから必要とされてよ」
「——俺は、みっちー」
「……あン?」
「アンタが、羨ましかったよ」
風が吹いた。グラウンドから聞こえる野球部員のランニングの賭け声と一緒に遅れて、こちらに流れてきた風が俺と水戸の間を通り抜けていく。
「きっとガキの頃から努力家なんだろうなって。才能があって、いつも周りに人が集まってきて」
「……」
「擦れようがなんだろうが、最初からアンタは、雲の上の存在だったよ」
「……」
「学歴もコネもなくてチャンスさえ回ってこない俺とは全然違ってて、スッゲー悔しかったなァ」
一度口を開いた水戸は止まらなかった。今まで自分の中だけで封印していたことが次から次へと湧いて出てくるように見えた。まるで、今の俺と同じだなと思った。きっと誰がどう聞いたって、こんなのはただの嫉妬——。僻みと呼べる代物でしかないことを、俺は知った。俺も水戸のことを僻んでいただけなのだと。
「あの時——体育館に行ったのだって、アンタを追いやりたかったからじゃないよ」
「……」
「アンタや花道に……追いつきたかったからだ」
「……、」
「湘北の先生になったって聞いたとき、やっぱ、すげぇなって思った、みっちーは」
「——。」
そうだ、俺もコイツのことが、ずっと羨ましかったんだ。なにをやっても俺とは全然違っていて凄く悔しくて。コイツは……水戸はいつだって、雲の上の存在だった。
「名前さんとのことだって、確かに周りから言われたよ。このまま一緒にいてやればいいって」
「……」
「でも彼女はずっと、アンタのことを待ってた」
「……っ、」
「死んでもアンタの��幼馴染�≠セから……彼女の気持ちを考えると、一緒になる自信がなかった」
「……、」
「俺はずっと、名前さんから逃げてただけなんだよ。でも、だからこそ今の俺たちがある」
俺は、このとき思い出した。こんな俺を庇って怪我をしてしまった教え子の親に頭を下げた後に病院内で言われた『仲間を助けようとするのは、当たり前ですよ』という、あの言葉を……きっと水戸からしたら、アイツは大切な��仲間�≠ネのだろうと。
コイツからしたら俺の気持ちや考えていることなんて全部お見通しなのだろう。だからこうして俺の背中をいつも自然と、押してくれるんだな。時には拳で、時にはまるで人生の助言者みたいに俺を正解へと導いてくれる。もしかすると幼馴染の彼女だって、そうだったのかもしれない。こうやって困ったときは背中を押してもらっていたのかもしれない。こんなの本当に——ただの生粋の正義の味方じゃねーか。俺に敵うわけがねえよ。
「湘北のバスケ部をここまで強くして周りのみんなに大切に思われて、俺からしたら120点だよ」
「水戸……」
「自分の価値に気づけてないのは、自分が認めてないだけだろ」
俺は、満月の夜が嫌いだった。あんなに眩しく輝いているくせにまったく手が届かない。ずっと高い位置から俺を見下している……そんなふうに思っていたんだ。
「もう一度言う、名前さんはアンタを待ってる」
「勝手なことばっか……言うなよ」
「勝手なのはそっちだろ」
水戸はそう言い置いて両手をポケットへとしまい踵を返して俺に背を向けた。そして数歩進んだ先で「あ、そーだ」と、また足を止めて俺に背を向けたまま言った。
「おまえに俺の気持ちなんかわからねーだろって言われたから、よーく考えてみたけど、やっぱりわかんねーわ」
「……」
「でも、アンタも俺も気持ちはわからないだろ」
「……。」
水戸洋平という人物はきっと俺なんかじゃ比べものにならないほどの、数多くの困難と出会いで経験値をあげて、いつの間にか手練れじゃなく、年相応のおちついた立派な大人になっちまったんだろうなと思った。根性がねじ曲がる事もなく、捻くれる事も、擦れる事もなく、コイツはコイツなりの信念で真っ直ぐに生きているのだろうと。やっぱり、俺とはまったく違う。
「人の気持ちなんてわかんねーよ。でも、だからこそ、理解しようって、思うっていうかさ?」
「……」
「大切な人とは特に、ちゃんと向き合う事が大事なんじゃねーのかなって。まぁ俺もそうだけど」
「……」
「他人のことならちゃんと考えられんのになー。みっちーもそうでしょ、生徒の事なら考えられるんじゃない?——ねえ、だろ?」
「……。」
諦めたもの、諦めたかったもの——満月の月が浮かぶ夜空を見上げるたびに、いっそのことあの月がここまで落ちてきて、世界が丸ごと終わってしまえばいいのに、って。
『 ぶっつぶしてやる……!! 』
そんな俺の言葉を真に受けて俺が勝てるはずもないとわかっていて俺を殴って、俺のために拳を血に染めたなんて。俺は、こんなにも真っ直ぐな愛のカタチに、しっかりと胡座をかいてしまっていたんだな……長いあいだ、ずっと。
俺は、本当に恵まれている。いつまでもガキのまま変われないのは、きっと俺だけだ。
あの頃からまるで満月のような奴だなと思っていた。手を伸ばしても届かない。敵うはずのない相手。親友にも敵にもなれない相手。
きっと俺は、一生こいつにだけは勝つ事なんてできないんだろうな。
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