翌日、午後二時。目を覚ました瞬間に、彼女は自分がずいぶん長く眠っていたことを身体の重さで知った。安アパートの薄いカーテンの隙間から昼の白い光が刃物のように差し込んでいて部屋の輪郭をやけに正直に浮かび上がらせていた。
ベッドの中で手探りにスマホを探し出し結局、枕元に転がっていたそれを掴むと画面が点灯して通知がいくつか縦に並んでいた。昨夜の客からの事務的なメッセージが数件。それから、見慣れた名前がひとつ。時刻は午前十一過ぎ。

起きたらでいいんで

今日の夜空いてます?
マジで焼肉行きたい

昨日ちゃんと帰れました?

まあ帰れたか

おはよう、名前さん

今起きた

焼肉いくー!
ヒーローのおごりね♡

おごり前提(笑)

まあいいけど
俺の財布No.2なんで

じゃあ夜6時に迎え行きます
いる場所、住所送っといて

ちなみに今日行く店
ここでーす↓

【URL】

いい天気

てか寝てないでしょ

寝たよ。
泥のように

寝たよ。
泥のように

泥のように(笑)