教授へ今回の話を通すと、思いがけずスムーズに話は進んだ。 歴史学部なだけあって、歴史修正対策課とはもともと繋がりがあったらしい。 知らなかったと思わず愕然とすると、「ほいほい言いふらすもんでないしねぇ」と食えない好々爺は笑う。 おかげで大学は無期限の休学扱いとしてもらえる事になった。教授様様である。 成人済みであることと元々辞退できない事であるので、親同席での話し合いの席はほとんど保険や補償についての話で終わった。 まさかお前がなぁと両親がしみじみ言うのも無理はあるまい。“審神者”制度が生まれてこのかたうちの親族関係で“審神者”がでた事がなかったからだ。 「零感」というやつだな、姉と笑い合ったのは随分と昔だったような覚えがある。 一先ずの方向性として、院生を一年やり遂げてから“審神者”になると決め、学業と平行して政府公認の養成所へ暇を見て通い出した。 来年には“審神者”になるのだから、詰め込む事は多い。 学業の合間に祝詞やら神事ごとを覚える。 まぁ考古学専攻の自分にはやっている事は大差ないような気がした。おかげさまで覚えの良さは評価は良い。 ただ問題があるとすれば霊力の量であった。 基準は越えているものの、多くの刀を下ろすには心もとないという。 教師のアドバイスで霊力を溜めて置く場所として髪を伸ばす事を提案され、それから伸ばし始めた髪は養成所卒業までには肩まであった髪は背中の中頃まで伸びていた。 翌年の春、無事に養成所から認定書をもらい大学の後輩達と教授に壮行会で見送られ自身の本丸を持った。 持ち物はほんの少しの私物と、愛用の弓矢。それと補佐の式神きつねのこんのすけ。 そして選んだ初期刀は坂本龍馬の愛刀。顕現は本丸に着いてからだそうで、“彼”との顔合わせはあとだ。 「それでは参りましょう!サチ様!」 今後、神様との付き合いを持つため本名は政府の管理下で隠され“審神者コード”を使う。 名前は昔弓を指す言葉として用いられた「箭霊(さち)」を登録した。 「よしっ、行こうか!こんのすけ!」 はじめの一歩〜と一人と一匹、そして一振は新しい本丸の門を踏み越えた。 それが審神者としてのはじまり。