焦がれてやまない

「だーかーらー!ずっと昔っからリヴァイのことが好きだったの!」



「「は?!」」



壁外調査を終え、いつもの様にハンジとナマエと酒場にやって来た。こいつらとは長い付き合いだった。共に戦い、無事に戻ってくることが出来れば、共に酒を飲む。こうして飲んでいると、あぁ、今回も生きて帰ってきたのだと実感する。大抵、ハンジが真っ先に潰れ、それをナマエが介抱するのだが、今日だけは何故か違った。いつもとは比べ物にならないペースでナマエは酒を煽っていた。いつも潰れるハンジまでもが心配するほどにだ。「ちょっとペースを落としたら?」とヤツが助言をした瞬間、唐突に先程の言葉を発しやがった。俺は柄にもなく、手に持っていたグラスを落としそうになった。



「ちょっとちょっと!ナマエ!何それ!私聞いてないよ!」


「だって…誰にも言ってないもーん。」



そう言いながら、ナマエはさらに酒を煽る。そんなナマエを見ながら、俺は先程のあいつの言葉を咀嚼するように考えていた。いつもあんな飄々とした態度の、恋愛なんてする余裕がないと言っていた奴が何を言ったのかがすぐには理解出来なかった。


「なんかもう、苦しくって…。自分のキャラじゃないって、わかってるけどぉ…ひっく。」


加えて泣き出すときた。いつもと違いすぎるナマエに、ハンジは優しく声をかける。


「ナマエ、もうやめときなよ。多分、明日目覚めたら死にたくなるから…。」

「いや、ナマエ、もっと飲め。そして喋れ。」

「リヴァイってば鬼畜!まぁ、私も知りたいけど!ナマエ、私はちゃんと一度止めたからね!」


その言葉と同時にナマエはグラスを傾け、酒を飲み干すと机に音を立ててグラスを置き、喋り出した。




「リ、ヴァイがぁ、私のこと女として見てないのもっ、わかってるし。可愛い可愛いペトラちゃんがいることも、それに私が敵わないのも、重々承知してますよぉ?でも!でもね…好きな気持ちは、どうしようもないんだよぉ…。」


そう言うと、ナマエは机に突っ伏して更に泣き出した。


「ナマエ…可愛い!食べちゃいたい!リヴァイなんかじゃなく、私にしなよ!」

「黙れクソ眼鏡。それより、何故ペトラが出てくる?」

「え?だって君たち、デキてるんでしょ?」

「誰だそんな噂流したやつは。」

「え?!違うの?!」


身に覚えのない話にそう問えば、ハンジが驚愕している横で、先ほどまで泣いていたはずのナマエは眠っていた。こいつは俺とペトラがデキていると思い、少なからず嫉妬までしていたらしい。そう考えながらナマエの涙を指で拭ってやった。


「なにその珍しい緩んだ顔!まさかリヴァイ、君も…?!」


「うるせぇよ。」


俺はそう呟いて立ち上がり、眠ったナマエを肩で抱えた。



「え、ちょっと!早速お持ち帰りですか?!せめてお姫様抱っこにしてあげなよ!」



「チッ。んなこと出来るかよ。」



一言吐き捨て、酒場を出た。ナマエを抱えたまま夜道を歩く。ふと、生きて帰れてよかった、と思えた。
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