しあわせの定義

「ほらほら、見てください!この写真のリヴァイさん、格好良すぎます!…手帳に挟んでおこうかな。」

「…やめろ。俺の写真より、ナマエ、お前の写真を見せろ。これなんかいいじゃねぇか。ドレスがよく似合っている。」


つい先日結婚式を終えた私達は、現像された式の写真に夢中だ。(主に私が。)本当に幸せな一日だった。沢山の人に祝福される中、私達は生涯共に添い遂げると誓い合った。ここまでの苦しみや悲しみは、この日を迎えるためのものだったに違いない、そう思えるほどに幸せだった。


「この写真も、これも、ハンジさん泣いてますね。」

「あいつは終始泣いていやがったじゃねぇか。そういえば、エルヴィンまで泣いたのは意外だったな。」

「この写真は、エレンが泣いてますね。」

「こいつは悔し泣きだろ。」

「えぇ?!違いますよ!」

そう、私達の結婚式に訪れてくれた人は、ほぼ全員泣いていた。勿論、悲しさからくるものではないだろう。ハンジさんなんて、「自分のことみたいに嬉しいよ。」と言ってくれた。その言葉に私が涙したのは、言うまでもない。


「皆泣きすぎです。」

「そういうお前もずっと泣いてたがな。」


全くその通り、私も終始泣いていた。悲しくなんてないのに、涙が止まらなかったのだ。人は悲しくても泣くけれど、幸せでも涙が止まらなくなるのだと知った。そう言う彼が、式が始まる前、控室で準備を終えた私の姿を見て涙したのは秘密だ。私は初めて、彼が泣くのを見た。驚いて彼に近寄り涙を拭えば、自分が泣いていることに気が付いていなかったのか、彼も驚いたように、自身の涙に触れていた。彼の涙の理由を私は知らない。けれど、その涙はとても温かく感じて、つられて私も泣いてしまった。


「ナマエ、何故今泣いている。」

「あれ、なんか思い出したら…。」

「もう泣くな。」


そう言って優しく抱きしめてくれる彼のこの温もりを、もう二度と失いたくない。私の瞼に口付けてくれる、この温もりも。彼の唇は私の瞼から頬へと伝い、唇へと下りてきた。


「なあ、ナマエ。お前は今、幸せか。」


唇を離してすぐ、額と額がつくほどの近さで問いかけるリヴァイさん。勿論、答えは決まっている。


「幸せです、本当に。これから二人で、もっと幸せになりましょうね。」

「あぁ、そうだな。」


二人で笑い合って、また唇を重ねる。なんて美しい世界なのだろう。この先、どんな未来が待っていようと、彼がいるなら幸せに違いない。心からそう思えた。
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