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ジョーイさんに連れて来られたテイは元気そうだった。

「テイ!」

駆けてきたテイを膝立ちで受け止めて、ぎゅうと抱き締める。テイの頭に頬を押し付けてぐりぐりすると、くすぐったそうに身をよじった。
チカとニイも、一日ぶりのテイにはしゃいだ様子で、テイの頭を叩いたり抱きついたりしている。

「ジョーイさん、ありがとうございました」
「いいえ。良かったですね」
「はい。いろいろとご迷惑をおかけしました」

ぺこりと頭をさげる。いいえ、と微笑むジョーイさんに何度も頭を下げ、別れた後に三匹を引きつれて約束していた食堂へ直行した。朝の食事時間を外れているため、人は疎らだ。
昨日と同じようにレプリカなどをメニュー代わりに見て、食べる料理を決めようと、カウンター横に近づいた。まずはテイが選ぶ番だと小さな体を持ち上げる。

「どれがいい?何でも選んでいいよ」

嬉しそうに鳴いたテイは興味津々に大きな目をキョロキョロさせて、様々な料理を何往復も見た。それから、しばらく悩んだ後にひとつを指さした。

「ぴっ!」
「カラフルミックス?しかも山盛りのやつじゃない。テイ、こんなに食べれる?一応病み上がりでしょ?」
「ピッチュー」

テイが選んだのは様々なポフィンとポロックの山盛りだった。甘いもの好きなテイにはぴったりの物だけど、一応一泊とはいえ入院した病み上がりだ。大丈夫なのかと聞いてみると、テイはもちろんと胸を張った。
まあ、もし食べきれなかったとしても、ニイがどうにかしてくれるだろう。注文が決まったテイを降ろして、次にニイを抱き上げる。

「ニイは?」
「ピチュー!」

ニイが選んだのは昨日のやつの特盛りバージョン。電気タイプフーズセットが大層お気に召したらしい。

「オッケー、次はチカ」

ニイを降ろしてチカをだっこ。
前の二匹が決める間に考えていたらしく、すぐさま電気タイプフーズのひんやりセットを選んだ。フーズにアイスが付いてくるらしい。
一番にメニューを決めたテイが早速どこかへ行こうとしているのを見つけて、床に降ろしたチカに見張っておいてと頼んだ。例え騒ぎを起こして病院に行くほどのことがあっても、彼のやんちゃっぷりは治らないようだ。
チカにむんずとしっぽを掴まれたテイを横目に、自分の朝食はご飯と味噌汁の和風セットに決定。もしかしたらまともなご飯はこれで最後かもしれない、と考えると迷って迷って仕方なかったが、森にいてもパンはチカ達が持ってきてくれるのだ。ならここは米を選ぶべきだろう。お米万歳、和食万歳!
よじ登ってきたニイを肩に乗せ、くるりと振り向く。

「ほら、行くよー。テイ、ちゃんと付いて来ないと私が全部もらっちゃうけどいいのかな?」

ポケモンのご飯を人間が食べれるのか知らないが、元の世界の常識でいくと無理だ。ポフィンやポロックなら食べられそうな気がするけど、人間が食べるものじゃないなら変な目で見られてしまう。ポフィンはゲーム知識から思うに、木の実を茹でて固めるものみたいだから食べても大丈夫だと思うけれど。……やっぱり一口もらってみようかな。

「ピッ!?ピチュー!」

慌てて方向転換し、傍に駆け寄ってくるテイの後ろで、チカはやれやれと肩をすくめた。






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