06



「食いしん坊だねぇ、君は」

次々と木の実を頬張っていくピチューを見て思わず呟いた。隣にいるピカチュウも食べかけの木の実を持って頷くが、特段驚いた様子はない。今まで他の誰もそれに触れなかったってことから思うに、この光景は皆見慣れているということらしい。八個めの木の実に手をのばしたピチューを見て、どう考えても体の体積よりも多い木の実を摂取しているのに、どうしてまだ食べられるんだろうと真剣に考えた私は普通だと主張したい。
ぱくんと最後の一口を食べ終えたピカチュウが、ちょんと服の裾を引っ張ってきた。

「ピカチュ」
「ん?なに?」

ちょいちょいと服を引いて向こうを指差す。あっちに行こうってことだと思っていいのかな。

「ライチュー?」
「ピカ」
「ライライ」

ふとライチュウが発した声に反応したピカチュウはこくんと頷いた。返事を聞いたライチュウはふむふむといった風に首を動かす。そして何故かピチュー兄弟が目を輝かせてはいはい!と挙手した。

「ピチュピチュ!」
「ピチュー!」
「ピカ。ピカチュウ」

ピカチュウの返事を聞いてピチュー二匹は食べかけの木の実を口に詰め込み、タタッと駆け寄って来てピカチュウと一緒にぐいぐいと服の裾を引っ張ってくる。

「…あっちに行く?」
「ピッチュ!」

三匹は揃って頷いた。

「じゃあ行こっか」

そう言って立ち上がると彼らは顔を輝かせる。突然ピチューが飛び付いてきたのを咄嗟に受け止めると、もう一匹も飛び込んできた。慌てて落とさないようにしっかりキャッチする。後に来たピチューは肩に乗って、残ったピカチュウは少し走って立ち止まりこっちを振り返った。そして早く行こうと言うかのように一声鳴く。
ゆるゆる緩む口元をそのままにピカチュウのもとへ駆け寄った。

「ライチュー」

後ろから聞こえた声に振り向くと、まだ食事中のライチュウとピカチュウ達が手を振っていた。

「ピカピィカチュウ」
「ピチュー!」
「ピッチュー!」

手を振り返すピチュー達と一緒に、小さく手を振る。そして先を歩いて行くピカチュウと、楽しそうににこにこしているピチュー達と共に森の中に入って行った。






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