こんにちは異世界06

「えーとWも、う、り、こ、ご、ろ、うWっと…」

 先程聞いた名前をネット検索に掛けてみると、驚く事にすぐにヒットした。困ったらネット検索、これ絶対。

「なになに…眠りの小五郎?へえ、難事件も難なく解決か…。凄い人なんだなぁ」

 写真を見ると、ちょび髭の30代後半くらいの男性が鼻高々に笑っているのが窺えた。しかし秋良は全く知らない人だった。有名な探偵だということは分かったが、今まで毛利小五郎なんて名前聞いたことも見たこともない。その界隈では有名というだけなのか…。

「それにしても、安室さんはこの人の弟子をしているという訳か…」

 なるほど。確かにネットでも大々的に取り上げられるくらい有名な探偵の下になら弟子入りしても可笑しくはない。探偵助手というくらいだから、この人に付いて回っていつも忙しいのかもしれない。

「で、確かその毛利探偵事務所の下のポアロって所でバイトしてるって言ってたっけ」

 ついでにポアロも検索かけてみると、食べログにW喫茶店ポアロWの文字を見付けた。ふむふむ、見た感じ雰囲気の良さそうな喫茶店だ。しかも食べログ評価もそこそこ良い。ちらっとコメント欄を見てみると、コーヒーが美味しいという感想の他に、店員さんがイケメンって文字を多数見掛けた。…うーん、もしかしなくても安室さんの事かな?

「それじゃあ普段はポアロでバイトして、事件があれば探偵として活動してるって事か」

 確かに割と忙しそうだ。でも、ひとつ疑問が残る。

「んーでも高級車に乗れるほど給料良いのかなぁ…」

 探偵がどのようなものなのか全く想像もつかないが、喫茶店のバイトの給料なんてたかが知れている。余程実家がお金持ちとか、探偵業が実は高給取りじゃないとRX-7なんてスポーツカー乗れないのでは、と秋良は思った。

 実際、秋良はその安室さんがRX-7を運転してるところを見たことはないが、先生は見たと言っているし間違いではないのだろう。記憶力だけは人一倍ある人だ。この顔で、今日だれもこの安室透が偽物と気付かなかったという事は本当にそっくりさんなのだろう。先生の恐ろしい記憶力に鳥肌が立った。天才怖い…。

「しかしRX-7か…。いいなー乗ってみたい。凄いスピード出るんだろうなぁ。…でもその車に乗りたいがために他にも仕事掛け持ちしてるとかだったら面白いな」

 なーんてまさかね、と笑っていた秋良だったが、理由は違うが本業が別にあるという事はこの時はまだ知る由もなかった…。


 

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